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抗がん作用を有する複素環化合物

国内特許コード P150011324
整理番号 S2013-0037-N0
掲載日 2015年2月18日
出願番号 特願2012-235042
公開番号 特開2014-084303
登録番号 特許第6004372号
出願日 平成24年10月24日(2012.10.24)
公開日 平成26年5月12日(2014.5.12)
登録日 平成28年9月16日(2016.9.16)
発明者
  • 不破 春彦
  • 佐々木 誠
出願人
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 抗がん作用を有する複素環化合物
発明の概要 【課題】合成が容易で製剤化に適した新規な複素環化合物と、これを利用した細胞増殖抑制剤、抗がん剤の提供。
【解決手段】下記式(I)で示される複素環オキソ酸と、ピラン環含有化合物又は縮合ピラン環含有化合物のピラン環にヒドロキシル基が結合したアルコールから構成されるエステル化合物又はその薬理学上許容される塩、前記エステル化合物又はその薬理学上許容される塩を含む細胞増殖阻害剤。



【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



天然には様々なマクロライド化合物が存在し、抗細菌薬、抗真菌薬あるいは免疫抑制薬など様々な生理活性を有するものが知られている。なかでも特に有用なのはマクロライド系抗生物質であり、放線菌より発見されたエリスロマイシンや、そのアナログであるクラリスロマイシン等が知られている。





一方、マクロライド化合物のなかには、細胞毒性や免疫活性を通じて抗がん作用を有するものも多く知られており、その1つにネオペルトリド(Neopeltolide)がある。ネオペルトリド(Neopeltolide)は、Neopeltidae科海綿から単離された大環状マクロライドの1つで、種々の癌細胞(P388マウスリンパ性白血病細胞、A-549ヒト肺腺がん細胞、NCI/ADR-RESヒト卵巣肉腫細胞、PANC-1ヒト膵臓癌細胞、DLD-1ヒト大腸腺がん細胞)の増殖抑制のほか、抗真菌(カンジダ)活性を有することが報告されている(非特許文献1及び特許文献1)。





ネオペルトリドは、これまでその全合成とNMR解析を通じて、絶対立体配置を含めた構造が明らかにされている(非特許文献2、5)。ネオペルトリドやその誘導体の全合成及び生物活性については、ほかにも多くの研究が報告されている(非特許文献4~6)。発明者らも、鈴木-宮浦カップリング反応を基盤としてネオペルトリドの全合成を達成するとともに、その構造活性相関の解析を行ってきた(非特許文献7~9)。





ネオペルトリドは、既存の抗腫瘍性天然物とは異なり、細胞骨格系タンパク質のチューブリンやアクチンには作用しないことが示唆されている。また、ネオペルトリドの標的分子はミトコンドリアcomplex IIIであり、ミトコンドリアATP合成を阻害することにより、細胞毒性を示すとの報告もある(非特許文献3)。しかしながら、ネオペルトリドの強力ながん細胞増殖阻害活性のメカニズムや構造活性相関については、未知の部分が多く、医薬として実用に至ってはいない。

産業上の利用分野



本発明は、細胞増殖抑制作用を有する新規な複素環化合物に関する。より詳しくは、マクロライド構造に基づいてデザインされた新規エステル化合物又はその薬理学上許容される塩を有効成分とする、細胞増殖阻害剤及び抗がん剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式1または2で示される複素環オキソ酸とアルコールから構成されるエステル化合物又はその薬理学上許容される塩:
【化1】


【化2】


[式中、R1はHであり、R2はC1-C4アルキルであり、
X-R3は、スチリル、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、又はC2-C4アルキニルであり、
R4は、C1-C10アルキル、C2-C10アルケニル、C2-C10アルキニル、シクロアルキル、ベンジル、又はヘテロシクロアルキルであり、
YはO、N、又はSであり、
R5は、H、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、又はC2-C6アルキニルである]

【請求項2】
X-R3はスチリルであり、R4は、C1-C10アルキル、シクロアルキル、又はベンジルであり、YはOであり、R5は、H、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、又はC2-C4アルキニルである、請求項1に記載の化合物又はその薬理学上許容される塩。

【請求項3】
下記に示されるいずれかの化合物又はその薬理学上許容される塩:
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-Methoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物4);
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-Methoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-4) ;
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-Butoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物14) ;
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-Butoxy-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-14) ;
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-(Hexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物15) ;
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-(Hexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-15) ;
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-(Cyclohexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物16) ;
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-(Cyclohexyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-16) ;
(Z)-(2R,4S,6S)-2-(2-(Benzyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物17) ;
(Z)-(2S,4R,6R)-2-(2-(Benzyloxy)-2-oxoethyl)-6-((E)-styryl)tetrahydro-2H-pyran-4-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (ent-17) ;
(Z)-(1R,5S,11R,13R)-3-Oxo-5-propyl-4,15-dioxabicyclo[9.3.1]pentadecan-13-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物22)
(Z)-(1R,11R,13R)-3-Oxo-4,15-dioxabicyclo[9.3.1]pentadecan-13-yl 5-(2-((Z)-3-((methoxycarbonyl)amino)prop-1-en-1-yl)oxazol-4-yl)pent-2-enoate (化合物27)

【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理学上許容される塩を含む、細胞増殖抑制剤。

【請求項5】
細胞ががん細胞である、請求項4に記載の細胞増殖抑制剤。

【請求項6】
がんが膵臓がん、結腸がん、肝臓がん、脳腫瘍、肺がん、扁平上皮がん、膀胱がん、胃がん、膵臓がん、前立腺がん、腎臓がん、結腸直腸がん、乳がん、頭部がん、頸部がん、食道がん、婦人科がん、甲状腺がん、リンパ腫、慢性白血病、及び急性白血病からなる群から選ばれる、請求項5に記載の細胞増殖抑制剤。

【請求項7】
がんが肺がん、腎臓がん、白血病、乳がん又は線維肉腫である、請求項6に記載の細胞増殖抑制剤。

【請求項8】
抗がん剤である、請求項4~7のいずれか1項に記載の細胞増殖抑制剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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