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RAGEとAGEの結合抑制剤のスクリーニング方法 コモンズ

国内特許コード P150011181
掲載日 2015年1月26日
出願番号 特願2012-535076
登録番号 特許第5904945号
出願日 平成23年9月22日(2011.9.22)
登録日 平成28年3月25日(2016.3.25)
国際出願番号 JP2011071669
国際公開番号 WO2012039469
国際出願日 平成23年9月22日(2011.9.22)
国際公開日 平成24年3月29日(2012.3.29)
優先権データ
  • 特願2010-214019 (2010.9.24) JP
発明者
  • 西堀 正洋
  • 森 秀治
  • 高橋 英夫
  • 和氣 秀徳
  • 劉 克約
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 RAGEとAGEの結合抑制剤のスクリーニング方法 コモンズ
発明の概要 β‐アミロイドペプチドの新規活性に着目したRAGEとAGEの結合抑制剤のスクリーニング方法を提供する。β‐アミロイドペプチドがRAGEとAGEの結合を高親和性に変化させることを初めて見出したことにより、β‐アミロイドペプチドのRAGEとAGEの結合親和性に及ぼす活性を阻害する候補化合物を選別することによる、RAGEとAGEの結合抑制剤のスクリーニング方法を提供する。本発明のスクリーニング方法により得られた結合抑制剤は、β‐アミロイドペプチドが関わるRAGEとAGEの結合により生じるあらゆる疾患や症状の治療剤として使用することができる。とりわけ、新規メカニズムに着目したアルツハイマー病治療薬の開発に貢献しうる。
従来技術、競合技術の概要



アルツハイマー病(Alzheimer's disease)は、進行性の認知機能障害をきたす神経性疾患であり、大脳の神経細胞の脱落のために発症すると考えられている。アルツハイマー病の成因については、現在β‐アミロイドペプチド学説が最も有力である。この学説は、アルツハイマー病脳では老人斑とよばれる変性蛋白沈着構造が多数見いだされ、老人斑の主要な構成成分として、β‐アミロイドペプチドが同定されていること、家族性アルツハイマー病の解析で見つかってきたアミロイド前駆体蛋白(Amyloid Precursor Protein: APP)とプレセニリン1/2(Presenillin 1/2)の変異が、β‐アミロイドぺプチドの産生増加に働くことがわかっていること、さらにβ‐アミロイドペプチドのオリゴマーあるいはβシート構造の重合体が神経毒性効果を有するとの知見に基づいている。





上記のような知見から、脳内β‐アミロイドペプチドの産生を抑制し、代謝を促進する薬物、抗β‐アミロイドペプチド抗体、β‐アミロイドペプチドのオリゴマー化・重合化阻害薬の開発が続けられている。例えば、β‐アミロイドペプチドの形成を阻害するアルツハイマー病治療用化合物(新規ジンセノシド化合物)について開示がある(特許文献1:特表2008-506686号公報)。アルツハイマー病と他のβ‐アミロイド蛋白原線維形成障害の治療のための低分子量ペプチドについて開示がある(特許文献2:特表2007-535494号公報)。アミロイド蛋白質の凝集を抑制する物質とその作用として、リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(L-PGDS)に着目した薬剤について開示がある(特許文献3:特開2007-284351号公報)。β‐アミロイドペプチド及びそれを用いたアルツハイマー病治療薬又は予防薬のスクリーニング方法について開示がある(特許文献4:特開2006-265189号公報)。また、アルツハイマー病治療薬のスクリーニング方法として、β‐アミロイド(1-40)の輸送活性を指標とするものについても開示がある(特許文献5:特許第4270976号公報)。その他、β‐アミロイドペプチドは、アミロイド前駆蛋白にβセクレターゼやγセクレターゼが作用して生成されることに着目したβセクレターゼ(BACE)阻害剤やγセクレターゼ阻害剤や、β‐アミロイドペプチドそのものを阻害する抗β‐アミロイドペプチド抗体の開発が進められている(図1参照)。しかしながら、そのような努力が鋭意なされているにも関わらず、有望な新薬候補は登場してきていない。





β‐アミロイドペプチドは、それ自身がオリゴマーあるいは重合体線維化物を形成し、ある種の受容体構造に働き、神経毒を発揮すると考えられている。この受容体のひとつとして挙げられるのが、RAGE(Receptor for advanced glycation endproducts)である。この受容体は、その名の通りAGE(advanced glycation endproducts)に対する受容体として同定されてきたが、β‐アミロイドペプチドもRAGEの生体内リガンドのひとつと考えられている(非特許文献1~3)。AGEは、還元糖と蛋白質との間の非酵素的糖化反応(メイラード反応ともいう)の後期段階で生成する構造体の総称である(図2参照)。AGE及びRAGEが、糖尿病血管合併症のみならず、動脈硬化症、腫瘍の増殖・転移・炎症反応やアルツハイマー病にも関与することが明らになってきている。また、RAGEとAGEの試験管結合実験系によるアッセイ方法(測定方法)についても報告されている(非特許文献4)。しかしながら、β‐アミロイドペプチドとRAGEとの関係において、アルツハイマー病にどのように関わっているかについては、十分に解明されているとは言えない。

産業上の利用分野



本発明は、β‐アミロイドペプチドの新規活性を利用したRAGEとAGEの結合抑制剤のスクリーニング方法に関する。より具体的には、β‐アミロイドペプチドの新規活性を利用したアルツハイマー病治療薬のスクリーニング方法に関する。





本出願は、参照によりここに援用されるところの日本出願、特願2010-214019号優先権を請求する。

特許請求の範囲 【請求項1】
RAGE(Receptor for advanced glycation endproducts)AGE(advanced glycation endproducts)の結合抑制剤のスクリーニング方法であって、
AGEのサブタイプが、AGE2、AGE3、AGE4及びAGE5であり、
RAGE、AGE及びβ‐アミロイドペプチドを含む検査系において、RAGEとAGE2、AGE3、AGE4及びAGE5から選択されるいずれか1種又は2種以上のAGEの結合を抑制しうる候補物質を選別することによるRAGEとAGEの結合抑制剤のスクリーニング方法。

【請求項2】
以下の工程を含む、請求項1に記載のRAGEとAGEの結合抑制剤のスクリーニング方法:
1)AGE2、AGE3、AGE4及びAGE5から選択されるいずれか1種又は2種以上のAGE化蛋白質を固定した固相を準備する工程;
2)候補物質を含む溶液を固相に加える工程;
3)β‐アミロイドペプチドを含む溶液を固相に加える工程;
4)sRAGEを含む溶液を固相に加える工程;
5)上記4)の工程の後、固相に固定したAGE化蛋白質に結合したsRAGEの量を測定してRAGEとAGEの結合親和性を測定し、RAGEとAGEの結合を抑制しうる候補物質を選別する工程。

【請求項3】
候補物質とβ‐アミロイドペプチドを反応させた後、RAGEとAGEの結合親和性を測定することを特徴とする、請求項1又は2に記載のRAGEとAGEの結合抑制剤のスクリーニング方法。

【請求項4】
β‐アミロイドペプチドが、以下の配列番号1に示すアミノ酸配列、又は配列番号1に示すアミノ酸配列のうちC末端側のアミノ酸が1~2個欠失又は付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドである、請求項1~3のいずれか1に記載のRAGEとAGEの結合抑制剤のスクリーニング方法:
DAEFRHDSGYEVHHQKLVFFAEDVGSNKGAIIGLMVGGVVIA(配列番号1)

【請求項5】
RAGEとAGEの結合抑制剤が、アルツハイマー病治療薬、糖尿病合併症治療薬、動脈硬化治療薬のいずれかである、請求項1~のいずれか1に記載のRAGEとAGEの結合抑制剤のスクリーニング方法。

【請求項6】
固相、AGE2、AGE3、AGE4及びAGE5から選択されるいずれか1種又は2種以上のAGE化蛋白質、β‐アミロイドペプチド、及びsRAGEを構成として含む、請求項1~5のいずれか1に記載のスクリーニング方法に使用するRAGEとAGEの結合抑制剤のスクリーニング用キット。

【請求項7】
請求項1~5のいずれか1に記載のRAGEとAGEの結合抑制剤のスクリーニング方法により選別され、以下の式(III)で示す化合物からなるRAGEとAGEの結合抑制剤。
【化3】


国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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