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絶縁材料のラマン散乱スペクトルを用いた2次元薄膜原子構造の積層数決定装置及び積層数決定方法 新技術説明会

国内特許コード P150011816
整理番号 S2014-1402-N0
掲載日 2015年3月31日
出願番号 特願2014-189349
公開番号 特開2016-061657
出願日 平成26年9月17日(2014.9.17)
公開日 平成28年4月25日(2016.4.25)
発明者
  • 中山 敦子
  • 星野 豪
  • 山田 裕
出願人
  • 国立大学法人 新潟大学
発明の名称 絶縁材料のラマン散乱スペクトルを用いた2次元薄膜原子構造の積層数決定装置及び積層数決定方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】グラフェンの積層数を簡便かつ正確に決定することができ、特に、大がかりな装置や、高度な知識と熟練された技術を要せず、測定条件に厳しい制限のない、絶縁材料上の2次元薄膜原子構造の積層数決定装置及び積層数決定方法を提供する。
【解決手段】絶縁材料20に支持された積層数未知の2次元薄膜原子構造21に入射レーザー光11を照射し、絶縁材料20由来のラマン散乱光の分光ピーク強度比I/Iを取得するための測定を行う顕微ラマン分光計2と、絶縁材料20に支持された積層数既知の2次元薄膜原子構造21に入射レーザー光11を照射して発生する絶縁材料20由来のラマン散乱光の分光ピーク強度比I/Iと、2次元薄膜原子構造21の積層数nとの関係を示す標準曲線に基づいて、分光ピーク強度比I/Iを標準曲線と照合し、積層数未知の2次元薄膜原子構造21の積層数を決定する積層数決定機構3とを備える。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


グラフェンは、2004年にNovoselovらが、スコッチテープを用いてグラファイトから機械的に剥離し、酸化膜付きシリコン基板に転写する方法を発見して以来、物性実験からその価値を見出された。



その後、基礎科学、電子デバイス、センサー、電池等の幅広い分野で研究開発が活発に行われている。グラフェンは、その理想的な2次元構造に起因して様々な特異的性質を有し、各種分野への応用が期待されている物質である。



また、グラフェンを筆頭に、原子の2次元的結合構造、あるいは、それと等価な2次元的電子状態を表面、界面などに有する機能性を持った薄膜物質は、従来のバルク物質や単なる薄膜とは異なる特性・構造を持つことで、新たな機能や従来材料の特性を凌駕する機能を発現することが可能であり、新規材料やデバイスの開発につながることが期待される。



このような2次元薄膜原子構造は、その産業上の利用において、精密な積層数の評価が不可欠である。すなわちグラフェン等の2次元薄膜原子構造は、積層数に依存して電子物性や光学特性が顕著に変化するので、所望の機能を発揮させるためには、予め積層数を決定してデバイスを作製することが要求される。例えばグラフェン積層数の評価法は、キャパシター特性をはじめ、各種デバイスの性能向上に不可欠な技術である。



従来、絶縁材料上に転写したグラフェンの積層数を評価するものとして、次のような方法が知られている。



(a)ラマン分光法によるグラフェン2Dバンド(G’バンド)の線形フィッティング(非特許文献1、2)。
この方法では、グラフェンのGバンドと2Dバンドの相対強度比、2Dバンドの波数(エネルギー)、2Dバンドの形状などを基にグラフェン積層数を決定する。



(b)反射光学顕微鏡観察によるコントラスト測定(非特許文献3)。
この方法における観察の原理は、基板と基板上のグラフェンの光学反射によるコントラスト差である。グラフェンを酸化膜付きシリコン基板に貼り付け、そのグラフェンの光学顕微鏡像を取得した後、SiO表面とグラフェンの光学顕微鏡像のコントラスト比を比較する。



(c)透過型電子顕微鏡(TEM)、原子間力顕微鏡(AFM)、走査型電子顕微鏡(SEM、特許文献1)による方法。



また、六方晶窒化ホウ素は、グラフェンとよく似た蜂の巣構造を持つ絶縁材料で、窒素とホウ素が形成する非常に強いsp結合の2次元平面構造が弱い結合で積層した構造になっている。この六方晶窒化ホウ素でも、ラマン分光法による積層数の評価(非特許文献4)、反射光学顕微鏡観察によるコントラスト測定に基づく積層数の評価(非特許文献5)が報告されている。

産業上の利用分野


本発明は、絶縁材料上に支持されたグラフェン等の2次元薄膜原子構造の積層数決定装置及び積層数決定方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
絶縁材料上の2次元薄膜原子構造の積層数決定装置であって、
前記絶縁材料に支持された積層数未知の2次元薄膜原子構造に入射レーザー光を照射し、前記絶縁材料由来のラマン散乱光の分光ピーク強度比I/Iを取得するための測定を行う顕微ラマン分光計と、
前記絶縁材料に支持された積層数既知の2次元薄膜原子構造に前記入射レーザー光を照射して発生する前記絶縁材料由来のラマン散乱光の分光ピーク強度比I/Iと、前記2次元薄膜原子構造の積層数nとの関係を示す標準曲線に基づいて、前記分光ピーク強度比I/Iを前記標準曲線と照合し、前記積層数未知の2次元薄膜原子構造の積層数を決定する積層数決定機構とを備える2次元薄膜原子構造の積層数決定装置。

【請求項2】
前記標準曲線は、前記積層数既知の2次元薄膜原子構造の単層に対する前記入射レーザー光の透過率T及び積層数nより、次の関係式:
/I=T2n
で表わされる、請求項1に記載の2次元薄膜原子構造の積層数決定装置。

【請求項3】
前記標準曲線は、前記絶縁材料に支持され、それぞれ積層数nが異なる前記積層数既知の2次元薄膜原子構造を複数用意して前記分光ピーク強度比I/Iを取得し、これと前記2次元薄膜原子構造の積層数nとの関係に基づいて取得される、請求項1に記載の2次元薄膜原子構造の積層数決定装置。

【請求項4】
前記2次元薄膜原子構造はグラフェンである、請求項1から3のいずれかに記載の2次元薄膜原子構造の積層数決定装置。

【請求項5】
前記絶縁材料は、金属以外のラマン活性を示す物質である、請求項1から4のいずれかに記載の2次元薄膜原子構造の積層数決定装置。

【請求項6】
次の工程を含む、絶縁材料上の2次元薄膜原子構造の積層数決定方法:
前記絶縁材料に支持された積層数既知の2次元薄膜原子構造に入射レーザー光を照射して発生する前記絶縁材料由来のラマン散乱光の分光ピーク強度比I/Iと、前記2次元薄膜原子構造の積層数nとの関係を示す標準曲線を取得する工程;
前記絶縁材料に支持された積層数未知の2次元薄膜原子構造に前記入射レーザー光を照射し、前記絶縁材料由来のラマン散乱光の分光ピーク強度比I/Iを取得する工程;及び
前記分光ピーク強度比I/Iを前記標準曲線と照合し、前記積層数未知の2次元薄膜原子構造の積層数を決定する工程。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014189349thum.jpg
出願権利状態 公開
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