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圧電発振回路

国内特許コード P140011073
整理番号 P12-032,S2013-0353-N0
掲載日 2014年10月30日
出願番号 特願2012-286439
公開番号 特開2014-131092
登録番号 特許第6191049号
出願日 平成24年12月28日(2012.12.28)
公開日 平成26年7月10日(2014.7.10)
登録日 平成29年8月18日(2017.8.18)
発明者
  • 佐藤 富雄
  • 秋津 哲也
出願人
  • 国立大学法人山梨大学
発明の名称 圧電発振回路
発明の概要 【課題】現在、高速データ通信・表面ピエゾ電気計測等で使用される圧電発振回路及び発振器では、通常1つの圧電振動子より1つの周波数信号を得る。しかしながら一般に1つの圧電振動子には複数の振動モードが存在する。通常必要とする振動モード以外を不要モードとし発振を阻止する回路を設けるが、使用状況においては重要な信号として扱うことができる。
【解決手段】1個の圧電振動子上に1対の電極構造を設け、圧電起電力による振動状態の検出を行う部分と、フィードバックを備えた電子増幅回路によって構成された複数の発振回路を備え、発振周波数が圧電振動子の形状ならびに圧電特性によって規定される複数のモードを定常発振させる圧電振動回路を提供する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



現在、高速データ通信・表面ピエゾ電気計測等で使用される圧電発振回路及び発振器では、通常1つの圧電振動子より1つの周波数信号を得る。しかしながら一般に1つの圧電振動子には複数の振動モードが存在する。通常必要とする振動モード以外を不要モードとし発振を阻止する回路を設けるが、使用状況においては重要な信号として扱うことができる。





例えば、圧電振動子を用いた発振回路で振動子の電極面上の質量変化を周波数変化として高精度に測定するセンサーシステム、即ち水晶共振器μ天秤(QCM,Quartz Crystal Microbalance)では質量変化に伴い振動子の温度変化を発生する場合がある。振動子の発振周波数は温度によっても変化するため、測定周波数に温度による周波数変化量を補正する必要がある。高精度な測定をするためには質量測定とともに同時に温度測定を行う必要がある。





水晶結晶のX軸に平行でX軸の廻りにZ軸から35°15′回転したカット面を持ち振動子としたものをAT-カット振動子という。高い安定度を得ることができることから現在最も多用されているが、温度変化に対して急激な周波数変化を伴う等のストレスに弱いという弱点がある。これに対してSCカット(Stress Compensated Cut)振動子は2重の軸回転によって規定されるカット面で切りだされた振動子であって、ストレスに対する改善を特徴とする。このモードのもう一つの特徴は複数の振動モードを持つことである。高い安定度を示す主振動のCモードに対して、不要振動の BモードがCモードの共振周波数より9%ほど高い周波数領域に存在し、さらにBモードの発振周波数近傍では多くの寄生共振を示す。もとよりBモードは不要共振であるため、標準的な利用方法としてはこのモードを阻止して主振動モードを発振させていたのであるが、この場合にも、周波数領域内で接近しているためBモードの阻止とCモードの選択的発振を同時に実現することは非常に困難であった。





Bモードは温度変化に対しほぼ線形の周波数変動を示すため、SC-カットのCモードとBモードの基本モードあるいはいくつかの高調波振動モードの周波数を連続発振によって同時測定できるならば、Cモードの高安定性とBモードの優れた温度特性による水晶基板温度の精密測定が可能となり、高安定発振回路としての温度制御あるいは表面センサーシステムとしてより多くの情報が得られるため有効に活用できる。しかしながら、複数モードの常時・安定な同時発振が従来技術では実現されていない課題であった。





複数の発振を得る方法としては「特許文献1」に示す様にスイッチにより切り替える方法があるが、本発明に提案する同時発振とは明らかに異なる。





また「特許文献2」に示す方法は振動子としては1つであるが、予め振動子に異なる2つの発振領域を用意し、2つの領域にそれぞれ発振回路を設け発振させるもので、本発明で提案する方法は、振動子に予め異なる発振領域設けておらず、1つの発振領域に必然的に、あるいは偶発的に発生する複数の振動モードに対して同時に発振させて周波数を得るもので明らかに異なる。





「特許文献3」に示す方法も水晶振動子としては1つであるが、Cモード、Bモードを得るためそれぞれ2つの水晶共振子を用意し、CモードとC/Bモードのビート信号をフィルタリングにより取り出すもので、本発明で提案する方法は水晶共振子等のフィルタリングを用いておらず明らかに異なる。





「特許文献4」に示す方法も水晶振動子としては1つであるが、発振回路はコルピッツ型を基本とするオーバートーン発振であり、C-モード、B-モードのオーバートーン周波数に対し周波数を分離し出力を得る方法を示している。更に相互の干渉を阻止するための帯域制限手段を用いている。本発明で提案する方法は特に帯域制限手段を使用していない。また基本となる発振回路は広い周波数帯域で負性抵抗が生じるコルピッツ型ではなく、コルピッツ型では不可能といえる発振周波数の狭帯域化を実現している。





「特許文献5」に示す方法は「非特許文献1」に示すものと同等と考えられる。





「非特許文献1」に示す様に同一モードの基本波とその3倍の高調波発振(オーバートーン)より振動子の温度を測定可能であることはすでに公知とされているが、発振回路及び発振条件は明確にされていない。

本発明では周波数帯域が隣接する領域にある異なる振動モードの同時励起を特徴としているため、明らかに異なる。

産業上の利用分野



高速データ通信等の基地局装置、ピエゾ電気表面測定器等の周波数の基準、移動体等の通信機、各種コンピューターのクロック源に使用される圧電発振回路及び発振器、また圧電振動子を用いるセンサー用発振回路及び発振器に適応する。

特許請求の範囲 【請求項1】
1つの圧電振動子と、
複数の発振回路と
を備え、
前記発振回路の各々は前記圧電振動子の圧電起電力を入力する入力部とフィードバックループを備えた電子増幅回路とを具備し、
複数の前記発振回路の前記入力部は、前記圧電振動子の同一端に接続され、
複数の前記発振回路は、前記圧電振動子が備えた互いに異なるモードにそれぞれに対応した発振周波数で定常発振する圧電振動回路であって、
前記圧電振動回路は、前記複数の発振回路として第1の発振回路と第2の発振回路の2つを備え、
前記第1、第2の発振回路の発振周波数の各々が前記圧電振動子の共振周波数の1つに一致するように設定されかつ前記設定した発振周波数において前記圧電振動子の電極間容量および寄生容量を含めて前記入力部から見た前記発振回路の合成等価抵抗の絶対値が前記第1、第2の発振回路ごとにそれぞれ最大となる極値をとる圧電振動回路。

【請求項2】
前記第1の発振回路は前記圧電振動子の主共振モードの基本波または高調波のいずれかで、前記第2の発振回路は前記圧電振動子の副共振モードの基本波または高調波のいずれかで、それぞれ同時に発振する請求項に記載の圧電振動回路。

【請求項3】
前記入力部から見た前記圧電振動子の等価容量、等価抵抗、等価インダクタンスをそれぞれ、R、L
前記圧電振動子の電極間容量および寄生容量を含めて前記入力部から見た前記発振回路の合成等価容量および合成等価抵抗をそれぞれCcci、Rcci、
前記発振回路の発振周波数をω、とした場合、






の関係を前記第1、第2の発振回路それぞれが備えることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の圧電振動回路。

【請求項4】
前記第1の発振回路に設定された発振周波数での前記第1の発振回路の前記合成等価抵抗の絶対値の極値と、前記第2の発振回路に設定された発振周波数での前記第2の発振回路の前記合成等価抵抗の絶対値の極値とが略一致する請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電振動回路。

【請求項5】
前記第1の発振回路は前記圧電振動子の基本波共振モードで、前記第2の発振回路は前記圧電振動子の高次高調波共振モードでそれぞれ同時に発振する請求項1乃至4のいずれかに記載の圧電振動回路。

【請求項6】
前記発振回路の各々は、対応する前記発振周波数において、負性抵抗を有する請求項1乃至5のいずれかに記載の圧電振動回路

【請求項7】
前記圧電振動子が水晶振動子である請求項1乃至6のいずれかに記載の圧電振動回路。

【請求項8】
前記水晶振動子は、SCカット振動子である請求項に記載の圧電振動回路。

【請求項9】
前記入力部は前記圧電振動子の圧電起電力を容量を介して入力する請求項1乃至8のいずれかに記載の圧電振動回路。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012286439thum.jpg
出願権利状態 登録
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