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ポリマーステント

国内特許コード P150011939
整理番号 S2014-1303-N0
掲載日 2015年4月27日
出願番号 特願2014-195363
公開番号 特開2016-064047
出願日 平成26年9月25日(2014.9.25)
公開日 平成28年4月28日(2016.4.28)
発明者
  • 南 和幸
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 ポリマーステント
発明の概要 【課題】縮径変形を阻止する構成を有し、分岐部を有する血管への留置にも適合する、円筒形に形成したポリマーステントを提供する。
【解決手段】ストラット3は複数のストラット辺3aを連結してなり、円筒形のポリマーステント1は複数のストラット3を周方向、軸方向にリンク2で網目状に連結してなり、各ストラット3の一部のストラット辺は周方向のリンク2と傘形状をなすように連結されている。ポリマーステントの拡径方向の力が作用すると一部の傘形状のストラット辺-リンクが周方向に牽引されY形状になるまで不安定状態を超えてストラット辺が伸張する。複数の三角形状ストラットを回転移動する形に組み合わせるような形態もある。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


心筋梗塞や脳梗塞など、血管の疾患による病気の療法として、バルーンカテーテルにより血管を拡張しステントを留置することが行われる。このステントとしては一般的に金属製のものが用いられるが、金属製のステントは永久的に体内に残留するものであるため、体の大きさが変わる若年者への適用は可能でなく、また、長時間にわたる力学的刺激により狭窄を再発する危険がある。



ポリマー製のステントではこのような金属製ステントの欠点はなく、生体分解ポリマーで作製されたステントにすれば、生体内にステントが永久的に存在することによるストレスを解消するという利点があり、最近ではポリマーステントも多く用いられている。



ポリマーステントに関して、以下に示すような技術がある。特許文献1には、複数の梯子状エレメントをシリーズに接続して形成され、各梯子状エレメントが2本の長尺リブのスライドを可能にし、隣接する梯子状エレメントの端部横桟間に可変的な距離を形成することにより縮小径から拡張径に拡張可能であり縮小径にスライドバックするのを阻止する梯子型拡張可能ステントについて記載され、特許文献2には、相互ロックする一連の突出部及び孔を有しオーバーラップ縁部を備え、ステントが管腔壁の一部を支持する開位置に拡大する時にラチェット作用をする円筒状シートからなる管腔内ステントについて記載されている。



特許文献3には、頭部と頭部から延長される胴部からなるT字形のユニット部が複数連結されてなり、胴部の一側部または両側部に少なくとも一の突起部を有し、頭部は胴部を挿通して突起部を掛止する開口部を有するようにしたポリマーステントについて記載されている。



特許文献4には、頭部と頭部から延長される胴部からなるT字形のユニット部が複数連結されてなり、胴部の一方の側部に鈎状突起部を有し、頭部は胴部を挿通して突起部を掛止するスリットを有するようにしたポリマーステントにおいて、胴部の他方の側部に胴部の幅可変部を形成するか、頭部におけるスリットの傾斜角度あるいはスリットを包囲する連結部を弾性的に変形可能にして、ステントの縮径方向への胴部の移動を係止し拡径する方向への移動を可能にすることについて記載されている。



特許文献1による梯子型拡張可能ステントは形状・構造が複雑であるとともに、長尺リブに加わる抵抗が大きいためステントの直径を容易に可変とすることができない可能性があり、また、ステント径の縮小方向へのスライドを阻止するためのタブストップが長尺リブに設けられ、タブストップに端部横桟が係合し、長尺リブと端部横桟とが直角に構成されているために、長尺リブの動きによってタブストップが働くと端部横桟が歪んでステントが変形することにもなる。特許文献2によるものでは、円筒状シートに形成されているため、ステントの剛性が高く、円筒状シートの端部が突出して管腔内において断面が円形になるようにすることが困難であり、管腔内に密着できない可能性がある。



特許文献3は特許文献1、2等による問題点を解消すべく本発明者が提案したものであるが、ポリマーステントがバルーンにより拡張されることにより内側から強い圧力を受け、胴部がスリットを通り抜ける箇所で頭部と胴部が重なり、この部分での摩擦力と内側からの圧力とで変形を生じ、スリットの線状切り込み部が拡張変形して鈎状突起部がスリットに係止されず、ステントの縮径方向への動きに抗し得ない、すなわちステントの機能が損なわれる可能性がある。



特許文献4は、本発明者がさらに改良を進めたものであり、鈎状突起部を形成していない胴部の側部に幅可変部を形成するか、頭部におけるスリットの傾斜角度あるいはスリットを包囲する連結部を弾性的に変形可能にして、ステントの縮径方向への胴部の移動を係止し拡径する方向への移動を可能にするものであるが、シート状に形成したステント素材を丸めて円筒形状のステントとするということでは特許文献1~3と同様である。シート状のステント素材を丸めて円筒形状に形成するものでは、シート面と垂直方向への自由度が高く、長期間使用したような場合にその方向に力が加わると、安定して係止することができなくなる可能性がある。



また、血管の分岐部に生じた病変に適用する場合、血管の本幹と側枝とにステントを留置することになる。このように血管の分岐部にステントを留置する手法としてT-ステント術があり、これは先に側枝にステントを留置し、その後に本幹にも別のステントを留置した後にステントの同時拡張を行うというシンプルな技法であるが、血管の分岐角度が70°以上、典型的には90°に近い場合に適合するものの、分岐角度が緩やかな場合には側枝の入口部をステントで覆うことができない範囲が生じるという不都合がある。



キュロットステント術について図22(a)~(c)を参照して説明すると、図22(a)は血管の分岐部において側枝にまたがるように本幹内にステントS1を留置した状態を示し、その後に図22(b)のように、ステントS1の側枝に面する位置の側面のストラットを他のステントS2をマウントしたバルーンカテーテルで拡開しつつ側枝内にステントS2を導入する。その後にステントを同時拡張して、図22(c)のように分岐部において本幹と側枝とにステントを留置した状態になる。この手法では、側枝の入口部を完全にステントで覆うことができ、分岐角度が緩やかな場合にも適合する。



このように、本幹内のステント側面のストラットを押し拡げて側枝内にステントを誘導するという形で分岐部へのステントを留置する際に、金属製ステントの場合には塑性変形によりその形状が維持され、ストラットが屈曲していてステントが血管径よりさらに拡張できる形状になっている。これに対しポリマーステントの場合には、ステントを血管径まで拡張した時にストラットがまっ直ぐに伸張した状態になりステント側面でストラットを拡開できないということになる。このような状況は、特許文献1~4のようなポリマーステントの場合も同様であり、血管の分岐部にステントを留置するのに適合しないものである。

産業上の利用分野


本発明はポリマーステントに関し、特に双安定性ストラットにより拡径状態が保持されるポリマーステントに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数のストラットがリンクで連結されて網目形状をなすように配置され全体として円筒形状をなすようにポリマー材料で形成されたポリマーステントであって、前記複数のストラットの各々における一部のストラット辺が前記ストラットの伸張していない状態から伸張した状態へあるいはその逆方向へと飛び移り座屈により変形可能であるか、または前記複数のストラットが相互に連結された不変型ストラット群と可動型ストラット群とを有し該可動型ストラット群が前記ポリマーステントの周方向に伸張していない状態から伸張した状態へと飛び移り座屈により変位可能であり、前記ポリマーステントが縮径状態から拡径状態に変化する過程で前記一部のストラット辺の変形による弾性変形が最大になる段階を超えて前記ポリマーステントの拡径した状態に達することによって各ストラットまたはストラット群が双安定性を有し、前記ポリマーステントの拡径状態を保持する機能を備えたものであることを特徴とするポリマーステント。

【請求項2】
前記複数のストラットの各々は複数のストラット辺が連結されてなるとともに2つのストラット辺が前記ポリマーステントの周方向のリンクに連結されて傘形状をなすストラット辺を少なくとも1組有し、前記ポリマーステントに拡径方向の力が作用する時に前記傘形状をなす2つのストラット辺が前記リンクに牽引されて変形しつつ不安定状態を超えて飛び移り座屈により前記リンクと2つのストラット辺とがY形状をなし前記ストラットが前記ポリマーステントの周方向に伸張し安定した状態に移行するものであることを特徴とする請求項1に記載のポリマーステント。

【請求項3】
前記複数のストラットの各々は太く変形しにくい2つないし3つ1組のストラット辺を前記ポリマーステントの軸方向に配置し双方を>形の細く変形し易いストラット辺で連結したものを前記ポリマーステントの周方向の両側において∧形または∨形の細く変形し易いストラット辺で連結してなり前記∧形または∨形のストラット辺は前記ポリマーステントの周方向のリンクに連結されてそれぞれY形状をなすものであって、前記ポリマーステントに拡径方向の力が作用する時に前記∧形または∨形のストラット辺が前記ポリマーステントの周方向のリンクに牽引されて幅を狭めるように変形し、それにより2つないし3つ1組の前記太く変形しにくいストラット辺に相互に接近する作用が生じてそれらを連結する細く変形し易いストラット辺が不安定状態を超えて飛び移り座屈により押し込まれて安定した状態に移行し前記ストラットとしては前記ポリマーステントの周方向に伸張した状態となるものであることを特徴とする請求項1に記載のポリマーステント。

【請求項4】
前記複数のストラットの各々は4つの三角形ストラットを1組としたトラス状の不変型ストラット群に4つの三角形ストラットを1組とした可動型ストラット群を連結してなり、前記可動型ストラット群の三角形ストラットは対称形で閉じた形状に配置されて相互に1つの頂点同士で連結されるとともに相互に連結されていない他の1つの頂点が前記トラス状の不変型ストラットの三角ストラットの頂点に連結され、前記可動型ストラット群の三角形ストラットは前記ポリマーステントの周方向に間隔をおいた2組の不変型ステント群のストラットの間に連結されて構成されており、前記ポリマーステントに拡径方向の力が作用する時に前記不変型ストラット群に連結された可動型ストラット群の各ストラットが回転移動しつつ不安定状態を超えて飛び移り座屈により周方向に伸張した状態に移行するものであることを特徴とする請求項1に記載のポリマーステント。

【請求項5】
前記ポリマーステント拡径方向への力の作用により前記ストラットが前記ポリマーステントの周方向に最大限に伸張した時に相互に接近するストラット辺の対向する側辺に多数のラチェット歯付き枝片が突出して設けられ、該枝片のラチェット歯の噛み合いにより前記ストラットの伸張した状態及び前記ポリマーステントの拡径状態が確実に保持されるようにしたことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のポリマーステント。

【請求項6】
前記複数のストラットの各々が2つの側辺をそれより長い1つの基辺で連結した太く変形しにくい[形のストラット辺の両側辺の端部を細く変形し易いストラット辺で連結してなり、前記太く変形しにくい[形のストラット辺の一方の側辺と前記基辺との連結部は折曲可能な連結部であるとともに該折曲可能な連結部において前記ポリマーステントの周方向のリンクに連結され、他方の側辺の中間位置において前記ポリマーステントの周方向で前記一方の側辺に連結されたリンクとは逆方向のリンクに連結されているとともに、前記ポリマーステントが拡径していない状態で前記[形のストラット辺の基辺が前記ホリマーステントの軸方向に向いていて該[形のストラット辺に連結される2本のリンクは前記ポリマーステントの軸方向に間隔をおいており、前記ポリマーステントに拡径方向の力が作用する時に前記2本のリンクに牽引されて前記ストラットが前記[形ストラット辺の折曲部を中心として回転移動しつつ前記一方の側辺が折曲部において折曲し、該折曲する側辺の端部と他方の側辺の端部との距離が最小となる位置を経て変化することにより最大限に前記ストラットが回転した状態で前記ポリマーステントとして伸張した状態における安定性を有するものであることを特徴とする請求項1に記載のポリマーステント。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014195363thum.jpg
出願権利状態 公開


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