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高分子の伸長方法および高分子伸長装置

国内特許コード P150011351
整理番号 S2012-1283-N0
掲載日 2015年2月18日
出願番号 特願2012-218223
公開番号 特開2014-068612
出願日 平成24年9月28日(2012.9.28)
公開日 平成26年4月21日(2014.4.21)
発明者
  • 川野 聡恭
  • 新宅 博文
  • 雪本 直哉
  • 上原 聡司
  • 谷口 正輝
  • 川合 知二
出願人
  • 国立大学法人大阪大学
発明の名称 高分子の伸長方法および高分子伸長装置
発明の概要 【課題】帯電した高分子を十分に伸長させる方法を提供する。
【解決手段】固定用電極と対向電極との間の距離が高分子の全長よりも長い流路内にて、高分子を含んでいる溶液を流動させ、固定用電極と対向電極との間に電圧を印加し、当該電圧を低下させることで高分子の一端を固定用電極に固定した状態で、他端を固定用電極から離脱させ、高分子を伸長させる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



高分子の分子レベルでの観察は、高分子の構造および挙動の理解を進める上で重要であり、近年、生物学、医学、薬学、農学、工学等の分野において注目を集めている。高分子の分子レベルでの観察が可能になれば、医療、創薬、ナノデバイスの開発等の分野にも応用することが可能になると考えられる。





しかしながら、高分子は複雑な立体構造をとることが多い。例えば、核酸の重合体であるDNAは非常に長い糸状の高分子であるが、溶液中では凝集した状態となって存在している。DNA等の鎖状高分子を分子レベルで観察するには、当該高分子を一直線状に伸長させた方が観察しやすい。





本発明者らは、これまで、非一様な電場におけるDNAの流動特性に着目し、高分子を伸長させる方法について実験的考察を行ってきた。具体的には、非特許文献1に示すように、正極と負極とを交互に有するくし歯状電極を配置したマイクロ流路を用いた新たなDNA伸長方法を提案し、実験においてλDNA(48,502bp)の伸長を試みてきた。





非特許文献1に記載の技術では、リン酸基によって負に帯電しているλDNAの一端を、マイクロ流路内に設けられている正極上に固定する。なお、上記正極は、マイクロ流路の底面に設けられている。上述した状態で、λDNAを、マイクロ流路の底面近傍を流れる流体に晒すことによって、λDNAが伸長する。





上記マイクロ流路の底面には、上記正極の下流側に、当該正極と対をなす負極が配置されている。λDNAの他端もリン酸基によって負に帯電しているので、当該他端と負極とが反発する。これによって、λDNAの他端をマイクロ流路内の流れの速い領域(具体的には、マイクロ流路の横断面における中央部)にまで浮上させて、λDNAを伸長させる方法を試みている。

産業上の利用分野



本発明は、高分子の一端を電極上に固定した状態で、当該高分子を伸長させる、高分子の伸長方法および高分子伸長装置に関する。更に具体的には、高分子の一端を電極上に固定した状態で、流路内を流れる流体の力によって当該高分子を伸長させる、高分子の伸長方法および高分子伸長装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
電荷を有する高分子を流路内で伸長させる、高分子の伸長方法であって、
上記高分子を含んでいる溶液を、上記高分子を固定するための固定用電極および上記固定用電極と対をなす対向電極が備えられている流路内へ導入し、当該溶液を、上記流路内にて流動させる溶液流動工程と、
上記固定用電極に上記高分子が有する電荷とは逆の極性を与えるように、上記固定用電極と上記対向電極との間に電圧を印加して、上記高分子を上記固定用電極上に固定する高分子固定工程と、
上記電圧を低下させることによって、上記高分子の一端が上記固定用電極上に固定された状態で上記高分子の他端を上記固定用電極から離脱させ、上記高分子を、上記溶液の流動方向へ伸長させる高分子伸長工程と、を含み、
上記固定用電極と上記対向電極との間の距離は、上記高分子の全長よりも長いことを特徴とする高分子の伸長方法。

【請求項2】
上記溶液流動工程では、上記溶液を、上記流路内にて上記固定用電極から上記対向電極へ向かって流動させることを特徴とする請求項1に記載の高分子の伸長方法。

【請求項3】
上記溶液流動工程では、上記溶液を、上記流路内にて上記対向電極から上記固定用電極へ向かって流動させることを特徴とする請求項1に記載の高分子の伸長方法。

【請求項4】
上記電圧を低下させる速度が、450mV/s以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の高分子の伸長方法。

【請求項5】
上記固定用電極の、上記溶液の流動方向に平行な方向への幅が、上記高分子の全長よりも短いことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の高分子の伸長方法。

【請求項6】
上記高分子が、DNA、RNA、タンパク質、ペプチドまたは糖であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の高分子の伸長方法。

【請求項7】
上記流路の一端には、上記流路内へ導入するための上記溶液を貯留している導入用リザーバが連結されているとともに、上記流路の他端には、上記流路外へ導出された上記溶液を貯留している導出用リザーバが連結されており、
上記溶液流動工程では、上記導入用リザーバと上記導出用リザーバとの間における上記溶液の水頭差によって、上記溶液を、上記流路内にて流動させることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の高分子の伸長方法。

【請求項8】
上記流路内を流動する上記溶液の流速が、45.9μm/s以上91.8μm/s以下であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の高分子の伸長方法。

【請求項9】
電荷を有する高分子を伸長させる高分子伸長装置であって、
上記高分子を含んでいる溶液を流動させるための流路と、
上記流路の内部に配置され、かつ、上記高分子を固定するための固定用電極と、
上記流路の内部に配置され、かつ、上記固定用電極と対をなす対向電極と、
上記固定用電極と上記対向電極との間に印加する電圧の値を切り替えるための電圧調節手段と、を備えており、
上記固定用電極と上記対向電極との間の距離が、上記高分子の全長よりも長いことを特徴とする高分子伸長装置。

【請求項10】
上記流路は、上記溶液を、上記固定用電極から上記対向電極へ向かって流動させるためのものであることを特徴とする請求項9に記載の高分子伸長装置。

【請求項11】
上記流路は、上記溶液を、上記対向電極から上記固定用電極へ向かって流動させるためのものであることを特徴とする請求項9に記載の高分子伸長装置。

【請求項12】
上記電圧調節手段は、450mV/s以上の速度で電圧を低下させるものであることを特徴とする請求項9~11のいずれか1項に記載の高分子伸長装置。

【請求項13】
上記固定用電極の、上記溶液の流動方向に平行な方向への幅が、上記高分子の全長よりも短いことを特徴とする請求項9~12のいずれか1項に記載の高分子伸長装置。

【請求項14】
上記流路の一端に連結され、かつ、上記流路内へ導入するための上記溶液を貯留している導入用リザーバと、
上記流路の他端に連結され、かつ、上記流路外へ導出された上記溶液を貯留している導出用リザーバと、を備えており、
上記導入用リザーバおよび上記導出用リザーバは、上記導入用リザーバと上記導出用リザーバとの間における上記溶液の水頭差によって、上記溶液を流動させるものであることを特徴とする請求項9~13のいずれか1項に記載の高分子伸長装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012218223thum.jpg
出願権利状態 公開
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