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光触媒組成物及び光触媒組成物の製造方法 外国出願あり

国内特許コード P140011063
整理番号 P10-017R
掲載日 2014年10月30日
出願番号 特願2012-517171
登録番号 特許第5696334号
出願日 平成23年2月23日(2011.2.23)
登録日 平成27年2月20日(2015.2.20)
国際出願番号 JP2011053946
国際公開番号 WO2011148683
国際出願日 平成23年2月23日(2011.2.23)
国際公開日 平成23年12月1日(2011.12.1)
優先権データ
  • 特願2010-121956 (2010.5.27) JP
発明者
  • 入江 寛
  • 佐藤 哲也
  • 橘田 太樹
出願人
  • 国立大学法人山梨大学
発明の名称 光触媒組成物及び光触媒組成物の製造方法 外国出願あり
発明の概要 酸化還元剤も、犠牲剤も使用することなく可視光線を吸収して水を酸素と水素に分解である光触媒組成物及び光触媒組成物の製造方法を提供する。
伝導帯の下端が0Vよりも負の電位をもつ物質であり、かつ、3.0eV以下のバンドギャップエネルギーを持つ物質で構成された、光が照射されることにより水を分解して水素を発生させる水素発生光触媒と、対標準水素電極電位において価電子帯の上端が1.23Vよりも正の電位をもつ物質であり、かつ、3.0eV以下のバンドギャップエネルギーを持つ物質で構成された、光が照射されることにより水を分解して酸素を発生させる酸素発生光触媒と、を接合して構成され、対標準水素電極電位で比較すると、前記酸素発生光触媒のフェルミ準位よりも前記水素発生光触媒のフェルミ準位のほうが負側もしくは同等である光触媒組成物。
従来技術、競合技術の概要



人口増加による世界のエネルギー消費量は年々増加しており、人類の生活はエネルギー資源なしでは成り立たない。現在主力のエネルギー源として石油、天然ガス、石炭などの化石燃料が使用されており、これらを利用した内燃機関は工業的利用や広く一般へ普及されている。しかしながら、その依存度の高さ故に、人類は大気汚染や地球温暖化などの環境問題、化石燃料の枯渇によるエネルギー問題など様々な問題に直面している。





有限の資源であり近い将来枯渇することが懸念されている石油に関しては、我が国では国内消費量全体の99.7%を輸入に頼っており、さらにそのうち90%以上を中東地域からの輸入に依存している。中東地域が政治的に不安定であることも考慮するとエネルギーの安定供給や持続的な経済発展という観点から石油依存への認識を改める必要がある。





一方、太陽光エネルギーは無限に降り注ぐエネルギーであるため、化石燃料の代替エネルギーとして注目されている。太陽光エネルギーの大気上層部での強度は太陽定数と呼ばれ、年間を通してほぼ一定の1.40 kW/m2である。地球全体に毎時入射する太陽光エネルギーはこれと地球の断面積との積である1.73×1017W、年間では5.5×1024 Jとなる。大気層において吸収反射により約半分のエネルギーが失われることを加味しても、1時間あたりに地表に到達する太陽エネルギーは人類が1年間に消費するエネルギー総量を十分に上回る。





また、クリーンなエネルギー源として水素が注目されている。例えば、燃料電池においては燃料として水素と酸素を使用し、生成物は水のみである。化石燃料の燃焼時に見られるCO2などの環境負荷物質を生成しないという点で水素エネルギーの利用は環境問題に対応するエネルギーシステムである。





現在の主な水素製造方法は、化石燃料使用によるものと非化石資源使用によるものに大別できる。非化石燃料を使用するものに関しては、実証レベルでバイオマス転換法や熱化学分解の技術開発が進んでいる。化石燃料を使用するものに関しては、水蒸気改質法、部分酸化法、自己熱改質法などがある。この中でも天然ガスの水蒸気改質は世界的に広く実用化されており、全水素生産の約50%を占めている。しかし、化石燃焼利用の水素製造法は、副生成物のCO2を排出するという問題がある。





CnHm + n H2O → n CO + (m/2 + n) H2

CO + H2O → CO2 + H2

光触媒は太陽光エネルギーを化学エネルギーに変換する触媒である。1972年Natureにて陽極に酸化チタンを、陰極に白金を用いた電気化学セルにおいて、酸化チタン電極へ紫外線を照射することにより水分解反応が起こり、酸化チタン電極から酸素が白金電極から水素が発生する現象が報告された。この現象は発見者の名前をとって本多-藤嶋効果と呼ばれている。この反応系では白金極へ0.5 Vほどのバイアス電圧を印加しているが、水の電気分解に必要な電位差1.23 Vより十分に低いことから水分解反応には光子エネルギーが使われていることがわかる。





このように、光触媒を用いて太陽光と水から直接水素を製造できれば、上述の環境問題やエネルギー問題を解決するための究極のクリーンエネルギーシステムとなる。





しかしながら、太陽光スペクトル中で、波長380nm以下の紫外光は、太陽光線中にわずか3%しか含まれておらず、紫外光領域しか使用しない光触媒では、太陽光の使用効率が極めて悪いものであった。





そこで、近年、太陽光スペクトル全体の40%以上を占める波長400nm~760nmの可視光領域を使用して水を分解できる光触媒の研究開発が行われている。例えば、特許文献1に記載された光触媒は、助触媒なしにおいてもより活性な水素生成反応を示し、長波長の可視光で水分解活性を有するZnSを用いた光触媒を提供することを目的として、(ZnS)1-Y(CuX)(ここでYは0.01≦Y≦0.2であり、Xはハロゲン元素である)の組成の太陽光照射下で還元剤を含む水溶液の光水分解により水素を生成する活性を有する固溶体からなることを特徴にしている。これにより、硫黄化合物を犠牲薬とする水素生成光触媒活性の高い光触媒が得られるとしている。





また、Zスキームと呼ばれる2段階励起を利用した光触媒が知られている。これは、可視光線により水を分解して酸素を発生させる酸素発生触媒と、可視光線により水を分解して水素を発生させる水素発生触媒と、酸化還元媒体と、を組み合わせた触媒である。これにより、酸素発生触媒で水の還元に寄与しない電子が、酸化還元媒体を還元し、この還元された酸化還元媒体は、水素発生触媒で水の酸化に寄与しない正孔により酸化されて還元される前の酸化還元媒体に戻る、というサイクルを繰り返すことにより、水の完全分解(水素:酸素=2:1(量論比))が出来るとしている。このようなZスキームについては、例えば、非特許文献1に記載されている。

産業上の利用分野



本発明は、光エネルギーにより水を分解して酸素と水素を発生させる光触媒組成物及び光触媒組成物の製造方法に関し、特に可視光線または可視光線よりも波長の長い光のエネルギーにより水を分解して酸素と水素とを発生させる光触媒組成物及び光触媒組成物の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
対標準水素電極電位において伝導帯の下端が0Vよりも負の電位をもつ物質であり、かつ、3.0eV以下のバンドギャップエネルギーを持つ物質で構成された、光が照射されることにより水を分解して水素を発生させる水素発生光触媒と、
対標準水素電極電位において価電子帯の上端が1.23Vよりも正の電位をもつ物質であり、かつ、3.0eV以下のバンドギャップエネルギーを持つ物質で構成された、光が照射されることにより水を分解して酸素を発生させる酸素発生光触媒と、
を接合して構成され、
対標準水素電極電位で比較すると、前記酸素発生光触媒のフェルミ準位よりも前記水素発生光触媒のフェルミ準位のほうが負側もしくは同等である光触媒組成物。

【請求項2】
前記水素発生光触媒が、i型Siまたはn型Siであり、前記酸素発生光触媒がWOである、
請求項1に記載の光触媒組成物。

【請求項3】
請求項1または2の光触媒組成物の製造方法であって、
前記水素発生光触媒と、前記酸素発生光触媒とをボールミルで混合する工程を備えた、
光触媒組成物の製造方法。

【請求項4】
可視光線または可視光線よりも波長の短い光を吸収して水を分解し、酸素を発生させる酸素発生光触媒と、
可視光線または可視光線よりも波長の短い光を吸収して水を分解し、水素を発生させる水素発生光触媒と、
を接合して構成され、
対標準水素電極電位で比較すると、前記酸素発生光触媒のフェルミ準位よりも前記水素発生光触媒のフェルミ準位のほうが負側もしくは同等である、
光触媒組成物。
産業区分
  • 処理操作
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012517171thum.jpg
出願権利状態 登録
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