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レシチンオルガノゲル形成剤 外国出願あり

国内特許コード P150011863
掲載日 2015年4月8日
出願番号 特願2014-516860
出願日 平成25年5月24日(2013.5.24)
国際出願番号 JP2013064442
国際公開番号 WO2013176243
国際出願日 平成25年5月24日(2013.5.24)
国際公開日 平成25年11月28日(2013.11.28)
優先権データ
  • 特願2012-119216 (2012.5.25) JP
発明者
  • 橋崎 要
  • 齋藤 好廣
  • 田口 博之
  • 今井 美湖
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 レシチンオルガノゲル形成剤 外国出願あり
発明の概要 逆紐状ミセルを形成するオルガノゲル形成剤および増粘ゲル状組成物として、生体や環境に対する高い安全性、好ましい使用感、および良好なゲル化能を併せ持つオルガノゲル形成剤および該オルガノゲル形成剤を用いた増粘ゲル状組成物を提供する。
レシチンとカルボキシル基が1~3、およびヒドロキシ基が0~2のいずれか1つの脂肪族カルボン酸とが各種オイルの逆紐状ミセルを形成するオルガノゲル形成剤として作用し、又これらレシチンと前記カルボン酸と各種オイルの3成分混合系を用いて、逆紐状ミセル構造を有する増粘ゲル状組成物を得ることができる。
従来技術、競合技術の概要


動植物油類、鉱物油類、炭化水素類、脂肪酸エステル類等のオイルを増粘又はゲル化して固化するオルガノゲル形成剤は、化粧料、医薬品、食品、塗料、インク、潤滑油等の様々な分野で広く利用されている。オルガノゲル形成剤に一般的に要求される性能としては、少量の添加で目的とするオイルをゲル化でき、得られたゲルが長期にわたり安定であることなどが挙げられる。さらに用途によっては、人体に対する安全性が高いこと、チキソトロピー性を有するゲルを生成すること、得られたゲルの触感がよいことなども要求されている。



従来、オルガノゲル形成剤としては、低分子ゲル化剤(1,2,3,4-ジベンジリデン-D-ソルビトール、12-ヒドロキシステアリン酸、アミノ酸誘導体等)、高分子ゲル化剤(ポリアクリル酸誘導体、デキストリン誘導体等)等が知られている。低分子ゲル化剤は、オイル中で自己集合し、巨大な網目構造を形成することでオイルが非流動化しゲルを形成し、一方、高分子ゲル化剤は、それらが複雑に絡まり合い網目構造を形成することでオイルのゲル化を引き起こすものである。



低分子ゲル化剤の1,2,3,4-ジベンジリデン-D-ソルビトールは、様々な種類のオイルをゲル化できる優れた化合物であるが、分解してベンズアルデヒドが生成するという点で安全性に問題があり実用化はされていない。12-ヒドロキシステアリン酸は、廃天ぷら油のゲル化剤として市販されているが、チキソトロピー性に欠ける。また、アミノ酸誘導体のゲル化剤はオイルに難溶性であるため、溶解させるには高温での加熱や長時間の攪拌などの煩雑な操作が必要となる。しかも、このような操作はゲルに配合される他成分の品質の変化を招く恐れがある点でも問題がある。一方、高分子ゲル化剤のデキストリン誘導体では、ゲル化に高濃度の添加が必要である上に、高分子特有の「べたつき感」を生じ使用感が良くない。ポリアクリル酸誘導体では少量の添加で良好な増粘ゲル化を示すが皮膚に使用した際には高分子特有の「べたつき感」を生じ、使用感がよくない。



これらの問題を解決させるべく、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル等の天然界面活性物質1,2種、高級アルコール、グリセリン、オイルを加えたゲル状エマルション(特許文献1)が提案されているが、弾性が低いため液だれ等生じ易く取扱性が悪く、また高級アルコールおよびグリセリンの何れかが欠けると効果が得られないという問題があり、生体や環境に対する高い安全性、良好なゲル化能、使用感に優れ、取扱性のよさ等をすべて合わせ持つオルガノゲル形成剤は得られていない。



一方、逆紐状ミセルによるオイルのゲル化も少数だが報告されている(非特許文献1-3)。逆紐状ミセルとは、界面活性剤の形成する自己集合体の一種であり、オイル中で網目構造を形成するためにゲル化を引き起こすことが知られている。逆紐状ミセルという内部に親水的な環境を有しているために水溶性の薬物や酵素等を内包することが可能であり、上記したオルガノゲル形成剤にはない特長を有している。



この逆紐状ミセルを形成する代表的な系として、レシチン/水/各種オイルの3成分混合系が報告されている(非特許文献1)。また、水の代替物質には、グリセリン(非特許文献2)、エチレングリコール(非特許文献2)、ホルムアミド(非特許文献2)、胆汁酸塩(非特許文献3)、無機塩類(非特許文献4)が報告されている。通常、レシチンはオイル中で逆球状ミセルあるいは逆楕円状ミセルを形成するが、これに少量の水等を添加するとレシチンのリン酸基に水素結合し、分子集合体の界面曲率が減少するために逆紐状ミセルの成長が起こると考えられている。



これら従来の逆紐状ミセルが抱える問題として、代表的なレシチン/水/各種オイルから成る逆紐状ミセルでは、水が成分中に含まれているために加水分解を受けやすい薬物等を配合することはできない。水の代替物質としてグリセリンを用いるものは、増粘はするものの充分なゲル化が起こらない。また、水の代替物質であるエチレングリコールやホルムアミドは、皮膚、眼、粘膜等への強い刺激性を有するために人体には適用できない。また、胆汁酸塩は生体由来の界面活性剤であるが、皮膚や眼等に付着すると炎症を起こす可能性があり、無機塩類を用いるものはゲル化剤をオイルに溶解させるのに高温での加温が必要であり、増粘又はゲル化に調整するのが容易でない。



本発明者らは、レシチン/ショ糖脂肪酸エステル(特許文献2)、レシチン/糖類(特許文献3)、レシチン/尿素(特許文献4)、レシチン/ポリグリセリン(特許文献5)、レシチン/アスコルビン酸またはその誘導体(非特許文献5)の逆紐状ミセルを形成するオルガノゲル化剤として、生体や環境に対する高い安全性、良好なゲル化能、使用感に優れ、取扱性のよさ等をすべて合わせ持つオルガノゲル形成剤を提案した。しかし、ショ糖脂肪酸エステルや糖類を用いるものは、糖質特有のにおいが生じ、尿素を用いるものは食品分野には向かないという問題点があり、またいずれのものもゲル化するものの最大粘度には限界があるという問題点がある。

産業上の利用分野


本発明は、動植物油類、鉱物油類、炭化水素類、脂肪酸エステル類等のオイルを増粘又はゲル化して固化するレシチンオルガノゲル形成剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(a)レシチン、(b)カルボキシル基が1~3、およびヒドロキシ基が0~2のいずれか1つの脂肪族カルボン酸からなる逆紐状ミセルを形成するオルガノゲル形成剤。

【請求項2】
前記カルボン酸の分子量が250以下であることを特徴とする請求項1に記載のオルガノゲル形成剤。

【請求項3】
前記(a)レシチンと(b)カルボキシル基が1~3、およびヒドロキシ基が0~2のいずれか1つの脂肪族カルボン酸との混合割合として、(a)レシチンと(b)前記カルボン酸の合計質量に対して、(b)前記カルボン酸を0.1質量%から35質量%含有することを特徴とする請求項1または2に記載のオルガノゲル形成剤。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のオルガノゲル形成剤と(c)オイル成分とを少なくとも含み逆紐状ミセルを形成した増粘ゲル状組成物。

【請求項5】
前記増粘ゲル状組成物が、化粧料、医薬品、食品、塗料、インク、潤滑油の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項4に記載の増粘ゲル状組成物。

【請求項6】
前記オルガノゲル形成剤と(c)オイル成分との混合割合として、オルガノゲル形成剤を増粘ゲル状組成物に対して1質量%から70質量%含有することを特徴とする請求項4または5に記載の増粘ゲル状組成物。

【請求項7】
逆紐状ミセルを形成するオルガノゲル形成剤の製造方法であって、(a)レシチンと(b)カルボキシル基が1~3、およびヒドロキシ基が0~2のいずれか1つの脂肪族カルボン酸を有機溶媒に溶解後、有機溶媒を蒸発させることを特徴とするオルガノゲル形成剤の製造方法。

【請求項8】
逆紐状ミセルを形成した増粘ゲル状組成物の製造方法であって、(a)レシチンと(b)カルボキシル基が1~3、およびヒドロキシ基が0~2のいずれか1つの脂肪族カルボン酸を有機溶媒に溶解後、有機溶媒を蒸発させることによりオルガノゲル形成剤とし、該オルガノゲル形成剤に(c)オイル成分を添加混合させることを特徴とする逆紐状ミセルを形成した増粘ゲル状組成物の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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