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硫黄がドープされた蓄電デバイス用活性炭及びその製造方法

国内特許コード P150011357
整理番号 S2013-0113-N0
掲載日 2015年2月19日
出願番号 特願2012-257398
公開番号 特開2014-105119
登録番号 特許第6006624号
出願日 平成24年11月26日(2012.11.26)
公開日 平成26年6月9日(2014.6.9)
登録日 平成28年9月16日(2016.9.16)
発明者
  • 白石 壮志
  • 奈良 将法
  • 坂田 健介
  • 清雲 博史
  • 登之内 敬
出願人
  • 国立大学法人群馬大学
  • 株式会社明電舎
発明の名称 硫黄がドープされた蓄電デバイス用活性炭及びその製造方法
発明の概要 【課題】
高電流密度での充放電における容量が高いだけでなく、3V以上の高電圧充電に対する耐久性が優れた蓄電デバイスの電極用活性炭を製造する。
【解決手段】
本発明の蓄電デバイス用活性炭は、硫黄がドープされた活性炭であって、比表面積が1500~1700m/gの範囲にあり、ミクロ孔容積が0.6~0.8ml/gの範囲にあり、平均ミクロ孔幅が0.95~1.15nmの範囲にあり、炭素に対する硫黄の原子比が0.05~0.06の範囲にある。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



充電して繰り返し使える電気二重層キャパシタ(Electric Double Layer Capacitor)は、活性炭などの多孔質炭素電極内の細孔に形成されるイオンの吸着層、即ち電気二重層に電荷を蓄えるコンデンサである。この電気二重層キャパシタは長寿命で高出力であるため、コンピュータのメモリのバックアップ用電源として普及しており、最近では、鉄道車両に搭載した電力貯蔵システムやハイブリッド車の補助電源として急激に注目されている。





図7に示すように、電気二重層キャパシタ10は、電解液11に浸漬した二枚の活性炭電極12,13間に電源14を繋いで電圧を印加することで充電される。充電時は電解質イオンが電極表面に吸着する。具体的には、正極12では正孔(h)に電解液11中の陰イオン(-)が、負極13では電子(e)に電解液11中の陽イオン(+)がそれぞれ引きつけられ、正孔(h)と陰イオン(-)とは、また電子(e)と陽イオン(+)とはおよそ数Åという極小の距離をおいて配向し電気二重層を形成する。この状態は電源が外されても維持され、化学反応を利用することなく蓄電状態を維持する。放電時には吸着していた陽イオン並びに陰イオンがそれぞれの電極から脱離する。具体的には、電子(e)が正極12に戻り、それにつれて正孔(h)がなくなっていき、これに伴い、陽イオン、陰イオンが電解液中に再び拡散する。このように、充放電の全過程にわたって、キャパシタ材料には何の変化も伴わないため、化学反応による発熱や劣化がなく、長寿命を保つことができる。





電気二重層キャパシタは、一般的に二次電池に比べて(1)高速での充放電が可能、(2)充放電サイクルの可逆性が高い、(3)サイクル寿命が長い、(4)電極や電解質に重金属を用いていないので環境に優しい、といった特徴を有する。これらの特徴は、電気二重層キャパシタが重金属を用いておらず、またイオンの物理的吸脱離によって作動し、化学種の電子移動反応を伴わないことに由来する。





電気二重層キャパシタに蓄電されるエネルギー(E)は、充電電圧(V)の二乗と電気二重層容量(C)の積に比例するため(E=CV/2)、エネルギー密度の改善には容量並びに充電電圧の向上が有効である。電気二重層キャパシタの充電電圧は通常、2.5V程度に抑えられている。これは、3V以上の電圧で充電すると電極並びに電解液の電気分解が始まることで容量が低下し、電気二重層キャパシタが劣化してしまうからであると説明されている。





上記課題を解決するための研究として、炭素に異種元素がドープされた電極材料のEDLC特性が注目されている。例えば、非特許文献1では、炭素ナノ細孔体に窒素をドープすることによりEDLCの容積を向上させることが報告されている。窒素ドープによりEDLCの容積が向上する理由として、(1)細孔表面の濡れ性が向上する、(2)ドープされた窒素が表面官能基となり疑似容量(酸化還元容量)を発揮して容量が上乗せされる、(3)ドープされた窒素が炭素中のキャリア濃度を増加させることで空間電荷層容量が増加する、などの機構が提唱されている。また、特許文献1には、活性炭に窒素をドープすると高電圧充電に対する耐久性が改善できることが記載されている。これは、窒素ドープによって電極上での電気分解反応が抑制されるためと考えられる。





EDLCの容積を向上させるために、窒素以外の元素をドープした活性炭については充分に研究が行われていない。非特許文献2には、ポリチオフェンをKOH賦活(アルカリ賦活)することで硫黄ドープ活性炭が調製されることが報告されている。この文献では、活性炭中の硫黄原子はXPS S2p3/2スペクトルで164eV及び169eVの結合エネルギーを示す結合状態であり、それぞれ、C-S-C(サルファイド)結合及びC-SO-C(スルフォン)結合に相当する。ただし、この硫黄ドープ活性炭については、EDLC特性など応用面での評価はされていない。

産業上の利用分野



本発明は、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスの電極に用いられる活性炭及びその活性炭を製造する方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
硫黄がドープされた活性炭において、比表面積が1500~1700m/gの範囲にあり、ミクロ孔容積が0.6~0.8ml/gの範囲にあり、平均ミクロ孔幅が0.95~1.15nmの範囲にあり、炭素に対する硫黄の原子比が0.05~0.06の範囲にある、蓄電デバイス用活性炭。

【請求項2】
請求項1記載の活性炭を電極として用いた電気二重層キャパシタ。

【請求項3】
生ゴムを加硫することにより製造した硫黄含有量が20~40質量%の範囲のエボナイト粉末を大気圧雰囲気下、室温から200~300℃の範囲まで昇温し、大気圧雰囲気下、前記昇温した温度で1~3時間保持することにより不融化を行う工程と、
前記不融化したエボナイト粉末を、不活性ガス雰囲気下、700~900℃の範囲まで昇温し、不活性ガス雰囲気下、前記昇温した温度で0.5~2時間保持することにより前記不融化エボナイト粉末を炭素化処理して炭素化エボナイトを得る工程と、前記炭素化エボナイトを不活性ガス雰囲気下、800~950℃の範囲まで昇温し、賦活収率が45~55%の範囲になるように二酸化炭素流通下、前記昇温した温度で保持することにより前記炭素化物を賦活処理して、炭素に対する硫黄の原子比が0.05~0.06の範囲にある活性炭を得る工程とを含むことを特徴とする蓄電デバイス用活性炭の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012257398thum.jpg
出願権利状態 登録
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