TOP > 国内特許検索 > 発光素子およびその製造方法

発光素子およびその製造方法

国内特許コード P150011494
整理番号 S2013-1148-N0
掲載日 2015年3月5日
出願番号 特願2013-138894
公開番号 特開2015-012267
出願日 平成25年7月2日(2013.7.2)
公開日 平成27年1月19日(2015.1.19)
発明者
  • 福井 孝志
  • 石坂 文哉
  • 冨岡 克広
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 発光素子およびその製造方法
発明の概要 【課題】緑色領域においても発光効率に優れる発光素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の発光素子は、基板と、前記基板上に配置された2以上のコアマルチシェルナノワイヤと、前記基板に接続された第1の電極と、前記コアマルチシェルナノワイヤの側面を被覆し、かつ前記コアマルチシェルナノワイヤの側面に接続された第2の電極とを有する。コアマルチシェルナノワイヤは、第1の導電型のウルツ鉱型構造のInPからなる中心ナノワイヤと、第1の導電型のウルツ鉱型構造のIII-V族化合物半導体からなる第1のクラッド層と、ウルツ鉱型構造のIII-V族化合物半導体からなる発光層と、第2の導電型のウルツ鉱型構造のIII-V族化合物半導体からなる第2のクラッド層と、第2の導電型のウルツ鉱型構造のIII-V族化合物半導体からなるキャップ層とを有する。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要



近年、光の三原色(赤色、緑色および青色)に対応する発光ダイオードが実用化され、広く普及している。しかしながら、発光ダイオードには、緑色領域において発光効率が著しく低下するグリーンギャップと呼ばれる課題がある。従来の緑色発光ダイオードとしては、閃亜鉛鉱型構造のGaP、またはInGaNを用いた発光ダイオードが知られている。これら2種の化合物半導体のうち、閃亜鉛鉱型構造のGaPは、間接遷移型半導体であるため、発光効率の向上を期待することができない。一方、InGaNについては、青色領域では発光効率が高いが、緑色~赤色領域では発光効率が低い。緑色~赤色領域における発光効率の低下は、InGaNの結晶性が低いことによるものである。緑色領域における発光効率向上のためには、高結晶性InGaNの作製が必要であるが、現在の結晶成長技術では非常に困難である。このような事情から、グリーンギャップを解決するための新たな技術が必要とされている。





上記のとおり、従来の閃亜鉛鉱型構造のGaPは、間接遷移型半導体であるため、発光効率の向上を期待することができない。しかしながら、ウルツ鉱型構造のGaPは、直接遷移型半導体になると理論的に予測されている(非特許文献1参照)。実際に、金属触媒を用いたVLS(Lapor-Liquid-Solid)成長法によって作製されたウルツ鉱型構造のGaPから、直接遷移による発光(フォトルミネッセンス)が観察されている(非特許文献2参照)。





一方、非特許文献3には、InP基板の上にウルツ鉱型構造のInPナノワイヤを成長させる技術が開示されている。また、非特許文献4には、VLS成長法で作製されたウルツ鉱型構造のGaPに閃亜鉛鉱型構造が混在してしまうことが記載されている。また、非特許文献4,5には、VLS成長法でウルツ鉱型構造のGaPを作製する際にZnドープを行うと結晶構造が閃亜鉛鉱型構造に変化してしまうことが記載されている。また、非特許文献6には、VLS成長法を用いて縦方向のpn接合を作製する際にドーピングの影響で結晶構造が変化してしまうことが記載されている。

産業上の利用分野



本発明は、ウルツ鉱構造のIII-V族化合物半導体からなるナノワイヤを有する発光素子およびその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(111)面を有し、第1の導電型にドープされたIII-V族化合物半導体またはSiからなる基板と、
前記基板の(111)面を被覆し、1または2以上の開口部を有する絶縁膜と、
前記絶縁膜上に配置され、III-V族化合物半導体からなる1または2以上のコアマルチシェルナノワイヤと、
前記基板に接続された第1の電極と、
前記コアマルチシェルナノワイヤの側面を被覆し、かつ前記コアマルチシェルナノワイヤの側面に接続された第2の電極と、を有し、
前記コアマルチシェルナノワイヤは、
前記第1の導電型のウルツ鉱型構造のInPからなり、前記基板の(111)面から前記開口部を通って上方に延伸する中心ナノワイヤと、
前記中心ナノワイヤに含まれるInPよりもバンドギャップが大きく、かつ前記第1の導電型のウルツ鉱型構造のIII-V族化合物半導体からなり、前記絶縁膜上において前記中心ナノワイヤの側面を被覆する第1のクラッド層と、
前記第1のクラッド層に含まれるIII-V族化合物半導体よりもバンドギャップが小さいウルツ鉱型構造のIII-V族化合物半導体からなり、前記第1のクラッド層を被覆する発光層と、
前記第1のクラッド層に含まれるIII-V族化合物半導体と同じ組成のウルツ鉱型構造のIII-V族化合物半導体であり、かつ前記第1の導電型と異なる第2の導電型のIII-V族化合物半導体からなり、前記発光層を被覆する第2のクラッド層と、
前記第2の導電型のウルツ鉱型構造のIII-V族化合物半導体からなる、前記第2のクラッド層を被覆するキャップ層と、を有する、
発光素子。

【請求項2】
前記基板は、前記第1の導電型のInPからなり、
前記第1のクラッド層は、前記第1の導電型のウルツ鉱型構造のAlPからなり、
前記発光層は、ウルツ鉱型構造のGaPからなり、
前記第2のクラッド層は、前記第2の導電型のウルツ鉱型構造のAlPからなり、
前記キャップ層は、前記第2の導電型のウルツ鉱型構造のGaPからなる、
請求項1に記載の発光素子。

【請求項3】
III-V族化合物半導体からなる1または2以上のコアマルチシェルナノワイヤを有する発光素子の製造方法であって、
第1の導電型にドープされたIII-V族化合物半導体またはSiからなる基板であって、前記基板の(111)面が1または2以上の開口部を有する絶縁膜で被覆されている基板を準備するステップと、
前記基板の(111)面から前記開口部を通して、第1の導電型のウルツ鉱型構造のInPからなる中心ナノワイヤを成長させるステップと、
前記中心ナノワイヤの側面に、前記中心ナノワイヤに含まれるInPよりもバンドギャップが大きく、かつ前記第1の導電型のウルツ鉱型構造のIII-V族化合物半導体からなる第1のクラッド層を形成するステップと、
前記第1のクラッド層の上に、前記第1のクラッド層に含まれるIII-V族化合物半導体よりもバンドギャップが小さいウルツ鉱型構造のIII-V族化合物半導体からなる発光層を形成するステップと、
前記発光層の上に、前記第1のクラッド層に含まれるIII-V族化合物半導体と同じ組成のウルツ鉱型構造のIII-V族化合物半導体であり、かつ前記第1の導電型と異なる第2の導電型のIII-V族化合物半導体からなる第2のクラッド層を形成するステップと、
前記第2のクラッド層の上に、前記第2の導電型のウルツ鉱型構造のIII-V族化合物半導体からなるキャップ層を形成するステップと、
前記基板上に第1の電極を形成し、かつ前記キャップ層上に第2の電極を形成するステップと、
を含む、発光素子の製造方法。

【請求項4】
前記基板は、前記第1の導電型のInPからなり、
前記第1のクラッド層は、前記第1の導電型のウルツ鉱型構造のAlPからなり、
前記発光層は、ウルツ鉱型構造のGaPからなり、
前記第2のクラッド層は、前記第2の導電型のウルツ鉱型構造のAlPからなり、
前記キャップ層は、前記第2の導電型のウルツ鉱型構造のGaPからなる、
請求項3に記載の発光素子の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2013138894thum.jpg
出願権利状態 公開
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close