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ワイヤーグリッド装置

国内特許コード P150011910
整理番号 S2013-1398-N0
掲載日 2015年4月20日
出願番号 特願2013-179151
公開番号 特開2015-049277
登録番号 特許第5626740号
出願日 平成25年8月30日(2013.8.30)
公開日 平成27年3月16日(2015.3.16)
登録日 平成26年10月10日(2014.10.10)
発明者
  • 鈴木 健仁
出願人
  • 国立大学法人茨城大学
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 ワイヤーグリッド装置
発明の概要 【課題】 テラヘルツ波帯において、強度透過率で約10-6クラスの消光比を1素子で簡易に実現する。
【解決手段】 細長い矩形状の金属薄板12が一面のほぼ中央に形成されている矩形状のポリマーフィルム11からなるフィルム基板10を複数枚積層することにより構成されている。金属薄板12の幅aを約1.0mm、金属薄板12の長さlを約12.0mm~約30mm、フィルム基板10の厚さdを約0.5μm~約50μmとすることにより、テラヘルツ波帯において、強度透過率で約10-6クラスの消光比を1素子で簡易に実現することができる。
【選択図】 図4
従来技術、競合技術の概要



テラヘルツ電磁波は周波数が0.1~10THz(波長が30μm~3000μm)の電磁波とされており、波長が遠赤外~ミリ波領域とほぼ一致する。テラヘルツ電磁波は、「光」と「ミリ波」に挟まれた周波数領域に存在しているため、光と同様に高い空間分解能でものを見分ける能力と、ミリ波と同様の物質を透過する能力を併せ持っている。テラヘルツ波帯はこれまで未開拓電磁波であったが、この周波数帯の電磁波の特徴を生かした時間領域分光、イメージング及びトモグラフィーによる材料のキャラクタリゼーションへの応用などが検討されてきている。テラヘルツ電磁波を用いると、物質透過性と直進性を兼ね備えるためX線に替わる安全かつ革新的なイメージングが可能になったり、数100Gbps級の超高速無線通信を可能とすることができる。





従来、主にテラヘルツ電磁波の偏光や検光等にはワイヤーグリッドを用いることが提案されており、このワイヤーグリッドの実現に向けて研究が進められている。

従来の自立型ワイヤーグリッドの一例は、直径5μm~50μm程度の金属細線を、1本づつ設定された間隔で平行に並べ、金属枠に接着剤で貼り付けて作成されている。この自立型ワイヤーグリッドは、適用可能な周波数に限界があり、概ね1.5THz以上のテラヘルツ電磁波の偏光子に適用可能な構造のものは、微細な構造となることから実現することが困難とされている。





テラヘルツ波帯の偏光子に適用可能なワイヤーグリッド用金属板が特許文献1に開示されており、このワイヤーグリッド用金属板101の構成を示す平面図を図14に、ワイヤーグリッド用金属板101の一部の拡大平面図を図15に、図15の一部を更に拡大して示す平面図を図16(a)に、そのA-A線で切断した断面図を図16(b)に示す。





ワイヤーグリッド用金属板101は例えば直径20mm~100mm程度のニッケルの円板形状とされ、図14~図16(a)(b)に示すように、縦方向に桟状(細線状)に延びる複数の縦桟部111と、各縦桟部111にほぼ直交する少なくとも1つの横桟部112とを有し、縦桟部111及び横桟部112は、それぞれの両端部が円形又は矩形のフランジ部113につながっている。

縦桟部111の幅(ワイヤー幅)や間隔は、ワイヤーグリッド用金属板101の性能を決定するバラメータであり、適用する光の周波数に応じて定まる。そして、ワイヤーグリッド用金属板101は、1.5THz以上のテラヘルツ電磁波にも適用可能な構造とすることができ、縦桟部111の幅Waは1.5μm~50μmとすることができる。





ワイヤーグリッド用金属板101においては、横桟部112が、少なくとも所定幅以上であって縦桟部111の幅以上に幅広とされている。これにより、幅Waが1.5μm~50μmの細線構造の縦桟部111を製造可能となる。また、ワイヤーグリッド用金属板101の板厚は、基板からの引き剥がし等における物理的強度や透過光特性の劣化を考慮して定める必要があり、板厚は10μmとされている。

なお、縦桟部111の幅Waはワイヤーグリッド用金属板101の性能を決定するバラメータとして一義的に定まるが、横桟部112の幅Wbや間隔(個数)等は、主にワイヤーグリッド用金属板101の強度を確保する観点から定まる。このため、横桟部112の幅Wbは、縦桟部111の幅以上の幅広に形成されている。具体的には、縦桟部111の幅Waを1.5μm~50μmとし、横桟部112を15μm以上であって縦桟部111より幅広に形成する。





図17に、縦桟部111の幅Waが20μm、縦桟部111の間隔が60μm、横桟部112の幅Wbが20μm、横桟部112の間隔が5mm、厚みが50μmとされたワイヤーグリッド用金属板101を使用した場合の特性を示す。図17に示す透過配置の特性線α2、阻止配置の特性線β2から、周波数0.1~1.5THzのテラヘルツ光に対して偏光子として動作していることが分かる。この場合、テラヘルツ光の電場の振幅方向が縦桟部111の延伸方向である縦方向と直交する場合に透過配置となり、テラヘルツ光の電場の振幅方向が縦桟部111の延伸方向である縦方向の場合に阻止配置となる。

産業上の利用分野



この発明は、主にテラヘルツ電磁波の偏光や検光等に用いられるワイヤーグリッド装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
細長い矩形状の金属薄板が一面形成されている矩形状のフィルムからなるフィルム基板を複数枚積層することにより構成されており、
前記フィルム基板が複数枚積層された状態において、前記金属薄板が相互に重なるように配置され、各フィルム基板に形成された前記金属薄板により構成された平行平板により、テラヘルツ光の偏光子として動作するワイヤーグリッドが構成されていることを特徴とするワイヤーグリッド装置。

【請求項2】
テラヘルツ光の偏光子として動作する前記ワイヤーグリッドにおいて、前記金属薄板の短辺の幅aが1.0mm前記フィルム基板の厚さdが0.5μm~50μmとされることを特徴とする請求項1記載のワイヤーグリッド装置。

【請求項3】
平板状の底部と、該底部の上面から立設した複数本の立設柱とを有する基台と、
前記基台の前記立設柱の位置が切り欠かれた前記フィルム基板を複数枚積層したフィルム基板積層体と、
平板状の平板部と、該平板部において前記基台の前記立設柱の位置が切り欠かれている押さえ板とを備え、
前記フィルム基板積層体が前記複数本の立設柱により位置合わせされて前記基台に収納され、該フィルム基板積層体の上に前記押さえ板が載置され、該押さえ板に挿通されたネジが前記基台に螺着されていることを特徴とする請求項1または2記載のワイヤーグリッド装置。

【請求項4】
所定の奥行きを有する直方体状とされた導電性の枠体と、該枠体の一辺に平行に前記枠体を貫通するよう多数形成されたスリットとから構成されるテラヘルツ光の偏光子として動作するワイヤーグリッド装置であって、
前記スリットが多数形成されることにより、前記スリット間に多数のグリッドが形成され、前記スリットの幅dが50μm前記枠体の奥行きaが2.0mm、前記グリッドの幅wが50μm以下とされることを特徴とするワイヤーグリッド装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013179151thum.jpg
出願権利状態 登録
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