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らせん構造を有する化合物及びそれを用いた有機ナノチューブ コモンズ

国内特許コード P150011814
整理番号 NU-0563
掲載日 2015年3月31日
出願番号 特願2014-181724
公開番号 特開2016-056247
出願日 平成26年9月5日(2014.9.5)
公開日 平成28年4月21日(2016.4.21)
発明者
  • 伊藤 英人
  • 伊丹 健一郎
  • 前田 果歩
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 らせん構造を有する化合物及びそれを用いた有機ナノチューブ コモンズ
発明の概要 【課題】合成が容易な新規共有結合性有機ナノチューブを合成することを主な目的とする。
【解決手段】式:-C≡C-Ar(-R)-C≡C-[式中、Arは3価の芳香族基;Rはアルキル基、-CONHR(Rはアルキル基又はポリエーテル基)で示される基、又は-COOR(Rはアルキル基又はポリエーテル基)で示される基である。]で示される繰り返し単位からなり、数平均分子量が50000~500000である、化合物。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


カーボンナノチューブは、優れた機械的強度及び電荷輸送特性を有していることから、炭素繊維、半導体、燃料電池等への応用が期待されている次世代炭素材料である。カーボンナノチューブは側面構造のわずかな違いによって導体・半導体等の性質が異なるため、有機エレクトロニクス等への応用には構造の定まったカーボンナノチューブが必要不可欠とされているが、様々なサイズや長さ、側面構造を有する構造体を混合物としてしか得ることができない問題を有している。現状では、この混合物の完全な分離・精製には未だ至っておらず、このことがカーボンナノチューブの応用研究を妨げている。



一方近年、カーボンナノチューブ様の筒状構造を有する有機構造体「有機ナノチューブ」に大きな注目が集まっている。有機ナノチューブは比較的低分子量の最小構成単位を用いて疎水性・親水性相互作用や水素結合、金属との配位結合等を利用することによって構築することができる。また、低分子構成単位の設計によって、有機ナノチューブの構造やサイズを自由自在に設計・制御することができ、カーボンナノチューブにはない新しい機能開発への大きな足掛りになる可能性を秘めている。現在ではそのチューブ構造を活用し、ドラッグデリバリーに利用できるナノカプセル・メソポーラスな化学反応場・バイオセンサー・半導体等といった応用が展開されており、さまざまな分野での研究が活発に行われている。



有機ナノチューブの合成方法としては、水素結合、親水性・疎水性相互作用、π-πスタッキングを利用した自己組織化や、金属配位結合を用いた金属有機構造体形成の例が多
くみられる。自己組織化によるチューブ構造の形成方法としては、様々な合成法が知られているが、例えば、親水基を持つポリマーが水のような極性溶媒中でらせん構造を形成することによるチューブ骨格の構築が報告されている(例えば、非特許文献1等)。例えば、非特許文献1では、メタフェニレンエチニレンオリゴマーがらせん形成によってチューブ構造を構築することが報告されている。



以上に示したように、チューブ構造の構築法として分子間相互作用や配位結合が用いられてきた。しかしながら、得られるチューブ構造は弱い結合からなるため、チューブの形成は溶媒や温度等の条件に依存する。また、カーボンナノチューブのような拡張されたπ共役を形成することは困難である。一方、共有結合からなる有機ナノチューブを合成することができれば、チューブ伸長方向を架橋した強い共有結合によってチューブ構造を条件によらず維持することができると考えられる。この共有結合からなる有機ナノチューブは元来の非共有結合性有機ナノチューブにない機能を発現する可能性を秘めているが、チューブのような構造体は大きな異方性をもつため共有結合による構築は難しく、その報告例はほとんどない。

産業上の利用分野


本発明は、らせん構造を有する化合物及びそれを用いた有機ナノチューブに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1):
【化1】


[式中、Arは3価の芳香族基;Rはアルキル基、-CONHR(Rはアルキル基又はポリエーテル基)で示される基、又は-COOR(Rはアルキル基又はポリエーテル基)で示される基である。]
で示される繰り返し単位からなり、数平均分子量が50000~500000である、化合物。

【請求項2】
一般式(1A):
【化2】


[式中、Ar及びRは前記に同じ;nは100~1500の整数である。]
で示される、請求項1に記載の化合物。

【請求項3】
一方向巻きのらせん構造を形成している、請求項1又は2に記載の化合物。

【請求項4】
一般式(1B):
【化3】


[式中、Ar~Arは前記Arに同じ;R~Rは前記Rに同じ;mは0~5の整数;太線からなる結合は細線からなる結合よりも上側に位置していることを意味する;点線は同じ構造が繰り返されることを意味する。]
で示される、請求項1~3のいずれかに記載の化合物。

【請求項5】
一般式(1B-1):
【化4】


[式中、Rは前記に同じ;点線は同じ構造が繰り返されることを意味する。]
で示される、請求項1~4のいずれかに記載の化合物。

【請求項6】
請求項3~5のいずれかに記載の化合物のトポケミカル重合物

【請求項7】
請求項6に記載のトポケミカル重合物からなる、有機ナノチューブ。

【請求項8】
一般式(2):
【化5】


[式中、Rは前記に同じ;薄線は実線より奥に位置していることを意味する;点線は同じ構造が繰り返されることを意味する。]
で示される構造を有する、請求項7に記載の有機ナノチューブ。

【請求項9】
内径が10~20Åである、請求項7又は8に記載の有機ナノチューブ。

【請求項10】
外径が20~50Åである、請求項7~9のいずれかに記載の有機ナノチューブ。

【請求項11】
長さが100~500Åである、請求項7~10のいずれかに記載の有機ナノチューブ。

【請求項12】
請求項1~5のいずれかに記載の化合物の製造方法であって、
(I)一般式(3):
【化6】


[式中、Ar及びRは前記に同じである。]
を銅化合物、パラジウム化合物若しくはニッケル化合物の存在下、酸素を用いてホモカップリングを施す工程
を備える、製造方法。

【請求項13】
前記工程(I)が、塩基性溶媒中で行われる、請求項12に記載の製造方法。

【請求項14】
さらに、
(II)前記工程(I)の後又は工程(I)と同時に、脂肪族ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、酸アミド類、及びジメチルスルホキシドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒中に溶解させ、一方向巻きのらせん構造を形成させる工程
を備える、請求項12又は13に記載の製造方法。

【請求項15】
請求項6に記載のトポケミカル重合物、又は請求項7~11のいずれかに記載の有機ナノチューブの製造方法であって、
(III)請求項3~5のいずれかに記載の化合物に光照射する工程
を備える、製造方法。

【請求項16】
一般式(3):
【化7】


[式中、Arは3価の芳香族基;Rはアルキル基、-CONHR(Rはアルキル基又はポリエーテル基)で示される基、又は-COOR(Rはアルキル基又はポリエーテル基)で示される基である。]
で示される化合物。

【請求項17】
一般式(5):
【化8】


[式中、Arは3価の芳香族基;Rはアルキル基、-CONHR(Rはアルキル基又はポリエーテル基)で示される基、又は-COOR(Rはアルキル基又はポリエーテル基)で示される基;Rは同じか又は異なり、それぞれアルキル基である。]
で示される化合物。

【請求項18】
一般式(4):
【化9】


[式中、Arは3価の芳香族基;Rはアルキル基、-CONHR(Rはアルキル基又はポリエーテル基)で示される基、又は-COOR(Rはアルキル基又はポリエーテル基)で示される基;Xは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子である。]
で示される化合物。
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