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撮像機能を有するカテーテルおよびそれを用いた血管内観察システム

国内特許コード P150011244
掲載日 2015年1月30日
出願番号 特願2013-507684
登録番号 特許第5736621号
出願日 平成24年3月28日(2012.3.28)
登録日 平成27年5月1日(2015.5.1)
国際出願番号 JP2012058197
国際公開番号 WO2012133562
国際出願日 平成24年3月28日(2012.3.28)
国際公開日 平成24年10月4日(2012.10.4)
優先権データ
  • 特願2011-080732 (2011.3.31) JP
発明者
  • 山越 憲一
  • 田中 志信
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 撮像機能を有するカテーテルおよびそれを用いた血管内観察システム
発明の概要 管状本体1の先端の外周縁部からさらに前方へと延びるようにフード2を設ける。管状本体には、流体送出用チャネル11と撮像用チャネル12と屈曲機構とを少なくとも設ける。フード2は、基本形状が円筒形または先端に向かって広がる中空の円錐台形であり、該フードの先端部は、斜めに切断した形状となっており、その先端面21には該フード内の空洞が開口している。該フードの先端部の外周縁の壁部のうちの最も先端側に位置するフード最先端部分22がフードの内側の方へ屈曲し、流体を滞留させるように作用する。
従来技術、競合技術の概要



生体内に挿入される種々の内視鏡(撮像機能を内部に含んだカテーテルをも含む)のなかでも、血管内に挿入される内視鏡には、観察対象部(血管内壁面など)を見ることができるようにすべく、先端部分にバルーンと呼ばれる血流遮断用の装置が設けられる場合がある(例えば、特許文献1、2など)。

バルーンは、通常、生理食塩水を血管内に注入するためのチャネルと共に用いられる。

図18に模式的に示すように、血管100内の観察部位の近傍でバルーン210を同図のように膨張させて血液400を遮断し、内視鏡200内のチャネルを通じて生理食塩水300を血管内に送り込むことによって、血管内の観察部位付近が生理食塩水で充填され、内視鏡200内の撮像用チャネルを通じて目視的な観察が可能になる。





一方、近年、生活習慣の変化や、高齢化などによって、心疾患患者が増加しており、それに伴って、血管内にカテーテル等の医療器具を挿入して行う治療(血管内手術)の要求も増加している。血管内手術は、血管内腔を目視し、病変の詳細な形状や色調を肉眼で観察しながら行うことができ、かつ、低侵襲であるという利点がある。





しかしながら、本願発明者等がバルーンによる血流遮断を伴う血管内手術を詳細に検討したところ、次の問題が存在することがわかった。

該問題とは、先ず、バルーンによる血流遮断を伴う血管内手術は、血管壁を目視可能とするために血液を生理食塩水にて置換しているが、その際に血流の上流側に設置したバルーンを拡張させ観察部への血液流入を防ぐ必要があるために、長時間の観察ができないという問題である。また、大動脈などの大血管では、バルーンを適用すると心臓(左心室)からの血流を遮断し全身への血液循環を停止させることになり、バルーンの適用が困難であり、よって、目視を伴う治療も困難であるという問題もある。





上記の問題を解決すべく、先ず、本発明者らは、図19(a)に示すように、内視鏡本体500の先端に円筒形のフード(hood、覆い)600を設け、該フードの先端開口部の形状を、該フードの円筒形の胴体を斜めに切断した形状とし、さらに、図19(b)に示すように、血管100の内部において、内視鏡本体500の先端部を屈曲させて、フード600で観察対象部を囲み、流体射出用チャネル510から透明流体(例えば、生理食塩水)310をフード内に噴射しながら、撮像チャネル520にて血管内壁の観察対象部を撮像し得るように構成した(以下、この内視鏡を「フード付き内視鏡」とも呼ぶ)。

このフード付き内視鏡によって、図19(b)に示すように、流体射出用チャネル510から透明流体(生理食塩水)310をフード内に噴射すれば、バルーンに比べて少ない噴射量であっても、観察対象部の周囲の不透明な流体(血液など)410を効果的に排除でき、該観察対象部の様子を視覚的に観察できるようになった。





しかしながら、本発明者らが、自ら提案した上記フード付き内視鏡の観察性能をより詳細に検証したところ、次のような改善すべき点が未だ存在することがわかった。

(イ)上記フード付き内視鏡は、血液などの不透明な流体が周囲からフード内に侵入しないように、該フードによって観察対象部を密閉的に覆うことが理想であるが、実際の内視鏡の操作では、図19(b)のようにぴったりとフードの開口部全周を観察対象部の周囲の壁面にうまく密着させるような操作は難しいので、フードの開口部が観察対象部の壁面から微量だけ離れてしまい、血液などの不透明な流体が隙間からフード内に侵入しやすく、視界が妨げられやすい。そのため、血液などがフード内に侵入しないように比較的多量の生理食塩水を放出しなければならない。また、内視鏡を円周方向(管軸を中心として胴体の外周を巡る方向)に回転させながら血管内壁を連続的に観察したいという臨床的な要求があり、その場合には、フードの開口部を積極的に観察対象部の壁面から微量だけ離しながら内視鏡を回転させて観察を続けなければならないため、やはり、比較的多量の生理食塩水を放出して血液のフード内への侵入を抑制しなければならない。

(ロ)フード内に透明流体を噴射すると、フードと観察対象部との間の隙間から透明流体がフードの外へと流出することになる。その際、図20に太い矢印で示すように、噴射した透明流体は、噴射の勢いによって、フードの最先端側から外部へスムーズに流れ出してしまうので、フード内全体が効率よく透明化されない。この現象は、流体射出用チャネルの位置を変えても大きく改善されることはなく、フード内を全体的に透明化するためには、図18のバルーンの場合ほどではないが、比較的多量の透明流体の噴射が必要である。

産業上の利用分野



本発明は、撮像機能を持ったカテーテルと、それを用いて血管内の観察を行う血管内観察システムに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
内視鏡機能を有するカテーテルであって、当該カテーテルは、
管状本体と、該管状本体の先端の外周縁部からさらに前方へと延びるように設けられたフードとを有し、
前記管状本体内には、該管状本体の先端から前方へ流体を射出するための流体送出用チャネルと、該管状本体の先端から外界を観察するための撮像用チャネルとが少なくとも設けられ、かつ、該管状本体の先端から所定長さの区間を少なくとも一つの側方へ屈曲させ得る屈曲機構が設けられ、
前記フードは、基本形状が円筒形または先端に向かって広がる中空の円錐台形であり、該フードの先端部は、前記基本形状を斜めに切断して得られる形状となっており、その先端面には該フード内の空洞が開口しており
前記該流体送出用チャネルは、その先端から噴出される流体の流れが、前記フードの先端部の外周縁の壁部のうちの最も先端側に位置する部分から外部へ出ようとする流れとなるように、管状本体の中心から外側に偏った位置に設けられており、かつ、
前記フードは、該フードの先端部の外周縁の壁部のうちの、少なくとも、最も先端側に位置する部分が、前記開口の最も先端側に位置する部分から外部へ出ようとする前記流体の流れを妨げるように、フードの内側の方へ屈曲している、
前記カテーテル。

【請求項2】
フードの先端部の基本形状が、該フードの基本形状である円筒形または円錐台形の中心軸に対して、30度~60度の角度をなす平面にて、該基本形状を切断して得られる形状である、請求項1記載のカテーテル。

【請求項3】
フードの基本形状が円筒形であって、その外径が管状本体の外径と等しい、請求項1または2記載のカテーテル。

【請求項4】
フードの基本形状が、先端に向かって広がる中空の円錐台形であって、
管状本体の先端部の外径が、該管状本体の基部から中間部に至る胴体外径よりも細くなっており、その先端の外周縁部から、該フードが前方へ広がりながら延びるように設けられており、
該フードの先端における最大外径が、管状本体の基部から中間部に至る胴体外径と等しい、請求項1または2記載のカテーテル。

【請求項5】
当該カテーテルの管状本体の内部には、撮像用チャネルを持った内視鏡が挿通されており、管状本体の先端部の細くなった部分が、少なくとも流体送出用チャネルを確保しながらも前記内視鏡の胴体を保持し得るように細くなっている、請求項4記載のカテーテル。

【請求項6】
フードの先端の開口の外周縁部のうち、最も先端側にある点をAとし、最も後端側にある点をBとして、
AとBとを結ぶ線分が、当該カテーテルの中心軸に平行に近づいていく方向へと、または、その逆の方向へと、管状本体の先端部分が屈曲するように、屈曲機構による屈曲方向と、フードの開口の傾きの方向とが、関係付けられている、請求項1~5のいずれか1項に記載のカテーテル。

【請求項7】
当該カテーテルの管状本体には、当該カテーテルが挿入される観察対象の内壁に対して超音波診断を行うことができるように、超音波発信-受信素子として作動する超音波振動子が1以上設けられている、請求項1~6のいずれか1項に記載のカテーテル。

【請求項8】
複数の超音波振動子が、電子式フェーズド・アレイとして設けられている、請求項7に記載のカテーテル。

【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のカテーテルと、
該カテーテルの管状本体内に含まれる流体送出用チャネルの先端から透明流体を射出すべく、該流体送出用チャネルに該透明流体を送るための流体送出装置と、
該流体送出装置の駆動を制御するための制御装置とを、
少なくとも有して構成される血管内観察システムであって、
流体送出装置は、制御装置に制御されて、流体送出用チャネルへの流体の送出と停止を行ない得るように構成され、
制御装置は、前記カテーテルを挿入すべき生体の心臓の動作を示す信号を入力信号として受け入れ、該入力信号に基いて、該カテーテルの先端において血流が停止する時期に、前記カテーテルの流体送出用チャネルの先端から所定量の透明流体が射出されるよう、流体送出装置を制御するように構成されている、
前記血管内観察システム。

【請求項10】
前記カテーテルの管状本体内に含まれる撮像用チャネルが、流体送出用チャネルから透明流体が射出されるタイミングと同期して、観察対象部の撮像を開始し、所定の時間だけ撮像を行うように構成されているか、または、
カテーテルに含まれる管状本体の撮像用チャネルは常に観察対象部の撮像を行っているが、流体送出用チャネルから透明流体が射出されるタイミングと同期して、制御装置が、該撮像の記録を開始し、所定の時間だけ撮像の記録を行うように構成されている、
請求項9記載の血管内観察システム。

【請求項11】
前記カテーテルの管状本体には、当該カテーテルが挿入される観察対象の内壁に対して超音波診断を行うことができるように、超音波発信-受信素子として作動する超音波振動子が1以上設けられている、請求項9記載の血管内観察システム。

【請求項12】
複数の超音波振動子が、電子式フェーズド・アレイとして設けられている、請求項11に記載の血管内観察システム。
産業区分
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013507684thum.jpg
出願権利状態 登録


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