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電気化学システム

国内特許コード P150011360
掲載日 2015年2月19日
出願番号 特願2012-285550
公開番号 特開2014-126532
出願日 平成24年12月27日(2012.12.27)
公開日 平成26年7月7日(2014.7.7)
発明者
  • 逢坂 哲彌
  • 門間 聰之
  • 横島 時彦
  • 向山 大吉
  • 奈良 洋希
出願人
  • 学校法人早稲田大学
発明の名称 電気化学システム
発明の概要 【課題】電気化学セル10のインピーダンス特性が取得できる簡単な構成の電気化学システム1を提供する
【解決手段】電気化学システム1は、複数の電極11~13と電解質14とを含む電気化学セル10と、第1の周波数(f1)の矩形波信号を発生し電気化学セル10に印加するパワーコントローラー20と、矩形波信号に対する電気化学セル10の応答信号をフーリエ変換して、第1の周波数f1の整数倍の第2の周波数f2の成分を含む周波数特性を算出するフーリエ変換部30と、フーリエ変換部30が算出する周波数特性をもとに電気化学セル10のインピーダンス特性を算出する算出部40と、を具備する。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要



複数の電極と電解質とを含む電気化学セルのインピーダンス測定は、電気化学反応のメカニズム解明等のために広く使用されている。インピーダンス測定法として、測定対象の電気化学セルに、印加する正弦波信号の周波数を走査する交流インピーダンス法が知られている。





交流インピーダンス法では、周波数特性分析器(FRA:Frequency Response Analyzer)とポテンショスタットとが用いられる。FRAは、電気化学セルに所定の周波数の正弦波信号を印加するための周波数応答信号を出力する。ポテンショスタットは電気化学セルに印加する電圧(電流)をFRAからの周波数信号に基づき制御する。





正弦波信号の周波数を走査することで、複数の周波数におけるインピーダンス、すなわちインピーダンスの周波数特性が取得される。インピーダンスの周波数特性を、Z’(実数インピーダンス)軸を抵抗成分、Z”(虚数インピーダンス)軸をリアクタンス成分(通常は容量性)とする複素平面図に表したインピーダンスの軌跡が、ナイキストプロット(コールコールプロット)である。





図1に示したナイキストプロットは、電解質抵抗R、電荷移動抵抗及び被膜抵抗などから成る界面抵抗Rintと、それらに付随する電気二重層などの容量Cと、及び電荷キャリアの拡散Zwと、を考慮した単純なモデルの場合である。すなわち、参照極を用いた電気化学セルでの単純な系の電気化学反応は、電解質中のイオンの移動、電極界面での電荷移動反応、それに伴うイオンの拡散から構成される。なお、参照極を用いない電気化学セルでは,2つの電極(正極、負極)のインピーダンスが含まれるので、半円の軌跡は少なくとも2つの半円が重なった軌跡となる。軌跡を適当な等価回路モデルを用いて解析することで、電気化学セルを構成する複数の電極、及び電解質等の構成要素毎の特性を把握できる。





例えば、界面抵抗Rintを示す半円の径が大きくなった場合には、セルが劣化したことを示している。すなわち、電気化学セルが二次電池の場合では、結晶構造の変化など活物質自身の劣化や、電解質中のリチウムイオン電解質成分や有機溶媒が分解し、電解質分解生成物として負極及び正極の表面に有機物や無機物の形で堆積し、リチウムイオンの挿入脱離が阻害されるため、抵抗が上昇すると推察される。





近年、普及促進が図られている、電気自動車等は、電気化学セルである二次電池を動力源としている。しかし、交流インピーダンス法にて特性を評価するために、それぞれの自動車に周波数特性分析器及びポテンショスタットを搭載することはコスト高となるため現実的ではない。





また、低炭素社会の実現に向けて、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入が進められている。再生可能エネルギーを用いて安定した電力供給を行うためには、大規模蓄電システムが不可欠である。





大規模蓄電システムは、大容量の二次電池を主要構成要素としている。大容量の二次電池は内部抵抗が非常に低い。このため、交流インピーダンス法にて評価するためには、非常に高価な大容量のポテンショスタットが必要である。例えば、二次電池の内部抵抗が10mΩの場合、電圧を3Vに制御すると電流は300Aとなり、内部抵抗が1mΩの場合では電流は3000Aとなってしまう。また、電圧コントロールも容易ではない。





なお、特開2003-090869号公報には、複数の周波数の正弦波を重畳した信号を電池に印加し、応答信号をフーリエ変換することで、複数の周波数におけるインピーダンスを取得する測定装置が開示されている。





また、特開2012-185167号公報には、複数の電池を有する蓄電装置において、一の電池から他の電池に擬似正弦波信号を印加することで、インピーダンスを測定することが開示されている

産業上の利用分野



本発明の実施形態は、複数の電極と電解質とを含む電気化学セルの特性を測定する電気化学システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数の電極と電解質とを含む電気化学セルと、
第1の周波数の矩形波信号を発生し前記電気化学セルに印加するパワーコントローラーと、
前記矩形波信号に対する前記電気化学セルの応答信号をフーリエ変換して、前記第1の周波数の整数倍の第2の周波数の成分を含む周波数特性を算出するフーリエ変換部と、
前記フーリエ変換部が算出する前記周波数特性をもとに前記電気化学セルのインピーダンス特性を算出する算出部と、を具備することを特徴とする電気化学システム。

【請求項2】
前記第2の周波数が、前記第1の周波数の奇数倍の周波数であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学システム。

【請求項3】
前記パワーコントローラーが、複数の前記第1の周波数の矩形波信号により構成された、前記第1の周波数よりも低い第3の周波数の信号を前記電気化学セルに印加し、
前記フーリエ変換部が、前記第3の周波数の成分を含む周波数特性を算出することを特徴とする請求項2に記載の電気化学システム。

【請求項4】
前記パワーコントローラーが、複数の周波数の矩形波信号を前記電気化学セルに印加し、
前記フーリエ変換部が、前記複数の周波数のそれぞれの整数倍の周波数の成分を含む周波数特性を算出することを特徴とする請求項2に記載の電気化学システム。

【請求項5】
前記複数の矩形波信号の周波数が、その奇数倍の周波数が異なるように設定されていることを特徴とする請求項4に記載の電気化学システム。

【請求項6】
前記電気化学セルが蓄電デバイスであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電気化学システム。

【請求項7】
前記算出部が、前記インピーダンス特性から更に前記蓄電デバイスの特性変化を検出することを特徴とする請求項6に記載の電気化学システム。

【請求項8】
前記パワーコントローラーが、互いに接続された複数の蓄電デバイスからなる蓄電ユニットに対して前記矩形波信号を印加し、前記算出部が、前記蓄電ユニットの特性変化を検出することを特徴とする請求項7に記載の電気化学システム。

【請求項9】
前記蓄電デバイスが、二次電池であることを特徴とする請求項7、又は請求項8に記載の電気化学システム。

【請求項10】
前記二次電池の内部抵抗が10mΩ以下であることを特徴とする請求項9に記載の電気化学システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012285550thum.jpg
出願権利状態 公開
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