TOP > 国内特許検索 > 微生物培養装置ならびにそれを利用した微生物分散培養方法および細胞外多糖類抑制方法

微生物培養装置ならびにそれを利用した微生物分散培養方法および細胞外多糖類抑制方法 UPDATE 新技術説明会

国内特許コード P150011344
整理番号 S2012-1028-N0
掲載日 2015年2月18日
出願番号 特願2013-025720
公開番号 特開2014-150784
登録番号 特許第6108526号
出願日 平成25年2月13日(2013.2.13)
公開日 平成26年8月25日(2014.8.25)
登録日 平成29年3月17日(2017.3.17)
発明者
  • 伊藤 司
出願人
  • 国立大学法人群馬大学
発明の名称 微生物培養装置ならびにそれを利用した微生物分散培養方法および細胞外多糖類抑制方法 UPDATE 新技術説明会
発明の概要 【課題】本発明の目的は、振動板を具備する微生物培養装置、及び微生物培養装置を用いた微生物培養方法、微生物分散培養方法、細胞外多糖類抑制方法を提供することにある。
【解決手段】振動板を振動させることによって、振動板の突部に存在する貫通孔を通り抜ける気体を細かくちぎり、効果的に微細化することを見出した。さらに、微細気泡が充満した培養槽で微生物を培養すると、微生物が分散状態を維持して培養されること、及び微生物の細胞外多糖類の分泌が抑制されることを見出した。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



微生物の液体や気体中での存在形態には、浮遊状態と付着状態があり、浮遊状態の中でも微生物同士が接着して集塊を形成した状態と、微生物細胞が単独で存在する分散状態がある。付着状態や浮遊して集塊を形成した状態は、多数の微生物の集合体であり、バイオフィルムともよばれる。





微生物が環境ストレス等に晒されると、これに対して抵抗性を高めるために、細胞外の多糖類(細胞外マトリックスや細胞外ポリマーともいう)が分泌される。この多糖類が細胞同士を接着させ、集合体を形成させていると考えられている。この集合体を形成した状態は、単独で分散して存在する微生物細胞に比べて、薬剤や外的環境要因(ストレス)に対して抵抗性が高い状態であることが知られている。





微生物が集合体を形成することにより、種々の問題が生じる。たとえば、微生物を液体中で培養する場合は、分散状態の微生物の方が、集合体を形成した状態の微生物よりも高い生産性や機能を得られることが知られており、よって、微生物が集合体を形成すると、微生物が生産する有用な物質の生産性が低下したり、微生物による汚濁物質等の分解の速度が低下したりする。また、病原菌の毒素には、微生物が集合体を形成した細胞密度が高い状態で生産されるものが多い。さらに、微生物が生成する多糖類様の物質は、水処理用の膜のファウリングを引き起こし膜の透過性能を低下させ、膜処理の運転コストや交換コストを押し上げている。





また、微生物の制御や抑制を必要とする分野における微生物の存在形態の多くは、ストレスに対して抵抗性が高いことが知られた付着状態、集合体またはバイオフィルムであるため、微生物細胞の制御や抑制を難しくしている。微生物細胞表面の細胞外多糖類が少ない状態や微生物細胞が分散している状態を作り出すことにより、ストレス等の外的環境要因や薬剤に対する感受性が高まるため、薬剤等による殺菌が容易となる。





特許文献1には、微生物を活性化して培養する方法として、微細気泡発生機を使用して発生させた微細気泡で微生物を処理する工程を含む微生物活性化工程が記載されている。しかし、従来は、微細気泡を発生させるには、旋回流で気体と液体を高速に混合させて発生させる方法(高速旋回流方式)や、気体を高速回転するプロペラ等でせん断して微細気泡化する方法(気液せん断方式)が主流であったため、これらの方法では、液体が微生物培養液の場合には微生物細胞に損傷を与えてしまうと考えられる。この他、微細気泡を発生させる方法には、気体を加圧して液体に溶解させたあとで圧力を解放する方法(圧力開放方式)や、液体中に超音波を与えてキャビテーションにより発生させる方法(超音波方式)があるが、これらの方法でも、液体が微生物培養液の場合には、微生物細胞に損傷を与えてしまうと考えられる。また、いずれの方法も液体そのものに高速流やせん断や圧力などの負荷を与える方法である。





特許文献2には、旋回流やせん断力等によらない微細気泡発生装置が記載されており、当該微細気泡発生装置に使用される多数の貫通孔を有するノズルの孔形状、孔径を種々選択することによって、発生させる微細気泡の粒径を調整することが可能である旨の記載が

ある。しかし、当該形状等に関する具体的な記載はなく、特に、微生物培養に適する貫通孔を有する振動板の形状については記載されていない。そもそも特許文献2に記載の装置は、薬剤の調合や液体燃料への微細な粒径の空気の供給等に使用可能なものであって、微生物培養に適用することは想定されていない。すなわち、薬剤や燃料等の液体中に微細気泡発生が可能であっても、微生物培養液のように液体が水の場合には、水の表面張力が大きいために気泡が粗大化しやすく、装置を工夫しなければ微細気泡を発生させることができない。

産業上の利用分野



本発明は、微生物培養装置ならびにそれを利用した微生物の分散培養方法および微生物の細胞外多糖類抑制方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
微生物を液体培養するための培養槽と、
前記培養槽内に設置された、1つ以上の貫通孔を有する振動板と、
前記振動板に接続され、前記培養槽に該振動板を通じて気体を供給するための装置と、
前記振動板を振動させるための発振機と、
前記振動板を収容するための容器と、
を具備する微生物培養装置であって、
前記振動板は、培養槽内部側に突出する突部を有し、
前記貫通孔の培養槽内部側の孔径は、8~10μmであり、その孔数は126~1200個であることを特徴とする、
気体を微細気泡として通気しながら微生物を液体培養するための微生物培養装置。

【請求項2】
前記振動板が有する貫通孔は、培養槽内部側に向かって径が小さくなっている、請求項1に記載の微生物培養装置。

【請求項3】
前記振動板における1つ以上の貫通孔は、前記突部にのみ存在する、請求項1または2に記載の微生物培養装置。

【請求項4】
微生物を、請求項1~のいずれか1項に記載の微生物培養装置により培養することを特徴とする、微生物培養方法。

【請求項5】
微生物を、請求項1~のいずれか1項に記載の微生物培養装置により細胞が分散した状態で培養することを特徴とする、微生物分散培養方法。

【請求項6】
微生物を、請求項1~のいずれか1項に記載の微生物培養装置により細胞外多糖類の生成を抑制した状態で培養することを特徴とする、微生物の細胞外多糖類抑制方法。

【請求項7】
前記振動板を通じて培養槽内に供給される気体の流量は、0.5~3.0ml/分である、請求項のいずれか1項に記載の方法。

【請求項8】
前記振動板から培養槽内に供給された微細気泡の気泡径は、100μm以下である、請求
のいずれか1項に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2013025720thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close