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認知機能障害判別装置、認知機能障害判別システム、およびプログラム コモンズ

国内特許コード P150011937
掲載日 2015年4月24日
出願番号 特願2013-518182
登録番号 特許第5959016号
出願日 平成24年5月31日(2012.5.31)
登録日 平成28年7月1日(2016.7.1)
国際出願番号 JP2012064237
国際公開番号 WO2012165602
国際出願日 平成24年5月31日(2012.5.31)
国際公開日 平成24年12月6日(2012.12.6)
優先権データ
  • 特願2011-121241 (2011.5.31) JP
発明者
  • 加藤 昇平
  • 遠藤 英俊
出願人
  • 国立大学法人 名古屋工業大学
発明の名称 認知機能障害判別装置、認知機能障害判別システム、およびプログラム コモンズ
発明の概要 機能的近赤外分光法を用いて認知課題実行中の脳血流データを計測し、計測した脳血流データに対してプリミティブ解析を行った後、特徴抽出を行い、抽出された特徴量と予め構築しておいた認知機能障害の判定に用いるモデルにより、健常(NC)、軽度認知機能障害(MCI)、アルツハイマー型認知症(AD)の臨床診断群を自動判別する。これによって、多くの高齢者を対象とした早期スクリーニングに適した認知機能障害判別を行なうことができる。
従来技術、競合技術の概要



現在、認知症のスクリーニングは、例えば「Katoh, S., Simogaki, H., Onodera, A., Ueda, H., Oikawa, K., Ikeda, K., Kosaka, K., Imai, Y., and Hasegawa, K.: Development of the revised version of Hasegawa's Dementia Scale (HDS-R), Japanese Journal of Geriatric Psychiatry, Vol. 2, No. 11, pp. 1339-1347 (1991), (in Japanese)」に記載のHDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)、「Folstein, M. F., Folstein, S. E., and McHugh, P. R.: “Mini-Mental State”: A practical method for grading the cognitive state of patients for the clinician, J. Psychiat. Res, Vol. 12, No. 3, pp. 189-198 (1975)」に記載のMMSE(Mini-MentalState Examination)、及び、「Morris, J. C.: The Clinical Dementia Rating (CDR): Current version and scoring rules, Neurology, Vol. 43, No. 11, pp. 2412-2414 (1993)」に記載のCDR(Clinical Dementia Rating)などがある。これらの認知症のスクリーニングは、「Zhang, D., Wang, Y., Zhou, L., Yuan, H., Shen, D., and Alzheimer's Disease Neuroimaging Initiative, the : Multimodal classification of Alzheimer's disease and mild cognitive impairment, Journal of Neuroimage, Vol. 55, No. 3, pp. 856-867 (2011)」に記載のfMRI(functionalMRI)、FDG-PET、及びCSFバイオマーカーなどの神経生理学に基づくテストと同様に広く用いられている。





これらは一定のトレーニングを受けた医師、あるいは臨床心理士などにより、主として医療機関において実施されている。





しかしながら、日常の外来診療場面では、HDS-Rなどの簡易検査であっても、医師は、検査に5~20分程度の時間を要する。これによって、他の外来患者の診療に支障をきたすとの指摘もあり、医師の負担の軽減が重要になると考えられる。





例えば、前述のfMRI、FDG-PET、CSFバイオマーカーなどの神経生理学に基づくテストとしては、「Zhang, D., Wang, Y., Zhou, L., Yuan, H., Shen, D., and Alzheimer's Disease Neuroimaging Initiative, the : Multimodal classification of Alzheimer's disease and mild cognitive impairment, Journal of Neuroimage, Vol. 55, No. 3, pp. 856-867 (2011)」が知られている。このテストは、非侵襲的ではあるが、髄液採取の困難性、放射線被爆、大掛かりな測定装置、被験者の束縛など制約が多く、多くの高齢者を対象とした早期スクリーニングには適さない。





より簡便で使用しやすく、かつ、従来のツールと同等以上の性能を有するツールを開発することができれば、医師は、さらに広範にスクリーニングを実施することが可能となる。これによって、認知症の早期診断に資することが可能になる。





発明者等は、先行研究(特開2011-255106号公報、及び「加藤昇平, 鈴木祐太, 小林朗子, 小島敏昭, 伊藤英則,本間昭:高齢者音声韻律特徴を用いたHDS-R スコアとの相関分析‐音声を用いた認知症の早期スクリーニングをめざして‐, 人工知能学会論文誌, Vol. 26, No. 2, pp. 347-352 (2011)」)において、高齢者の発話音声に着目し、音声韻律特徴を用いた認知機能障害のスクリーニングを研究してきた。この技術は、音声情報のみを用いるため誰でも在宅・外出などで場所を問わず手軽に実施できる(1次スクリーニング)長所を持つ。

産業上の利用分野



本発明は、認知機能障害判別装置、認知機能障害判別システム、およびプログラムに係り、特に、脳の生体信号を用いて認知機能障害の判別を行う認知機能障害判別装置、認知機能障害判別システム、およびプログラムに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
臨床診断結果で認知機能障害の程度が既知である複数の被験者に脳を活動させるための課題を与えているときに測定された前記複数の被験者の予め定められた各脳部位における生体信号データを取得する既知データ取得部と、
前記既知データ取得部によって取得された前記複数の被験者の各脳部位における生体信号データの各々から、複数の生体特徴量を抽出する既知データ特徴量抽出部と、
前記既知データ特徴量抽出部によって抽出された前記複数の被験者の各脳部位の生体信号データの各々の前記複数の生体特徴量と各被験者の臨床診断結果とに基づいて、認知機能障害の程度の判別に用いる、脳部位と前記脳部位の生体信号データの生体特徴量との組からなる判別特徴量を少なくとも1つ選択する選択部と
前記既知データ特徴量抽出部によって抽出された前記複数の被験者の各脳部位の生体信号データの各々の前記複数の生体特徴量から得られる、前記複数の被験者の各々についての前記選択された判別特徴量と、前記複数の被験者の各々の臨床診断結果の前記認知機能障害の程度とを学習データとして用いて、前記判別特徴量に対応する前記認知機能障害の程度を判別するためのモデルを構築する学習部と、
前記課題を与えているときに測定された、前記認知機能障害の程度が未知である被験者の前記予め定められた各脳部位における生体信号データを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得された前記認知機能障害の程度が未知である被験者の生体信号データの各々から、前記複数の生体特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
前記特徴量抽出部によって抽出された前記被験者の各脳部位の生体信号データの各々の前記複数の生体特徴量から得られる、前記選択部によって選択された判別特徴量と、前記学習部によって予め構築されたモデルとに基づいて、前記認知機能障害の程度が未知である被験者の認知機能障害の程度を判別する判別部と、
を備える認知機能障害判別装置。

【請求項2】
前記生体信号データは、前記予め定められた脳部位における血流を計測した脳血流データである請求項1記載の認知機能障害判別装置。

【請求項3】
前記生体信号データは、前記予め定められた脳部位としての前頭前野、左側頭葉、右側頭葉、左頭頂葉、及び右頭頂葉の各々においてNIRS装置によりヘモグロビン流量を測定した脳血流データである請求項1記載の認知機能障害判別装置。

【請求項4】
前記生体信号データは、前記予め定められた脳部位としての前頭前野における右領域、中央領域、及び左領域、前記予め定められた脳部位としての左頭頂葉における所定領域、及び左側頭葉における所定領域、並びに前記予め定められた脳部位としての右頭頂葉における所定領域、及び右側頭葉における所定領域、の各々の領域においてNIRS装置によりヘモグロビン流量を測定した脳血流データである請求項1記載の認知機能障害判別装置。

【請求項5】
前記判別部は、複数段階で前記認知機能障害の程度を判別する複数の判別部であって、
前記選択部は、前記複数の判別部の各々に対して、前記判別部での前記認知機能障害の程度の段階の判別に用いる前記判別特徴量を少なくとも1つ選択し、
前記学習部は、前記複数の判別部の各々に対して、前記判別部での前記認知機能障害の程度の段階の判別に用いる前記モデルを構築する、
請求項1記載の認知機能障害判別装置。

【請求項6】
複数の低域通過フィルタを用いて前記生体信号データのノイズ除去を行なうプリミティブ解析部を備え、
前記複数の低域通過フィルタは、環境光によるノイズを含むノイズを除去するのに用いる第1のフィルタ、脳波及び血圧を含む変動成分を抽出するのに用いる第2のフィルタ、及び、顎開閉及び眼球運動を含む運動によるノイズを除去するのに用いる第3のフィルタを含み、
前記既知データ特徴量抽出部および前記特徴量抽出部は、
前記プリミティブ解析部が、前記第1のフィルタを用いてノイズ除去した前記生体信号データにおける振幅の平均値、基本周波数、及び周波数重心と、前記第3のフィルタを用いてノイズ除去した前記生体信号データにおける振幅の最大値、振幅の最小値、振幅の分散値、振幅の平均値、基本周波数、及び近似直線の傾きと、前記第1のフィルタを用いてノイズ除去した前記生体信号データと前記第3のフィルタを用いてノイズ除去した前記生体信号データとの差分データの振幅の分散値、及び、前記第2のフィルタを用いてノイズ除去した前記生体信号データと前記第3のフィルタを用いてノイズ除去した前記生体信号データとの差分データの分散値を、前記生体信号データの特徴量として抽出し、
前記判別部は、前記特徴量抽出部によって抽出された特徴量を対象に前記被験者の認知機能障害の程度の判別を行なう、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の認知機能障害判別装置。

【請求項7】
臨床診断結果で認知機能障害の程度が既知である複数の被験者に脳を活動させるための課題を与えているときに測定された前記複数の被験者の予め定められた各脳部位における生体信号データを取得する既知データ取得部、
前記既知データ取得部によって取得された前記複数の被験者の各脳部位における生体信号データの各々から、複数の生体特徴量を抽出する既知データ特徴量抽出部、
前記既知データ特徴量抽出部によって抽出された前記複数の被験者の各脳部位の生体信号データの各々の前記複数の生体特徴量と各被験者の臨床診断結果とに基づいて、認知機能障害の程度の判別に用いる、脳部位と前記脳部位の生体信号データの生体特徴量との組からなる判別特徴量を少なくとも1つ選択する選択部、
及び、前記既知データ特徴量抽出部によって抽出された前記複数の被験者の各脳部位の生体信号データの各々の前記複数の生体特徴量から得られる、前記複数の被験者の各々についての前記選択された判別特徴量と、前記複数の被験者の各々の臨床診断結果の前記認知機能障害の程度とを学習データとして用いて、前記判別特徴量に対応する前記認知機能障害の程度を判別するためのモデルを構築する学習部、を含む判定データ生成装置と、
前記課題を与えているときに測定された、前記認知機能障害の程度が未知である被験者の前記予め定められた各脳部位における生体信号データを取得するデータ取得部、
前記データ取得部によって取得された前記認知機能障害の程度が未知である被験者の生体信号データの各々から、前記複数の生体特徴量を抽出する特徴量抽出部、
及び、前記特徴量抽出部によって抽出された前記被験者の各脳部位の生体信号データの各々の前記複数の生体特徴量から得られる、前記選択部によって選択された判別特徴量と、前記学習部によって予め構築されたモデルとに基づいて、前記認知機能障害の程度が未知である被験者の認知機能障害の程度を判別する判別部、を含む認知機能障害判別装置と、
を備える認知機能障害判別システム。

【請求項8】
コンピュータを、
臨床診断結果で認知機能障害の程度が既知である複数の被験者に脳を活動させるための課題を与えているときに測定された前記複数の被験者の予め定められた各脳部位における生体信号データを取得する既知データ取得部と、
前記既知データ取得部によって取得された前記複数の被験者の各脳部位における生体信号データの各々から、複数の生体特徴量を抽出する既知データ特徴量抽出部と、
前記既知データ特徴量抽出部によって抽出された前記複数の被験者の各脳部位の生体信号データの各々の前記複数の生体特徴量と各被験者の臨床診断結果とに基づいて、認知機能障害の程度の判別に用いる、脳部位と前記脳部位の生体信号データの生体特徴量との組からなる判別特徴量を少なくとも1つ選択する選択部と、
前記既知データ特徴量抽出部によって抽出された前記複数の被験者の各脳部位の生体信号データの各々の前記複数の生体特徴量から得られる、前記複数の被験者の各々についての前記選択された判別特徴量と、前記複数の被験者の各々の臨床診断結果の前記認知機能障害の程度とを学習データとして用いて、前記判別特徴量に対応する前記認知機能障害の程度を判別するためのモデルを構築する学習部と、
前記課題を与えているときに測定された、前記認知機能障害の程度が未知である被験者の前記予め定められた各脳部位における生体信号データを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得された前記認知機能障害の程度が未知である被験者の生体信号データの各々から、前記複数の生体特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
前記特徴量抽出部によって抽出された前記被験者の各脳部位の生体信号データの各々の前記複数の生体特徴量から得られる、前記選択部によって選択された判別特徴量と、前記学習部によって予め構築されたモデルとに基づいて、前記認知機能障害の程度が未知である被験者の認知機能障害の程度を判別する判別部と、
として機能させるためのプログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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