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脳機能計測装置及び計測方法

国内特許コード P150011343
整理番号 S2012-1057-N0
掲載日 2015年2月18日
出願番号 特願2012-229419
公開番号 特開2014-079387
登録番号 特許第6089568号
出願日 平成24年10月17日(2012.10.17)
公開日 平成26年5月8日(2014.5.8)
登録日 平成29年2月17日(2017.2.17)
発明者
  • 徳田 崇
  • 太田 淳
  • 笹川 清隆
  • 野田 俊彦
出願人
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
発明の名称 脳機能計測装置及び計測方法
発明の概要 【課題】装置の故障等が生じた場合でも、長期間に亘る計測の期間中に大掛かりな外科的手術を要せず、被検体へ大きな負担と感染症リスクを軽減しながら、長期間、安定した計測を行うことができる脳機能計測装置を提供する。
【解決手段】被検体100の頭蓋骨102を貫通し、先端部12が脳表面に接触し、基部13が頭蓋骨13外側に露出するように、複数の電極体1を装着する。被検体100の外部に設置された体外ユニット3と無線で信号のやり取りを行う、電気回路部22が内蔵された頭蓋上ユニット2Aは、各電極体1の基部13に接触するコンタクト部21を一面に備え、頭蓋骨102に対し着脱容易に固定される。頭蓋上ユニット2Aは故障して有害な液体が漏出しても、該液体は脳には達しない。また、頭蓋上ユニット2Aを交換する際には頭皮101のみを切開すればよく、手術も簡単である。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要



近年の脳科学や医療用計測技術の進展は目覚ましく、脳機能関連情報を収集するための各種のセンシングデバイスや新しい脳機能イメージング技術が実現されている。脳機能関連情報計測用のデバイスは、大別して侵襲型と非侵襲型とに区分される。侵襲型とは電極などを直接的に脳に接触させるために、被検体の頭皮や頭蓋骨の切開など、何らかの外科的手術をも伴うものである。これに対し、非侵襲型とは被検体の頭部の外側から間接的に(つまり頭皮や頭蓋骨などを通して)脳にアクセスし、何らかの脳機能関連情報を取得するものである。





非侵襲型脳機能計測としては、f-MRI(functional magnetic resonance imaging) や光トポグラフィなどの優れた計測技術が開発され、診断や研究の分野で大きな成果を挙げている。しかしながら、こうした計測はあくまでも間接的な計測であるという制約があるために、分解能や感度などの性能を高めるのが難しい。また、医療施設に備えられた非可搬型である大型の装置により計測を行うので、通常の活動を行っている状態の被検体に対し長時間に亘り計測を行うことはできない。そのため、高精度、高分解能の脳機能関連情報を得るため、或いは、通常の活動を行っている状態の被検体の脳機能関連情報を或る程度長期間に亘り取得するためには、少なくとも装置の一部を被検体の頭部に装着した侵襲型脳計測が必要である。





従来の侵襲型脳機能計測デバイスとしては、大別して、脳表型計測を行うものと脳刺入型計測を行うものとがある。後者の脳刺入型のデバイスは文字通り、針状電極を脳内に刺入して脳内の比較的深い部分の電気信号を取得可能としたものであり、例えば米国ミシガン大学で開発されたいわゆるミシガン電極や、米国ユタ大学で開発されたいわゆるユタ電極(非特許文献1参照)といったものが古くから報告されている。こうした電極は、針状電極を高密度で配置した剣山状の構造をとることで、或る程度の広い範囲に亘る脳内の情報を収集することができる。しかしながら、脳刺入型は脳を傷付けるために脳に対するダメージが大きい。また、脳の免疫反応等により電極性能の経時劣化があるため、長期間に亘り安定的な計測を行うことは難しい。





一方、前者の脳表型デバイスとしてはいわゆるECoG電極と呼ばれるものが知られている。例えば、我が国において、てんかんなどの臨床治療用として認可されているユニークメディカル社の頭蓋内電極がある(非特許文献2参照)。また、ECoG電極を利用した長期間の計測技術としては非特許文献3に記載のものがある。こうした脳表型デバイスは脳刺入型と比べると空間分解能は劣るものの、脳に与えるダメージが少なく性能の経時劣化も小さくて済む。また、広範囲の計測にも向いている。こうしたことから、被検体の自由な活動を阻害せずに、比較的長期間に亘り安定した脳機能関連情報を取得するには、脳表型計測が有利である。





上述したように被検体の自由な活動を阻害することなく比較的長期間計測を継続するには、被検体の体内と外部との接続は無線方式があることが望ましい。こうした観点から、本願発明者らは特許文献1において、脳内に刺入される電極が一体化された体内装着部で得られた電気信号を体外計測部に無線で送信する脳内情報計測装置を提案している。該文献では、故障が起こりにくく低コストな構成として体内装着部に能動的回路を有さないパッシブ型も提案しているが、高度な計測を行うためには、CMOS集積回路などの電気回路を体内装着部に内蔵したアクティブ型の構成とすることが必要になる。しかしながら、そうすると、故障が起こり易くなるし、また機能向上のためにCMOS集積回路などを交換する必要性が生じることもある。





特許文献1に記載の構成において、故障したり機能が古くなったりした体内装着部を交換する必要が生じた場合、頭蓋骨を切開する必要はないものの、頭蓋骨の貫通孔に挿通され脳内に刺入されている電極を抜かなければならない。そうなると、やはり被検体に対して大きな負担を与えることになり、感染症などのリスクも高くなる。

産業上の利用分野



本発明は、各種の実験動物や人間(ヒト)などの被検体の様々な脳活動や脳機能を反映した脳機能関連情報を収集するための脳機能計測装置及び計測方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
各種の実験動物やヒトを含む被検体の脳機能に関連した情報を収集するための脳機能計測装置であって、
a)被検体の頭蓋骨又は該頭蓋骨の一部に代えて被検体に装着される人工頭蓋骨に穿孔された貫通孔に挿設され、先端部が前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の内側に露出して脳又は脳を被覆する膜に接触する一方、基部が前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に露出してなる複数の電極と、
b)前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に着脱可能に固定されるユニットであり、該頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に露出している前記複数の電極の基部の位置に対応してそれぞれ設けられ、当該ユニットが前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に装着されたときに前記複数の電極の基部とそれぞれ接触する複数のコンタクト部と、該コンタクト部を介して前記電極から得られた電気信号又は該コンタクト部を介して該電極へ与える電気信号を、無線で当該被検体の頭皮の外側に送信する又は外側から受信する信号中継部と、を含む頭蓋上ユニットと、
c)当該被検体の頭皮の外側に設けられ、前記頭蓋上ユニットの信号中継部から無線で送出される信号を受信する又は該信号中継部に無線で信号を送信する体外ユニットと、
を備えることを特徴とする脳機能計測装置。

【請求項2】
請求項1に記載の脳機能計測装置であって、
検体の頭蓋骨又は人工頭蓋骨に穿孔された貫通孔に挿設され、先端部が前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の内側に露出して脳又は脳を被覆する膜に接触する一方、基部が前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に露出してなる複数の導光体、をさらに備え、
前記頭蓋上ユニットは、当該ユニットが前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に装着されたときに該頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に露出している前記導光体の基部と光学的に結合され光学結合部と、該光学結合部及び前記導光体を通して脳に光信号を与える発光部と、前記導光体及び前記光学結合部を経て得られた光信号を受光して電気信号に変換する受光部と、をさらに含むことを特徴とする脳機能計測装置。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の脳機能計測装置であって、
前記頭蓋上ユニットのコンタクト部及び/又は光学結合部は、当該ユニットの筐体の一面に2次元的に配置されてなることを特徴とする脳機能計測装置。

【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の脳機能計測装置であって、
前記頭蓋上ユニットは、被検体の頭蓋骨又は該被検体に装着される人工頭蓋骨の外側に形成された凹部に嵌着されることを特徴とする脳機能測装置。

【請求項5】
各種の実験動物である被検体の脳機能に関連した情報を収集する脳機能計測方法であって、
a)被検体の頭蓋骨又は該頭蓋骨の一部に代えて被検体に装着される人工頭蓋骨に複数の貫通孔を穿孔し、各貫通孔にそれぞれ、先端部が前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の内側に露出して脳又は脳を被覆する膜に接触する一方、基部が前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に露出するように複数の電極を挿設し、
b)さらに、前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に露出している前記複数の電極の基部の位置に対応してそれぞれ設けられ、当該ユニットが前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に装着されたときに該頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に露出している前記複数の電極の基部とそれぞれ接触するコンタクト部と、該コンタクト部を介して前記電極から得られた電気信号又は該コンタクト部を介して該電極へ与える電気信号を、無線で当該被検体の頭皮の外側に送信する又は外側から受信する信号中継部と、を含む頭蓋上ユニットを、前記コンタクト部が前記複数の電極の基部とそれぞれ接触するように、前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に着脱可能に固定した上で、
被検体の脳又は脳を被覆する膜に前記先端部がそれぞれ接触した前記電極で得られる電気信号を、該電極の基部に接触した前記コンタクト部を介して前記頭蓋上ユニットの信号中継部へと送り、該信号中継部において無線で送出される信号を被検体の体外に設けられた体外ユニットにより受信することにより脳機能関連情報を取得するようにしたことを特徴とする脳機能計測方法。

【請求項6】
請求項5に記載の脳機能計測方法であって、
検体の頭蓋骨又は人工頭蓋骨に穿孔された貫通孔に、先端部が前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の内側に露出して脳又は脳を被覆する膜に接触する一方、基部が前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に露出するように複数の導光体を挿設し、
前記コンタクト部及び前記信号中継部に加えて、当該ユニットが前記頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に装着されたときに該頭蓋骨又は人工頭蓋骨の外側に露出している前記導光体の基部と光学的に結合され光学結合部と、該光学結合部及び前記導光体を通して脳に光信号を与える発光部と、前記導光体及び前記光学結合部を経て得られた光信号を受光して電気信号に変換する受光部と、をさらに含む前記頭蓋上ユニットにより、脳に対する光信号の刺激を与える、及び/又は、脳から光学情報を収集するようにしたことを特徴とする脳機能計測方法。

【請求項7】
請求項5又は6に記載の脳機能計測方法であって、
被検体の頭蓋骨又は該被検体に装着される人工頭蓋骨の外側に、前記頭蓋上ユニットの筐体外形形状に応じた凹部を形成し、該凹部に前記頭蓋上ユニットを嵌着するようにしたことを特徴とする脳機能計測方法。

【請求項8】
請求項5~7のいずれか1項に記載の脳機能計測方法であって、
被検体の頭蓋骨又は該被検体に装着される人工頭蓋骨の外側に前記頭蓋上ユニットを複数固定することで、脳機能関連情報を収集可能な範囲を拡大するようにしたことを特徴とする脳機能計測方法。
国際特許分類(IPC)
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