TOP > 国内特許検索 > 放射線被ばく治療剤及び放射線被ばく治療方法

放射線被ばく治療剤及び放射線被ばく治療方法

国内特許コード P150011338
整理番号 S2013-0194-N0
掲載日 2015年2月18日
出願番号 特願2012-250880
公開番号 特開2014-097958
出願日 平成24年11月15日(2012.11.15)
公開日 平成26年5月29日(2014.5.29)
発明者
  • 柏倉 幾郎
  • 伊藤 巧一
  • 中野 学
  • 門前 暁
  • 千葉 満
  • 吉野 浩教
  • 廣内 篤久
出願人
  • 国立大学法人弘前大学
発明の名称 放射線被ばく治療剤及び放射線被ばく治療方法
発明の概要 【課題】効果の高い放射線被ばく治療剤を提供する。
【解決手段】
本発明の放射線被ばく治療剤は、抗体を除くトロンボポイエチン受容体作動薬を含有し、放射線被ばくによる障害臓器を再生する。トロンボポイエチン受容体作動薬としては、ロミプロスチム(romiplostim)が用いられる。ロミプロスチムは、1回の投与あたり、慢性免疫性血小板減少性紫斑病の治療の5倍~50倍の用量で投与する。具体的には、被ばく後に、ロミプロスチムを、1回あたり10μg~100μg/kgの用量で、1回/1日以上で3日以上、投与する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



高線量放射線曝露個体における急性放射線症候群(Acute Radiation Syndrome、ARS)では、放射線感受性の高い腸管や骨髄が重度の障害を起こして死に至る。

このような放射線被ばくに伴う臓器障害において、特に腸管の障害に対しては、有効な治療法がない。また、骨髄の造血機能再生に対しては造血幹細胞移植が効果的であることが、これまでの事故例により示されている。しかしながら、造血幹細胞移植は、不意の事故等によって数十人から数百人規模の患者が同時、若しくは短期間に発生した場合には、充分に対応できないことが予測される。

このような大規模な患者への初期治療として、薬物治療が最も迅速に対応できると考えられる。しかしながら、海外の事故例において造血機能障害に効果的であることが確認されている造血・免疫の生理活性を改善するサイトカイン製剤の多くは、日本国内では医薬品として承認されていない。





非特許文献1を参照すると、国際原子力機関(International Atomic Energy Agency, IAEA)は、中程度から重度被ばくによるARSに対しては、G-CSF(granulocyte-colony stimulating factor)又はGM-CSF(granulocyte macrophage-colony stimulating factor)のいずれかのサイトカインの投与を、深刻な被ばく若しくは致死線量のARSに対しては、IL-3(interleukin-3)及びGM-CSFのサイトカインの投与と同時に骨髄移植の実施を推奨している。

これらの中でG-CSFのみがARSの治療薬として国内で承認されているものの、単独投与では、致死線量を被ばくした個体の生存率の改善には不十分であった。





一方、トロンボポイエチンは、巨核球系前駆細胞に作用する血小板減少症の治療薬として期待された造血サイトカインである。

しかしながら、トロンボポイエチンの遺伝子組換え体は、中和抗体が発生するため、欧米豪日での治験が中断した経緯がある。

また、通常のトロンボポイエチン、トロンボポイエチン受容体作動薬は、造血系幹細胞の増幅作用が、in vitroであることは、当業者に周知である。





また、特許文献1を参照すると、中和抗体産生に関わるエピトープを外し、受容体であるc-MPLにトロンボポイエチン様に作動するペプチド医薬が開発された(以下、従来技術1とする。)。

従来技術1の組成物は、骨髄移植、放射線療法、又は化学療法に伴う「血小板減少症」の処置において有用である(従来技術1の段落[0067]等を参照)。

従来技術1の実施例では、カルボプラチン処置による貧血モデルマウスにおいて当該化化合物を投与することで、血小板減少を抑制できることを示している。





具体的に、従来技術1のトロンボポイエチンのアナログの融合タンパク質は、ロミプロスチム(Romiplostim)として実用化されている。ロミプロスチムは、血小板細胞が自身の免疫系により破壊されることによる慢性免疫性血小板減少性紫斑病(chronic idiopathic (immune) thrombocytopenic purpura、ITP)の治療薬、商品名Nplate(登録商標、Amgen社)として用いられている。つまり、従来技術1の組成物は、血液を凝固させる血小板がITPにより通常より少ない状態となる血小板減少症の患者の治療薬として、諸外国で承認され、その後、2011年1月に、我が国でも承認された。





ここで、非特許文献2を参照すると、ヒト型モノクローナル抗体のH及びL鎖に、トロンボポイエチンの受容体結合配列部位のペプチドを連結したものが記載されている(以下、従来技術2とする。)。

従来技術2の抗体ALXN4100TPOは、in vivoでTPO受容体に作用してトロンボポイエチンの受容体c-MPLに結合する高い能力を備える。また、従来技術2の抗体は、放射線に被ばくしたマウスに投与することで、放射線被ばくの致死性を軽減できる。

産業上の利用分野



本発明は、放射線被ばく治療剤及び放射線被ばく治療方法に係り、特に放射線被ばくによる障害臓器を再生する放射線被ばく治療剤及び放射線被ばく治療方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
抗体を除くトロンボポイエチン受容体作動薬を含有し、放射線被ばくによる障害臓器を再生する放射線被ばく治療剤。

【請求項2】
前記トロンボポイエチン受容体作動薬は、ロミプロスチム(romiplostim)である
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線被ばく治療剤。

【請求項3】
前記ロミプロスチムを、1回の投与あたり、慢性免疫性血小板減少性紫斑病の治療の5~50倍の用量で投与する
ことを特徴とする請求項2に記載の放射線被ばく治療剤。

【請求項4】
前記ロミプロスチムを、被ばく後に、1回あたり10μg~100μg/kgの用量で、1回/1日以上で3日間以上、投与する
ことを特徴とする請求項3に記載の放射線被ばく治療剤。

【請求項5】
前記トロンボポイエチン受容体作動薬は、エルトロンボパグ(eltrombopag)である
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線被ばく治療剤。

【請求項6】
抗体を除くトロンボポイエチン受容体作動薬を投与し、放射線被ばくによる障害臓器を再生する、ヒト以外の動物の放射線被ばく治療方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2012250880thum.jpg
出願権利状態 公開
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close