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センサにおける温度補償方法、該温度補償方法の演算プログラム、演算処理装置、及び、センサ

国内特許コード P150011946
掲載日 2015年4月28日
出願番号 特願2013-518152
登録番号 特許第5757439号
出願日 平成24年5月31日(2012.5.31)
登録日 平成27年6月12日(2015.6.12)
国際出願番号 JP2012064054
国際公開番号 WO2012165536
国際出願日 平成24年5月31日(2012.5.31)
国際公開日 平成24年12月6日(2012.12.6)
優先権データ
  • 特願2011-122184 (2011.5.31) JP
発明者
  • ハオ シュウシュン
  • 蒋 永剛
  • 藤田 孝之
  • 樋口 行平
  • 前中 一介
  • 高尾 英邦
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 センサにおける温度補償方法、該温度補償方法の演算プログラム、演算処理装置、及び、センサ
発明の概要 【課題】キャビティー内の気体の温度による圧力変化(キャビティー内に封止されている気体の熱膨張)に起因したダイアフラムの変形を相殺し、対象とする温度範囲でダイアフラムの変形を抑制することにより、最適な温度補償を行うことのできる、センサにおける温度補償方法、該温度補償方法の演算プログラム、該演算プログラムを演算処理する演算処理装置、及び、センサを得る。
【解決手段】本発明の静電容量型センサにおける温度補償方法は、静電容量の変化量ΔC’を求める演算工程S17を含む各演算工程を実行することによって、密閉空間内の気体の温度による圧力変化(密閉空間内に封止されている気体の熱膨張)に起因したダイアフラム部の変形の補償程度を判断可能なパラメータΔC’を得る。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要


従来から、一般に半導体圧力センサは、微小キャビティーとその表面を覆う薄いダイアフラムからなり、外部の圧力により変形したダイアフラムの変形をその表面に形成した抵抗の変化、あるいは、対極にもう一つの電極を設け、ダイアフラムと対極電極の容量変化を測定することにより圧力計とするものである。



このような構成の圧力センサにおいて、キャビティー内を真空封止した場合には、ダイアフラムの変形は外気圧と真空圧との差圧、すなわち、絶対圧センサとなり、その一方で、キャビティー内にある圧力の気体を封入した場合は、外気圧とのキャビティー内の気体圧との差圧、すなわち、相対圧センサとなる。キャビティー内を真空封入した絶対圧センサは、キャビティー内を真空に保つための困難さはあるが、内部の気体の温度による収縮の影響は無視できるため、圧力センサとしての温度補償が容易になるという利点がある。その一方で、キャビティー内が真空で封止されているため、例えば1気圧の外気圧下において、すでにダイアフラムが大きく変形しており、1気圧付近で用いる圧力センサとしてはダイアフラムを薄くして圧力感度を高めることが困難であるという欠点を有する。



一方、上記相対圧センサの一例としては、下記特許文献1に代表されるように、物理量の一種である圧力に応じて変形するダイアフラム部を有した静電容量型圧力センサが公知となっている。なお、この特許文献1に開示されている静電容量型圧力センサは、電極部が形成されている第1の基板と、圧力に応じて変形するダイアフラム部が形成されている第2の基板とを有し、前記ダイアフラム部と前記電極部とがギャップをもって互いに対向する関係となるキャビティー部を設けるとともに、キャビティー部を外部から封止する封止材を設け、前記第1及び前記第2の基板とが接合されたセンサチップを備え、前記ダイアフラム部に加わる被測定圧力と前記キャビティー部内の圧力との圧力差に応じて前記ギャップのギャップ幅を変化させて該ギャップ幅の変化による前記ダイアフラム部と前記電極部との間の静電容量の変化によって前記圧力差を検出するようにした静電容量型圧力センサにおいて、前記キャビティー部内を密閉した密閉部材を有しているものである。

産業上の利用分野


本発明は、センサにおける温度補償方法、該温度補償方法の演算プログラム、該演算プログラムを演算処理する演算処理装置、及び、該温度補償の対象となるセンサに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
一方の面に第1の電極部が形成されている基板と、前記基板の一方の面に絶縁体層を介して形成された導電部と、前記導電部において前記絶縁体層が形成されている面と反対側の面に形成され、圧力に応じて変形するダイアフラム部と、前記ダイアフラム部において前記導電部が形成されている面と反対側の面に形成された温度補償部材とを備え、内部に密閉空間を有し、前記導電部の内周面と、前記ダイアフラム部において前記導電部が形成されている側の面と、が前記密閉空間の一部を形成し、前記ダイアフラム部と、前記第1の電極部及び前記導電部との間の静電容量変化を検出するセンサにおいて、前記温度補償部材によって前記密閉空間内に封止されている気体の熱膨張に起因した前記ダイアフラム部の変形を補償するセンサにおける温度補償方法。

【請求項2】
前記センサにおいては、
前記基板と、内径が2R、外径が2Rであるリング状の前記導電部と、前記導電部において前記絶縁体層が形成されている面と反対側の面に形成され、圧力に応じて変形する円板状に形成され、外径が2Rである前記ダイアフラム部と、を備え、前記温度補償部材は、内径が2R、外径が2Rであるリング状の温度補償リングであり、前記導電部の内周面と、前記ダイアフラム部において前記導電部が形成されている側の面と、が前記密閉空間の一部を形成している静電容量型センサとして構成されており、
Timoshenkoの対称円板理論に基づいて、前記導電部、前記ダイアフラム部、及び、前記温度補償リングの各中心軸を一致させた状態で構成された複合円板を、前記ダイアフラム部の前記中心軸を基準として、半径が0からRまでの部分で構成された第1区域と、前記ダイアフラム部及び前記温度補償リングの前記中心軸を基準として、半径がRからRまでの部分で構成された第2区域と、前記導電部、前記ダイアフラム部、及び、前記温度補償リングの前記中心軸を基準として、半径がRからRまでの部分で構成された第3区域に分解する演算工程(1)と、
Kirchhoffの円板理論に基づいて、半径方向(r軸方向)と円周方向(θ)の歪みεrr、εθθと変位κ、κθとの関係を示す以下の式(1)~(4)を用いて、以下の式(5),(6)に示す、前記第1~前記第3区域の積層方向(Z軸方向)に関して参照面(z=0)における歪みεrr、εθθを求める演算工程(2)と、
【数1】


【数2】


【数3】


【数4】


【数5】


【数6】


以下の式(7)に、ヤング率E、及び、ポアソン比νを入力し、行列[Q]を求める演算工程(3)と、
【数7】


以下の式(8)に示す横等方性の線形弾性の対称円板に対する応力の構成方程式に、行列[Q]、歪みεrr、εθθ、変位κ、κθ、熱膨張係数α、及び、温度差ΔT(前記ダイアフラム部の変形を補償する際の初期状態における参照温度Tと変化後の温度Tとの温度差)を入力し、半径方向(r軸方向)の応力σrr、及び、円周方向(θ)の応力σθθを求める演算工程(4)と、
【数8】


以下の式(9)~(11)に、行列[Q]を入力することによって、各行列[A],[B]及び[D]を演算する演算工程(5)と、
【数9】


【数10】


【数11】


以下の式(12),(13)に、行列[Q]、熱膨張係数α、及び、温度差ΔT(前記ダイアフラム部の変形を補償する際の初期状態における参照温度Tと変化後の温度Tとの温度差)を入力することによって、各行列[N],[M]を演算する演算工程(6)と、
【数12】


【数13】


以下の式(14)に、前記ダイアフラム部の変形を補償する際の初期状態における参照温度T及び参照圧力Pに対応した前記ダイアフラム部の初期変形量ω’(r)、及び、前記ダイアフラム部において前記導電部が形成されている側の面と、該面と前記基板において対向する対向面との間の距離gを入力することによって、前記初期状態における前記密閉空間内の体積Vを演算する演算工程(7)と、
【数14】


以下の式(15)に、前記密閉空間内の圧力Pc、前記参照圧力P、前記初期状態における前記密閉空間内の体積V、前記参照温度T、変化後の温度T、及び、熱膨張後における前記密閉空間内の体積V(仮定値)を入力することによって、前記ダイアフラム部の合圧力(前記密閉空間内の圧力Pcと環境の参照圧力Pの差)Pを演算する演算工程(8)と、
【数15】


以下の式(16)に、真空の誘電率ε、比誘電率(媒質の誘電率と真空の誘電率の比)εr、前記初期変形量ω’(r)、及び、前記距離gを入力することによって、前記初期変形量ω’(r)に対応した静電容量C’を演算する演算工程(9)と、
【数16】


上記式(1)~(6)を、以下の式(17),(18)に入力することによって、前記第1~前記第3区域の半径方向(r軸方向)の合力Nを示す以下の式(19)、前記第1~前記第3区域の円周方向(θ)の合力Nθを示す以下の式(20)、前記第1~前記第3区域の半径方向(r軸方向)の合モーメントMを示す以下の式(21)、前記第1~前記第3区域の円周方向(θ)の合モーメントMθを示す以下の式(22)を得る演算工程(10)と、
【数17】


【数18】


【数19】


【数20】


【数21】


【数22】


以下の式(23)~(25)に、前記第1~前記第3区域の半径方向(r軸方向)の合力N、円周方向(θ)の合力Nθ、半径方向(r軸方向)の合モーメントM、円周方向(θ)の合モーメントMθ、横せん断力Q、及び、前記ダイアフラム部の合圧力(前記密閉空間内の圧力と環境の参照圧力の差)Pを入力し、以下の式(26)に示す軸対称円板の平衡方程式を求める演算工程(11)と、
【数23】


【数24】


【数25】


【数26】


上記式(19)~(22)を、上記式(23),(26)に入力することによって、以下の関係式(27),(28)を得る演算工程(12)と、
【数27】


【数28】


上記式(27),(28)に、それぞれ、2回積分処理を施して、以下に示す式(29),(30)を得る演算工程(13)と、
【数29】


【数30】


上記式(29)に積分処理を施して、以下の式(31)に示す前記第1区域における前記ダイアフラム部の変形量ω(1)、以下の式(32)に示す前記第2区域における前記ダイアフラム部の変形量ω(2)、及び、以下の式(33)に示す前記第3区域における前記ダイアフラム部の変形量ω(3)演算する演算工程(14)と、
【数31】


【数32】


【数33】


以下の式(34)に、前記変形量ω(1),ω(2)及び前記距離gを入力することによって、熱膨張後の前記密閉空間内の体積Vを演算する演算工程(15)と、
【数34】


上記式(31),(32)に、前記体積Vを入力することによって、前記変形量ω(1),ω(2)に対応した、以下の式(35)に示す静電容量C’を演算する演算工程(16)と、
【数35】


以下の式(36)に、前記静電容量C’,C’を入力することによって、静電容量の変化量ΔC’を求める演算工程(17)と、を順に行うことを特徴とする請求項1に記載のセンサにおける温度補償方法。
【数36】



【請求項3】
前記導電部が、
前記ダイアフラム部の変形に応じて、前記第1の電極部と共に前記ダイアフラム部との間の静電容量変化を検出するための第2の電極部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサにおける温度補償方法。

【請求項4】
前記センサが、
少なくとも白金を含むとともに、前記第2の電極部と前記絶縁体層との間に形成され、内周面が前記密閉空間の一部を形成するバリアメタル層を備えていることを特徴とする請求項3に記載のセンサにおける温度補償方法。

【請求項5】
前記導電部が、
前記ダイアフラム部において前記温度補償リングが形成されている側の面と反対側の面に形成された封止リング部であり、
前記センサが、
前記封止リング部と前記絶縁体層との間に形成され、前記ダイアフラム部の変形に応じて、前記第1の電極部と共に前記ダイアフラム部との間の静電容量変化を検出するためのリング状の第2の電極部を備えていることを特徴とする請求項2に記載のセンサにおける温度補償方法。

【請求項6】
前記センサにおいて、
前記第2の電極部と前記封止リング部との接合が、金-金接合によるものであることを特徴とする請求項5に記載のセンサにおける温度補償方法。

【請求項7】
前記センサが、
少なくとも白金を含むとともに、前記ダイアフラム部において前記温度補償リングが形成されている側の面と反対側の面に形成されたリング状のバリアメタル層と、
前記バリアメタル層と前記絶縁体層との間に形成され、前記ダイアフラム部の変形に応じて、前記第1の電極部と共に前記ダイアフラム部との間の静電容量変化を検出するためのリング状の第2の電極部とを備え、
前記導電部が、
前記バリアメタル層が単層である場合には、該バリアメタル層であり、
前記バリアメタル層が複数層である場合には、該バリアメタル層のうち、前記ダイアフラム部に最も近い層であることを特徴とする請求項2に記載のセンサにおける温度補償方法。

【請求項8】
一方の面に第1の電極部が形成されている基板と、前記基板の一方の面に絶縁体層を介して形成された導電部と、前記導電部において前記絶縁体層が形成されている面と反対側の面に形成され、圧力に応じて変形するダイアフラム部と、前記ダイアフラム部において前記導電部が形成されている面と反対側の面に形成された温度補償部材とを備え、内部に密閉空間を有し、前記導電部の内周面と、前記ダイアフラム部において前記導電部が形成されている側の面と、が前記密閉空間の一部を形成し、前記ダイアフラム部と、前記第1の電極部及び前記導電部との間の静電容量変化を検出するセンサにおいて、前記温度補償部材によって前記密閉空間内に封止されている気体の熱膨張に起因した前記ダイアフラム部の変形を補償するセンサにおける温度補償方法を演算処理するための演算プログラム。

【請求項9】
請求項8に記載の演算プログラムを演算処理することを特徴とする演算処理装置。

【請求項10】
一方の面に第1の電極部が形成されている基板と、前記基板の一方の面に絶縁体層を介して形成された導電部と、前記導電部において前記絶縁体層が形成されている面と反対側の面に形成され、圧力に応じて変形するダイアフラム部と、前記ダイアフラム部において前記導電部が形成されている面と反対側の面に形成された温度補償部材とを備え、内部に密閉空間を有し、前記導電部の内周面と、前記ダイアフラム部において前記導電部が形成されている側の面と、が前記密閉空間の一部を形成し、前記ダイアフラム部と、前記第1の電極部及び前記導電部との間の静電容量変化を検出するセンサであって、前記温度補償部材によって前記密閉空間内に封止されている気体の熱膨張に起因した前記ダイアフラム部の変形が補償されることを特徴とするセンサ。
産業区分
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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