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血液検体のATP測定方法及びキット

国内特許コード P150011900
整理番号 S2013-1381-N0
掲載日 2015年4月17日
出願番号 特願2013-174874
公開番号 特開2015-042156
出願日 平成25年8月26日(2013.8.26)
公開日 平成27年3月5日(2015.3.5)
発明者
  • 石田 晃彦
  • 花田 祐紀
  • 谷 博文
  • 渡慶次 学
  • 木戸 博
  • 千田 淳司
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
  • 国立大学法人徳島大学
発明の名称 血液検体のATP測定方法及びキット
発明の概要 【課題】簡便かつ迅速に高精度に血液検体中のATP濃度を測定できる方法及びこの方法に使用できるキットを提供する。
【解決手段】以下の工程1~5を含む血液検体中に含まれるATP測定方法及びそれに用いるキット。
工程1:ATP含有試料溶液を得る工程、
工程2:ATP含有試料溶液とアデノシンモノリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼおよびピルビン酸キナーゼとを含有する緩衝液(pH7.8)を混合して1~5分保持する工程、
(但し、工程1における希釈倍率と工程2における希釈倍率との積は50倍以上である。)
工程3:工程2で得た混合物とピルビン酸オキシダーゼを含有する緩衝液(pH5.7)を混合して保持する工程、
(但し、工程3における希釈倍率は20倍以上であり、かつ工程1における希釈倍率と工程2における希釈倍率、
工程4:工程3で得た混合物に酸、鉄(II)、および発色試薬を加えて保持する工程、および
工程5:ATPの濃度を判定する工程。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



現在、患者の重症度評価法として APACHE II スコアが広範に用いられているが、検査項目が多く、重症度評価に最低でも24 時間の時間を要する。また APACHE II スコアは入院予測死亡率であり、患者の病気の重症度をリアルタイムに評価してはいない。最近、健常者の末梢血中のATPレベルは0.5~1.2 mMであり、死亡に至る患者はその最低値を下回っているため、ATPレベルが重症度の指標になりうることが徳島大学の千田らによって報告された(非特許文献1PLOS ONE, 8, e60561 (2013))。





従来、アデノシン三リン酸(ATP)の測定には生物発光法が用いられてきた。この方法は、ホタルルシフェラーゼが触媒する生物発光反応を利用したものであり、ATPに対して高い特異性を持つとともに迅速な結果を与える。生菌数と生菌から抽出したATP濃度はよい正の相関があるため、食品工業などで利用されている。しかし、生物発光法は発光量を測定するための高価な専用装置を必要とする。そのため、代表的なATP測定法であるルシフェラーゼ発光法は、測定器が医療現場で普及していないため採用が困難と考えられている。





測定装置が普及していない医療現場、必ずしも精度良い結果を必要としない現場、特定の濃度(カットオフ値)でスクリーニングを行う現場では、比色計または目視判定による比色法が好まれる。特に医療現場では、インフルエンザの迅速診断キットなどのように結果を目視で判定できるものが好まれている。





食品等の検体中に含まれる細菌数に応じたATP濃度を目視判定できる方法が知られている(特許文献1)。この方法は、AMPおよびホスホエノールピルビン酸(PEP)の存在下、アデニル酸キナーゼ(AK)およびピルビン酸キナーゼ(PK)で作用することによりATP濃度に応じてピルビン酸を増幅かつ蓄積させ、これにピルビン酸オキシダーゼ作用させることにより過酸化水素を生成させ、さらに鉄(II)イオンを加えて、鉄(III)イオンとなったものを発色剤、例えば、キシレノールオレンジと反応させることにより、黄,紫と呈色させる方法である。

産業上の利用分野



本発明は、血液検体のATP測定方法及びこの方法に用いるキットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の工程1~5を含み、発色試薬がキシレノールオレンジまたはクロマズロールSである、血液検体中に含まれるアデノシン三リン酸(以下、ATPと略記する)の測定方法。
工程1:血液検体をATPの少なくとも一部が遊離するように前処理してATP含有試料溶液を得る工程、
工程2:工程1で得たATP含有試料溶液の少なくとも一部とアデノシンモノリン酸、ホスホエノールピルビン酸、アデニル酸キナーゼおよびピルビン酸キナーゼとを含有する緩衝液(pH7.8±0.3)を混合して1~5分保持する工程、
(但し、工程1における希釈倍率(ATP含有試料溶液/血液検体)と工程2における希釈倍率((緩衝液+ATP含有試料溶液)/ATP含有試料溶液)との積は50倍以上である。希釈倍率は容量基準である。)
工程3:工程2で得た混合物の少なくとも一部とピルビン酸オキシダーゼを含有する緩衝液(pH5.7±0.3)を混合して所定時間保持する工程、
(但し、工程3における希釈倍率((工程2で得た混合物少なくとも一部+工程3の緩衝液)/工程2で得た混合物少なくとも一部)は20倍以上であり、かつ工程1における希釈倍率(ATP含有試料溶液/血液検体)と工程2における希釈倍率((緩衝液+ATP含有試料溶液)/ATP含有試料溶液)と工程3における希釈倍率((工程2で得た混合物少なくとも一部+工程3の緩衝液)/工程2で得た混合物少なくとも一部)の積は1000倍以上である。希釈倍率は容量基準である。)、
工程4:工程3で得た混合物の少なくとも一部に酸、鉄(II)、および発色試薬を加えて所定時間保持する工程、および
工程5:工程4で得た混合物の色からATPの濃度を判定する工程。

【請求項2】
工程4で得た混合物の色を目視観察して、検体中に含まれるATPの濃度が、あらかじめ定めた境界濃度より高いか、低いかを判定する請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記発色試薬がキシレノールオレンジである場合には、検体中に含まれるATP濃度が、あらかじめ定めた境界濃度よりも高いときに工程4で得た混合物が紫を呈し、低いときには黄または橙を呈するように、下記工程2~4の条件を設定し、
前記発色試薬がクロマズロールSである場合には、検体中に含まれるATP濃度が、あらかじめ定めた境界濃度よりも高いときに工程4で得た混合物が青を呈し、低いときには橙を呈するように、下記工程2~4の条件を設定する請求項2に記載の方法。

【請求項4】
工程4で得た混合物の吸光度を測定して、検体中に含まれるATPの濃度を求める請求項1に記載の方法。

【請求項5】
前記血液検体が血液サンプルをATPが遊離するように前処理した物である請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。

【請求項6】
工程2の保持時間は2~3分であり、工程3の所定保持時間は3分以上であり、工程4の所定保持時間は3分以上であり、工程2、3及び4の合計保持時間は8~20分である請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。

【請求項7】
工程2において、所定保持時間経過後即座に、混合液は、工程3におけるピルビン酸オキシダーゼを含有する緩衝液と混合する請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。

【請求項8】
以下の試薬1~6を含み、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法に用いられる、血液検体中に含まれるアデノシン三リン酸(以下、ATPと略記する)の測定用キット。
1:アデノシンモノリン酸、およびホスホエノールピルビン酸、
2:アデニル酸キナーゼおよびピルビン酸キナーゼ、
3:ピルビン酸オキシダーゼ、並びに
4:酸、鉄(II)、および発色試薬(但し、発色試薬は、キシレノールオレンジまたはクロマズロールSである)
5:緩衝液A(pH7.8±0.3)
6:緩衝液B(pH5.7±0.3)

【請求項9】
ATP抽出用試薬またはヌクレオチド抽出用試薬をさらに含む請求項8に記載のキット。

【請求項10】
境界濃度より高い場合および低い場合の発色の色見本を含む請求項8または9に記載のキット。

【請求項11】
キットの説明書を含む請求項8~10のいずれか1項に記載のキット。

【請求項12】
希釈血液検体および試薬を混合し、発色を見るための容器を含む請求項8~11のいずれか1項に記載のキット。

【請求項13】
前記容器がキュベット、マルチタイタープレート、または遠沈管である請求項12に記載のキット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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