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無線信号の受信方法及び受信装置

国内特許コード P150011882
整理番号 3366
掲載日 2015年4月15日
出願番号 特願2011-247731
公開番号 特開2013-106142
登録番号 特許第5669046号
出願日 平成23年11月11日(2011.11.11)
公開日 平成25年5月30日(2013.5.30)
登録日 平成26年12月26日(2014.12.26)
発明者
  • 工藤 理一
  • 村上 友規
  • 石原 浩一
  • 溝口 匡人
  • 林 和則
  • 竹中 紳二
  • 金子 めぐみ
  • 酒井 英昭
出願人
  • 日本電信電話株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 無線信号の受信方法及び受信装置
発明の概要 【課題】通信品質を改善する受信装置において、干渉信号が受信される場合に、選択性フェージング環境において希望信号の抽出効果を改善するする。
【解決手段】複数の受信アンテナのそれぞれに、複数の遅延素子とフィルタ係数を乗算する複数の乗算素子を有するアナログフィルタを接続され、アナログフィルタのフィルタ係数を制御することにより、希望波の信号品質を改善する受信方法であって、希望信号を送信するアンテナと受信アンテナとの間のインパルス応答を受信処理前に推定するステップと、推定されたインパルス応答を用いて、複数のアナログフィルタの、複数のフィルタ係数からなるフィルタ係数ベクトルを算出するステップと、算出されたフィルタ係数ベクトルにより、受信アンテナのそれぞれから入力された受信信号に重みづけ処理を行うステップとを有し、所定の関係式を所定の条件下で最小化することによりフィルタ係数を算出することを特徴とする。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



従来から複数のアンテナを有し、アナログフィルタを用いて主信号に指向性を向け、干渉信号を抑圧する方式についての研究が盛んに行われている。予めアナログ回路で信号対雑音電力比を高めるように受信することで、アナログ・デジタル変換器の数を減らすことができ、また、干渉信号の影響を除去することで、信号検出・AGC(Auto gain control)・AFC(Auto frequency control)の精度を高めることができる(例えば、非特許文献1参照)。





しかし、アナログ・デジタル変換器の数がアンテナ素子数より少ない構成では、アナログフィルタの係数を決定するための方法として、ブラインドアルゴリズムを用いる必要がある。ブラインドアルゴリズムを用いる場合、主信号および干渉信号が継続的に到来する通信環境では、従来の技術で有効に動作させることができる。しかしながら、パケット送信に基づくシングルキャリア方式およびOFDM方式による通信では、主信号と干渉信号が独立のタイミングで到来する場合に、従来方式で干渉除去を行うことは難しい。





図6に従来の送受信装置の構成を示す。図6において、1-1~1-Pはアンテナ、3はアナログフィルタ部、3-1-1~3-1-Pはアナログフィルタ、4は結合器、5は受信装置、6は信号検出回路、7は復号回路、8はフィルタ係数設定回路である。まず、送信されている信号として、サイクリックプリフィックスを用いた送信信号の場合、時刻nにおけるM×1の情報信号ブロックs(n)にKポイントのガードインターバルとしてサイクリックプリフィックスが付与され、(M+K)×1の送信信号ブロックs’(n)が生成される。

【数1】




ここで、Tcpは(M+K)×MのGI付加行列であり、

【数2】




で定義される。





ただし、0K×(M-K)はK×(M-K)の零行列を表し、IM×MはM×Mの単位行列を表す。ここで、s(n)は直交周波数分割多重方式(OFDM)の信号であってもよいし、シングルキャリア伝送方式(SC)の信号であってもよい。





受信アンテナ素子数をPとし、通信路のインパルス応答長をLとすると、p番目のアンテナ素子における通信路の(M×1)のインパルス応答ベクトルは

【数3】




と表せる。受信ブロックに付加される(M+K)×1の雑音ベクトルをnp(n)とする。ただし、np(n)の各成分は平均0、分散σの白色雑音であるとする。このときアレー出力におけるインパルス応答ベクトル

【数4】




および雑音ベクトルn’(n)は、P×1のフィルタ係数ベクトル

【数5】




を用いて、

【数6】




【数7】




【数8】




【数9】




と書ける。ここで、(・)はエルミート転置を表す。





以下に、各アンテナにより受信された信号についての処理動作を説明する。まず、アンテナ1-i(1≦i≦P)において受信される、時刻nおよび時刻(n-1)に対応する(M+K)×1の受信信号r’i(n)が得られる。ここで、時刻(n-1)に対応する受信信号とは、時刻nの主信号に対する時刻(n-1)の主信号によるシンボル間干渉に相当する信号成分である。アナログフィルタ3では、各アンテナに対応するアナログフィルタ3-i(1≦i≦P)が、フィルタ係数設定回路8により設定された係数wiを受信信号に乗算し、結合器4において各アナログフィルタ3-1~3-Pからの出力信号を結合し、受信装置5において周波数変換され、デジタル信号として取得された後、信号検出回路6により時刻nの送信信号に対応する受信信号ブロックが

【数10】




として得られる。





GI除去前の受信信号ブロックは、インパルス応答および熱雑音を用いて、

【数11】




で与えられる。ここで、H0およびH1は、アレー出力におけるインパルス応答ベクトルの係数を用いて

【数12】




【数13】




で定義される(M+K)×(M+K)の行列である。





復号回路8は、まずサイクリックプリフィックスの除去を行う。GI除去行列は

【数14】




と表せ、これを用いることで、サイクリックプリフィックスが除去され、M×1の受信信号ブロック

【数15】




を得る。ただし、インパルス応答の次数がサイクリックプリフィックス長以下であること、すなわちK≧L-1を仮定している。





さらに、

【数16】




【数17】




とすると、

【数18】




と表せる。Cはその成分を書き下すことで、

【数19】




と書ける。





ここで、Cir[a]は、第1列がベクトルaである巡回行列を表す。巡回行列の逆行列は巡回行列であり、また巡回行列は離散フーリエ変換(DFT)行列により対角化される。したがって、行列Cは(k,n)成分が

【数20】




で与えられるM×MのDFT行列Dを用いて、

【数21】




と表すことができる。





従来の方式では、アダプティブアレーのフィルタ係数wを、アレー出力のSNRを最大化したり、MMSEアルゴリズムを用いたりして決定することができる。ここで、相関行列~Rm(~はRの頭に付く、以下同様)を以下のように定義する。

【数22】




フィルタ係数wは

【数23】




を最大化するように決定でき、~Rmのm=1~Mの総和として得られる行列の最大固有値に対応する固有ベクトルをwとして決定することができる。





またはMMSEアルゴリズムの最急降下法を用いて、

【数24】




ここで、w(k)はk回目のイタレーションでのフィルタ係数ベクトル、μはステップサイズパラメータであり、0<μ<1として設定される。このようにしてフィルタ係数ベクトルを得ることができる。復号回路7は受信した信号を復号するとともに、(23)式や(24)式において固有ベクトルwを決定するのに必要な係数をフィルタ係数設定回路8へ出力する。フィルタ係数設定回路8は新たなフィルタ係数を計算し、アナログフィルタ3-1~3-Mのフィルタ係数を更新する。





OFDMに対しても上記アルゴリズムは同様に用いることができる。OFDMでは、(1)式の情報信号ブロックs(n)が、周波数領域で生成されたKポイントの送信信号d(n)にIDFTを用いて、

【数25】




と定義され、受信側では、周波数領域で等化した後にIDFTを行うことなく復号することで送信信号が得られる。OFDM信号の送信信号d(n)は、周波数領域のチャネル情報λ1~λKの逆数を対角要素とする対角行列Γを用いて

【数26】




として得られる。ここでΓ=Λ-1である。





従来の方法では、各アナログフィルタに単一の係数を指定するため、選択性フェージングが問題となるブロードバンド信号に適用する場合、干渉信号の抑圧効果が小さくなる問題がある。

産業上の利用分野



本発明は、一つ以上の非希望端末からの干渉信号が到来する環境において、非希望端末からの信号をキャンセルしつつ、一つ以上の希望端末からの信号を受信する干渉キャンセラ技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数の受信アンテナのそれぞれに、複数の遅延素子とフィルタ係数を乗算する複数の乗算素子を有するアナログフィルタを接続され、前記アナログフィルタのフィルタ係数を制御することにより、希望波の信号品質を改善する無線信号の受信装置における受信方法であって、
希望信号を送信するアンテナと前記受信アンテナとの間のインパルス応答を受信処理前に推定するチャネル推定ステップと、
前記推定されたインパルス応答を用いて、複数のアナログフィルタの、複数のフィルタ係数からなるフィルタ係数ベクトルを算出するフィルタベクトル推定ステップと、
前記算出されたフィルタ係数ベクトルにより、前記受信アンテナのそれぞれから入力された受信信号に重みづけ処理を行う重みづけステップとを有し、
前記フィルタベクトル推定ステップは、離散フーリエ行列Dのk番目の行ベクトルdkの巡回行列Dkを用いた相関行列DkDkを対角に並べたブロック対角行列Φk、希望信号のインパルス応答行列 ̄H( ̄はHの頭に付く)、干渉信号のインパルス応答行列 ̄K( ̄はKの頭に付く)、離散フーリエ変換処理のポイント数Mを用いて表せる
【数1】


を、
【数2】


の条件下で最小化することによりフィルタ係数ベクトルwを算出することを特徴とする受信方法。

【請求項2】
複数の受信アンテナのそれぞれに、複数の遅延素子とフィルタ係数を乗算する複数の乗算素子を有するアナログフィルタを接続され、前記アナログフィルタのフィルタ係数を制御することにより、希望波の信号品質を改善する無線信号の受信装置における受信方法であって、
希望信号を送信する複数のアンテナと前記受信アンテナとの間のインパルス応答 ̄H1~ ̄HZ( ̄はHの頭に付く)を受信処理前に推定するチャネル推定ステップと、
前記推定されたインパルス応答を用いて、複数のアナログフィルタの、複数のフィルタ係数からなるフィルタ係数ベクトルを算出するフィルタベクトル推定ステップと、
前記算出されたフィルタ係数により、前記受信アンテナのそれぞれから入力された受信信号に重みづけ処理を行う重みづけステップとを有し、
前記フィルタベクトル推定ステップは、α番目の送信アンテナに対し、離散フーリエ行列Dのk番目の行ベクトルdkの巡回行列Dkを用いた相関行列DkDkを対角に並べたブロック対角行列Φk、干渉信号のインパルス応答行列 ̄K( ̄はKの頭に付く)、離散フーリエ変換処理のポイント数Mを用いて表せる
【数3】


を、
【数4】


の条件下で最小化することにより、フィルタ係数ベクトルwをα番目の送信アンテナに対するフィルタ係数ベクトルwαとして算出することを特徴とする受信方法。

【請求項3】
前記フィルタベクトル推定ステップは、フィルタ係数ベクトルw、離散フーリエ行列Dのk番目の行ベクトルdkの巡回行列Dkを用いた相関行列DkDkを対角に並べたブロック対角行列Φk、インパルス応答行列 ̄H( ̄はHの頭に付く)、干渉信号のインパルス応答行列 ̄K( ̄はKの頭に付く)、雑音電力と干渉電力の重みを決定するパラメータγ、離散フーリエ変換処理のポイント数Mを用いて、μをステップサイズパラメータとして、逐次的にウエイトを演算し、α番目の送信アンテナに対するj+1回目の逐次演算後のフィルタ係数ベクトルwα(j+1)を
【数5】


として算出することを特徴とする請求項1または2に記載の受信方法。

【請求項4】
得られたフィルタ係数w1~wQに対し、直交化法を用い、i番目のフィルタ係数ベクトルwに対し、1~(i-1)番目のフィルタ係数ベクトルw~w(i-1)に対する直交条件を付加することで、複数の受信装置に対する出力をそれぞれ相関の低い受信信号とすることを特徴とする請求項2または3記載の受信方法。

【請求項5】
複数の受信アンテナのそれぞれに、複数の遅延素子とフィルタ係数を乗算する複数の乗算素子を有するアナログフィルタを接続され、前記アナログフィルタのフィルタ係数を制御することにより、希望波の信号品質を改善する無線信号の受信装置であって、
希望信号を送信するアンテナと前記受信アンテナとの間のインパルス応答を受信処理前に推定するチャネル推定手段と、
前記推定されたインパルス応答を用いて、複数のアナログフィルタの、複数のフィルタ係数からなるフィルタ係数ベクトルを算出するフィルタベクトル推定手段と、
前記算出されたフィルタ係数により、前記受信アンテナのそれぞれから入力された受信信号に重みづけ処理を行う重みづけ手段とを備え、
前記フィルタベクトル推定手段は、離散フーリエ行列Dのk番目の行ベクトルdkの巡回行列Dkを用いた相関行列DkDkを対角に並べたブロック対角行列Φk、希望信号のインパルス応答行列 ̄H( ̄はHの頭に付く)、干渉信号のインパルス応答行列 ̄K( ̄はKの頭に付く)、離散フーリエ変換処理のポイント数Mを用いて表せる
【数6】


を、
【数7】


の条件下で最小化することによりフィルタ係数ベクトルwを算出することを特徴とする受信装置。

【請求項6】
複数の受信アンテナのそれぞれに、複数の遅延素子とフィルタ係数を乗算する複数の乗算素子を有するアナログフィルタを接続され、前記アナログフィルタのフィルタ係数を制御することにより、希望波の信号品質を改善する無線信号の受信装置であって、
希望信号を送信する複数のアンテナと前記受信アンテナとの間のインパルス応答 ̄H1~ ̄H2( ̄はHの頭に付く)を受信処理前に推定するチャネル推定手段と、
前記推定されたインパルス応答を用いて、複数のアナログフィルタの、複数のフィルタ係数からなるフィルタ係数ベクトルを算出するフィルタベクトル推定手段と、
前記算出されたフィルタ係数により、前記受信アンテナのそれぞれから入力された受信信号に重みづけ処理を行う重みづけ手段とを備え、
前記フィルタベクトル推定手段は、α番目の送信アンテナに対し、離散フーリエ行列Dのk番目の行ベクトルdkの巡回行列Dkを用いた相関行列DkDkを対角に並べたブロック対角行列Φk、干渉信号のインパルス応答行列 ̄K( ̄はKの頭に付く)、離散フーリエ変換処理のポイント数Mを用いて表せる
【数8】


を、
【数9】


の条件下で最小化することによりフィルタ係数ベクトルwをα番目の送信アンテナに対するフィルタ係数ベクトルwαとして算出することを特徴とする受信装置。
産業区分
  • 宇宙通信
  • 伝送方式
  • ラジオ放送
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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