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両面化学強化ガラスおよびその製造方法

国内特許コード P150011891
整理番号 S2013-1037-N0
掲載日 2015年4月17日
出願番号 特願2013-165452
公開番号 特開2015-034108
出願日 平成25年8月8日(2013.8.8)
公開日 平成27年2月19日(2015.2.19)
発明者
  • 矢野 哲司
  • 小澤 圭右
  • 岸 哲生
  • 柴田 修一
出願人
  • 国立大学法人東京工業大学
発明の名称 両面化学強化ガラスおよびその製造方法
発明の概要 【課題】高い圧縮応力を持つ、両面化学強化板ガラスを提供し、そのために電界印加イオン交換法を用いて、低温、高速での処理工程により生産性を著しく向上し得る、両面化学強化板ガラスの製造方法を提供する。
【解決手段】カリウムを保持させた固体電解質体の間に、ナトリウムおよび/またはリチウム含有ガラスを接触させて、電界印加イオン交換を行って、ナトリウムおよび/またはリチウム含有ガラス表面のナトリウムイオンおよび/またはリチウムイオンをイオン半径の大きいカリウムイオンで置換することにより、該ガラス表面に圧縮応力層を形成させて両面化学強化するに際して、特定の2つのステップを用いる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



スマートフォンやタッチパネル用の板ガラスには、表面圧縮応力層を導入した化学強化ガラスが用いられている。これらの強度の大きな板ガラスを製造するために、板材をガラス中のイオンが濃度勾配の駆動力で移動するのに十分な温度の溶融塩へ浸漬し、溶融塩中のアルカリイオンとガラス中のアルカリイオンの相互拡散を生じさせ、表面に必要な厚み(通常、少なくとも10μm以上)のイオン交換層を形成させている。この方法においては、高い溶融塩温度と同時に、長時間の浸漬時間が必要であることに加えて、イオン交換処理とともに溶融塩濃度が変動してしまうために管理が非常に難しいという難点がある。したがって、低温で、かつ迅速に所望の化学強化イオン交換層を形成させる技術が求められているものの、板ガラス両面に対して処理を行える手法は開発されていない。

たとえば、濃度勾配だけを駆動力としないで、イオン交換を高速化するためには、直流電圧を印加してイオン交換層を形成する電界印加イオン交換法が知られているが、片面だけにイオン交換層を形成させるに留まり、板材の両面にイオン交換層を低温で、高速に形成するものとなっていない(非特許文献1および2)。すなわち、ガラスの電界印加イオン交換法による化学強化は、低温で迅速に行なえるとともに、表面において濃度が高く、深さ方向に対して急峻に濃度が低下する、ステップ関数状のプロファイルを形成でき、大きな圧縮応力を付与できる技術として知られているが、直流電界を利用することから、一方向にのみイオン交換を実施するために、浸漬法と異なり、板材の両面に同等のイオン交換層を形成させることはできないとされていた。このような状況から、ガラスの化学強化は、浸漬法で実用化されているのが現状である。

産業上の利用分野



本発明は両面化学強化ガラスおよびその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
カリウムを保持させた固体電解質体の間に、ナトリウムおよび/またはリチウム含有ガラスを接触させて、電界印加イオン交換を行って、ナトリウムおよび/またはリチウム含有ガラス表面のナトリウムイオンおよび/またはリチウムイオンをイオン半径の大きいカリウムイオンで置換することにより、該ガラス表面に圧縮応力層を形成させて化学強化する際に、陽極側の固体電解質体表面に凹部形状を形成させ、該凹部形状に対応するガラス表面部分にカリウムイオン交換がされない領域を形成させることにより、カリウムイオンを導入した部分と導入されていない部分を有するパターン化イオン交換面を形成し(ステップ1);
ついで該ガラスのパターン化イオン交換面を陰極側とし、反対側の陽極側表面を電界印加イオン交換し、その全面にカリウムイオンを導入し、一方陰極側のパターン化イオン交換面からは、イオン導電性ナトリウムおよび/またはリチウムイオンが非イオン交換部分に移動して陰極側固体電解質体に排出され、非イオン交換部分のナトリウムおよび/またはリチウムイオン濃度が増加することにより圧縮応力が惹起される(ステップ2)、ことを特徴とする両面化学強化ガラスの製造方法。

【請求項2】
ナトリウムおよび/またはリチウム含有ガラスが、ソーダ石灰ガラス、アルカリアルミノシリケートガラス、またはアルカリアルミノホウケイ酸ガラスから選ばれる請求項1に記載の両面化学強化ガラスの製造方法。

【請求項3】
固体電解質体が、多孔質体の細孔内にカリウム含有溶融塩を含浸・保持させた固体電解質体である請求項1または2に記載の両面化学強化ガラスの製造方法。

【請求項4】
固体電解質体が、カリウム含有有機無機ハイブリッド膜である請求項1または2に記載の両面化学強化ガラスの製造方法。

【請求項5】
カリウム含有溶融塩が、硝酸カリウム、硫酸カリウム、重硫酸カリウム、炭酸カリウム、または重炭酸カリウムから選ばれる請求項3に記載の両面化学強化ガラスの製造方法。

【請求項6】
凹部形状が、ガラス表面部分にカリウムイオン交換がされない領域として島状に配置される請求項1~5のいずれか1項に記載の両面化学強化ガラスの製造方法。

【請求項7】
イオン交換された層の厚さが、10~50μmである請求項1~6のいずれか1項に記載の両面化学強化ガラスの製造方法。

【請求項8】
少なくとも表面が固体電解質で形成された、1対のローラーをステップ1およびステップ2の2段階で設け、1対のローラー間に板ガラスを連続して通過させることにより、ステップ1のローラーで片面にパターン化されたイオン交換層を形成し、ついでステップ2の電極の極性を反対とするローラーで均一なイオン交換層をもう1つの片面に形成させる請求項1~7のいずれか1項に記載の両面化学強化ガラスの製造方法。

【請求項9】
電界印加イオン交換により得られた両面化学強化ガラス。

【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の両面化学強化ガラスの製造方法により得られた両面化学強化ガラス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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JP2013165452thum.jpg
出願権利状態 公開
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