TOP > 国内特許検索 > 人工角膜及び人工角膜の生産方法

人工角膜及び人工角膜の生産方法

国内特許コード P150011313
整理番号 S2012-0962-N0
掲載日 2015年2月16日
出願番号 特願2012-172918
公開番号 特開2014-030596
出願日 平成24年8月3日(2012.8.3)
公開日 平成26年2月20日(2014.2.20)
発明者
  • 中山 泰秀
  • 上地 正実
  • 滝山 直昭
出願人
  • 国立研究開発法人国立循環器病研究センター
  • 学校法人日本大学
発明の名称 人工角膜及び人工角膜の生産方法
発明の概要 【課題】所望の厚さの人工角膜を形成することができ、しかも、人工角膜の両面を所望の表面状態に形成することのできる人工角膜及び人工角膜の生産方法の提供。
【解決手段】人工角膜1を形成する二面の角膜形成面4を互いに対向させる。人工角膜形成用基材2を生体組織材料の存在する環境に配置する。角膜形成面4に人工角膜1を形成する。人工角膜1の両面が角膜形成面4に合って形成される。角膜形成面4の間隔を適宜設定する。所望の厚さの人工角膜1が形成される。角膜形成面4を平滑面に形成する。人工角膜1の両面が平滑面になどの所望の表面状態に形成される。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要



一般に、視覚障害を引き起こす重要な原因の一つとして、角膜に混濁をきたす疾患があり、この角膜疾患のうち、ウイルスや細菌などの感染や外傷、遺伝性角膜疾患などについては、その治療に角膜移植を必要とする。





角膜移植には、アイバンクに登録、献眼されたドナー角膜が用いられるが、近年の日本においては、献眼人数が年間約1000人であるの対して角膜移植眼数が年間約1500眼で、待機患者数が2000~3000人とも言われており、一部の角膜移植には海外から輸入したドナー角膜が用いられている。さらに、輸入したドナー角膜を用いるにしても、アイバンクの整備されている国は先進国に限られており、後進国ではアイバンクが整備されておらず、また、感染により角膜が移植不適合になっていることも多いといった問題がある。





このようにドナー角膜が不足している現状において、ドナー角膜の代わりに羊膜を移植することがあり、この羊膜移植は、感染や外傷、遺伝性角膜疾患による角膜混濁のうち、角膜上皮幹細胞や角膜内皮細胞の障害が限定的な疾患で、コラーゲン線維を中心とする角膜実質の障害の治療において、良好な結果が得られている。さらに、近年、再生医療技術を応用した培養角膜や、その他の人工角膜についての研究が行われており、これらの人工角膜は、特に、細胞増殖能が重要となる角膜上皮幹細胞や角膜内皮細胞の疾患についての治療における有効性が期待されている。





ただ、羊膜移植は、その羊膜移植部分の透明性の回復が限定的であることから二次的な角膜移植を必要とし、しかも、拒絶反応が起こり難いという利点があるものの、他家移植であることから感染の危険性を排除することはできない。また、培養角膜を採用するには、細胞培養の設備とその知識及び技術を有する技術者とを必要とし、さらに、その他の人工角膜については、種々の素材からなるものが検討されているものの、現時点では、生産が容易で長期的に良好な結果が得られる人工角膜は開発されていない。





これに対して、例えば生体内で結合組織からなる人工角膜を形成することにより、人工角膜の形成を容易にすることが考えられ、さらに、その人工角膜を自己の体内で形成することにより、移植後の感染症や拒絶反応の危険性を極めて低くすることが期待できる。





人工角膜を生体内で形成するには、生体内に基材を埋入し、その周囲に結合組織を形成して、これを人工角膜とすればよく、再生医療によって人工血管や人工弁などを形成するのと同様の手法を用いることができる。この手法は、身体の自己防衛反応を利用して生細胞から人工血管や人工弁などの生体由来組織を形成するものであり、生体内に異物としての基材を埋入して結合組織体を形成する技術が複数報告されている(特許文献1~3参照)。なお、この手法で利用する自己防衛反応は、体内の深い位置にトゲ等の異物が侵入した場合に、その周りに繊維芽細胞が徐々に集まって、主に繊維芽細胞とコラーゲンからなる結合組織体のカプセルを形成して異物を覆うことにより、体内において異物を隔離しようとする反応である。





このような手法で人工角膜を形成する場合、生体内に埋入する異物としての基材の形状や大きさを適宜設定することにより、所望の形状や大きさの人工角膜を形成することができる。

産業上の利用分野



本発明は、生体内などの生体組織材料の存在する環境において形成される人工角膜及び人工角膜の生産方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
生体組織材料の存在する環境において基材の表面に形成された人工角膜であって、当該人工角膜の両面が前記基材の表面に合わせて形成されたことを特徴とする人工角膜。

【請求項2】
中央部が膨らんだ球面状に形成され、当該人工角膜の周囲の余剰部分が除去されたことを特徴とする請求項1に記載の人工角膜。

【請求項3】
生体組織材料の存在する環境に配置して基材表面に人工角膜を形成可能な基材であって、前記人工角膜の両面を基材表面に合わせて形成するよう、人工角膜を形成する二面の角膜形成面が互いに対向して設けられたことを特徴とする人工角膜形成用基材。

【請求項4】
前記角膜形成面を有する複数枚の板状基材が互いに間隔をあけて設けられ、前記複数枚の板状基材が互いに分解可能とされたことを特徴とする請求項3に記載の人工角膜形成用基材。

【請求項5】
前記角膜形成面を有する一対の基材が設けられ、該一対の基材の角膜形成面は、中央部が膨らんだ球面状の凸面と中央部が窪んだ球面状の凹面とに形成されて互いに間隔をあけて設けられ、前記一対の基材が互いに分解可能とされたことを特徴とする請求項3に記載の人工角膜形成用基材。

【請求項6】
前記二面の角膜形成面の間隔が0.1mm~2mmに設定されたことを特徴とする請求項3、4又は5に記載の人工角膜形成用基材。

【請求項7】
前記角膜形成面の表面粗さが算術平均粗さで50μm以下に設定されたことを特徴とする請求項3~6のいずれかに人工角膜形成用基材。

【請求項8】
請求項3~7のいずれかに記載の人工角膜形成用基材を生体組織材料の存在する環境下におく設置工程と、前記人工角膜形成用基材の周囲に結合組織を形成しつつ、互いに対向する角膜形成面の間に結合組織を形成する形成工程と、前記環境下から結合組織で被覆された前記人工角膜形成用基材を取り出す取り出し工程と、前記人工角膜形成用基材から前記角膜形成面の間の結合組織を剥離して人工角膜として取り出す分離工程と、を備え、
前記分離工程は、人工角膜形成用基材の周囲の結合組織を除去した後、人工角膜形成用基材を分解して人工角膜を取り出すことを特徴とする人工角膜の生産方法。

【請求項9】
前記設置工程において、互いに対向する角膜形成面の間に結合組織の形成を促進する生体組織材料を収容しておくことを特徴とする請求項8に記載の人工角膜の生産方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2012172918thum.jpg
出願権利状態 公開
日本大学産官学連携知財センター(通称NUBIC,ニュービック)は,技術移転機関と知的財産本部の機能を兼ね備えた日本大学の産学連携の窓口です。
NUBICは,日本大学全教職員や大学院生・学部学生の豊富なアイデアや研究成果を,知的財産として戦略的に創出・保護・管理し,産業界のニーズとのマッチングを図り,企業の研究開発,新製品開発,新規事業の立上げが円滑に行われるようサポートいたします。
お気軽にご相談ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close