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ニッケル-ダイヤモンド複合材及びその製造方法 コモンズ

国内特許コード P150011588
整理番号 N14080
掲載日 2015年3月24日
出願番号 特願2015-031772
公開番号 特開2015-178674
出願日 平成27年2月20日(2015.2.20)
公開日 平成27年10月8日(2015.10.8)
優先権データ
  • 特願2014-038003 (2014.2.28) JP
発明者
  • 新井 進
  • 植田 美代加
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 ニッケル-ダイヤモンド複合材及びその製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】純ニッケルよりも格段に高い熱伝導率を有するニッケル-ダイヤモンド複合材、及びめっき液の撹拌条件を細かく設定することが不要で、このニッケル-ダイヤモンド複合材を簡便に製造することができる製造方法を提供する。
【解決手段】ニッケル-ダイヤモンド複合材1は、平均粒径が少なくとも45μmであるダイヤモンド粒子2が、ニッケルマトリクス3に担持されており、シェラーの式に従って算出されたニッケルマトリクス3の結晶子3aの平均結晶子径が最大で45nmであるものである。ニッケル-ダイヤモンド複合材1の製造方法は、めっき槽10の底に敷かれた陰極板40の上方に陽極板50を水平に対向させ、ダイヤモンド粒子2を含有しているめっき液20を撹拌した後、ダイヤモンド粒子2を沈降させてから、通電することによってダイヤモンド粒子2とニッケルマトリクス3とを共析させるものである。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


動作により発熱する機器は、発生した熱を放散させるヒートシンクやヒートスプレッダのような放熱器を有している。この放熱器の放熱材として、ニッケルマトリクス中に、高熱伝導体であるダイヤモンド粒子を担持したニッケル-ダイヤモンド複合材が知られている。



このような複合材の熱伝導率を示す理論式として、Hasselman-Johnson(ハッセルマン-ジョンソン)の式が非特許文献1に開示されている。Hasselman-Johnsonの式を数式1に示す。この式によれば、ニッケル-ダイヤモンド複合材の熱伝導率の理論値を算出することができる。



【数1】




数式1中、k:ニッケル-ダイヤモンド複合材の熱伝導率(W/mK)、k:ニッケルの熱伝導率(W/mK)、k:ダイヤモンドの熱伝導率(W/mK)、V:ダイヤモンド粒子の体積分率、α:ダイヤモンド粒子の半径(m)、h:ダイヤモンドとニッケルとの界面熱伝達率(W/mK)である。また、k=90.5、k=900であり(非特許文献2)、h=149591316.5(非特許文献3)である。



図10は、数式1に従って算出されたニッケル-ダイヤモンド複合材の熱伝導率の計算値を、1、10、45μmの平均粒径を有するダイヤモンド粒子毎にプロットしたグラフである。横軸はニッケル-ダイヤモンド複合材中のダイヤモンド含有率(vol%)を表し、縦軸はニッケル-ダイヤモンド複合材の熱伝導率(W/mK)を表している。同図のグラフによれば、平均粒径45μmのような比較的大きい平均粒径を有するダイヤモンド粒子は、含有率が高いほど、ニッケル-ダイヤモンド複合材の熱伝導率を向上させることができる。一方、平均粒径1μmのような小粒径のダイヤモンド粒子は、その含有率が高いほど却ってニッケル-ダイヤモンド複合材の熱伝導率を低下させてしまう。



特許文献1にニッケル-ダイヤモンド複合材の製造方法が開示されている。この製造方法は、ダイヤモンド粒子同士が接触しつつニッケルと共析するように、めっき液の撹拌速度を細かく変化させながら電気めっきを行うものである。それによってダイヤモンド粒子は、ニッケル-ダイヤモンド複合材の厚さ方向で局所的に偏在する。ダイヤモンド粒子がそれの偏在箇所で互いに接触していることにより、ダイヤモンド粒子間で熱伝導を生じるので、この製造方法により得られるニッケル-ダイヤモンド複合材は、純ニッケルよりも高い熱伝導率を有している。



しかしながら高いダイヤモンド粒子含有率を有するニッケル-ダイヤモンド複合材であっても、数式1によって算出される値に匹敵するような格段に高い熱伝導率を得ることができなかった。



まためっき液中のダイヤモンド粒子の挙動は、ダイヤモンド粒子の粒径及び形状、めっき液の比重、ニッケルとの共析の速度、並びにめっき液の電気分解により生成する気体等の要因の影響を受ける。そのため特許文献1に開示されたニッケル-ダイヤモンド複合材の製造方法は、ダイヤモンド粒子同士が接触する撹拌条件を設定するのに、これらの要因に応じ、実験を繰り返さなければならなかった。このことは、ニッケル-ダイヤモンド複合材の製造条件を決定する時間を長引かせ、製造コストの高騰を招来していた。さらにめっき液の撹拌速度の条件を設定したとしても、これらの要因は、めっき工程毎に異なるものであるので、撹拌だけでダイヤモンド粒子同士が必ず接触するように、一様に制御することができなかった。

産業上の利用分野


本発明は、高い熱伝導率を有するニッケル-ダイヤモンド複合材及びその製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
平均粒径が少なくとも45μmであるダイヤモンド粒子が、ニッケルマトリクスに担持されており、シェラーの式に従って算出された前記ニッケルマトリクスの平均結晶子径が最大で45nmであることを特徴とするニッケル-ダイヤモンド複合材。

【請求項2】
前記ダイヤモンド粒子が、少なくとも40vol%含まれていることを特徴とする請求項1に記載のニッケル-ダイヤモンド複合材。

【請求項3】
前記ダイヤモンド粒子と前記ニッケルマトリクスとの少なくとも一部が、密着していることを特徴とする請求項1又は2に記載のニッケル-ダイヤモンド複合材。

【請求項4】
ダイヤモンド粒子とスルファミン酸ニッケルとを含有するめっき液に、陰極板と前記陰極板との上方に配置された陽極板とが水平に対向して浸かっており、前記めっき液を撹拌することにより前記ダイヤモンド粒子を分散させ、
撹拌を止めることによって前記ダイヤモンド粒子を沈降させてから、前記陰極板と前記陽極板との間に電流を通じることによって前記陰極板上に前記ニッケルマトリクスと前記ダイヤモンド粒子とを共析させたものであることを特徴とするニッケル-ダイヤモンド複合材。

【請求項5】
前記ダイヤモンド粒子の形状が、多角形を組み合わせた多面体であることを特徴とする請求項4に記載のニッケル-ダイヤモンド複合材。

【請求項6】
平均粒径が少なくとも45μmであるダイヤモンド粒子を含有するめっき液に、陰極板と前記陰極板の上方に配置された陽極板とが水平に対向して浸かっており、前記めっき液を撹拌することにより前記ダイヤモンド粒子を分散させ、
撹拌を止めることによって前記ダイヤモンド粒子を沈降させてから、前記陰極板と前記陽極板との間に電流を通じることによって前記陰極板上にニッケルマトリクスと前記ダイヤモンド粒子とを共析させることを特徴とするニッケル-ダイヤモンド複合材の製造方法。

【請求項7】
スルファミン酸ニッケルとホウ酸とを混合して前記めっき液を調製することにより、シェラーの式に従って算出された前記ニッケルマトリクスの平均結晶子径を最大で45nmに形成することを特徴とする請求項6に記載のニッケル-ダイヤモンド複合材の製造方法。

【請求項8】
前記ダイヤモンド粒子の形状が、多角形を組み合わせた多面体であることを特徴とする請求項6に記載のニッケル-ダイヤモンド複合材の製造方法。

【請求項9】
前記電流を通じる際及び/又はその直前に、前記めっき液及び/又は前記陰極板に振動を付与することを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載のニッケル-ダイヤモンド複合材の製造方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 公開
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