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蛍光プローブ及びその製造方法

国内特許コード P150011954
掲載日 2015年4月28日
出願番号 特願2013-524724
登録番号 特許第6019535号
出願日 平成24年7月17日(2012.7.17)
登録日 平成28年10月14日(2016.10.14)
国際出願番号 JP2012068111
国際公開番号 WO2013011984
国際出願日 平成24年7月17日(2012.7.17)
国際公開日 平成25年1月24日(2013.1.24)
優先権データ
  • 特願2011-160261 (2011.7.21) JP
発明者
  • 小野 健治
  • 澤田 誠
  • 渕 真悟
  • 竹田 美和
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 蛍光プローブ及びその製造方法
発明の概要 本発明の蛍光プローブは、近赤外光域の波長の光で励起されて該波長以外の近赤外光域の波長の光を発する希土類元素のイオンを、ガラスの中に含むガラス粉体からなる。本発明の蛍光プローブの製造方法は、希土類元素を含む化合物と、ガラス原料とを溶融する溶融工程、溶融工程により得られた溶融物を冷却し、希土類元素のイオンを含むガラス組成物を作製する冷却工程、及び、ガラス組成物を破砕し、粉体を得る破砕工程を、順次、備える。
従来技術、競合技術の概要



蛍光法による生体イメージングは、放射線を用いることなく低侵襲的に構造変化や対象物の動態変化を捉えることができるイメージング手法の一つである。蛍光法では、蛍光プローブが広く用いられ、発光した蛍光をもとに、目的対象物(標的分子)の構造変化や動態変化等が可視化観察されるので、蛍光プローブは、有用である。このような蛍光プローブとして、例えば、特許文献1には、GFPやDsRedなどの蛍光タンパク質やCy2などのCyシリーズやAlexa488などのAlexaシリーズといった有機化合物からなる蛍光色素(有機蛍光色素)が記載されている。また、特許文献2には、その他の有機化合物からなる蛍光プローブが多数記載されている。





これらの有機化合物からなる蛍光プローブの多くは、480nm付近の短波長の光で励起するため、励起光が生体深部に到達できず、生体の外表面のイメージングしか行うことができない。また、上記有機化合物は、可視光域で発光するため、生体を構成する物質のさまざまな蛍光と重なり、目的対象物の蛍光とそれ以外の蛍光とが混在したイメージとして得られる。そのため、スペクトル分析を用いて分光するなど、目的対象物を明確に捉えるための工夫が必要となる。更に、有機蛍光色素は、蛍光発生の原理上、退色する傾向にあるので、励起光の照射時間が長いと、目的物質の蛍光シグナルが消失してしまう欠点がある。





これらの問題点を解消するには、生体の外表面から20mm程度の深部まで透過する近赤外光域の光を励起光として用い、それに対応した蛍光プローブを用いることが一つの糸口になると考えられる。





可視光域と比べ、波長800nmを超える近赤外光域では、生体に対して、単に光の透過性が高いだけではなく、水やヘモグロビンの光吸収が極めて低いことから、血液成分などが発する自家蛍光がほとんど見られない。そのため、近赤外光域の光を用いると、目的対象物の蛍光とそれ以外の物質の蛍光とを区別して明確に捉えることが容易であると考えられる。したがって、近赤外光域蛍光プローブを用いることで、これまでにない良好なイメージングが可能になると考えられる。





近年、特許文献3に記載されているように、蛍光プローブとして、半導体量子ドットが用いられ始めている。この手法では、量子ドットの粒子径を変化させることにより、さまざまな波長に対応した蛍光プローブを作製することができる。また、有機蛍光色素などと異なり、近赤外光域の蛍光プローブを作製することもできる。





しかしながら、近赤外光域の蛍光を発する量子ドットは、粒子径が大きく、生体で使用しにくい欠点を有する。更に、量子ドットは、カドミウムなどの生体有害物質を含むため、毒性を軽減する必要性が生じる。





特許文献4には、希土類元素のイオンを含有したシリコンジオキサイドナノ粒子が開示されており、特許文献5には、希土類元素のイオンを含有したYAGナノ結晶が開示されている。これらの技術によると、量子ドットとは異なるので、粒径に依存せず、広い範囲の波長の光で発光する蛍光プローブを作製することができる。

特許文献4又は5に記載された発明は、特許文献1~3に記載された発明と比べて、その発光波長、退色に対する安定性、粒径の制御等において有用であると考えられる。ところが、YAGナノ結晶やシリコンジオキサイドナノ結晶へ希土類元素のイオンを導入する場合には、希土類元素のイオンが高効率の発光を示すように、結晶中の特定の位置に取り込まれるように結晶成長条件をコントロールしなければならず、製造工程において高度なテクニックが要求される。また、ナノ結晶のサイズコントロールも高度なテクニックが必要である。更に、ナノ結晶の凝集防止も必要であり、製造管理コストは多大なものとなる。特許文献4のシリコンジオキサイドナノ粒子は、溶液からの合成方法によるため、この問題は重要である。尚、特許文献5には、結晶材料ではなく非晶質材料を用いることも示唆されているが、その具体的な原料や製造方法は記載されておらず、YAGナノ結晶等と同様の方法によって、溶液から非晶質ナノ粒子が作製されるものと推測される。

産業上の利用分野



本発明は、近赤外光の照射により、照射光の波長と異なる近赤外光を発する蛍光プローブ及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
近赤外光域の波長の光で励起されて該波長以外の近赤外光域の波長の光を発するYbイオン、Ndイオン、Smイオン及びPrイオンから選ばれた少なくとも1種の希土類元素のイオンを含む蛍光プローブであって、該イオンを含むZnO-B系ガラスのガラス粉体からなることを特徴とする蛍光プローブ。

【請求項2】
前記近赤外光域が、800~1200nmの範囲にある波長である請求項1に記載の蛍光プローブ。

【請求項3】
前記希土類元素の含有割合が前記蛍光プローブを構成する原子の合計量に対して0.4~2.0at%である請求項1又は2に記載の蛍光プローブ。

【請求項4】
前記粉体の最大長さを測定した際の下限値が0.1μmであり、上限値が1.0μmである請求項1~のいずれか一項に記載の蛍光プローブ。

【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の蛍光プローブを製造する方法であって、
Yb、Nd、Sm及びPrから選ばれた少なくとも1種の希土類元素を含む化合物と、ZnO-B系ガラスのガラス原料とを溶融する溶融工程と、
前記溶融工程により得られた溶融物を冷却し、前記希土類元素のイオンを含むガラス組成物を作製する冷却工程と、
前記ガラス組成物を破砕し、粉体を得る破砕工程と、を備えることを特徴とする蛍光プローブの製造方法。

【請求項6】
前記希土類元素を含む化合物が、酸化物である請求項に記載の蛍光プローブの製造方法。

【請求項7】
前記溶融工程における温度が900℃~1350℃である請求項5又は6に記載の蛍光プローブの製造方法。

【請求項8】
前記破砕工程において、乳棒及び乳鉢による破砕、並びに/又は、ボールミルによる破砕が行われる請求項のいずれか一項に記載の蛍光プローブの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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