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スピントロニクスデバイス

国内特許コード P150011368
整理番号 S2012-1049-N0
掲載日 2015年2月19日
出願番号 特願2012-231849
公開番号 特開2014-086448
登録番号 特許第6143051号
出願日 平成24年10月19日(2012.10.19)
公開日 平成26年5月12日(2014.5.12)
登録日 平成29年5月19日(2017.5.19)
発明者
  • 安藤 和也
  • 齊藤 英治
出願人
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 スピントロニクスデバイス
発明の概要 【課題】 スピントロニクスデバイスに関し、スピン流-電子相互変換部材の有するスピン流-電流変換係数αで規定されていたスピン流-電流変換効率をα以上にする。
【解決手段】 スピン流発生部材層に接合するスピン流-電子相互変換部材層として、スピン流の流入方向の電気伝導度が他の方向の電気伝導度より高い導電性部材を用いる。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要



現在の半導体装置等のエレクトロニクス分野においては、電子の有する電荷の自由度を利用しているが、電子は電荷以外にスピンという自由度を有している。近年、このスピンの自由度を利用したスピントロニクスが次世代の情報技術の担い手として注目を集めている。





このスピントロニクスでは電子の電荷とスピンの自由度を同時に利用することによって、従来にない機能や特性を得ることを目指しているが、スピントロニクス機能の多くはスピン流によって駆動される。





スピン流はエネルギーの散逸が少ないため、効率の良いエネルギー伝達に利用できる可能性が期待されており、スピン流の生成方法や検出方法の確立が急務になっている。スピン流の生成方法としては、スピンポンピングによるスピン流が提案されており(例えば、非特許文献1参照)、スピン流の検出方法についても、本発明者等により逆スピンホール効果(ISHE)によるスピン流を電流に変換して電圧として取り出すことが提案されている(例えば、非特許文献2参照)。





このような逆スピンホール効果を得るために用いる逆スピンホール効果部材としては、Pt、Au、Pd、Ag、Bi、f軌道或いは3d軌道を有する遷移金属を有する元素、若しくはそれらの合金のいずれかを有する元素、或いは、前記各材料とCu、Al、或いは、Siの合金が用いられており、なかでも、逆スピンホール効果の生成効率の高いPt或いはBiドープCuが有望視されている。なお、逆スピンホール効果部材に外部磁場を印加すると外部磁場と直交する方向に逆スピンホール電圧EISHEが発生する。





このようなスピンホール効果或いは逆スピンホール効果における電子の運動は、下記の式(1)で表わされるボルツマン方程式で記述される。

【数1】




ここで、vは電子速度であり、fkσは電子の分布関数であり、eは素電荷、Eは外部電場であり、hはプランク常数であり、hスラッシュはh/2πを表し、右辺は、不純物による電子の散乱項である。ここで、kを電子の運動量とし、mを電子の質量とすると、

=(h/2π)k/mで表わされる。





式(1)における右辺の不純物による散乱項は、下記の式(2)で記述される。

【数2】




なお、式(2)における左項は、k′σ′の運動量・スピン状態からkσの運動量・スピン状態への散乱項であり、右項はkσの運動量・スピン状態からk′σ′の運動量・スピン状態への散乱項である。





また、式(2)における右項の分布関数に掛る係数は、下記の式(3)で表わされ、kσの運動量・スピン状態(|kσ>)からk′σ′の運動量・スピン状態(|k′σ′>)への散乱確率を表す。

【数3】




また、式中のnimpは不純物濃度、T(山記号付き)は散乱マトリクスである。なお、左項の分布関数に掛る係数も、「′」の位置を変えて表わされる。





このボルツマン方程式を解くことによって、分布fkσは下記の式(4)で記述される。

【数4】




なお、式(4)におけるσは電気伝導度を表し、τtrは不純物に起因する散乱時間を表し、μ(r)は電気化学ポテンシャルを表し、αはスピン流-電流変換係数を表し、σσσはスピンの向きを表すパウリマトリクスである。





また、αは下記の式(5)で表わされる。

【数5】




式(5)におけるηSOバーは無次元のスピン-軌道結合パラメータを表し、N(0)はフェルミ準位における電子の状態密度を表し、Vimpは不純物ポテンシャルの強度を表す。また、電気化学ポテンシャルμは下記の式(6)で表わされる。

【数6】




なお、μに付けられた矢印はアップスピン或いはダウンスピンを意味する。また、εはフェルミエネルギーであり、φは電気ポテンシャルであり、φ=-▽Eである。





ここで、x方向のスピン流密度jは下記の式(7)で表わされ、式(7)におけるσ(一般式σ)は下記の式(8)で表わされる。

【数7】




【数8】








また、スピン流から変換される電流密度jは、下記の式(9)で表わされ、x方向のスピン流に伴うy方向に流れる電流jは下記の式(10)で表わされ、最終的には、

=α・j

となり、逆スピンホール効果による電流密度jはスピン流-電流変換係数αに規定されることになる。

【数9】




【数10】








したがって、逆スピンホール効果によって多くの電流を取り出すためには、大きなスピン流-電流変換係数αを有する物質を逆スピンホール効果部材として用いることが重要になる。

産業上の利用分野



本発明は、スピントロニクスデバイスに関するものであり、例えば、逆スピンホール効果部材として異方導電性を有する部材を用いてスピン流-電流変換効率を高めたスピントロニクスデバイスに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
エネルギーの供給により純スピン流或いはスピン波スピン流を発生するスピン流発生部材層と、
前記スピン流発生部材層に接合し、スピン流を電流に変換する或いは電流をスピン流に変換するスピン流-電流相互変換部材層と、
前記スピン流-電流相互変換部材層に設けられ、前記電流の流れる方向の上流側と下流側に設けられた一対の電極と
を有し、
前記スピン流-電流相互変換部材層が、スピン流の流入方向の電気伝導度が他の方向の電気伝導度より低い異方導電性を有し、
前記異方導電性を有するスピン流-電流相互変換部材層が、導電性ポリマー、有機自己組織化膜、有機電荷移動錯体伝導体、層状遷移金属酸化物、或いは、3次元トポロジカル絶縁体のいずれかからなるスピントロニクスデバイス。

【請求項2】
前記スピン流発生部材層が磁性体層であり、
前記スピン流-電流相互変換部材層が、逆スピンホール効果部材層である請求項1に記載のスピントロニクスデバイス。

【請求項3】
前記供給されるエネルギーが、熱、マイクロ波、光或いは音波のいずれかである請求項2に記載のスピントロニクスデバイス。

【請求項4】
前記逆スピンホール効果部材層を、絶縁性基板上に設けるとともに、前記逆スピンホール効果部材層の上に前記磁性層を設けた請求項3に記載のスピントロニクスデバイス。

【請求項5】
前記磁性層を、絶縁性基板上に設けるとともに、前記磁性層の上に前記逆スピンホール効果部材層を設けた請求項3に記載のスピントロニクスデバイス。

【請求項6】
前記スピン流発生部材層が閃亜鉛鉱型結晶構造を有する半導体層であり、
前記スピン流-電流相互変換部材層が、逆スピンホール効果部材層であり、
前記供給されるエネルギーが円偏光光である請求項1に記載のスピントロニクスデバイス。

【請求項7】
前記スピン流発生部材層が磁性体層であり、
前記スピン流-電流相互変換部材層が、スピンホール効果部材層であり、
前記供給されるエネルギーが注入電流である請求項1に記載のスピントロニクスデバイス。

【請求項8】
前記導電性ポリマーが、PEDOTとPSSとを混合したポリマーであるPEDOT:PSSまたはPBTTTとF4-TCNQとを混合したポリマーであるPBTTT:F4-TCNQである請求項1に記載のスピントロニクスデバイス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012231849thum.jpg
出願権利状態 登録
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