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嵩高い水酸基含有化合物由来のエステルの製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P150011232
掲載日 2015年1月29日
出願番号 特願2013-503615
登録番号 特許第5968301号
出願日 平成24年3月8日(2012.3.8)
登録日 平成28年7月15日(2016.7.15)
国際出願番号 JP2012056015
国際公開番号 WO2012121350
国際出願日 平成24年3月8日(2012.3.8)
国際公開日 平成24年9月13日(2012.9.13)
優先権データ
  • 特願2011-052693 (2011.3.10) JP
発明者
  • 三好 徳和
  • 菊池 淳
  • 田嶋 孝裕
出願人
  • 国立大学法人徳島大学
発明の名称 嵩高い水酸基含有化合物由来のエステルの製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 本発明の課題は、上記(1)~(3)の欠点のない、嵩高い第三級アルコール由来のエステルの工業的に有利な製造方法を提供することである。本発明の他の課題は、嵩高い第三級アルコール由来のエステルを高収率で製造する方法を提供することである。
一般式(1)
【化1】



[式中、R、R及びRは、同一又は異なって、C1-20の飽和又は不飽和炭化水素基等を示す。]
で表される嵩高い第三級アルコール若しくは嵩高いフェノールに、金属ストロンチウム及びハロゲン化アルキルを反応させ、次いで生成する化合物に酸ハライド及び/又は酸無水物を反応させることにより、嵩高い第三級アルコール若しくは嵩高いフェノール由来のエステルを製造する方法。
従来技術、競合技術の概要



嵩高い水酸基含有化合物、例えば、嵩高い第三級アルコール由来のエステルは、電子材料等の機能性材料の合成に有用な化合物である。より具体的には、アダマンチル類のエステルは、種々の電子基板のレジスト剤として有用である(特許文献1)。





このような嵩高い第三級アルコール由来のエステルの合成は極めて難しく、そのため大量合成に適した製造方法は未だに見出されていない。





今日まで知られている第三級アルコール由来のエステルの合成方法としては、例えば、向山等による、縮合剤としてジ-2-ピリジルチオノカルバネートを用いる方法(非特許文献1)、リン化合物と酸化剤とを組み合わせた方法(非特許文献2)、石原等によるランタニウムイソプロポキシドを触媒とする方法(非特許文献3)等が知られている。しかしながら、これらの方法で用いられる原料アルコールは、いずれも比較的立体障害の少ないアルコールであり、汎用性に乏しく、工業的な製造方法であるとは言えない。





また、下記反応式-1に示す方法により、嵩高い第三級アルコール由来のエステルを製造する方法が検討されている。





【化1】








しかしながら、上記反応式-1に示す方法では、目的とする嵩高い第三級アルコール由来のエステルが低収率で得られるに過ぎない。





本発明者らは、嵩高い第三級アルコール由来のエステルを収率よく製造できる方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、下記反応式-2に示す方法により、嵩高い第三級アルコール由来のエステルを収率よく製造できることを見出した(非特許文献4)。





【化2】








反応式-2に示す方法は、出発原料として用いられるエステル(A)をジアルキル化し、次いで生成するストロンチウムアルコキシド(C)に対して2当量以上の塩化ベンゾイル(E)を数回に分けて反応させる方法である。この方法に従えば、嵩高い第三級アルコール由来のエステル(F)を82%程度の収率で製造することができる。





しかしながら、反応式-2に示す方法には、種々の欠点があり、嵩高い第三級アルコール由来のエステルの工業的に有利な製造方法であるとは言い難い。即ち、反応式-2に示す方法には、下記に示す種々の欠点がある。





(1)ストロンチウムアルコキシド(C)の他に、反応によりストロンチウムアルコキシド(D)が(C)と同当量副生するため、ストロンチウムアルコキシド(C)に対して塩化ベンゾイル(E)が2当量以上必要となり、それ故、反応材料の調達コスト及び未反応物の後処理の観点から、工業的に不利である。





(2)反応式-2に示す方法により生成する嵩高い第三級アルコール由来のエステル(F)と副生するエステル(G)とが、ほぼ同量含まれること、及び(F)と(G)とが同じエステルであるため物理的性質が非常に似ており、そのために再結晶やクロマトグラフ等の手法では、両者を単離するのが極めて困難であり、それ故、第三級アルコール由来のエステル(F)を高純度で製造できない。





(3)反応式-2に示す方法は、エステル(A)のジアルキル化を利用して嵩高い第三級アルコール由来のエステルを製造する方法であるため、生成物(F)のアルコール部位に制限があり、汎用性に乏しい。





また、第三級アルコール由来のエステルの製造方法として、特許文献2に示す方法が提案されている。この方法は、一般式(H)





【化3】








[式中、Zは非芳香族性若しくは芳香族性の単環又は多環を示す。R及びRは同一又は異なって、炭化水素基を示す。R及びRは互いに結合して隣接する炭素原子と共に脂環式環を形成してもよい。]

で表される第三級アルコールを出発原料として用い、グリニャール試薬又は有機リチウム試薬を用いて一般式(I)





【化4】








[式中、Rは炭化水素基又は複素環式基を示す。Z、R及びRは上記に同じ。]

を製造する方法である。





しかしながら、上記の方法では、嵩高い第三級アルコール由来のエステルを製造することができないことが、本発明者等の研究により明らかになった。特許文献2によれば、その実施例1~実施例6において、1-(1’-アダマンチル)-1-メチルエタノール由来のエステルが収率65.2~90.5%程度で製造されている。ところが、実施例1~6で製造されているエステルは上記一般式(I)においてR及びRが共にメチル基であり、それ故、これらの実施例で作られるエステルは嵩高い第三級アルコール由来のエステルではない。本発明者等は、これらR及びRが共にイソブチル基である嵩高い第三級アルコールを出発原料として用い、上記グリニャール試薬及び有機リチウム試薬を用いて嵩高い第三級アルコール由来のエステルの製造を試みたが、嵩高い第三級アルコール由来のエステルは低収率でしか製造できなかった(後記比較例1及び2参照)。また、この手法ではグリニャール試薬及び有機リチウム試薬は酸無水物又は酸ハライドと反応する等の副反応による副生成物が生成することも分かった。即ち、特許文献2の方法は嵩高い第三級アルコール由来のエステルを収率よくかつ選択的に製造できない欠点を有している。また、特許文献2の方法は、グリニャール試薬又は有機リチウム試薬を溶液の形態で使用しており、そのために一定の濃度以上に濃縮できないといった工業的に不利な点をも有している。

産業上の利用分野



本発明は、嵩高い水酸基含有化合物由来のエステルの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1)
【化1】


[式中、R、R及びRは、下記(i)~(iii)のいずれかを示す。
(i)R、R及びRは、同一又は異なって、C1-20の飽和又は不飽和炭化水素基を示す。ただし、R~Rのうち、少なくとも一つは、炭素数4以上の炭化水素基である。
(ii)R及びRは互いに結合して、これらが隣接する炭素原子と共に、C3-20の飽和又は不飽和炭化水素環を形成する。RはC1-20の飽和又は不飽和炭化水素基を示す。
(iii)R、R及びRはこれらが隣接する炭素原子と一緒になって、3-20のビシクロアルカン環又はC3-20ビシクロアルケン環を形成する。]
、若しくは一般式(8)
【化2】


[式中、R及びRは同一又は異なってC3-9の分枝鎖状炭化水素基を示す。RはC1-9アルキル基を示す。]
で表される嵩高い第三級アルコール若しくは嵩高いフェノールに、金属ストロンチウム及び一般式(2)
(2)
[式中、RはC1-9の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を示す。Xはハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化アルキルを反応させ、次いで生成する一般式(3)
【化3】


[式中、R、R、R及びXは前記に同じ。]
、若しくは一般式(9)
【化4】


[式中、R、R、R及びXは前記に同じ。]
で表される化合物に一般式(4)
COX (4)
[式中、RはC1-20の飽和又は不飽和炭化水素基を示す。Xはハロゲン原子を示す。]
で表される酸ハライド及び/又は一般式(5)
(RCO)O (5)
[式中、Rは前記に同じ。]
で表される酸無水物を反応させることにより、一般式(6)
【化5】


[式中、R、R、R及びRは前記に同じ。]
、若しくは一般式(10)
【化6】


[式中、R、R、R及びRは前記に同じ。]
で表される嵩高い第三級アルコール若しくは嵩高いフェノール由来のエステルを製造する方法。

【請求項2】
前記一般式(1)におけるR、R及びRが前記(i)を示す、請求項1に記載のエステルを製造する方法。

【請求項3】
前記(i)におけるR、R及びRで示されるC1-20の飽和又は不飽和炭化水素基が、置換基を有することのあるアリール基、置換基を有することのあるアリールC1-9アルキル基、置換基を有することのあるアリールC2-9アルケニル基、置換基を有することのあるアリールC2-9アルキニル基、C1-20の飽和若しくは不飽和脂肪族炭化水素基、又はC3-20の飽和若しくは不飽和脂環式炭化水素基である、請求項2に記載のエステルを製造する方法。

【請求項4】
前記一般式(1)におけるR及びRがそれぞれC3-9の分枝鎖状アルキル基である、請求項2又は3に記載のエステルを製造する方法。

【請求項5】
前記一般式(1)におけるRが置換基を有することのあるアリール基又は置換基を有することのあるアリールC1-9アルキル基である、請求項2~4のいずれかに記載のエステルを製造する方法。

【請求項6】
前記一般式(1)若しくは前記一般式(8)で表される嵩高い第三級アルコール若しくは嵩高いフェノール前記一般式(8)で表される嵩高いフェノールである、請求項1に記載のエステルを製造する方法。

【請求項7】
前記一般式(4)および(5)におけるRが置換基を有することのあるアリール基、置換基を有することのあるアリールC1-9アルキル基、置換基を有することのあるアリールC2-9アルケニル基、置換基を有することのあるアリールC2-9アルキニル基、C1-20の飽和若しくは不飽和脂肪族炭化水素基、又はC3-20の飽和若しくは不飽和脂環式炭化水素基である、請求項1~のいずれかに記載のエステルを製造する方法。

【請求項8】
前記RがC1-9アルキル基、アリールC1-9アルキル基、置換基を有することのあるアリール基又は置換基を有することのあるアリールC2-9アルケニル基である、請求項に記載のエステルを製造する方法。

【請求項9】
前記金属ストロンチウムの使用量が、前記一般式(1)若しくは前記一般式(8)で表される嵩高い第三級アルコール若しくは嵩高いフェノールに対して、1~2当量である、請求項1~のいずれかに記載のエステルを製造する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013503615thum.jpg
出願権利状態 登録


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