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シクロポリアリーレン金属錯体 コモンズ

国内特許コード P150011957
整理番号 NU-0565
掲載日 2015年5月1日
出願番号 特願2014-253322
公開番号 特開2016-113401
出願日 平成26年12月15日(2014.12.15)
公開日 平成28年6月23日(2016.6.23)
発明者
  • 伊丹 健一郎
  • 瀬川 泰知
  • 久保田 夏実
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 シクロポリアリーレン金属錯体 コモンズ
発明の概要 【課題】シクロパラフェニレン化合物を直接官能基化する手法が開発できれば、どのようなシクロパラフェニレン化合物にも適用できることが期待されるため、理論上全てのシクロパラフェニレン化合物に官能基を導入することが可能となる。このため、本発明は、シクロパラフェニレン化合物を、容易に直接官能基化する手法を提供することを主な目的とする。
【解決手段】シクロポリアリーレン化合物が有する1個のベンゼン環に、金属トリカルボニルが配位している、シクロポリアリーレン金属錯体。このシクロポリアリーレン金属錯体は、シクロポリアリーレン化合物と、M(CO)[式中、Mは金属原子;Yは同じか又は異なり、それぞれ配位子;mは1~3の整数である。]で示される金属化合物とを反応させる工程を備える製造方法により得られる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


従来、炭素原子を含むナノ構造体としては、2次元のグラフェンシートを筒状に巻いた構造を有するカーボンナノチューブ、このカーボンナノチューブからなる輪状カーボンナノチューブ等が知られている。



カーボンナノチューブは、機械的強度も極めて高く、高温にも耐えうること、そして、電圧をかけると効率よく電子を放出する等の優れた性質を有していることから、化学分野、電子工学分野、生命科学分野等の様々な分野への応用が期待されている。



カーボンナノチューブの製造方法としては、アーク放電法、レーザー・ファネス法及び化学気相成長法等が知られている。しかし、これらの製造方法では、様々な太さと長さのカーボンナノチューブが混合物という形でしか得られないという問題がある。



近年、カーボンナノチューブのように、炭素原子の連続的な結合により、一定以上の長さを有する管状のナノ構造体ではなく、輪状のナノ構造体が検討されつつある。例えば、シクロパラフェニレン(CPP)は、ベンゼンをパラ位で環状につなげたシンプルで美しい分子であり、近年、非常に特異な構造や性質を有することが明らかになってきている。特に、このCPPは、構成するベンゼン環の数によって径が異なり、その性質も異なり、また、作り分けをすることができれば、異なる径を有するカーボンナノチューブへの展開が期待されるため、ベンゼン環の数の異なるCPPを完全に作り分けることが求められている。しかしながら、CPPは、混合物として得る手法は知られているものの、選択合成に成功した例は非常に少ない。



本発明者らは、シクロヘキサン環を屈曲部として用いた輪状のシクロパラフェニレン前駆体として用いる手法により、様々なシクロパラフェニレン化合物の合成に成功した(例えば、特許文献1~2、非特許文献1等)。



一方、上記のように、シクロパラフェニレン化合物は、非常に特異な構造や性質を有しているが、そこに官能基を導入して新たな機能を導入する方法は開発されていない。シクロパラフェニレン化合物は対称性の高い分子であり、等価な反応点が多数存在する(例えば、12個のベンゼン環を有する[12]CPPの場合48個もの等価な反応点が存在する)ため、数及び位置を制御した官能基の導入は困難であるからである。



ただし、官能基化シクロパラフェニレン化合物の合成は、例えば、シクロパラフェニレン化合物のダイマー等、種々のユニークな化合物の合成につながる可能性があることから、シクロパラフェニレン化合物の所望の位置に、所望の数だけ官能基を導入する方法が求められている。



このような状況下、官能基が含まれたモノマーを用いて、環状化合物を新たに合成する手法(ボトムアップ法)のみが知られている(例えば、特許文献3、非特許文献2等)。

産業上の利用分野


本発明は、シクロポリアリーレン金属錯体及びその製造方法に関する。また、本発明は、該金属錯体を用いて得られる金属置換シクロポリアリーレン化合物及び官能基含有シクロポリアリーレン化合物にも関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
シクロポリアリーレン化合物が有する1個のベンゼン環に、金属トリカルボニルが配位している、シクロポリアリーレン金属錯体。

【請求項2】
前記シクロポリアリーレン化合物は、2価芳香族炭化水素基、及びこれらの誘導体基よりなる群から選ばれる少なくとも1種が環状に結合した化合物である、請求項1に記載のシクロポリアリーレン金属錯体。

【請求項3】
前記金属トリカルボニルを構成する金属は、クロム、モリブデン、タングステン、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、又はレニウムである、請求項1又は2に記載のシクロポリアリーレン金属錯体。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のシクロポリアリーレン金属錯体の製造方法であって、
(I)シクロポリアリーレン化合物と、
一般式(2):
M(CO)
[式中、Mは金属原子;Yは同じか又は異なり、それぞれ配位子;mは1~3の整数である。]
で示される金属化合物とを反応させる工程
を備える、製造方法。

【請求項5】
前記工程(I)は、エーテル系溶媒又は炭化水素系溶媒の存在下で行われる、請求項4に記載の製造方法。

【請求項6】
シクロポリアリーレン化合物が有する1個のベンゼン環を構成する1個の炭素原子に、金属原子が結合している、金属置換シクロポリアリーレン化合物。

【請求項7】
前記金属原子は、アルカリ金属原子である、請求項6に記載の金属置換シクロポリアリーレン化合物。

【請求項8】
金属置換シクロポリアリーレン化合物の製造方法であって、
(II)請求項1~3のいずれかに記載のシクロポリアリーレン金属錯体、又は請求項4若しくは5に記載の製造方法により得たシクロポリアリーレン金属錯体と、金属化合物とを反応させる工程
を備える、製造方法。

【請求項9】
前記金属化合物は、アルカリ金属化合物である、請求項8に記載の製造方法。

【請求項10】
前記金属化合物は、アルキルリチウムである、請求項8又は9に記載の製造方法。

【請求項11】
シクロポリアリーレン化合物が有する1個のベンゼン環を構成する1個の炭素原子に、ボロン酸若しくはそのエステル基、シリル基、カルボキシ基若しくはそのエステル基、又はホルミル基が結合している、官能基含有シクロポリアリーレン化合物。

【請求項12】
官能基含有シクロポリアリーレン化合物の製造方法であって、
(III)請求項6若しくは7に記載の金属置換シクロポリアリーレン化合物、又は請求項8~10のいずれかに記載の製造方法により得た金属置換シクロポリアリーレン化合物と、求電子剤とを反応させる工程
を備える、製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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