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蛍光体、その製造方法及び発光装置 UPDATE

国内特許コード P150011369
整理番号 S2013-0254-N0
掲載日 2015年2月20日
出願番号 特願2012-272083
公開番号 特開2014-118421
登録番号 特許第6099126号
出願日 平成24年12月13日(2012.12.13)
公開日 平成26年6月30日(2014.6.30)
登録日 平成29年3月3日(2017.3.3)
発明者
  • 七井 靖
  • 奥野 剛史
出願人
  • 国立大学法人電気通信大学
発明の名称 蛍光体、その製造方法及び発光装置 UPDATE
発明の概要 【課題】高輝度及び高効率であり、化学的安定性が高い蛍光体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】一般式(1):(Ln1‐xRE(SiSで表され、LnはSc、Y、Gd及びLuからなる群より選ばれる1種以上であり、REはLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Bi及びMnからなる群より選ばれる一種以上であり、xは0.001≦x≦0.6である、蛍光体である。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要



蛍光体は、ディスプレイ装置などの画像表示装置や、蛍光灯や白色LEDなどの照明装置などに広く用いられている。ディスプレイ装置としては、CRT(カソードレイチューブ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、FED(フィールドエミッションディスプレイ)などがある。また、LCD(液晶ディスプレイ)のバックライト用白色光源にも蛍光体を用いることができる。さらに、蛍光体のエレクトロルミネッセンス(EL)を用いた無機EL素子をそれらに応用することも検討されている。





特に、近年は白色LEDの開発が盛んに行われている。従来の白色LEDは、(Y,Gd)(Al,Ga)12の組成式で知られるYAG系酸化物にCeを賦活した蛍光体を、青色LEDの封止樹脂中に分散させたものが広く使われている(特許文献1~3)。しかし、この白色LEDは、赤色域での発光が少ないため色再現性や演色性が不十分であり、さらなる改善が求められている。





これに対して、近紫外LEDと赤、緑および青色蛍光体とを組み合わせたもの(特許文献4)や、青色LEDと緑および赤色蛍光体を組み合わせたもの(特許文献5)が報告されている。また、白色LEDは照明だけではなく、LCDのバックライトとしても用いられており、さまざまな発光色の蛍光体が開発されている。





蛍光体は、母体結晶と呼ばれる結晶に発光中心と呼ばれる発光性イオンを賦活したものが多く報告されている。母体結晶内に発光中心を賦活する際の置換位置としては、アルカリ金属位置、アルカリ土類金属位置、希土類位置が挙げられる。これらを組成に含む酸化物、窒化物、酸窒化物が母体結晶としてよく研究され、広く実用化されている。





しかし、これらは基本的に高温焼成による合成が必要であり、特に酸窒化物蛍光体は高温焼成に加えて高圧下での反応が要求されるため、合成にコストがかかるという問題がある。





一方、これらに比べて比較的低温で合成できる蛍光体として、硫化物蛍光体が報告されている。具体的には、アルカリ土類硫化物やAZ(ただしAはアルカリ土類金属、ZはGa、Al、In、Yなどの3価のカチオン)を母体結晶にした蛍光体であり、エレクトロルミネッセンス素子への応用がなされている(特許文献6)。また、近紫外~青色の波長の光で励起可能な硫化物蛍光体のうち、可視光域で様々な発光色を示す材料群としてアルカリ土類チオシリケートを母体結晶とした蛍光体が報告されている(特許文献7~10)。非特許文献1では発光波長380nmの近紫外LEDに青色蛍光体:BaSiS:Ce3+、緑色蛍光体:BaSiS:Eu2+、黄および赤色蛍光体:CaSiS:Eu2+を組み合わせた白色LEDが報告されている。





黄色から赤色域に発光ピークを有するチオシリケート蛍光体の母体結晶として、MgSiS、SrSiS、CaSiSが報告されている(非特許文献2)。しかし、安定性が低く大気中で加水分解してしまうという問題がある。これは、上記した硫化物蛍光体全体の問題点でもある。





LED照明の実用化に当たりチオシリケート蛍光体を応用する方法としては、蛍光体粒子をコーティングして耐湿性及び耐水性を付与する方法がある(特許文献11)。しかし、元の蛍光体自体の安定性を高めることも期待され、新規母体結晶の開発が望まれる。





母体結晶に望ましい特性として、高い安定性を有することももちろんであるが、賦活する発光中心から母体結晶へのエネルギー散逸を防ぐために光の吸収端(バンドギャップ)の大きな材料が用いられるのが一般的である。





非特許文献3~5には、黄色発光の蛍光体として、チオシリケートのうち、希土類イオンであるユーロピウムを構成元素に持つEuSiSが報告されている。この蛍光体は比較的安定であるが、発光中心であるEuが多量に含まれると、蛍光体の発光効率が低下してしまう濃度消光と呼ばれる現象のため、単体での発光強度が低いという問題がある。





非特許文献6には、磁性材料としてGd(SiSが報告され、非特許文献7には、工業用顔料としてCeSi17が報告されている。いずれも蛍光体としての特性は見出されていない。

産業上の利用分野



本発明は、蛍光体、その製造方法及び発光装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1):(Ln1‐xRE(SiSで表され、
LnはSc、Y、Gd及びLuからなる群より選ばれる1種以上であり、
REはLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる一種以上であり、
xは0.001≦x≦0.6である、蛍光体。

【請求項2】
結晶構造が単斜晶(空間群P2/n、No.14)である、請求項1に記載の蛍光体。

【請求項3】
一般式(1)において前記LnがY及び/またはGdを含み、前記REがCeを含み、波長300nm~500nmにピークを有する光で励起する場合に、波長450nm~650nmに発光ピークを有する、請求項1または2に記載の蛍光体。

【請求項4】
一般式(1)において前記LnがY及び/またはGdを含み、前記REがTbを含み、波長300nm~500nmにピークを有する光で励起する場合に、波長530nm~550nmに半値全幅1~50nmの発光ピークを有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛍光体。

【請求項5】
一般式(2):(R1‐yRESi17で表され、
RはLaであり、
REは、Ce、Pr、Nd、Sm、EuTb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる一種以上であり、
yは0.001≦y≦0.1である、蛍光体。

【請求項6】
結晶構造が三斜晶(空間群P‐1、No.2)である、請求項5に記載の蛍光体。

【請求項7】
一般式(2)において前記REがCeを含み、波長300nm~500nmにピークを有する光で励起する場合に、波長400nm~650nmに発光ピークを有する、請求項5または6に記載の蛍光体。

【請求項8】
請求項1から4のいずれか1項に記載の蛍光体と、請求項5から7のいずれか1項に記載の蛍光体とを含む、蛍光体。

【請求項9】
Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる一種類以上の化合物と、
Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる一種類以上の化合物と、
Si及び/またはSi化合物と、
S及び/またはS化合物とを含む原料を混合する工程、及び
前記原料を1000℃から1150℃で焼成する工程を含み、
前記Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる一種類以上の化合物と前記Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる一種類以上の化合物との混合物中の化学量論比が0.999:0.001~0.4:0.6である、蛍光体の製造方法。

【請求項10】
前記焼成後、冷却速度150℃/分以上で冷却する工程をさらに含む、請求項9に記載の蛍光体の製造方法。

【請求項11】
前記S及び/またはS化合物がS粉末及び/または硫化シリコン粉末であり、前記焼成を真空、不活性ガス雰囲気または還元雰囲気の閉管内で行う、請求項9または10に記載の蛍光体の製造方法。

【請求項12】
前記S及び/またはS化合物が硫化水素及び二硫化炭素からなる群から選択させる1種以上のガスを含む、請求項9から11のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。

【請求項13】
請求項1から8のいずれか1項に記載の蛍光体を有する、発光装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012272083thum.jpg
出願権利状態 登録


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