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ペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、n-型半導体、n-型半導体の製造方法、および電子装置 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P150011245
掲載日 2015年1月30日
出願番号 特願2013-508915
登録番号 特許第5515069号
出願日 平成24年4月4日(2012.4.4)
登録日 平成26年4月11日(2014.4.11)
国際出願番号 JP2012059270
国際公開番号 WO2012137853
国際出願日 平成24年4月4日(2012.4.4)
国際公開日 平成24年10月11日(2012.10.11)
優先権データ
  • 特願2011-083220 (2011.4.4) JP
発明者
  • 舟橋 正浩
  • 竹内 望美
出願人
  • 国立大学法人 香川大学
発明の名称 ペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、n-型半導体、n-型半導体の製造方法、および電子装置 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 高いキャリア移動度を有するn-型半導体を形成可能であり、かつ、溶解性に優れたペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体を提供する。
下記化学式(I)で表されることを特徴とするペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。



前記化学式(I)中、
~Rは、それぞれ、水素原子、オルガノオリゴシロキサン、または任意の置換基であり、少なくとも一つはオルガノオリゴシロキサンから誘導される一価の置換基であり、
およびLは、それぞれ、単結合または連結基であり、
~R10は、それぞれ、低級アルキル基、またはハロゲンであり、
o、p、qおよびrは、それぞれ、0から2までの整数である。
従来技術、競合技術の概要



有機半導体は、電子写真感光体のみならず、電界発光素子(非特許文献1)、薄膜トランジスター(非特許文献2)、太陽電池(非特許文献3)などの電子デバイスへ応用されている。さらには、その柔軟性を生かした電子ペーパーへの応用が検討されている(非特許文献4)。





実用的なデバイス作製を考えた場合、安価な溶液プロセスで薄膜作製ができることが望ましい。しかし、現在、電界発光素子や電界効果型トランジスターに用いられている有機半導体は、多くの場合、真空プロセスで製膜する必要がある。





有機薄膜太陽電池においても、長らく真空蒸着膜が使用されてきた。これを解決するために、1993年のN. S. Sariciftciによるバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の開発以来、溶液プロセスによって薄膜作製ができる共役高分子や置換基を導入したフラーレン誘導体が用いられている(非特許文献5)。しかし、高分子や共役高分子の凝集構造はアモルファス構造であるため、キャリア移動度が低い。





一方、近年、溶液プロセスによって薄膜作製が可能で、しかも、電子移動度(キャリア移動度)が高い新しい有機半導体材料として液晶性半導体が注目されている(非特許文献6)。芳香環をコア部に有する液晶材料の高次の液晶相においては、分子性結晶に類似した分子の凝集構造が形成されるため、分子性結晶と同様の高速の電子伝導を実現することができる。その一方で、液晶材料は一般に長鎖のアルキル基を持つため、有機溶媒に対する溶解性(溶解度)が高く、溶液プロセスによる製膜が可能である。それに加えて、液晶相においては、分子運動の自由度に基づく柔軟性や流動性を示すため、多結晶薄膜で問題になる結晶粒界の形成が抑制され、高いキャリア移動度を示す高品位の半導体薄膜を容易に作製できるという特徴を持つ。本発明者はこれまで、液晶性半導体を用いることにより、電界効果型トランジスターを溶液プロセスによって作製することに成功した(非特許文献7~8、および特許文献1~3)。本発明者はさらに、液晶性半導体を用いて溶液プロセスにより高分子基板上に電界効果型トランジスターを作製し、3%の歪がかかっても特性が全く変化しないことを明らかにした(非特許文献9、特許文献3)。





その他、p-型(「p型」と表記することもある)の導電性を示す液晶性半導体としては、トリフェニレン誘導体(非特許文献10)、フタロシアニン誘導体(非特許文献11)、ヘキサベンゾコロネン誘導体(非特許文献12)、オリゴチオフェン誘導体(非特許文献13)等、多数が知られている。





一方、n-型(「n型」と表記することもある)液晶性半導体としては、例えば、アルキル基を導入した液晶性フラーレンが報告されており、電子輸送が確認されている(非特許文献14)。





また、ペリレンテトラカルボン酸誘導体は、古くよりn-型半導体として知られている。すなわち、まず、ペリレンテトラカルボン酸ビスイミドの真空蒸着膜が、太陽電池(非特許文献15)や電界効果型トランジスター(非特許文献16)として検討されている。また、複数のアルキル鎖を導入したペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体が液晶相を示すことが明らかにされている(非特許文献17)。さらに、没食子酸エーテル部位を有するペリレンテトラカルボン酸イミド誘導体が空間電荷制限電流測定によって、高い電子移動度を示すことが報告されている(非特許文献18)。また、他のペリレンテトラカルボン酸イミド誘導体が室温付近で液晶相を示し、室温での電子移動度がTime-of-Flight(TOF)法により測定されている(非特許文献19)。他にも、室温で液晶相を示すn-型ペリレンテトラカルボン酸誘導体が合成されている(非特許文献20)。さらに、ペリレンテトラカルボン酸誘導体の有機溶媒への溶解性を向上させるために、芳香環部への置換基の導入が検討されている(非特許文献21)。

産業上の利用分野



本発明は、ペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、n-型半導体、n-型半導体の製造方法、および電子装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記化学式(I)で表される化合物のうち、下記化学式(A)で表される化合物以外の化合物であることを特徴とするペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【化I】


【化A】


前記化学式(I)中、
~Rは、それぞれ、水素原子または下記化学式(II)もしくは(II-2)で表される置換基であり、同一でも異なっていても良く、~Rの少なくとも一つは下記化学式(II)もしくは(II-2)で表される置換基であり
【化II】


【化II-2】



前記化学式(II)および(II-2)中、
11およびR12は、それぞれ、水素原子、低級アルキル基、またはフッ素原子であり、R11とR12とは同一でも異なっていても良く、各R11は同一でも異なっていても良く、各R12は同一でも異なっていても良く、
mは、0または正の整数であり、前記化学式(I)中に複数存在する場合は同一でも異なっていても良く、
nは、0または正の整数であり、前記化学式(I)中に複数存在する場合は同一でも異なっていても良く、
sは、0または1であり、
tは、1または2であり、
★は、前記化学式(I)中の炭素原子への結合手を表し、
~R10は、それぞれ、低級アルキル基、低級アルコキシ基、またはハロゲンであり、同一でも異なっていても良くo、p、qおよびrは、置換数であり、それぞれ、0から2までの整数であり、同一でも異なっていても良く、oが2の場合、2個のRは同一でも異なっていても良く、pが2の場合、2個のRは同一でも異なっていても良く、qが2の場合、2個のRは同一でも異なっていても良く、rが2の場合、2個のR10は同一でも異なっていても良く、
およびLは、それぞれ、単結合または連結基であり、同一でも異なっていても良く、
前記連結基が、それぞれ、アルキレン基、環状構造を含む飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、オキシ基(-O-)、チオ基(-S-)、セレノ基(-Se-)、アミド結合(-NH-CO- または -CO-NH-)、エステル結合(-CO-O- または -O-CO-)、イミノ基(-NH-)、もしくはチオエステル結合(-CO-S- または -S-CO-)であり、前記アルキレン基、前記環状構造を含む飽和炭化水素基、および前記不飽和炭化水素基は、さらに置換基を有していても有していなくても良く、前記アルキレン基、前記環状構造を含む飽和炭化水素基、および前記不飽和炭化水素基中にメチレン基が存在する場合、前記メチレン基は、オキシ基(-O-)、チオ基(-S-)、セレノ基(-Se-)、アミド結合(-NH-CO- または -CO-NH-)、エステル結合(-CO-O- または -O-CO-)、イミノ基(-NH-)、もしくはチオエステル結合(-CO-S- または -S-CO-)で置換されていても良いか、または
前記連結基が、下記式(III)で表される基であり、
【化III】


前記式(III)中、Arは、アリーレン基であり、前記化学式(I)中に複数存在する場合は同一でも異なっていても良く、
11およびL12は、それぞれ、単結合、アルキレン基、環状構造を含む飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、オキシ基(-O-)、チオ基(-S-)、セレノ基(-Se-)、アミド結合(-NH-CO- または -CO-NH-)、エステル結合(-CO-O- または -O-CO-)、イミノ基(-NH-)、もしくはチオエステル結合(-CO-S- または -S-CO-)であり、前記アルキレン基、前記環状構造を含む飽和炭化水素基、および前記不飽和炭化水素基は、さらに置換基を有していても有していなくても良く、前記アルキレン基、前記環状構造を含む飽和炭化水素基、および前記不飽和炭化水素基中にメチレン基が存在する場合、前記メチレン基は、オキシ基(-O-)、チオ基(-S-)、セレノ基(-Se-)、アミド結合(-NH-CO- または -CO-NH-)、エステル結合(-CO-O- または -O-CO-)、イミノ基(-NH-)、もしくはチオエステル結合(-CO-S- または -S-CO-)で置換されていても良く、L11とL12とは同一でも異なっていても良く、L11は、前記化学式(I)中に複数存在する場合は同一でも異なっていても良く、L12は、前記化学式(I)中に複数存在する場合は同一でも異なっていても良く、
★Cは、前記化学式(I)中の炭素原子への結合手を表し、
★Nは、前記化学式(I)中の窒素原子への結合手を表し、
前記化学式(A)中、
は、下記化学式(A1)で表される基であり、
【化A1】


前記化学式(A1)中、mは、0から10までの整数である。

【請求項2】
前記化学式(II)中、
mが、0から20までの整数であり、
nが、0から30までの整数である、
請求項記載のペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。

【請求項3】
前記式(III)中、
Arが、o-フェニレン基、m-フェニレン基、p-フェニレン基、2,2’-ビフェニレン基、2,3’-ビフェニレン基、2,4’-ビフェニレン基、3,3’-ビフェニレン基、3,4’-ビフェニレン基、4,4’-ビフェニレン基、または2,5-チエニレン基である請求項1または2記載のペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。

【請求項4】
前記化学式(III)中、
およびLにおいて、前記連結基が、それぞれ、単結合、アルキレン基、オキシ基(-O-)、チオ基(-S-)、またはセレノ基(-Se-)である請求項1から3のいずれか一項に記載のペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。

【請求項5】
下記化学式(1)または(2)で表される請求項1または2記載のペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【化1】


【化2】


前記化学式(1)および(2)中、mおよびnは、前記化学式(II)と同じである。

【請求項6】
下記化学式(1-1)、(2-1)、(2-44)または(2-46)で表される請求項記載のペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【化1-1】


【化2-1】


【化2-44】


【化2-46】



【請求項7】
下記化学式(3)で表される請求項または記載のペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【化3】


前記化学式(3)中、mおよびnは、前記化学式(II)と同じである。

【請求項8】
下記化学式(4)で表される請求項または記載のペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【化4】


前記化学式(4)中、mおよびnは、前記化学式(II-2)と同じである。

【請求項9】
下記化学式(4-1)で表される請求項記載のペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【化4-1】



【請求項10】
下記化学式(5)で表される請求項または記載のペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【化5】


前記化学式(5)中、mおよびnは、前記化学式(II)と同じである。

【請求項11】
下記化学式(5-1)で表される請求項10記載のペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【化5-1】



【請求項12】
液晶性化合物である請求項1から11のいずれか一項に記載のペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。

【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を含むことを特徴とするn-型半導体。

【請求項14】
レーザー色素、または光伝導体である請求項13記載のn-型半導体。

【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載のペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を溶媒に溶解させて溶液を調製する溶液調製工程と、
前記溶液を基材に塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、
前記塗布膜を乾燥させる乾燥工程とを含むことを特徴とする請求項13または14記載のn-型半導体の製造方法。

【請求項16】
請求項13または14記載のn-型半導体を含むことを特徴とする電子装置。

【請求項17】
電池、太陽電池、レーザー、有機EL装置、電界発光素子、トランジスター、または、メモリー素子である請求項16記載の電子装置。
産業区分
  • 半導体
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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