TOP > 国内特許検索 > 外傷性神経障害治療剤

外傷性神経障害治療剤 コモンズ

国内特許コード P150011266
掲載日 2015年2月2日
出願番号 特願2012-546930
出願日 平成23年12月1日(2011.12.1)
国際出願番号 JP2011077782
国際公開番号 WO2012074043
国際出願日 平成23年12月1日(2011.12.1)
国際公開日 平成24年6月7日(2012.6.7)
優先権データ
  • 特願2010-270133 (2010.12.3) JP
  • 特願2011-131674 (2011.6.13) JP
発明者
  • 西堀 正洋
  • 森 秀治
  • 高橋 英夫
  • 和氣 秀徳
  • 劉 克約
  • 伊達 勲
  • 大熊 佑
  • 友野 靖子
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
  • 医療法人創和会
発明の名称 外傷性神経障害治療剤 コモンズ
発明の概要 外傷性神経障害、即ち脳外傷、脳外科手術に伴う脳損傷及び/又は脊髄損傷を治療するための新規薬剤を提供する。脳に対する物理的外力とHMGB1との関係を調べたところ、正常な状態ではHMGB1は脳神経細胞の核内に存在するものの、傷害を受けた部位又はその近傍の組織ではHMGB1は神経細胞の核外に放出されることを初めて確認した。これにより、神経細胞の核外に放出されたHMGB1を捕捉することで、脳外傷、脳外科手術に伴う脳損傷及び/又は脊髄損傷により生じる運動障害を改善化しうることを見出し、本発明を完成した。
従来技術、競合技術の概要



脳外傷とは、外傷性脳損傷(Traumatic Brain Injury:TBI)ともいい、例えば何らかの事故(例えば交通事故、落下事故、衝突事故や転落事故など)により首から上の頭部に強い外力が加えられることにより外傷を負い、脳そのものが損傷した病態をいう。脳損傷には「閉鎖性頭部損傷:closed head injury」(CHI)と「開放性頭部損傷:open head injury」(OHI)の2つの基本的なタイプがあり、開放性頭部損傷は弾丸や何か突き刺さった物体によって引き起こされる。閉鎖性頭部外傷は、例えば上述のような事故により、急激な動きの間に脳が頭蓋骨の内側で急に動かされることによって引き起こされ、発生する。かかる急激な動きによる圧迫は神経の線維や軸索に損傷を与え、神経伝達経路を破壊する。





脳外傷急性期には、生命維持に直接関連する呼吸と循環の管理による全身状態の機能維持が図られる。一方、脳外傷急性期には脳浮腫が発生するため、これを防ぐ目的で高浸透圧グリセロールやマンニトール点滴や代謝抑制を目指したバルビツール酸投与などが臨床的に用いられる場合がある。しかしながら、その有効性についての証拠・根拠(エビデンス)はない。低体温療法が急性期に用いられる場合もあるが、一般的でない。その他、脳損傷に起因する脳浮腫・脳障害に有効な薬物は見出されていない。つまり、脳外傷急性期の脳障害に対するエビデンスのある治療法は現在まで存在していない。





脊髄は、脳と体の他の部分の情報を伝達する主要経路である。チューブ状の構造で、脳の基底部から下方へ伸びている。脊髄損傷(Spinal Cord Injury:SCI)とは、主として脊柱に強い外力が加えられることにより脊椎を損壊し、脊髄に損傷をうける病態である。かかる脊柱に加えられた強い外力により、神経の線維や軸索に損傷を与え、神経伝達経路を破壊する。





脳損傷防御剤及び頭部外傷や脳外科手術に伴う脳組織損傷防御剤について開示がある(特許文献1)。特許文献1では、(±)-N,N'-ロピレンジニコチンアミド(一般名:ニカラベン)又はその薬学上許容しうる塩を有効成分として含有することを特徴とし、脳損傷の進展に関連のあるマクロファージ及び反応性マイクログリアの動態を指標として評価している。他の報告では、外傷性脳損傷(TBI)又は低酸素性若しくは虚血性発作を治療する方法が開示されている(特許文献2)。特許文献2では、低酸素性若しくは虚血性発作を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、血栓崩壊剤と組合せてNMDAレセプター拮抗物質を投与することを含む方法について開示がある。具体的には、NR2Bサブタイプ選択的N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)レセプター拮抗物質を、(a)ナトリウムチャネル拮抗物質;(b)一酸化窒素シンターゼ(NOS)阻害剤;(c)グリシン部位拮抗物質;(d)カリウムチャネルオープナー(opener);(e)AMPA/カイニン酸レセプター拮抗物質;(f)カルシウムチャネル拮抗物質;(g)GABA-Aレセプターモジュレーター(例えばGABA-Aレセプター作用物質);又は(h)抗炎症剤と組合せて投与することを含む方法が開示されている。また、別の報告では、外傷性脳損傷(TBI)、脊髄損傷(SCI)又はそれに関連する状態に起因する生理学的損傷を抑制又は治療するための方法について開示がある(特許文献3)。特許文献3では、補体副経路を選択的に阻害する作用剤及び組成物の使用が開示される。TBI又はSCIに起因する損傷の抑制に使用される好ましい試薬には、補体系のタンパク質であるB因子を阻害するものが含まれ、抗B因子抗体は特に好ましい作用剤として開示されている。副経路の活性化に関与する主要タンパク質は、B因子(fB)及びD因子(fD)である。





HMGB1(High Mobility Group Box 1:以下、「HMGB1」という)タンパク質は、DNA の構造維持や転写調節に関わる非ヒストンクロマチン関連性タンパク質ファミリーの一員である。近年、細胞の壊死によりHMGB1が細胞外に遊離したり、血管炎症性シグナル応答で細胞外に能動分泌が見られるなど、新たな炎症マーカーとしても注目されている。HMGB1はげっ歯類からヒトまで99%以上のアミノ酸配列について相同性を有するタンパク質である。このHMGB1は正常細胞にも存在するが、敗血症(全身性炎症反応症候群)において放出される菌体内毒素であるLPS(リポ多糖)による刺激によって血中濃度が上昇し、最終的な組織障害をもたらす。このHMGB1に対する抗HMGB1モノクローナル抗体を有効成分とする薬剤について、脳血管攣縮抑制剤(特許文献4)及び脳梗塞抑制剤(特許文献5)がすでに特許されているが、脳外傷、脳外科手術に伴う脳損傷及び/又は脊髄損傷を治療するための薬剤については開示されていない。

産業上の利用分野



本発明は、外傷性神経障害、即ち脳外傷、脳外科手術に伴う脳損傷及び/又は脊髄損傷を治療するための薬剤に関するものである。





本出願は、参照によりここに援用されるところの日本出願、特願2010-270133号及び特願2011-131674号優先権を請求する。

特許請求の範囲 【請求項1】
抗HMGB1モノクローナル抗体を有効成分とすることを特徴とする、外傷性神経障害治療剤。

【請求項2】
外傷性神経障害が、脳外傷、脳外科手術に伴う脳損傷及び/又は脊髄損傷である、請求項1に記載の外傷性神経障害治療剤。

【請求項3】
外傷性障害を受けた後に投与するものである請求項1又は2に記載の外傷性神経障害治療剤。

【請求項4】
抗HMGB1モノクローナル抗体を、1回当たり0.2~5 mg/kg投与するものである請求項1~3のいずれか1に記載の外傷性神経障害治療剤。

【請求項5】
請求項1~5のいずれか1に記載の外傷性神経障害治療剤を用いることを特徴とする、外傷性神経障害の治療方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
特許内容に関しての問い合せ窓口は岡山大学連携機構知的財産部門です。

技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close