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動的ネットワークバイオマーカーの検出装置、検出方法及び検出プログラム

国内特許コード P150011395
整理番号 EF001P03
掲載日 2015年2月24日
出願番号 特願2012-211921
公開番号 特開2014-064515
登録番号 特許第5963198号
出願日 平成24年9月26日(2012.9.26)
公開日 平成26年4月17日(2014.4.17)
登録日 平成28年7月8日(2016.7.8)
発明者
  • 陳 洛南
  • 合原 一幸
  • 劉 鋭
  • 劉 治平
  • 李 美儀
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 動的ネットワークバイオマーカーの検出装置、検出方法及び検出プログラム
発明の概要 【課題】健康状態から疾病状態への遷移を示す疾病前状態の診断に用いるることが可能なバイオマーカーの候補を検出する検出装置、検出方法及び検出プログラムを提供する。
【解決手段】測定対象から複数の生体サンプルを異なる時間点で採取し、採取した生体サンプルを測定して得られた測定データを集計して統計データを取得する。そして、ハイスループットデータの取得処理(s1)と、差次的生体分子の選出処理(s2)と、クラスター化処理(s3)と、DNBの候補の選出処理(s4)と、有意性分析によるDNBの判定処理(s5)とを行う。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要



様々な研究結果によると、多くの疾病、特に複雑な疾病の悪化進行のプロセスは、気候システム、生態システム、経済システム等のシステムと同様に、ある臨界閾値を超えた時点、いわゆる分岐点に達すると、状態遷移が突然発生し、健康状態から急激に疾病状態に変化する(例えば、非特許文献1~5参照)。このような複雑疾病の動的メカニズムに関する研究において、疾病悪化(例えば、喘息発作、癌の発病)の進行プロセスを、時間に依存した非線形動力学システムとしてモデル化し、モデル化したシステムを観測することによって、分岐点での相転移で病気が急激に悪化することが既に判明している(非特許文献1、6参照)。





図1は、疾病の進行プロセスを概念的に示す説明図である。図1のaは、疾病の進行プロセスを模式的に示している。図1のb、c及びdは、進行プロセスの過程において、前述のモデル化したシステムの安定性をポテンシャル関数として示し、横軸に経過を示す時刻をとり、縦軸にポテンシャル関数の値をとって概念的に示したグラフである。図1のaに示すように、疾病悪化の進行プロセスは、正常状態(健康状態)、疾病前状態、疾病状態として表すことができる。正常状態において、システムは安定して、図1のbに黒丸の位置として示すように、ポテンシャル関数の値が最小値になっている。疾病前状態において、システムは、図1のcに黒丸の位置として示すように、ポテンシャル関数の値が高くなっている。したがって、外乱の影響を受けやすい状態であり、小さな外乱を受けるだけで相転移してしまう分岐点の付近、即ち、正常状態の限界に位置している。但し、当該疾病前状態は、適切な処置によって、容易に正常状態に回復することができる。一方、疾病状態において、システムは安定して、図1のdに黒丸の位置として示すように、ポテンシャル関数の値が大局的最小値になっている。そのため、正常状態から相転移で生じたこの疾病状態が、正常状態へ回復することは困難である。(図中では便宜上、回復不能と表記)





したがって、もし疾病前状態を検知して、疾病状態に遷移する前に、疾病状態に遷移しつつあることを患者に予告することができれば、適切な措置を取ることによって、患者を疾病前状態から正常状態へ回復させることができる可能性が高い。





即ち、分岐点(臨界閾値)を検出することができれば、臨界遷移の予測が可能であり、病気の早期診断を実現することができる。





なお、従来から疾病状態を診断する方法として、バイオマーカーが用いられている。従来から用いられている通常のバイオマーカーは、生体から採取された血清、尿等の体液、更には、組織に含まれる分子レベルのDNA、RNA、蛋白質、代謝物等であり、生体内の生物学的変化を定量的に把握することができる指標である。従来のバイオマーカーによる疾病の診断方法は、ノーマルサンプル(健康状態で採取したサンプル)から抽出したバイオマーカーと異常サンプル(疾病状態で採取したサンプル)から抽出したバイオマーカーとを比較することにより、病気を診断する方法である。

産業上の利用分野



本発明は、生体に関する測定により得られた複数の因子項目の測定データに基づいて、前記生体の症状の指標となるバイオマーカーの候補を検出する検出装置、検出方法及び検出プログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
生体に関する測定により得られた複数の因子項目についての測定データに基づいて、測定対象である生体の症状の指標となるバイオマーカーの候補を検出する検出装置であって、
前記各因子項目のそれぞれの測定データの時系列変化の相関関係に基づいて複数の因子項目を複数のクラスターに分類する分類手段と、
分類した各クラスターから、前記各因子項目のそれぞれの測定データの時系列変化及び各因子項目間の測定データの時系列変化の相関関係に基づいて予め設定された選出条件に該当するクラスターを選出する選出手段と、
選出したクラスターに含まれる因子項目をバイオマーカーの候補として検出する検出手段と
を備えることを特徴とする検出装置。

【請求項2】
請求項1に記載の検出装置であって、
前記選出手段は、
クラスター内の各因子項目間の測定データの相関を示す値の平均値を第1指数として算出する手段と、
クラスター内の因子項目の測定データと当該クラスター外の因子項目の測定データとの間の相関を示す値の平均値を第2指数として算出する手段と、
クラスター内の各因子項目について測定データの標準偏差の平均値を第3指数として算出する手段と
を含み、
複数のクラスターのうちから、第1指数、第2指数及び第3指数に基づいて、バイオマーカーとすべき因子項目を含むクラスターを選出する
ことを特徴とする検出装置。

【請求項3】
請求項2に記載の検出装置であって、
前記選出手段は、前記第1指数と、前記第2指数と、前記第3指数の逆数との積に基づく総合指数が最大であるクラスターを選択する
ことを特徴とする検出装置。

【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の検出装置であって、
前記各因子項目のそれぞれの測定データが、有意性をもって経時的に変化しているか否かを検定する差次検定手段を更に備え、
前記分類手段は、経時的変化に有意性があると検定された因子項目について分類する
ことを特徴とする検出装置。

【請求項5】
請求項4に記載の検出装置であって、
前記差次検定手段は、各因子項目の測定データ、並びに因子項目及び時系列毎に予め設定されている参照データとの比較結果に基づいて、有意性に係る検定を行う
ことを特徴とする検出装置。

【請求項6】
請求項5に記載の検出装置であって、
各因子項目について、対応する参照データの標準偏差の平均値を示す参照標準偏差、及び因子項目間の相関を示す値の平均値を示す参照相関値を算出する手段を更に備え、
前記検出手段は、前記第1指数が前記参照標準偏差に比べて有意性をもって増大し、前記第2指数が前記参照相関値に比べて有意性をもって減少し、かつ、前記第3指数が前記参照標準偏差に比べて有意性をもって増大した場合に、当該クラスターに含まれる項目をバイオマーカーの候補として検出する
ことを特徴とする検出装置。

【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の検出装置であって、
前記検出手段は、
クラスターに含まれる複数の因子項目の有意性を、測定データの統計値に基づいて検定する手段を含み、
有意性がある場合に、クラスターに含まれる項目をバイオマーカーの候補として検出する
ことを特徴とする検出装置。

【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の検出装置であって、
前記複数の因子項目のいずれかは、遺伝子に関する測定項目、タンパク質に関する測定項目、代謝物に関する測定項目、又は生体から得られる画像に関する測定項目である
ことを特徴とする検出装置。

【請求項9】
生体に関する測定により得られた複数の因子項目についての測定データに基づいて、測定対象である生体の症状の指標となるバイオマーカーの候補を検出する検出装置を用いた検出方法であって、
前記検出装置は、
前記各因子項目のそれぞれの測定データの時系列変化の相関関係に基づいて複数の因子項目を複数のクラスターに分類する分類ステップと、
分類した各クラスターから、前記各因子項目のそれぞれの測定データの時系列変化及び各因子項目間の測定データの時系列変化の相関関係に基づいて予め設定された選出条件に該当するクラスターを選出する選出ステップと、
選出したクラスターに含まれる因子項目をバイオマーカーの候補として検出する検出ステップと
を実行することを特徴とする検出方法。

【請求項10】
生体に関する測定により得られた複数の因子項目についての測定データに基づいて、測定対象である生体の症状の指標となるバイオマーカーの候補を検出する検出方法であって、
異なる時間点で採取した複数の生体サンプルのそれぞれから測定したハイスループットデータの中から、差次的生体分子を算出する分子スクリーニングステップと、
相関の高い生体分子同士を1つのクラスターとするように、前記分子スクリーニングステップで選出した前記差次的生体分子を複数のクラスターに分類するクラスター化ステップと、
前記クラスター化ステップで得られた複数のクラスターの中から、クラスター内の生体分子の間の相関の増大、クラスター内の生体分子の標準偏差の増大、及びクラスター内の生体分子と他の生体分子との間の相関の低減が最も著しいクラスターを、前記バイオマーカーの候補として先取する候補選択ステップと、
前記候補選択ステップで選出したバイオマーカーの候補が前記バイオマーカーであるか否かを、有意性検定によって判定する判定ステップと
を実行することを特徴とする検出方法。

【請求項11】
コンピュータに、生体に関する測定により得られた複数の因子項目についての測定データに基づいて、測定対象である生体の症状の指標となるバイオマーカーの候補を検出する処理を実行させる検出プログラムであって、
コンピュータに、
前記各因子項目のそれぞれの測定データの時系列変化の相関関係に基づいて複数の因子項目を複数のクラスターに分類する分類ステップと、
分類した各クラスターから、前記各因子項目のそれぞれの測定データの時系列変化及び各因子項目間の測定データの時系列変化の相関関係に基づいて予め設定された選出条件に該当するクラスターを選出する選出ステップと、
選出したクラスターに含まれる因子項目をバイオマーカーの候補として検出する検出ステップと
を実行させることを特徴とする検出プログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012211921thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) FIRST 複雑系数理モデル学の基礎理論構築とその分野横断的科学技術応用 領域
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