TOP > 国内特許検索 > 水溶性カロテノイド結合タンパク質及びその製造方法

水溶性カロテノイド結合タンパク質及びその製造方法

国内特許コード P150011920
整理番号 J170
掲載日 2015年4月21日
出願番号 特願2013-249365
公開番号 特開2014-131992
出願日 平成25年12月2日(2013.12.2)
公開日 平成26年7月17日(2014.7.17)
優先権データ
  • 特願2012-265786 (2012.12.4) JP
発明者
  • 川▲崎▼ 信治
出願人
  • 学校法人東京農業大学
発明の名称 水溶性カロテノイド結合タンパク質及びその製造方法
発明の概要 【課題】真核生物である微細藻類が生産する水溶性カロテノイド結合タンパク質及びその製造方法を提供する。
【解決手段】真核生物である微細藻類が生産する水溶性カロテノイド結合タンパク質及び微細藻類にストレスを付与しながら培養する培養工程と、前記培養工程によって微細藻類が生産した水溶性カロテノイド結合タンパク質を微細藻類から抽出する抽出工程と、前記抽出工程で得た抽出液を精製する精製工程と、を有する、真核生物である微細藻類が生産する水溶性カロテノイド結合タンパク質の製造方法により解決する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



カロテノイドは、カロテン類やキサントフィル類の色素化合物の総称であり、キサントフィル類の一種であるアスタキサンチンは、微細藻類、酵母、細菌等の微生物類、サケやイクラ、タイ等の魚類、カニ、エビ、オキアミ等の甲殻類、フラミンゴ、ニワトリ等の鳥類等、自然界に広く存在している。カロテノイドは、生物に鮮やかな色彩を与えることが特徴であり、脂溶性の着色剤として広く食品、健康食品、医薬品等に利用されている。





また、カロテノイドは高い抗酸化作用をもつことが知られている。中でもアスタキサンチンは、抗酸化作用の中でも特に一重項酸素消去活性が他の抗酸化物質と比べて高く、健康食品、化粧品や皮膚外用剤、医薬品等への利用が注目されている(特許文献1)。





従来、アスタキサンチンは、オキアミを酵素処理し、残渣を乾燥粉砕した後、アセトンで抽出した抽出液を精製することで生産される。また、近年では、アスタキサンチンを安定して多量に生産することのできる微生物、例えば、微細藻類(特許文献2及び3)、酵母(特許文献4)や細菌(特許文献5)を用いた製造方法が開発されている。





しかし、アスタキサンチン等のカロテノイドは脂溶性であり、水に対しては難溶又は不溶である。そのため、健康食品、化粧品や皮膚外用剤、医薬品等に利用する場合には、その用途や使用方法が限定される。





ところで、カニやエビ等の表皮には、アスタキサンチンとタンパク質であるクラスタシアニン(crustacyanin)とが結合したアスタキサンチン結合タンパク質が存在することが知られている。また、ロブスターの卵巣にはリポプロテインであるオボベルディン(ovoverdin)やオボルビン(ovorubin)が、サケの筋肉にはアクトミオシン(actomyocin)が、アスタキサンチン結合タンパク質として存在することが知られている。さらに、クラスタシアニンなど一部のタンパク質は水溶性を示すことも知られている(非特許文献1)。しかしながら、これらのアスタキサンチン結合タンパク質は、細胞骨格や筋肉などに強固に結合しており、カニやエビ等の甲殻やサケの筋肉からアスタキサンチン結合タンパク質を抽出・精製するには、数多くの精製工程を経る必要があり、多大な労力とコストを費やすため、アスタキサンチン結合タンパク質を多量に安価で生産することは困難である。





一方、微生物によって水に可溶なカロテノイド関連化合物を生産する技術が開発されている。例えば、カロテノイド生合成遺伝子を導入した形質転換微生物を用いたアスタキサンチンジグルコシド等のカロテノイド配糖体の製造方法(特許文献6)や、海洋から分離した新種のパラコッカス属に属する細菌によるアスタキサンチンジグルコシド及びアドニキサンチンジグルコシドの製造方法(特許文献7)がある。また、原核藻類のらん藻では、hydroxyechinenonというカロテノイドがタンパク質に結合した水溶性オレンジカロテノイドタンパク質(OCP)が知られているが、アスタキサンチンを結合する報告例はない。また、らん藻や真核生物である微細藻類、高等植物を含む植物界において、アスタキサンチンを結合する水溶性カロテノイド結合タンパク質については全く知られていない。

産業上の利用分野



本発明は、真核生物である微細藻類が生産する水溶性カロテノイド結合タンパク質及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
真核生物である微細藻類が生産する水溶性カロテノイド結合タンパク質。

【請求項2】
前記水溶性カロテノイド結合タンパク質が、一重項酸素消去活性を有する、
請求項1に記載の水溶性カロテノイド結合タンパク質。

【請求項3】
前記水溶性カロテノイド結合タンパク質が、耐熱性を有する、
請求項1又は2に記載の水溶性カロテノイド結合タンパク質。

【請求項4】
前記微細藻類が緑藻網(Chlorophycease)に属する球形の藻類(coccoid-chlorophyte)Ki-4(受託番号:FERM P-22244)株である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の水溶性カロテノイド結合タンパク質。

【請求項5】
前記水溶性カロテノイド結合タンパク質のタンパク質部分のアミノ酸配列が配列番号1に示されるアミノ酸配列である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の水溶性カロテノイド結合タンパク質。

【請求項6】
前記カロテノイドがアスタキサンチンと、アドニキサンチン、ルテイン、カンタキサンチンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のカロテノイドとを含有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の水溶性カロテノイド結合タンパク質。

【請求項7】
前記水溶性カロテノイド結合タンパク質の分子量がSDS-PAGEによって33kDa及びゲルろ過によって42~43kDaである、
請求項1~6のいずれか1項に記載の水溶性カロテノイド結合タンパク質。

【請求項8】
前記タンパク質が糖タンパク質である、
請求項1~7のいずれか1項に記載の水溶性カロテノイド結合タンパク質。

【請求項9】
微細藻類にストレスを付与しながら培養する培養工程と、
前記培養工程によって微細藻類が生産した水溶性カロテノイド結合タンパク質を微細藻類から抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で得た抽出液を精製する精製工程と、
を有する、
請求項1~8のいずれか1項に記載の水溶性カロテノイド結合タンパク質の製造方法。

【請求項10】
前記微細藻類が、緑藻網(Chlorophycease)に属する球形の藻類(coccoid-chlorophyte)Ki-4(受託番号:FERM P-22244)株である、
請求項9に記載の水溶性カロテノイド結合タンパク質の製造方法。

【請求項11】
前記培養工程が、光照射強度が500μmol photons/cm/s以上の強光を照射し、かつ、微細藻類を寒天培地上で培養することによって寒天培地中の水分が徐々に低下することを利用する乾燥ストレス付与培養又は培地に塩化ナトリウムを添加して培養する塩ストレス付与培養である、
請求項9又は10に記載の水溶性カロテノイド結合タンパク質の製造方法。

【請求項12】
前記塩化ナトリウムの添加濃度が0.5mol/L~1.0mol/Lである、
請求項11に記載の水溶性カロテノイド結合タンパク質の製造方法。

【請求項13】
前記培養工程において、光の照射と非照射とを周期的に行い、その光照射強度が500μmol photons/cm/s以上であって、明暗周期が光照射12~16時間後、光非照射12~8時間である、
請求項9~12のいずれか1項に記載の水溶性カロテノイド結合タンパク質の製造方法。

【請求項14】
請求項1~8のいずれか1項に記載の水溶性カロテノイド結合タンパク質の生産能を有する微細藻類であって、
緑藻網(Chlorophycease)に属する球形の藻類(coccoid-chlorophyte)Ki-4(受託番号:FERM P-22244)株。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2013249365thum.jpg
出願権利状態 公開


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close