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レチノイドX受容体パーシャルアゴニスト化合物及びこのレチノイドX受容体パーシャルアゴニスト化合物を有効成分として含有する薬剤

国内特許コード P150011321
整理番号 S2013-0038-N0
掲載日 2015年2月18日
出願番号 特願2012-224474
公開番号 特開2014-076953
出願日 平成24年10月9日(2012.10.9)
公開日 平成26年5月1日(2014.5.1)
発明者
  • 加来田 博貴
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 レチノイドX受容体パーシャルアゴニスト化合物及びこのレチノイドX受容体パーシャルアゴニスト化合物を有効成分として含有する薬剤
発明の概要 【課題】レチノイドX受容体(RXR)に結合し、部分作動性(パーシャルアゴニスト)作用を有する化合物(レキシノイド),ならびにこの化合物を有効成分として含有する薬剤を提供する。
【解決手段】下記の式で表されるレチノイドX受容体パーシャルアゴニスト化合物、及びこの化合物を有効成分として含有する薬剤。



【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



核内受容体は、細胞増殖や免疫応答、糖・脂質代謝等の生理機能、恒常性の維持を担っているリガンド依存性の転写調節因子のひとつである。核内受容体に対応するリガンドにより、その下流にある遺伝子の転写を制御している。核内受容体は、同一の原初遺伝子から派生しており、スーパーファミリーを形成する。





レチノイドX受容体(retinoid X receptor;以降、「RXR」と略す。)は、9-cisレチノイン酸やドコサヘキサンエン酸(DHA)を内因性リガンドにすると考えられている、リガンド依存的な転写因子である核内受容体の一つである。その機能は、ホモ二量体として、また種々の核内受容体とヘテロ二量体を形成し発揮される(非特許文献1)。





RXRのヘテロ二量体のパートナーとしては、細胞分化や増殖に関与するレチノイン酸受容体(RAR)、同じく細胞分化や増殖また骨代謝に関与するビタミンD受容体(VDR)、脂質代謝に関与するペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)、甲状腺ホルモン受容体のチロイドホルモン受容体(TR)などがある。従って、RXRの機能とこれら核内受容体の活性発現は密接な関係にあり、RXR機能を制御する作動性若しくは拮抗性物質は、これらのヘテロ二量体の機能を制御することが可能になる(非特許文献2)。





例えば、RAR作動性物質であるAm80(一般名:タミバロテン:再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病の治療薬:4-[(5,6,7,8-tetrahydro-5,5,8,8-tetramethyl-2-naphthyl) carbamoyl] benzoic acid)(非特許文献3)は、3.3×10-10M濃度で単独に存在する場合はほとんど細胞分化誘導作用を示さないのに対し、Am80とRXR作動性物質を併用すると、RXR作動性物質はAm80のシナジストとして機能し、有意な分化誘導作用が見られるようになる(非特許文献4)。このようなRXR作動性物質による核内受容体ヘテロ二量体に対するシナジスト効果は、RARに対してのみならず、RXRとヘテロ二量体を形成するVDRやPPAR等においても見られる。このような核内受容体を標的とした脂溶性の高い医薬分子において、その薬物を低容量で用いても効果を発揮させるシナジストとして効果が発揮できる。





RXR作動性物質は、RXRを含有する核内受容体へテロ二量体を介した作用に限ることはない。例えば、乳がん治療に用いられるタモキシフェンは、RXRとヘテロ二量体を形成しないエストロゲン受容体(ER)が分子標的であるものの、RXR作動性物質がエストロゲン抵抗性乳がんにおいて、その抵抗性を改善する報告がされている(非特許文献6)。さらに、RXR作動性物質単独若しくはタモキシフェンとの併用による発がん予防効果も報告されている(非特許文献7)。またタキソール抵抗性がんにおける、RXR作動性物質の有効性も報告されている(非特許文献8)。加えて、RXR作動性物質の血管新生抑制作用も報告されている(非特許文献9)。





また、RXR作動性物質は単独投与においても興味深い生理活性が得られている。たとえば2型糖尿病モデルマウスにRXR作動性物質を投与すると、インスリン抵抗性が改善され血糖値低下が見られることが報告されている(非特許文献10)。





また,RXR作動性物質は単独投与において,TNBS誘発腸炎モデルマウスにおける,治療効果が報告されている(非特許文献11)。





またRXR作動性物質は、毛根周期に作用し毛髪育成作用があることから、育毛剤としての応用も報告されている(特許文献1)。





既知のRXR作動薬は、医薬用途に応用されているが、既存のRXRアゴニストの共通の問題点として血中トリグリセリド(TG)の上昇が挙げられる(非特許文献12、13)。これらのRXR作動薬について精査すると、共通してRXRを完全に活性化しうるRXR完全作動薬(RXRフルアゴニスト)であること(非特許文献14、15)から、そのefficacyを適度に弱めたRXRパーシャルアゴニストに興味を抱き研究を行ってきた。





これまでに特許文献2、特許文献3に記載するRXRパーシャルアゴニスト化合物の創出に成功している。中でも,特許文献3記載のRXRパーシャルアゴニスト化合物であるCBt-PMNは、2型糖尿病モデルマウスであるKKAyマウスにおける顕著な糖尿病治療効果,インスリン抵抗性改善作用が報告されている(非特許文献16)。しかし、RXR活性化に要する濃度が高く、より低濃度で効果を示す、血中移行性の良好な化合物が望まれた。

産業上の利用分野



本発明は、核内受容体であるレチノイドX受容体に対し、部分作動性物質として作用するレチノイドX受容体パーシャルアゴニスト化合物及びこのレチノイドX受容体パーシャルアゴニスト化合物を有効成分として含有する薬剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の一般式Iで表されるレチノイドX受容体パーシャルアゴニスト化合物。
化学式I:
【化1】



【請求項2】
請求項1に記載のレチノイドX受容体パーシャルアゴニスト化合物を有効成分として含有する薬剤。

【請求項3】
有効成分が、転写調節剤及び核内受容体リガンド作用調節剤である請求項2に記載の薬剤。

【請求項4】
薬剤が、糖尿病治療剤である請求項2または3に記載の薬剤。

【請求項5】
薬剤が、メタボリックシンドローム治療剤である請求項2または3に記載の薬剤。

【請求項6】
薬剤が、抗炎症剤である請求項2または3に記載の薬剤。

【請求項7】
薬剤が、抗アレルギー剤である請求項2または3に記載の薬剤。

【請求項8】
薬剤が、抗がん剤である請求項2または3に記載の薬剤。

【請求項9】
薬剤が、炎症性腸疾患の治療剤である請求項2または3に記載の薬剤。

【請求項10】
薬剤が、自己免疫疾患に対する治療剤である請求項2または3に記載の薬剤。

【請求項11】
請求項4~10のいずれか1に記載の薬剤、並びに薬理学的及び製剤学的に許容される担体を含む医薬組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 公開
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