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環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩、その製造方法、及びその用途

国内特許コード P150011824
整理番号 KG0098-JP02
掲載日 2015年4月2日
出願番号 特願2013-515179
登録番号 特許第5946447号
出願日 平成24年5月16日(2012.5.16)
登録日 平成28年6月10日(2016.6.10)
国際出願番号 JP2012062513
国際公開番号 WO2012157674
国際出願日 平成24年5月16日(2012.5.16)
国際公開日 平成24年11月22日(2012.11.22)
優先権データ
  • 特願2011-110828 (2011.5.17) JP
発明者
  • 葛野 菜々子
  • 中島 喜一郎
  • 平井 洋平
出願人
  • 学校法人関西学院
発明の名称 環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩、その製造方法、及びその用途
発明の概要 皮膚の不全角化を抑制することができる環状ペプチド化合物又はその薬理的に許容される塩及びその製法を提供する。本発明は、式(I)(配列番号1):
【化1】



〔式中、Xaaは置換基を有していてもよいアラニル基またはグリシル基、Xaaは置換基を有していてもよいイソロイシル基またはロイシル基、Xaaは置換基を有していてもよいグルタミル基またはアスパルチル基、Xaaは置換基を有していてもよいプロリル基またはグリシル基、Xaaは置換基を有していてもよいグルタミニル基またはアスパラギニル基、及びXaaは置換基を有していてもよいリシル基またはアルギニル基を示し;Rは式(II):
【化2】



(式中、nは1~10の整数を示す)
で表される基、及びmは0または1の整数を示し;及びRはシスチン残基、及びlは0または1の整数を示す。但し、mとlが同時に0となることはない。〕
で表される環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩である。
従来技術、競合技術の概要



ヒトの表皮は、下層から順に、基底層と有棘層と顆粒層と角質層とからなる。ヒトの正常な皮膚では、前記角質層は、バリア機能を発現し、物理的刺激や化学的刺激から皮膚を保護している。





正常な皮膚は、通常、28日間の周期でターンオーバーする。正常な皮膚のターンオーバーでは、ケラチノサイトが顆粒層から角質層へと押し上げられる。このとき、ケラチノサイトの分化により脱核が生じて有核細胞が消失し、成熟した角質層が形成される。しかしながら、炎症や皮脂中に含まれる不飽和脂肪酸などによって表皮における細胞の増殖速度が著しく大きくなり、角化の速度が異常に促進された場合、最終分化段階(表皮細胞内がケラチンで満たされ脱落に向かう段階)のケラチノサイトにおいて、脱核が起こらないことがある。これを「不全角化」という。





不全角化を伴う皮膚は、上記するように皮膚の角化プロセスに不備が生じ正常な角質細胞が形成されないため、角質層のバリア機能が著しく低下していることから、物理的刺激や化学的刺激を十分に防ぐことができない状態になっている。そのため、不全角化を伴う皮膚では、ニキビ、肌荒れなどの皮膚トラブルが生じやすい。





前記バリア機能を補うために、不全角化を伴う皮膚に対して、保湿剤などを含む皮膚外用剤が適用されている。しかしながら、一般に、前記保湿剤による表皮における保湿効果は、一時的に発揮されるにすぎないことから、当該保湿剤などを含む皮膚外用剤には、本質的な皮膚の状態の改善を期待することができないという欠点がある。そこで、不全角化を抑制し、当該不全角化を起因とする皮膚状態を予防または改善することができる有用な皮膚外用組成物が求められている。





一方、エピモルフィンは、上皮組織の形態形成の制御に関与している因子の1つであると考えられている。また、前記エピモルフィンのノックアウトにより、マウスにおける癌化誘導が減少することが報告されている(例えば、非特許文献1を参照)。





前記上皮組織の形態形成を制御するために、エピモルフィンにより奏される上皮組織の形態形成促進作用を阻害するオリゴペプチドが提案されている(例えば、特許文献1および2を参照)。





しかしながら、上皮組織の形態形成促進作用に対する前記オリゴペプチドの阻害作用は、上皮組織の形態形成を制御するには不十分であるため、エピモルフィンによって引き起こされる皮膚などの上皮細胞の形態・分化異常の発生などをより高い効率で抑制することができるさらに有用な化合物が求められている。





一方、エピモルフィンのファミリータンパク質の中には、シンタキシン4(syntaxin 4)と称されるタンパク質がある(非特許文献2)。エピモルフィンと同様に皮膚細胞にて発現して存在するタンパク質であるが、エピモルフィンが真皮に存在するのに対して、シンタキシン4は表皮に大量に存在する(後述する実験例1~2参照)。

産業上の利用分野



本発明は、環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩、およびその製造方法に関する。また、本発明は、かかる環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩の用途に関する。詳細には、本発明は、不全角化を起因とする皮膚状態を予防、治療または改善するうえで有用な環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩、並びにその用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
式(I):
【化1】


〔式中、Xaaはアラニル基、Xaaはイソロイシル基、Xaaはグルタミル基、Xaaはプロリル基、Xaaはグルタミニル基、及びXaaはリシル基を示し;
は式(II):
【化2】


(式中、nは1~10の整数を示す)
で表される基、及びmは0または1の整数を示し;並びに
はカルボキシル基がアミド化されていてもよいシスチン残基、及びlは0または1の整数を示す。但し、mとlが同時に0となることはない。〕
で表される環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩。

【請求項2】
式(I)中、lが1である、請求項1記載の環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩。

【請求項3】
式(I)において、mが1である、請求項1または2記載の環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩。

【請求項4】
式(I)中、mが1であって、Rが、式(II)中、nが1~3の整数である基である、請求項1乃至3のいずれかに記載する環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩。

【請求項5】
式(I)中、mが0であり、lが1である、請求項1または2に記載する環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩。

【請求項6】
式(I):
【化3】


〔式中、Xaaは置換基をアラニル基、Xaaはイソロイシル基、Xaaはグルタミル基、Xaaはプロリル基、Xaaはグルタミニル基、及びXaaはリシル基を示し;
は式(II):
【化4】


(式中、nは1~10の整数を示す)
で表される基、及びmは0または1の整数を示し;並びに
はカルボキシル基がアミド化されていてもよいシスチン残基、及びlは0または1の整数を示す。但し、mとlが同時に0となることはない。〕
で表される環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩の製造方法であって、式(III):
【化5】


〔式中、Xaaはアラニル基、Xaaはイソロイシル基、Xaaはグルタミル基、Xaaはプロリル基、Xaaはグルタミニル基、及びXaaはリシル基を示し、
は式(IV):
【化6】


(式中、nは1~10の整数を示す)
で表される基、及びmは0または1の整数を示し;並びに
lは同時に0または1の整数を示す。但し、mとlが同時に0となることはない。
なお、lが1であるとき、C末端のシステイニル基のカルボキシル基はフリーでも、またアミド化されていてもよい。〕
で表される化合物を環化させることを特徴とする環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩の製造方法。

【請求項7】
請求項1乃至のいずれかに記載する環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩からなる、シンタキシン4のアンタゴニスト。

【請求項8】
請求項1乃至のいずれかに記載する環状ペプチド化合物またはその薬理的に許容される塩を有効成分とする医薬組成物、医薬部外品組成物、または化粧料組成物。

【請求項9】
外用組成物である、請求項記載の医薬組成物、医薬部外品組成物、または化粧料組成物。

【請求項10】
シンタキシン4によって引き起こされる皮膚の異常な状態を予防、治療または改善するための組成物である、請求項8または9に記載する医薬組成物、医薬部外品組成物、または化粧料組成物。

【請求項11】
シンタキシン4によって引き起こされる皮膚の異常な状態が、皮膚の不全角化、不全角化を起因とする皮膚の異常状態、または皮膚の異常状態における代謝亢進である、請求項10に記載する外用組成物。

【請求項12】
エピモルフィンによって引き起こされるか、エピモルフィンの過剰発現によって発症若しくは増悪する疾患または病態を予防、治療または改善するための組成物である、請求項8または9に記載する医薬組成物、医薬部外品組成物、または化粧料組成物。

【請求項13】
疾患または病態が、臓器の損傷、慢性閉塞性動脈硬化症、またはバージャー病である、請求項12に記載する医薬組成物、医薬部外品組成物、または化粧料組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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