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植物気孔開口調節剤 コモンズ

国内特許コード P150011959
整理番号 NU-0567
掲載日 2015年5月1日
出願番号 特願2014-258418
公開番号 特開2016-117685
出願日 平成26年12月22日(2014.12.22)
公開日 平成28年6月30日(2016.6.30)
発明者
  • 木下 俊則
  • 井上 心平
  • 戸田 陽介
  • 佐藤 綾人
  • 青木 沙也
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 植物気孔開口調節剤 コモンズ
発明の概要 【課題】植物気孔開口促進剤、及び植物気孔開口阻害剤、さらにはこれらを用いた植物成長促進方法、及び乾燥耐性向上方法を提供すること。
【解決手段】一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物若しくはその塩の溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種、又は
一般式(3)で表される化合物、この化合物の塩、並びにこの化合物若しくはその塩の溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種
を有効成分として含有する、植物気孔開口調節剤。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


陸生高等植物は、葉の表皮に存在する気孔の開口調節を通じて、光合成に必要な二酸化炭素の取り込み量や、蒸散量等の調節を行っている。例えば、水不足に晒されると、植物体内の水分を維持するために、気孔を閉鎖し、蒸散を抑制することが知られている。また、気孔は光に反応して開口され、光合成に必要な二酸化炭素の取り込みが促進されることが知られている。このため、気孔開口を人為的に調節することにより、光合成の促進、成長促進、乾燥耐性向上等の効果が期待できる。



気孔開口の人為的な調節の例としては、孔辺細胞において細胞膜H-ATPase(AHA2)を過剰発現させる方法が報告されている(特許文献1、非特許文献1)。この方法によれば、気孔開口を促進させ、これに伴い光合成速度及び植物成長も促進させることができる。また、孔辺細胞においてマグネシウムキラターゼHサブユニットを過剰発現させ、気孔の閉鎖を促進させることによって、乾燥耐性を向上させる方法も報告されている(非特許文献2)。



これらの方法は、遺伝子組換え技術によるものであるため、
1.遺伝子組換え技術が確立していない生物種においては組換え技術の確立・最適化が都度必要となる。
2.遺伝子組み換え作物(GMO)の作出に時間がかかる(例えばポプラはトランスジェニック当代の作出に約半年、イネにおいては次世代のGMO種子の獲得に半年以上それぞれ要する。)
3.作成したGMOに対して都度認可が必要となる。



これに対して、既に生育している植物に対して施用することにより気孔開口を調節できる物質であれば、GMOの作出及びその認可という手続を各種植物に対して採らなくてもよいので、非常に有用である。



一方、シロリムスやその誘導体(テンシロリムス等)は、動物において、免疫抑制作用や抗がん作用を有することが知られている。CP-100356は、細胞毒性物質の細胞外への排出を担うP糖タンパク質の阻害作用を有することが知られている。PD-166285は、チロシンキナーゼc-Src、線維芽細胞増殖因子レセプター1(FGFR1)、及び血小板由来増殖因子レセプターβ(PDGFRβ)の阻害作用を有することが知られている。しかしながら、これらの化合物やその類似化合物が気孔開口を調節することは全く知られていない。

産業上の利用分野


本発明は、植物気孔開口調節剤に関する。より具体的には、植物気孔開口促進剤、及び植物気孔開口阻害剤、さらにはこれらを用いた植物成長促進方法、及び乾燥耐性向上方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1):
【化1】


[一般式(1)中、Rは2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニルオキシ基、ヒドロキシ基、2-ヒドロキシエトキシ基、2-エトキシエトキシ基、ジメチルホスフィノイルオキシ基、又は1H-テトラゾール-1-イル基を示し; Rはメトキシ基、水素原子、ヒドロキシ基、又はメチルチオ基を示し; Rはメトキシ基又は水素原子を示し; 波線はR、R、又はRと結合した炭素原子がS及びRのいずれの配置もとり得ることを示す。]
で表される化合物、一般式(2):
【化2】


[一般式(2)中、R~Rは同一又は異なって炭素数1~4のアルコキシ基を示す。]
で表される化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物若しくはその塩の溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種、又は
一般式(3):
【化3】


[一般式(3)中、R10~R12は同一又は異なって水素又は炭素数1~4のアルキル基を示す。]
で表される化合物、この化合物の塩、並びにこの化合物若しくはその塩の溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、植物気孔開口調節剤。

【請求項2】
が2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニルオキシ基である、請求項1に記載の調節剤。

【請求項3】
及びRがメトキシ基である、請求項1又は2に記載の調節剤。

【請求項4】
~Rがメトキシ基である、請求項1~3のいずれかに記載の調節剤。

【請求項5】
10及びR11がエチル基であり、且つR12がメチル基である、請求項1~4のいずれかに記載の調節剤。

【請求項6】
一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物若しくはその塩の溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、植物気孔開口促進剤。

【請求項7】
一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物若しくはその塩の溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、光合成促進剤。

【請求項8】
一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物若しくはその塩の溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、植物成長促進剤。

【請求項9】
一般式(3)で表される化合物、この化合物の塩、並びにこの化合物若しくはその塩の溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、植物気孔開口阻害剤。

【請求項10】
一般式(3)で表される化合物、この化合物の塩、並びにこの化合物若しくはその塩の溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、乾燥耐性向上剤。

【請求項11】
請求項8に記載の植物成長促進剤を植物又は植物の生育する土壌に施用する、植物成長促進方法。

【請求項12】
請求項8に記載の植物成長促進剤を植物の気孔に接触させる、請求項11に記載の促進方法。

【請求項13】
請求項10に記載の乾燥耐性向上剤を植物又は植物の生育する土壌に施用する、乾燥耐性向上方法。

【請求項14】
請求項10に記載の乾燥耐性向上剤を植物の気孔に接触させる、請求項13に記載の向上方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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