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前立腺癌の判定、治療選択方法、予防又は治療剤

国内特許コード P150011858
掲載日 2015年4月8日
出願番号 特願2014-167174
公開番号 特開2016-044130
出願日 平成26年8月20日(2014.8.20)
公開日 平成28年4月4日(2016.4.4)
発明者
  • 大日方 大亮
  • 高橋 悟
  • 井上 聡
  • 高山 賢一
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 前立腺癌の判定、治療選択方法、予防又は治療剤
発明の概要 【課題】アンドロゲン依存性の前立腺癌に対して有効な新たな治療法を提供すること、及び、アンドロゲン非依存性の前立腺癌の治療による効果を予測するために有用なマーカーを提供することを課題とする。
【解決手段】ABHD2遺伝子の発現を抑制し得るsiRNA等の二本鎖核酸分子を作製し、これによってアンドロゲン依存性の前立腺癌の進行を抑制する。また、ABHD2遺伝子の発現を判定マーカーとすることで、アンドロゲン非依存性の前立腺癌の治療による効果を事前に予測する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


近年、食生活の欧米化及び人口の高齢化に伴い、日本においても前立腺癌の患者数が飛躍的に増加している。前立腺癌の治療技術には、臨床的には前立腺摘出術を始めとする外科的治療、抗癌剤による化学療法及び放射線治療が広く利用されている。
治療方法のうちでも外科的治療が第一に選択されるが、すでに癌が進行した状態で診断された場合や、外科手術後の再発などにより外科的手術が困難な場合においてはその他の治療法が選択される。



一般に前立腺癌細胞はアンドロゲンによって刺激され、増殖することが知られている。そのためアンドロゲンの産生や機能を阻害するホルモン療法もしばしば行われている。これは、精巣を両側とも摘除する手術や、LHRHアナログを用いて精巣から分泌される血液中の男性ホルモン値を低下させ、さらに、微量に分泌されている副腎由来アンドロゲンを内服薬で除去するものである。
このホルモン療法は、効果が極めてよいものの、数年以内にアンドロゲン非依存性前立腺癌(Castration-resistant prostate cancer,CRPC)として再燃することが問題となっており、前立腺癌の治療において、このアンドロゲン非依存性前立腺癌の制御が最も重要な課題となっている。



アンドロゲン非依存性前立腺癌は、アンドロゲンレセプター(Androgen Receptor;AR(以下、単にARと示す場合がある))の変異あるいは増幅により、超低濃度のアンドロゲン、抗アンドロゲン剤、その他のステロイドホルモンなどに感受性を示すことが示唆されている。しかし、このメカニズム等はいまだ不明であり、現状ではドセタキセルを用いた抗がん剤療法が唯一の治療法とされている。しかし、この治療法によって、効果を示す症例は限定的であり、事前にその効果を予測することもできないことから、効果の予測に有用なマーカーの提供が望まれている。



また、アンドロゲン非依存性前立腺癌への進行を妨げるべく、アンドロゲン依存性の前立腺癌に対してホルモン療法以外の有効な治療法の提供も望まれている。
ARを発現している前立腺癌細胞が、アンドロゲン応答遺伝子の発現を亢進していることから、近年では、アンドロゲン応答遺伝子に対してアンチセンス核酸等を投与して、これらの遺伝子の発現を不安定化することにより、前立腺癌を治療する方法等が開発されている。しかし、アンチセンス核酸等は生体内で分解され易く、不安定であるため、前立腺癌の治療において十分な方法とはいえなかった。



そこで、本発明者らは、生体内においても安定性が高いPIポリアミドに着目し、アンドロゲン応答遺伝子であるTMPRSS2と転写制御因子であるETS familyのEGR遺伝子との融合遺伝子の発現を抑制するPIポリアミド(特許文献1、参照)等を開発し、前立腺癌の予防、治療等への有用性を確認している。



本発明者らはさらに、網羅的な前立腺癌の予防、治療等を可能とすることを目的として検討を行った結果、本発明において、新たなARの標的遺伝子の一つとして、ABHD2遺伝子を見出した。
ABHD2遺伝子はリン脂質代謝に関わり、肺胞構造の構築に影響を及ぼしている事が知られているが、その詳細な機能は不明である。また、特許文献2において、前立腺癌(PRC)細胞において過剰発現している遺伝子を網羅的に解析した結果、その遺伝子の一つとしてABHD2遺伝子が挙げられているものの、前立腺癌との具体的な関連については不明であった。

産業上の利用分野


本発明は、前立腺癌の判定、治療選択方法、予防又は治療剤に関する。さらに詳しくはABHD2(Abhydrolase domain-containing protein 2;ABHD2(以下、単にABHD2と示す場合がある))遺伝子の発現に基づく、前立腺癌の判定、治療選択方法や、この発現の抑制による前立腺癌の予防又は治療剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ABHD2遺伝子の発現を抑制するための二本鎖核酸分子を有効成分として含む前立腺癌の予防又は治療剤。

【請求項2】
二本鎖核酸分子が次の(a)及び(b)を含む二本鎖核酸分子である請求項1に記載の前立腺癌の予防又は治療剤。
(a)配列番号2~8のいずれかに示される標的配列に対応するヌクレオチド配列を含むセンス鎖
(b)前記(a)のセンス鎖に相補的なヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖

【請求項3】
二本鎖核酸分子の各鎖の3´末端が、2塩基~6塩基突出した突出末端である請求項2に記載の前立腺癌の予防又は治療剤。

【請求項4】
二本鎖核酸分子の長さが、23塩基から29塩基の少なくともいずれかである請求項1~3のいずれかに記載の前立腺癌の予防又は治療剤。

【請求項5】
二本鎖核酸分子が二本鎖RNAである請求項1~4のいずれかに記載の前立腺癌の予防又は治療剤。

【請求項6】
二本鎖核酸分子がsiRNAである請求項5に記載の前立腺癌の予防又は治療剤。

【請求項7】
前立腺癌細胞の増殖を抑制するための請求項1~6のいずれかに記載の前立腺癌の予防又は治療剤。

【請求項8】
被験動物由来の生物学的試料におけるABHD2蛋白質もしくはその断片、又はこれらをコードする核酸を前立腺癌の判定マーカーとする、被験動物における前立腺癌のリスクを判定する方法。

【請求項9】
ABHD2蛋白質もしくはその断片、又はこれらをコードする核酸からなる前立腺癌の判定マーカー。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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