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光学材料の非線形吸収測定方法 コモンズ

国内特許コード P140011105
整理番号 2010-15
掲載日 2014年11月11日
出願番号 特願2011-049299
公開番号 特開2012-185081
登録番号 特許第5673948号
出願日 平成23年3月7日(2011.3.7)
公開日 平成24年9月27日(2012.9.27)
登録日 平成27年1月9日(2015.1.9)
発明者
  • 神村 共住
  • 原田 義之
出願人
  • 学校法人常翔学園
発明の名称 光学材料の非線形吸収測定方法 コモンズ
発明の概要 【課題】蛍光発光を伴う光学材料について、厚さ方向における蛍光発光の影響を取り除いて2光子吸収を測定し、光学材料のレーザー損傷耐性を評価することができる方法を提供する。
【解決手段】光学材料内部の測定領域における2光子吸収係数を測定する方法であって、[1]材料表面からの深さの異なる少なくとも2つの測定領域に各々焦点を合わせたパルスレーザー光を、入射光強度を順次変化させながら照射して焦点位置において2光子吸収を生じさせ、2光子吸収が生じたときの、透過率と蛍光発光の総発光量とを各入射光強度について各々測定する測定ステップと、[2]各入射光強度に対し、測定した透過率を各々測定値に基づいて補正する透過率補正ステップと、[3]入射光強度の変化に対する前記補正後の透過率の変化に基づいて測定領域における2光子吸収係数を求める2光子吸収係数演算ステップとを含むことを特徴とする2光子吸収係数測定方法。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要



レーザー光を用いたレーザーシステムは、情報通信、超微細加工、医療等の幅広い産業分野で利用されている。レーザーシステムにおいて、レーザー光の波長変換、集光、反射および増幅素子の構成要素として光学結晶等の光学材料が用いられているが、それらの光学材料は高エネルギー密度のレーザー光にさらされるため、光学材料の良否がシステムの性能や信頼性を左右する。





これらのシステムに用いられる光学材料としては、主にレンズ、ミラー基板、窓材等に用いる石英に代表されるガラス材料、主にレーザー発振に用いるNd:YAG、Yb:YAG等の単結晶材料、主に波長変換に用いるCLBO(CsLiB10)、LBO(Li)、BBO(BaB)、KTP(KTiOPO)等の単結晶材料、主にレンズに用いるCaF、MgF等の単結晶材料、主に窓材として用いる透光性セラミックスなどが挙げられる。これらの光学材料は製造方法や使用原料によって得られる品質が異なるので、いかにして品質評価・品質保証を行うかが重要となる。特に、レーザー損傷耐性の評価は極めて重要である。





そこで、本発明者らは、光学材料のレーザー損傷耐性を非破壊かつ非接触で評価する方法を開発した(特許文献1および2)。この方法は、パルスレーザー光を光学材料に照射して、光学材料内部の多数の位置において2光子吸収係数に起因する透過率低下を測定し、その結果に基づいて光学材料内部の各領域におけるレーザー損傷耐性を評価するものである。これらの成果を応用することで光学材料のレーザー損傷耐性を非破壊で3次元イメージング可能な技術が実証可能となった。

産業上の利用分野



本発明は、蛍光発光を伴う光学材料の非線形吸収(2光子吸収)を測定する方法に関し、特に、厚みを有する光学材料において、光学材料の厚さ方向における蛍光発光の寄与を補正することによって、2光子吸収係数を精度良く測定する方法に関する。本発明は更に、蛍光発光を伴う光学材料のレーザー損傷耐性を評価する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
厚さがLである光学材料内部にある測定領域における2光子吸収係数を測定する方法であって、
[1]光学材料表面からの深さの異なる少なくとも2つの測定領域のそれぞれについて、各測定領域にある各測定箇所に焦点を合わせたパルスレーザー光を照射して、各焦点位置において入射光強度を順次変化させながら2光子吸収を生じさせ、
(i)前記少なくとも2つの測定領域のうちの光学材料表面に近い一方の測定領域において2光子吸収が生じたときの、光学材料表面から該一方の測定領域までの領域で生じる蛍光発光の総発光量を、参照総発光量として各入射光強度についてそれぞれ測定し、
(ii)他方の測定領域において2光子吸収が生じたときの、透過率と光学材料表面から該他方の測定領域までの領域で生じる蛍光発光の総発光量とを各入射光強度についてそれぞれ測定する測定ステップと、
[2]各入射光強度に対して、前記他方の測定領域において測定した透過率をそれぞれ、各入射光強度における前記一方の測定領域で測定した参照総発光量と、前記他方の測定領域において測定した総発光量と、前記参照総発光量に対する前記総発光量の比とに基づいてそれぞれ補正する透過率補正ステップと、
[3]入射光強度の変化に対する前記補正後の透過率の変化と、前記光学材料の厚さLとに基づいて前記他方の測定領域における2光子吸収係数を求める2光子吸収係数演算ステップと、
を含むことを特徴とする、2光子吸収係数測定方法。

【請求項2】
前記一方の測定領域を、光学材料表面の近傍に設定する、請求項1に記載の2光子吸収係数測定方法。

【請求項3】
前記[1]測定ステップにおいて、
前記少なくとも2つの測定領域を結ぶ直線上にありかつ前記少なくとも2つの測定領域とは異なる深さにある少なくとも1つの第3測定領域に、当該第3測定領域にある測定箇所に焦点を合わせたパルスレーザー光を、前記少なくとも2つの測定領域と同様に入射光強度を順次変化させながら照射して、焦点位置においてそれぞれ2光子吸収を生じさせ、各入射光強度において、光学材料表面から該第3測定領域までの領域で生じる蛍光発光の総発光量を測定することを更に含み、
前記[2]透過率補正ステップにおいて、
前記各入射光強度において、それぞれ前記各測定領域の光学材料表面からの深さと各測定領域で測定した総発光量とに基づいて、一次以上の関数による近似直線または近似曲線を、その近似直線または近似曲線と測定した総発光量との距離が最小になるようにあてはめ、焦点深さがゼロであるときの前記近似直線または近似曲線上の外挿値を前記参照総発光量とし、それぞれの前記他方の測定領域光学材料表面からの深さにおける前記近似直線または近似曲線上の値を、あらためて光学材料表面から当該各測定領域までの総発光量として用いて、前記他方の測定領域において測定した透過率を補正する、請求項1または2に記載の2光子吸収係数測定方法。

【請求項4】
前記[1]測定ステップにおいて、前記一方の測定領域および前記第3測定領域について、透過率を各入射光強度に対してそれぞれ測定することを更に含み、
前記[2]透過率補正ステップにおいて、前記一方の測定領域および前記第3測定領域の光学材料表面からの深さにおける前記近似直線または近似曲線上の値を、光学材料表面から前記一方の測定領域および前記第3測定領域までの総発光量として、前記一方の測定領域および前記第3測定領域において測定した透過率を補正し、
前記[3]2光子吸収係数演算ステップにおいて、前記一方の測定領域および前記第3測定領域における2光子吸収係数を求める、請求項に記載の2光子吸収係数測定方法。

【請求項5】
前記関数は、2次以上の関数である、請求項またはに記載の2光子吸収係数測定方法。

【請求項6】
請求項のいずれか1項に記載の2光子吸収係数測定方法を、前記直線と平行でかつ前記直線とは異なる1またはそれ以上の直線について繰り返すことを含む、2光子吸収係数測定方法。

【請求項7】
請求項のいずれか1項に記載の方法によって得られた2光子吸収係数の値を、各測定領域の位置情報と関連付けて記憶することと、2光子吸収係数とレーザー損傷耐性との相関関係を記憶したデータベースを参照して、各測定領域におけるレーザー損傷耐性を評価することを含む、レーザー損傷耐性評価方法。

【請求項8】
均質でかつレーザー損傷耐性が既知である第1光学材料の複数の測定領域について、請求項のいずれか1項に記載の2光子吸収係数測定方法を用いて2光子吸収係数を求めることと、
前記2光子吸収係数を各測定領域の位置情報に関係づけてそれぞれ記憶することと、
前記第1光学材料と同一組成でかつ同一形状の第2光学材料の、前記複数の測定領域と同一位置の測定領域について、請求項のいずれか1項に記載の2光子吸収係数測定方法を用いて2光子吸収係数を求めることと、
前記第2光学材料の各測定領域について求められた2光子吸収係数をそれぞれ前記第1光学材料の対応する測定領域について求められた2光子吸収係数と比較することと、
前記比較結果および第1光学材料の各領域における2光子吸収係数とレーザー損傷耐性との相関関係を記憶したデータベースに基づいて、第2光学材料のレーザー損傷耐性を評価することを含むことを特徴とする、レーザー損傷耐性評価方法。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011049299thum.jpg
出願権利状態 登録


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