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熱電材料及びその製造方法並びにそれを用いた熱電変換モジュール

国内特許コード P150011290
掲載日 2015年2月9日
出願番号 特願2013-543430
登録番号 特許第5424436号
出願日 平成25年5月15日(2013.5.15)
登録日 平成25年12月6日(2013.12.6)
国際出願番号 JP2013063580
国際出願日 平成25年5月15日(2013.5.15)
優先権データ
  • 特願2012-124940 (2012.5.31) JP
発明者
  • 中村 芳明
  • 五十川 雅之
  • 上田 智広
  • 吉川 純
  • 酒井 朗
  • 細野 秀雄
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 熱電材料及びその製造方法並びにそれを用いた熱電変換モジュール
発明の概要 熱電材料は、半導体基板と、基板上に形成された半導体酸化膜と、酸化膜上に設けられた熱電層とを備えている。半導体酸化膜には第1ナノ開口部が形成され、熱電層は、複数の半導体ナノドットが粒子充填構造を有するように第1ナノ開口部上に積み上がった形をとり、複数の半導体ナノドットの少なくとも一部は、その表面に形成された第2ナノ開口部を有し、かつ、第2ナノ開口部を介して互いに結晶方位を揃えて連結している。この熱電材料は、半導体基板を酸化し、その上に半導体酸化膜を形成する工程と、酸化膜に第1ナノ開口部を形成する工程と、第1ナノ開口部上に複数の半導体ナノドットをエピタキシャル成長させて積み上げる工程を経て製造される。
このような構成により、熱電変換性能に優れた熱電材料が実現する。
従来技術、競合技術の概要



近年、環境負荷を低減するために、エネルギーを有効活用するための熱電変換技術が注目されている。そこで従来、ゼーベック効果を利用した熱電変換技術に使用する熱電材料として、BiTe、PbTe、SiGe等のレアメタルを用いた高性能熱電材料が開発されてきた。しかし、これらはレアメタルを使用するものであり、環境負荷や資源リスクの観点から好ましくないという問題があった。





ここで、熱電変換性能を評価するときには、一般に無次元性能指数ZT(=SσT/k)が用いられる。Sはゼーベック係数、σは電気伝導度、kは熱伝導率、Tは絶対温度を表す。性能指数ZTが大きいほど、熱電変換性能が優れている。性能指数ZTを示す式からわかるように、熱電変換性能を向上させるためには、ゼーベック係数S及び電気伝導度σが大きく、熱伝導率kが小さい熱電材料を使用することが好ましい。





前述のレアメタルの使用により生じる問題を解消するためには、Siに代表されるユビキタス元素を使用した熱電材料が好ましい。しかし、Siの場合、ゼーベック係数S、電気伝導度σは充分大きいが、熱伝導率kが大きいという問題があった。





一方、熱電材料としてナノ構造を有する材料を使用した場合、フォノン散乱の増大等により熱伝導率kが低減し、また、低次元ナノ構造を利用することにより量子効果が得られ、パワーファクタ(Sσ)と呼ばれる指数が増加することが報告されている(非特許文献1~3)。





そこで、ナノワイヤ、ナノコンポジット、ナノポーラス等のナノ構造を利用した高性能熱電材料を開発する研究が行われている(非特許文献4~8)。





また、ナノドット構造を有する材料により、熱伝導率が低減するという報告もされている(非特許文献9)。そして、シリコン基板上に形成される極薄シリコン酸化膜にナノ開口を形成し、そこにナノドットのアイランドをエピタキシャル成長させ、光デバイスとして用いる試みがなされている(非特許文献10~12)。さらに、ストランスキ・クラスタノフ(SK)成長を用いてSKドット超格子をエピタキシャル成長する手法も試みられている。





同様に、特許文献1では、Si等の材料で構成されたスペーサ層で間を埋めて、シリコン系化合物で構成されるナノドットをエピタキシャルに積層する半導体光デバイスの製造方法が開示されており、かかるデバイスを熱電変換デバイスとして使用することが示唆されている(段落[0042]等)。

産業上の利用分野



本発明は、半導体ナノドットを利用した熱電材料に関し、具体的には、シリコン、ゲルマニウム又はシリコン系半導体で構成されたナノドットを備えた熱電材料、熱電材料を利用した熱電変換モジュール、及び熱電材料の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
半導体基板と、
半導体基板上に形成された半導体酸化膜と、
半導体酸化膜上に設けられた熱電層とを備え、
半導体酸化膜には第1ナノ開口部が形成され、
熱電層は、複数の半導体ナノドットが粒子充填構造を有するように該第1ナノ開口部上に積み上がった形をとり、
複数の半導体ナノドットの少なくとも一部は、その表面に形成された第2ナノ開口部を有し、かつ、該第2ナノ開口部を介して互いに結晶方位を揃えて連結していることを特徴とする熱電材料。

【請求項2】
半導体ナノドットは、表面に設けられたポテンシャルバリア層を有し、
第2ナノ開口部は、該ポテンシャルバリア層に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の熱電材料。

【請求項3】
半導体ナノドットは、Si、Ge、SiGe並びにMg、Fe及びMnのシリコン系化合物から成る群から選択される材料で構成されたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱電材料。

【請求項4】
ポテンシャルバリア層は、SiOで構成されたことを特徴とする、請求項2に記載の熱電材料。

【請求項5】
ポテンシャルバリア層は、Siで構成され、かつ、表面にSiOで構成された酸化層を有することを特徴とする、請求項2に記載の熱電材料。

【請求項6】
半導体ナノドットは、2nm以上50nm以下の直径を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の熱電材料。

【請求項7】
半導体ナノドットは、1011cm-2以上の面内密度を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の熱電材料。

【請求項8】
ポテンシャルバリア層は、3nm以下の厚さを有することを特徴とする、請求項2に記載の熱電材料。

【請求項9】
半導体ナノドットは、p型又はn型のドーパントを含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の熱電材料。

【請求項10】
交互に配設され且つ電気的に直列接続されたp型熱電素子及びn型熱電素子を備えた熱電変換モジュールであって、
p型熱電素子及びn型熱電素子は、請求項9に記載の熱電材料を有し、
半導体デバイスが形成される半導体基板の主面と反対側の主面に設けられたことを特徴とする熱電変換モジュール。

【請求項11】
半導体基板を準備する準備工程と、
半導体基板を酸化し、該半導体基板上に半導体酸化膜を形成する酸化工程と、
半導体酸化膜に第1ナノ開口部を形成する開口工程と、
第1ナノ開口部上に、半導体材料で構成される複数の半導体ナノドットをエピタキシャル成長させて積み上げる成長工程とを含むことを特徴とする、熱電材料の製造方法。

【請求項12】
成長工程では、半導体ナノドットに第2ナノ開口部を形成し、該第2ナノ開口部を介して複数の半導体ナノドットを連結させることを特徴とする、請求項11に記載の熱電材料の製造方法。
産業区分
  • 半導体
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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