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醸造酒用タンパク質除去剤 コモンズ 実績あり

国内特許コード P140011110
掲載日 2014年11月12日
出願番号 特願2008-333949
公開番号 特開2010-154777
登録番号 特許第5506190号
出願日 平成20年12月26日(2008.12.26)
公開日 平成22年7月15日(2010.7.15)
登録日 平成26年3月28日(2014.3.28)
発明者
  • 近藤 徹弥
  • 加藤 丈雄
  • 児島 雅博
  • 伊藤 智之
  • 岩田 浩明
  • 徳永 友博
出願人
  • 愛知県
  • 盛田株式会社
発明の名称 醸造酒用タンパク質除去剤 コモンズ 実績あり
発明の概要 【課題】品質を劣化させることなく醸造酒(清酒原酒等)の中のタンパク質を迅速に吸着除去できる醸造酒用タンパク質除去剤を提供する。
【解決手段】ヒドロキシアパタイト類を原料とする醸造酒用タンパク質除去剤。該ヒドロキシアパタイト類はCa源とリン酸源とを反応させて調製するに際して、アルカリの代わりに炭酸アルカリ塩を加えることにより製造する。品質を劣化させることなく、清酒中のタンパク質を迅速に吸着除去させることができ、使用済みのタンパク質除去剤は、穏和な条件で吸着タンパク質を脱離させることができるので、除去剤を低コストに再生できるとともに、吸着したタンパク質を回収して有効利用を図ることができる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



清酒では、その保存中にオリやオリに起因する白濁が発生して製品の評価を下げることがある。





原因として、タンパク質の凝集によるもの(白ぼけ:白濁)と、火落菌の生育によるもの(火落ち)がある。保存中のオリや白濁の発生を防ぐため、清酒等の醸造酒においては、「オリ下げ(オリ引き)」、「濾過助剤の添加による濾過」及び「火入れ(酵素失活や加熱殺菌)」の各工程を含んで、オリ(主成分はタンパク質)を除去することが行われてきた。





しかし、使用後の濾過助剤は産業廃棄物となり、また、火入れ工程は熱エネルギーを多大に消費する。このため、製造コストの増大につながるとともに、環境への負荷も少なくない。また、複数回の火入れや過度な火入れは、製品の品質劣化をもたらす。





また、非加熱タイプの生酒では、時間の経過とともに「甘ダレ」、「老香」を引き起こすことがある。酵素(タンパク質)の活性が残存しているためである。





このように、清酒中に存在するタンパク質は清酒の潜在的な品質劣化要因となる。このため、品質を劣化させずにタンパク質を除去できることが望ましい。





従来、非加熱でオリ(澱)形成タンパク質を除去する方法として、(1)プロテアーゼ、(2)限外ろ過膜、又は(3)タンパク質吸着剤(タンパク質除去剤)を用いる方法等が提案されている。しかし、それらの方法は、下記のような問題点がある。





(1)プロテアーゼを用いる方法では、処理に時間がかかる上に、タンパク質であるプロテアーゼを除去する工程が別途必要となる。





(2)限外ろ過膜を用いる方法は、分子の大きさにより分離するものである。





この方法では、a)時間経過とともに、ろ過膜が目詰まりしてろ過速度が低下する、b)タンパク質以外の低分子成分まで除去することがあって、清酒の品質を変化させてしまう。さらに、ろ過膜の設定排除分子量以上のタンパク質であっても、タンパク質の形状によってはろ過膜を素通りしてしまい、十分なタンパク質除去ができない。





(3)タンパク質吸着剤としては、シリカ、活性炭、粘土系セラミックスなどの無機多孔体がよく用いられている(特許文献1~3)。





これらの無機多孔体の場合、その細孔内に入るサイズのタンパク質類は吸着されるが、それより大きいタンパク質類は吸着除去できず、残存する。また分子間力に基づいた吸着原理(分子間力による物理的吸着)のため、タンパク質のような巨大分子の場合、吸着力が弱い。





このため、静電気による強い吸着力が期待できるヒドロキシアパタイト(HA:水酸化リン酸カルシウム)類をタンパク質除去剤の原料として使用することが考えられる。





しかし、HA類を、清酒等の醸造酒中のタンパク質除去に積極的に用いた例は寡聞にして知らない。





HA類は、中性付近のリン酸緩衝液中における特異的なタンパク質吸着特性が特徴であり、溶液pHが中性からはずれており且つ広範な分子量に亘る各種タンパク質を含む清酒のタンパク質除去には不適であるというのが、当業者常識であったためと推定される。





即ち、HA類は、主として、液体クロマトグラフィーの固定相として用いる等して、タンパク質の分離精製の分野で主として用いられてきたものである(特許文献4~7)。





なお、特許文献4の段落0008には、下記の如く記載されている。





「ハイドロアパタイトによる蛋白質類の分離機構は、・・・、イオンの電荷による吸着であるため、特定の蛋白質類に対し強度の吸着分離特性を有する。また、表面の吸着サイトの立体構造による選択性があるため、蛋白質類の表面の官能基の差異に対し敏感であり、蛋白質類の種類による吸着分離特性が良好となるなどの特性が期待される。」





また、特許文献5~7に記載されたHA類は、焼結体として使用することを予定している。焼結体として、強度が増大するとともに、特定の結晶粒が生長して特定タンパク質除去能が増大することが期待できるためである。

【特許文献1】

開2000-106863号公報(「オリ下げ方法」;特許請求の範囲等)

【特許文献2】

開平9-25114号公報(「濾過剤用シリカゲル」:特許請求の範囲等)

【特許文献3】

開平5-97421号公報(「ビール安定化処理用シリカゲルの製造法」;特許請求の範囲等)

【特許文献4】

開平9-169794号公報(「蛋白質類の分離方法」;特許請求の範囲等)

【特許文献5】

開平8-333387号公報(「タンパク質分離精製法」;特許請求の範囲等)

【特許文献6】

開2003-126248号公報(「血液浄化用吸着剤及びその製造法」;特許請求の範囲等)

【特許文献7】

開2005-313150公報(「リン酸カルシウム系吸着剤及びその製造法」;特許請求の範囲等)

産業上の利用分野



本発明は、醸造酒中のタンパク質の吸着除去処理に使用される新規なタンパク質除去剤及びそれを簡易に製造できるタンパク質除去剤の製造方法に関する。さらに詳しくは、品質を劣化させずに清酒等の醸造酒のオリ(澱・滓)形成タンパク質や品質劣化に関与する酵素タンパク質を除去することを目的とした、タンパク質吸着能に特に優れたタンパク質除去剤の新規な製造方法及び新規なタンパク質除去剤に係るものである。





ここでは、醸造酒として清酒を例に採り説明する。本発明のタンパク質除去剤は、他の醸造酒、例えば、ぶどう酒、ビール、紹興酒等にも適用できる。





なお、特許請求の範囲等における数値限定の各数値は、「約」を付していないが、本発明における効果をより確実に奏する範囲を規定するもので、臨界的ではなく概数である。

特許請求の範囲 【請求項1】
醸造酒中のタンパク質の吸着除去処理に使用されるタンパク質除去剤において、Ca源と、炭酸アルカリ塩(以下「C源」という。)を添加したリン酸源(以下「P源」という。)とを反応させて、アルカリ源を使用せずに得られるヒドロキシアパタイト(HA)類からなる又は該HA類を含む醸造酒用タンパク質除去剤において、
前記Ca源/P源(mol比)=10/2.5~10/12、かつ、前記Ca源/C源(mol比)=10/0.5~10/9とされるとともに、
前記HA類が、xの異なる各種のカルシウム欠損HA類(CDHA:calcium-deficient hydroxyapatite、Ca10-x(HPO4)x(PO4)6-x(OH)2-x(H2O))(但し、x>0)を含み、かつ、XRD測定のグラフ図のピーク形状がブロードである結晶化度が低いものとされて、
原酒に5質量%添加して、室温下で12h攪拌接触させた後の醸造酒中の相対タンパク質除去率(原酒比:Bradford法によるタンパク質定量に基づく)において、90%以上を示して、醸造酒に対して火入れ不要となる乃至火入れ回数を低減できるレベルのタンパク質除去能を有する
ことを特徴とする醸造酒用タンパク質除去剤。

【請求項2】
調製後pHがpH7未満pH4以上であって、前記原酒に5質量%添加して室温下で12h攪拌接触させた後の酸度低下量が酸度で0.5%未満を示すことを特徴とする請求項1記載の醸造酒用タンパク質除去剤。

【請求項3】
請求項1又は2記載のタンパク質除去剤を原酒に接触させて、該原酒中のタンパク質の吸着除去処理を行うタンパク質除去操作を経て醸造酒を製造することを特徴とする醸造酒の製造方法。

【請求項4】
請求項1又は2記載のタンパク質除去剤を原酒に接触させて、該原酒中のタンパク質の吸着除去処理を行うタンパク質除去操作を経て清酒を製造することを特徴とする清酒の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) 醸造酒用タンパク質除去剤
http://www.pref.aichi.jp/0000006310.html
※ 手続き等について、詳しくお知りになりたい方は「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


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