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微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法 新技術説明会

国内特許コード P150011914
整理番号 S2013-1363-N0
掲載日 2015年4月20日
出願番号 特願2013-174893
公開番号 特開2015-043389
出願日 平成25年8月26日(2013.8.26)
公開日 平成27年3月5日(2015.3.5)
発明者
  • 上野 慎太郎
  • 和田 智志
  • 坂本 康直
出願人
  • 国立大学法人山梨大学
発明の名称 微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】従来技術の複合セラミックキャパシタの製造方法における、高温での熱処理を必要とし使用できる金属の種類が制限されることや、還元ガスをフローさせる必要があることなどの課題を解決する。
【解決手段】本発明の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法は、金属を含む微小粒子と第1の誘電体の前駆体とを混合する、又は金属を含む微小粒子と第1の誘電体の前駆体と第2の誘電体とを混合するステップと、前記混合した混合物をペレット状に成型するステップと、前記成型したペレットをソルボサーマル処理し、前記第1の誘電体の前駆体を第1の誘電体に変化させるステップと、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図8
従来技術、競合技術の概要



電子機器の小型化・高機能化に伴い、積層セラミックコンデンサなど、小型で高容量なコンデンサの開発が進められている。セラミックキャパシタは、エネルギーの蓄積過程で、化学反応が介在しないため、出力密度に優れている。一方、蓄積できるエネルギー密度は小さく、大容量のセラミックキャパシタが開発されれば、電子部品のみならず、エネルギー蓄積デバイスなどへの応用も可能である。





キャパシタに蓄積されるエネルギーは静電容量と電圧によって決まるため、より大容量のキャパシタを作製することで、キャパシタに蓄積できるエネルギーは増加する。一般的にキャパシタの静電容量Cは以下の数式1によって表わされる。





【数1】




ここでεは誘電体の比誘電率、εは真空中の誘電率、Aは電極面積、dは電極間距離である。従って、静電容量を大幅に向上させるためには、材料の比誘電率を増加させる、あるいは電極面積を増加、電極間距離を減少させる必要がある。





例えば、積層セラミックコンデンサにおいては、内部に交差指電極と呼ばれる内部電極を誘電体層に挿入することにより、正味の電極面積を増加させ、正味の電極間距離を減少させることで数百nFを超える大きな静電容量を実現している。





大容量化を実現するための材料としては、導体/絶縁体の複合材料がその優れた誘電特性から有力な候補に挙げられる。具体的には、金属/誘電体、金属/ポリマー、半導体/誘電体、カーボン/誘電体、カーボン/ポリマーなどの組み合わせの複合材料群がこれまでに検討され、その誘電特性が報告されている。





導体/絶縁体の複合キャパシタに関しては、様々な微構造が考案されており、例えば図1に示す積層セラミックコンデンサに見られるようなシート状の金属層と絶縁体層が交互に重なった構造、図2に示す半導体磁器の表面層を絶縁化させた表層型構造

、図3に示す粒界コンデンサに見られるような半導体磁器粒子の結晶粒界に絶縁層を形成させた粒界層型構造

、また図4に示す多くの複合材料で見られる導体粒子が絶縁体層に分散した構造などが挙げられる。





金属/誘電体の複合キャパシタにおいては、図5に示す金属箔あるいは微小金属粒子を含むペーストから作製したシートと誘電体層を交互に積層した構造、図6に示す金属箔あるいは金属板表面に誘電体層を形成させた構造、図7に示す微小金属粒子が誘電体層に分散した構造などが報告されている。





これまでに列挙したいずれの複合キャパシタも、導体同士あるいは導体と電極が非常に薄い絶縁体層を挟んで存在することで、構造体内部に微小なキャパシタが形成されることになる。このように構造体中の導体が内部電極として働き、正味の電極面積は大きくなり、正味の内部電極間距離は小さくなるため、複合キャパシタの示す静電容量は増大する。





以上を踏まえると、複合キャパシタを用いて大容量化を実現するためには、図7に示すような微小金属粒子を高濃度で誘電体層に分散させた構造が適している。





図4あるいは図7に示すような、導体粒子が誘電体層中に分散した構造を持つ複合キャパシタの特徴を以下に述べる。これらの複合材料群は導体の濃度が低いうちは絶縁体であるが、導体の濃度を増加させていくとある濃度を超えたところで、金属-絶縁体転移が起こる。この濃度はパーコレーション閾値と呼ばれる。材料中の金属濃度を増加させていくと、静電容量は増加していく傾向があり、特にこのパーコレーション閾値付近の濃度においては、静電容量の著しい増加が観測される。





この現象は、パーコレーション理論によって以下のように理解されている。パーコレーション閾値付近では、複合キャパシタ内に存在する導体のクラスター同士が接近しており、これに電界を印加した場合、非常に薄い絶縁体層を挟んで電荷が蓄積されることになる。この際、複合キャパシタ内のいたるところで微小なキャパシタが形成され、これらのキャパシタが3次元的に繋がった構造となるため、静電容量が増大する。





微小金属粒子が高濃度で誘電体層に分散した構造を持つセラミックキャパシタの一例が非特許文献1に記載されている。非特許文献1では、ニッケル粒子とチタン酸バリウムを混合し、それをアルゴン雰囲気下において1300℃で焼結することによってニッケル/チタン酸バリウム複合材料を得ている。





非特許文献2では、水熱条件下においてチタン箔をアノードとして電解をおこなうことで、チタン箔表面にチタン酸バリウムを生成させ、チタン/チタン酸バリウムの複合体を100℃の低温条件で作製している。

産業上の利用分野



本発明は、微小金属粒子が誘電体層に分散したセラミックキャパシタの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
金属を含む微小粒子と第1の誘電体の前駆体とを混合する、又は金属を含む微小粒子と第1の誘電体の前駆体と第2の誘電体とを混合するステップと、
前記混合した混合物をペレット状に成型するステップと、
前記成型したペレットを水熱処理又はソルボサーマル処理を行い、前記第1の誘電体の前駆体を第1の誘電体に変化させるステップと、
を備えたことを特徴とする微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。

【請求項2】
前記第1の誘電体の前駆体は金属の酸化物又は水酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。

【請求項3】
前記第1の誘電体及び前記第2の誘電体はそれぞれ、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、ニオブ酸カリウム、ジルコン酸バリウム又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。

【請求項4】
前記金属が、ニッケル、チタン、スズ、パラジウム、白金、銀、金から選ばれる金属又はこれらの金属の合金若しくは混合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。

【請求項5】
前記金属を含む微小粒子は、金属粒子であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。

【請求項6】
前記金属粒子がチタン又はニッケルであることを特徴とする請求項5に記載の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。

【請求項7】
前記金属を含む微小粒子は、金属粒子であるコアと、前記コアの表面を覆う誘電体であるシェルを備えた複合粒子であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。

【請求項8】
前記コアがチタンであり、前記シェルがチタン酸バリウムであることを特徴とする請求項7に記載の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。

【請求項9】
前記水熱処理又はソルボサーマル処理は、バリウムを含む塩基性溶液を加え、耐圧力容器内で130℃以上の温度で熱処理を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。

【請求項10】
前記バリウムを含む塩基性溶液は、水酸化バリウム八水和物水溶液であることを特徴とする請求項9に記載の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。

【請求項11】
前記バリウムを含む塩基性溶液は、バリウム源としての酢酸バリウムとペーハーコントロール剤としての水酸化ナトリウムの混合液であることを特徴とする請求項9に記載の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。

【請求項12】
前記コアがチタンであり前記シェルがチタン酸バリウムである前記金属を含む微小粒子は、チタン粒子とバリウムを含む塩基性溶液を耐圧力容器内で130℃以上の温度で熱処理を行うことにより得ることを特徴とする請求項8に記載の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。

【請求項13】
前記コアがチタンであり前記シェルがチタン酸バリウムである前記金属を含む微小粒子は、チタン粒子と水酸化バリウム八水和物水溶液を耐圧力容器内で230℃で12時間熱処理を行うことにより得ることを特徴とする請求項12に記載の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。

【請求項14】
前記金属を含む微小粒子と前記第1の誘電体の前駆体との混合又は前記金属を含む微小粒子と前記第1の誘電体の前駆体と前記第2の誘電体との混合は、アセトンを溶媒として加え、超音波処理を施しながら撹拌することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。

【請求項15】
水熱処理又はソルボサーマル処理を行った前記ペレットを、水及びメタノールで洗浄し、その後乾燥するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013174893thum.jpg
出願権利状態 公開
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