TOP > 国内特許検索 > ナノギャップ長を有する電極構造の作製方法、メッキ液及びナノデバイス

ナノギャップ長を有する電極構造の作製方法、メッキ液及びナノデバイス

国内特許コード P150011231
掲載日 2015年1月29日
出願番号 特願2013-503464
登録番号 特許第5942297号
出願日 平成24年2月28日(2012.2.28)
登録日 平成28年6月3日(2016.6.3)
国際出願番号 JP2012055002
国際公開番号 WO2012121067
国際出願日 平成24年2月28日(2012.2.28)
国際公開日 平成24年9月13日(2012.9.13)
優先権データ
  • 特願2011-050894 (2011.3.8) JP
発明者
  • 真島 豊
  • 寺西 利治
  • 村木 太郎
  • 田中 大介
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 ナノギャップ長を有する電極構造の作製方法、メッキ液及びナノデバイス
発明の概要 金属層2A,2Bが対にギャップを有して配置されている基板1を、金属イオンを含む電解液に還元剤及び界面活性剤を混合した無電解メッキ液に浸漬する。還元剤により金属イオンが還元されて金属が金属層2A,2Bに析出しつつ界面活性剤が金属の表面に付着してギャップの長さをナノメートルサイズに制御した電極4A、4Bの対を形成する。これにより、ギャップ長のバラツキを制御可能なナノギャップ長を有する電極構造の作製方法とこの作製方法を用いてギャップ長のバラツキを抑えたナノギャップ長を有する電極構造及びそれを備えたナノデバイスを提供する。
従来技術、競合技術の概要



今日の高度情報化社会は、CMOSの微細化に伴うVLSIの高集積化や、DRAM、NANDフラッシュメモリ等の半導体デバイスの急速な発展によって支えられている。集積密度の向上、即ち最小加工寸法の微細化によって電子機器の性能及び機能は向上してきた。しかし微細化に伴い、短チャネル効果、速度飽和、量子効果などの技術的な課題も顕著となる。





これらの問題を解決するために、マルチゲート構造、high-Kゲート絶縁膜などのように、微細化技術を限界まで追求していく研究が進められている。このようなトップダウンの微細化を進めていく研究とは別に、新たな視点で研究を進めている分野がある。その研究分野として、単電子エレクトロニクスや分子ナノエレクトロニクスが挙げられる。単電子エレクトロニクスの場合、単電子島となるナノ粒子を3端子の構造を持つ素子中に、二重トンネル接合を介して組み込むことでゲート変調を用いたデバイスとしての機能性を発現させるもので、電子を閉じ込める単電子島・二重トンネル接合による量子効果を利用した新しい研究分野である(非特許文献1)。また、分子ナノエレクトロニクスの場合は機能性分子を素子中に組み込むことで、デバイスとしての機能性を発現させるもので、分子サイズによる量子効果と分子固有の機能を利用したこれも新しい研究分野である(非特許文献2及び3)。量子効果の中で最も代表的なトンネル効果は、ポテンシャル障壁よりも低いエネルギーを持つ電子の波動関数が障壁の中に進入し、障壁の幅が狭ければ有限の確率で障壁をすり抜ける効果であり、デバイスの微細化によるリーク電流の原因の1つとして危惧されている現象である。単電子・分子ナノエレクトロニクスは、この量子効果をうまく制御することでデバイスとして機能させる研究分野であり、国際半導体ロードマップ(International Technology Roadmap for Semiconductors; ITRS)の2009年度版の新探求素子における要素技術の一つとしても紹介され注目を集めている(非特許文献4)。





また、ナノギャップの製造方法やこの方法により作製したナノギャップ電極は、トップダウン手法と組み合わせることにより、5nm以下のチャネル長を有するトランジスタなどトップダウン手法のみでは実現することが難しい素子を製造することを可能にする。





このようなデバイスを創製する上で、数ナノメートルスケールの単電子島・分子と電気的な接触が得られるような構造、所謂ナノギャップ電極を作製することは重要である。これまでに報告されてきたナノギャップ電極作製手法には、それぞれ課題がある。機械的ブレークジャンクション法(非特許文献5及び6)は機械的応力により細線を破断させる方法で、ピコメートルオーダーでの精度が可能であるが、集積化には向いていない。エレクトロマイグレーション法(非特許文献7及び8)は、比較的簡単な手法であるが、歩留まりが低く、断線時にナノギャップ間に金属微粒子が存在することが測定上の問題となることが多い。この他の手法においても、精度は良いが集積化に向かない、金のマイグレーションを防ぐために極低温が必要、プロセス時間が長いといった問題がある(非特許文献9乃至14)。





本発明者らは、高歩留まりのナノギャップ電極の作製手法として、ヨードチンキを用いた自己触媒型無電解金メッキ法について着目した。このメッキ手法では、これまでに本発明者らは、室温において簡便に高歩留まりで複数のギャップ長が5nm以下となるナノギャップ電極を作製する手法として示してきた(非特許文献15)。図28は、ヨードチンキを用いた自己触媒型無電解金メッキ法を用いてナノギャップ長が5nm以下となるようにしたときのナノギャップ長のバラツキを示す図である。図28の横軸はギャップ長(Gap Separation)nmであり、縦軸は個数である。この方法で得られるナノギャップ長の標準偏差は1.7nmである。

産業上の利用分野


本発明はナノギャップ長を有する電極構造の作製方法、メッキ液及びナノデバイスに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
金属層がギャップを有して対で配置されている基板を、金属イオンを含む電解液に還元剤及び界面活性剤が混入されてなる無電解メッキ液に浸漬することにより、上記還元剤により金属イオンが還元されて金属が上記金属層に析出しつつ上記界面活性剤が該金属の表面に付着してギャップの長さをナノメートルサイズに制御した電極対を形成する、ナノギャップ長を有する電極構造の作製方法。

【請求項2】
基板に金属層をギャップを有するように対で配置する第1ステップと、
上記金属層がギャップを有するように対で配置した基板を、金属イオンを含む電解液に還元剤及び界面活性剤が混入されてなる無電解メッキ液に浸漬することにより、上記還元剤により金属イオンが還元されて金属が上記金属層に析出しつつ上記界面活性剤が該金属の表面に付着してギャップの長さをナノメートルサイズに制御した電極対を形成する第2ステップと、
を含む、ナノギャップ長を有する電極構造の作製方法。

【請求項3】
前記界面活性剤は、前記ナノギャップに対応したアルキル鎖長を有する分子からなる、請求項1又は2に記載のナノギャップ長を有する電極構造の作製方法。

【請求項4】
前記界面活性剤によってギャップ長を制御する、請求項1又は2に記載のナノギャップ長を有する電極構造の作製方法。

【請求項5】
前記無電解メッキ液には塩酸、硫酸、酢酸の何れかが含まれる、請求項1又は2に記載のナノギャップ長を有する電極構造の作製方法。

【請求項6】
前記第1ステップでは、電子線リソグラフィー法又はフォトリソグラフィー法により前記金属層の対を形成する、請求項2に記載のナノギャップ長を有する電極構造の作製方法。

【請求項7】
前記第1ステップでは、電子線リソグラフィー法及びフォトリソグラフィー法の何れかとヨウ素無電解メッキ法とにより前記金属層の対を形成する、請求項2に記載のナノギャップ長を有する電極構造の作製方法。

【請求項8】
対となる金属層同士のギャップを狭めながら該金属層を成長させるためのメッキ液であり、
金属イオンを含む電解液と、上記金属イオンを還元する還元剤と、界面活性剤とを含み、
上記界面活性剤が上記金属層同士のギャップを制御する、メッキ液。

【請求項9】
前記還元剤がアスコルビン酸を含む、請求項に記載のメッキ液。

【請求項10】
さらに、塩酸、硝酸、硫酸その他の酸を含む、請求項又はに記載のメッキ液。

【請求項11】
前記界面活性剤が、
臭化アルキルトリメチルアンモニウム、
デカメトニウムブロミド、
DDAB(N,N,N,N’,N’,N’-ヘキサメチル-1,10-デカンジアンモニウムジブロミド)、
ヘキサメトニウムブロミド、N,N’-(1,20-イコサンジイル)ビス(トリメチルアミニウム)ジブロミド、
1,1’-(デカン-1,10-ジイル)ビス[4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン]ジブロミド、
塩化プロピルジトリメチルアンモニウム、
1,1’-ジメチル-4,4’-ビピリジニウムジクロリド、
1,1’-ジメチル-4,4’-ビピリジニウムジヨージド、
1,1’-ジエチル-4,4’-ビピリジニウムジブロミド、
1,1’-ジヘプチル-4,4’-ビピリジニウムジブロミドの何れかである、請求項又は10に記載のメッキ液。

【請求項12】
ナノギャップを有するように設けられた一方の電極と他方の電極と、
上記一方の電極と上記他方の電極との間に配置された金属ナノ粒子と、
上記金属ナノ粒子と上記一方の電極、上記金属ナノ粒子と上記他方の電極との間に介在する単分子膜と、
を備え、
上記金属ナノ粒子の保護基としてアルカンチオールと上記単分子膜を構成する単分子の欠損部との化学結合により、上記金属ナノ粒子が上記一方の電極、上記他方の電極と絶縁されて配置されている、ナノデバイス。

【請求項13】
ナノギャップを有するように設けられた一方の電極と他方の電極と、
上記一方の電極と上記他方の電極との間に配置された金属ナノ粒子と、
上記金属ナノ粒子と上記一方の電極、上記金属ナノ粒子と上記他方の電極との間に介在する単分子膜と、
を備え、
上記金属ナノ粒子は、上記一方の電極、上記他方の電極の少なくとも一方にアルカンジチオールにより吸着されている、ナノデバイス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2013503464thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close