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デバイス同士を同期する自律同期システム及び、自律同期方法

国内特許コード P150011404
整理番号 EF001P07
掲載日 2015年2月24日
出願番号 特願2013-040751
公開番号 特開2014-171019
出願日 平成25年3月1日(2013.3.1)
公開日 平成26年9月18日(2014.9.18)
発明者
  • 長谷川 幹雄
  • 安田 裕之
  • 本田 悠貴
  • 中尾 裕也
  • 堀尾 喜彦
  • 合原 一幸
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 デバイス同士を同期する自律同期システム及び、自律同期方法
発明の概要 【課題】同期を行うべきデバイス同士が互いに通信することなく自律的に同期可能な自律同期システムであって、特に非結合非線形振動子の位相同期理論に基づく新しい同期方法を提供すること。
【解決手段】デバイス同士を同期する自律同期システムであって、複数のデバイスと、全てのデバイスが同時に配置され、所定の波動が各デバイスに対して伝播可能な範囲であるデバイス設置エリアとから構成される。デバイスには、所定の波動の波形を検出する波形検出手段と、コンピュータ上の非結合非線形振動子のモデルを有し、該波形の信号データを入力して演算する演算手段と、同期状態になるまで演算を行ったかを判定する同期判定手段と、同期された非結合非線形振動子の位相を抽出する同期位相抽出手段とを備える。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要



振動子は互いに結合した場合に同期現象を示すことが良く知られており、例えば、Huygensによる共通ビームに支えられた2つの振り子時計がある時間後には同期する現象がある。

一方で、結合のない非線形振動子を共通な入力ノイズのみによって同期させるNoise-Induced Synchronizationが近年注目されており、その理論研究が進められている。これは同一のノイズ信号やパルス信号を非結合状態にある複数の非線形振動子に入力することで振動子間の位相差が縮小し、最終的に同期するという現象であり、数理的にも証明されている。非特許文献1~10は本現象に関する先行研究である。





発明者らは、この同期理論を応用することで、省電力化が求められる無線センサネットワークの同期を、センサが取得する情報のみで達成させる手法を提案してきた。すなわち、無線センサネットワークにおいては、間欠的な信号送受信を行うことで省電力化が可能となるが、そのためにはセンサノード間の同期が必要となる。しかし、同期達成のために信号の送受信を行うと、そのために電力を消費してしまう問題があった。





非特許文献11では、Noise-Induced Synchronizationを適用することにより、通信をおこなわずに時刻同期を達成する手法を提案している。本文献において各センサノードがノイズとして用いるのは実環境信号であり、これを振動子に入力することで、近距離であれば通信せずにノード間の同期が達成できることが示されている。実環境信号の具体例としては、湿度、温度、大気圧を用いている。





次いで、非特許文献12では、温度と湿度を実環境信号として用いる点では非特許文献11と共通するが、データの取得間隔が一定でない場合を想定してデータの入力方法について検討を行っている。従来の研究では、近隣同士のノードから取得された実環境信号が0.8以上の高い相互相関を示している場合に、それら実環境信号をノイズとして用いることが可能(非特許文献13)としていたが、本文献ではデータの区分平均や移動平均に用いるサンプルの時間数を適切に調整することで相互相関係数を高く保てるようにし、同期を確認した。





特許文献において本発明に関連するものとしては、センサネットワークにおける親機と子機の時刻の同期方法を提案する特許文献1、高精度な同期方法を提案する特許文献2などが開示されているが、いずれもネットワークを用いて通信を行うものであり、ノードが自律して同期を行う手法ではない。

産業上の利用分野



本発明は、デバイス同士を同期する自律同期システム及び方法であって、特に所定の波動が伝播可能な範囲に同時に配置されるデバイスが、その波動に基づいて同期を行う技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
デバイス同士を同期する自律同期システムであって、
複数の該デバイスを、所定の波動が各デバイスに対して伝播可能な範囲に同時に配置し、
該デバイスにおいて、
該所定の波動の波形を検出する波形検出手段と、
検出した波形を入力する非結合非線形振動子の挙動を示す振動手段と、
同期された該振動手段の位相を抽出する同期位相抽出手段と
を備えたことを特徴とする自律同期システム。

【請求項2】
前記自律同期システムの前記デバイスにおいて、
前記振動手段として、
コンピュータ上の非結合非線形振動子のモデルを有し、該波形の信号データを入力して演算する演算手段と、
該演算手段に該波形の信号データの入力を続けて演算する過程で、同期状態になるまで演算を行ったかを判定する同期判定手段と
を有することを特徴とする自律同期システム。

【請求項3】
前記所定の波動が、前記デバイスの周囲の気体又は液体を媒質として伝播する波動である
請求項1又は2に記載の自律同期システム。

【請求項4】
前記各デバイスに、
前記波形検出手段により検出された波形の信号データから、所定の正規化処理を行う正規化処理手段を備え、
前記演算手段において正規化された信号データを用いて演算する
請求項2又は3に記載の自律同期システム。

【請求項5】
前記各デバイスに、
前記同期位相抽出手段による抽出結果に基づいて調整される計時手段を備え、
全てのデバイスの該計時手段が同期されるようにした
請求項1ないし4のいずれかに記載の自律同期システム。

【請求項6】
前記所定の波動が音波であって、
前記正規化処理手段では、該音波の振動数を計測し、そのグラフの平均値が0となるように差分をとったグラフに変換する正規化を行う
請求項4又は5に記載の自律同期システム。

【請求項7】
前記デバイスが、通信ネットワークにおけるノードであって、ネットワークを介した同期通信を行う
請求項1ないし6のいずれかに記載の自律同期システム。

【請求項8】
前記通信ネットワークにおけるノードが、センサ手段を備えたセンサノードであって、同期されたタイミングで取得した情報を送信する
請求項7に記載の自律同期システム。

【請求項9】
デバイス同士を同期する自律同期方法であって、
複数の全ての該デバイスを、所定の波動が各デバイスに伝播可能な範囲に配置した状態で、
各デバイスにおいて、該所定の波動の波形を検出する波形検出ステップ、
非結合非線形振動子の挙動を示す振動手段を用い、該検出した波形を入力する非結合非線形振動ステップ、
同期された該振動手段の位相を抽出する同期位相抽出ステップ
を有することを特徴とする自律同期方法。

【請求項10】
前記自律同期方法において、
前記非結合非線形振動ステップとして、
各デバイスの演算手段が、予め備えたコンピュータ上の非結合非線形振動子のモデルに対して該波形の信号データを入力して演算を行う演算ステップと、
各デバイスの同期判定手段が、該演算手段に該波形の信号データの入力を続けて演算する過程で、同期状態になるまで演算を行ったかを判定する同期判定ステップと、
を有する請求項9に記載の自律同期方法。

【請求項11】
前記所定の波動が、前記デバイスの周囲の気体又は液体を媒質として伝播する波動である
請求項9又は10に記載の自律同期方法。

【請求項12】
前記波形検出ステップの後に、
各デバイスの正規化処理手段が、該波形検出ステップで検出された波形の信号データから、所定の正規化処理を行う正規化処理ステップを有し、
前記演算ステップでは正規化された信号データを用いて演算する
請求項10に記載の自律同期方法。

【請求項13】
前記請求項1に記載の自律同期システムにおけるデバイスであって、
該所定の波動の波形を検出する波形検出手段と、
検出した波形を入力する非結合非線形振動子の挙動を示す振動手段と、
同期された該振動手段の位相を抽出する同期位相抽出手段と
を少なくとも備えたことを特徴とする自律同期システムのデバイス。

【請求項14】
前記自律同期システムにおけるデバイスであって、
前記振動手段として、
コンピュータ上の非結合非線形振動子のモデルを有し、該波形の信号データを入力して演算する演算手段と、
該演算手段に該波形の信号データの入力を続けて演算する過程で、同期状態になるまで演算を行ったかを判定する同期判定手段と
を有する請求項13に記載のデバイス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013040751thum.jpg
出願権利状態 公開
参考情報 (研究プロジェクト等) FIRST 複雑系数理モデル学の基礎理論構築とその分野横断的科学技術応用 領域
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