TOP > 国内特許検索 > X線強度変調法及びX線偏光状態分析法

X線強度変調法及びX線偏光状態分析法 コモンズ

国内特許コード P150011570
整理番号 N14021
掲載日 2015年3月24日
出願番号 特願2014-167309
公開番号 特開2016-045000
出願日 平成26年8月20日(2014.8.20)
公開日 平成28年4月4日(2016.4.4)
発明者
  • 安達 弘通
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 X線強度変調法及びX線偏光状態分析法 コモンズ
発明の概要 【課題】自由度の高い強度パターンの作り込みや切り替えが可能なX線の強度変調機構と、その強度変調機構を利用したX線偏光分析技術を提供する。
【解決手段】磁性体1によるX線の回折強度が磁性体1の磁化状態に依存することを利用し、磁性体1の磁化状態や磁化方向を操作し、X線強度を変調する。また、磁性体1によるX線の回折強度が磁性体の磁化状態に依存する現象が、入射X線の偏光状態にも依存することを利用し、X線の偏光状態を分析する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


X線は、物質に対する透過力が高く、また分子鎖を断ち切る作用が強いために、その取り扱いにあたっては適切な防護措置がとられなくてはならない。一方で、X線のこのような特性が、レントゲン撮影、放射線治療、リソグラフィー等の、様々なX線の医療応用、産業応用を可能にしている。従って、X線の強度を統御する技術は、X線の応用上きわめて重要なものである。



X線の強度を変化させることは、X線発生装置の出力そのものを変化させるか、X線の行路にX線を減衰させるための吸収体や遮蔽物を出し入れすることによって、原理的には可能となる。しかし、X線の発生出力を迅速、任意に変化させることは実際的でない場合が多く、X線ビームのオン、オフを制御するシャッター、特定の領域だけにX線を照射させるためのマスク、X線の強度を減ずるためのアッテネーター等は、通常は後者の方法、即ち、X線の行路に吸収体や遮蔽物を配置することによって、その機能が達成されている。



この方法によってX線の減衰率や照射領域を更に色々に変化させることは、吸収体や遮蔽物の移動、交換、追加挿入等によって原理的には可能となるが、こうした吸収体や遮蔽物の一つ一つは、X線の強度が所望の割合に減ずるよう予め設計されているものが殆どであり、減衰率や照射領域を臨機応変に変化させることと、ここで述べた従来型の強度制御技術の設計思想とは、本来相容れない。



X線の照射領域をある程度可変にする技術としては、放射線治療用に開発、実用化されているマルチリーフコリメーターがある。これは上記の不適合を機械ロボット技術によってカバーしたものとみることができる。また、特許文献1及び特許文献2においては、磁気円二色性の原理とスピントロニクス技術を組み合わせたX線強度変調装置が考案され、リソグラフィーへの応用について記載がある。



一方、X線の偏光状態を分析する既存の技術には、例えば、トムソン散乱の偏光依存性を利用して、適当な標的物質によるX線散乱の異方性を観測する方法や、光電子放出の偏光依存性を利用して、適当な標的物質によるX線吸収後の光電子放出の異方性を観測する方法等が知られている。



これらの方法によって検知、分析できるのはX線の直線偏光であって、円偏光を検知、分析するにはまた別の方法が必要である。円偏光を分析する既存の技術としては、例えば、コンプトン散乱の電子スピン依存性を利用して、適当な磁性体を標的物質とし、標的物質の磁化反転に伴うコンプトン散乱の強度変化を観測する方法等が知られている(例えば、非特許文献1参照)。

産業上の利用分野


本発明は、X線の強度を変調する技術とX線の偏光状態を分析する技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
X線強度変調方法であって、被変調X線を所望の磁化状態を有する磁性体に照射する入射工程と、前記磁性体の磁化の方向、磁化の大きさ、磁区構造から選択される1以上の状態を操作する操作工程と、前記磁性体によって回折された被変調X線を出力する出力工程と、を含むことを特徴とするX線強度変調方法。

【請求項2】
前記操作工程が電気的方法または磁気的方法で行うものであることを特徴とする請求項1記載のX線強度変調方法。

【請求項3】
被変調X線を入射する入射部と、前記入射部から入射した被変調X線を所望の磁化状態を有する磁性体に照射する磁性体照射部と、前記磁性体照射部に備えられた磁性体の磁化の方向、磁化の大きさ、磁区構造から選択される1以上の状態を操作する磁性体操作部と、前記磁性体によって回折された被変調X線を出力する出力部と、を備えることを特徴とするX線強度変調装置。

【請求項4】
X線偏光状態分析方法であって、被測定X線を所望の磁化状態を有する1または2以上の磁性体に照射する入射工程と、前記磁性体の磁化の方向、磁化の大きさ、磁区構造から選択される1以上の状態を操作する操作工程と、前記磁性体による被測定X線の回折強度を測定する測定工程と、前記操作工程による前記磁性体の磁化状態の操作に伴う前記測定工程によって測定される回折強度の変化、変化率の少なくとも1つを見積もるデータ処理工程と、を備えることを特徴とするX線偏光状態分析方法。

【請求項5】
前記測定工程に、前記磁性体を回転させることで、被測定X線の電場ベクトルの振動方向を該磁性体に対して相対的に回転させる回転工程を含むことを特徴とする請求項4記載のX線偏光状態分析方法。

【請求項6】
被測定X線を所望の磁化状態を有する1または2以上の磁性体に照射する磁性体照射部と、前記磁性体照射部に備えられた磁性体の磁化の方向、磁化の大きさ、磁区構造から選択される1以上の状態を操作する磁性体操作部と、前記磁性体照射部に備えられた磁性体による被測定X線の回折強度を測定する測定部と、前記磁性体操作部による磁性体の磁化状態の操作に伴う前記測定部によって測定される回折強度の変化、変化率の少なくとも1つを見積もるデータ処理部と、を備えることを特徴とするX線偏光状態分析装置。

【請求項7】
前記磁性体照射部が、該照射部に備えられた磁性体を回転させることで、被測定X線の電場ベクトルの振動方向を該磁性体に対して相対的に回転させることのできる機能を有する請求項6記載のX線偏光状態分析装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2014167309thum.jpg
出願権利状態 公開
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close