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放射性核種標識オクトレオチド誘導体

国内特許コード P150011989
整理番号 S2013-0805-N0
掲載日 2015年5月29日
出願番号 特願2014-047025
公開番号 特開2015-086213
出願日 平成26年3月11日(2014.3.11)
公開日 平成27年5月7日(2015.5.7)
優先権データ
  • 特願2013-062459 (2013.3.25) JP
  • 特願2013-201959 (2013.9.27) JP
発明者
  • 荒野 泰
  • 上原 知也
  • 花岡 宏史
  • 金井 彩香
出願人
  • 国立大学法人 千葉大学
発明の名称 放射性核種標識オクトレオチド誘導体
発明の概要 【課題】オクトレオチドの2官能性キレート化合物、さらに、ソマトスタチン受容体に結合する安定な放射性金属との錯体化合物を有効成分とする膵臓疾患又は消化管神経内分泌腫瘍の診断用又は治療用の薬剤を開発する。
【解決手段】EDTA、DTPA、シクロへキシルDTPA、DOTA及びNOTAの骨格炭素にp-ベンジルカルボン酸誘導体を導入することにより、オクトレオチド誘導体に固相合成法で、金属との錯体形成部位とは独立したカルボン酸を導入した新規化合物を提供する。さらに、該化合物の111In等の放射性金属で標識した錯体化合物を有効成分として含有する放射性医薬組成物、及び該放射性医薬組成物を製造するための医薬組成物を提供する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



ソマトスタチン(SST)及びその合成誘導体であるオクトレオチドはソマトスタチン受容体(SSTR)に高い親和性を有する。オクトレオチドに、診断用の放射性同位元素(RI)であるインジウム-111(111In)や治療用のRIであるイットリウム-90(90Y)あるいはルテチウム-177(177Lu)などの金属と安定な錯体を形成するキレート部位を結合し、次いで、これらの金属RIとの錯形成反応により作製した薬剤は、SSTR陽性腫瘍の診断・治療に用いられている(非特許文献1)。





一方でインシュリン分泌を担う膵島β-cellもまたSSTR発現細胞として知られており、β-cell massは特にI型糖尿病などの膵疾患において重要な指標である。このことからSSTRに親和性を有するRI標識オクトレオチド誘導体を、SST産生腫瘍の画像化のみならず、膵島β-cell mass測定に応用する試みが行われている(非特許文献2)。





しかし、RI標識オクトレオタイドはSST産生腫瘍に集積することから、腫瘍の臨床診断、さらにはアイソトープ治療において成果を挙げている。一方で、既存のRI標識オクトレオタイドでは、イメージングが可能な程度に膵臓へ集積する薬剤は開発されておらず、現存の薬剤を用いる膵島、β-cell massの測定への応用は困難とされている。





また、前記放射性金属などと安定な錯体を形成するキレート剤として鎖状コンプレキサン型のキレート剤であるDTPA無水物、benzyl-EDTA(ethylenediamine tetraacetic acid、benzyl-DTPA(diethylenetriamine pentaacetic acid)、及び環状コンプレキサン型のキレート剤であるDO3A、benzyl-DOTA(1,4,7,10 -tetraazacyclododecane-N,N',N'',N'''-

tetraacetic acid)、benzyl-NOTA(2,2',2''-(1,4,7-triazonane-1,4,7-triyl)triacetic acid)を母体とした二官能性キレート剤が開発されている。これらのキレート剤を使用した場合、従来、抗体やペプチドなどの標的分子認識素子への結合部位には、DTPA無水物ではカルボン酸の無水物、DO3Aではカルボン酸の活性エステル誘導体が用いられている。また、benzyl-EDTAなどでは、ベンゼン環のパラ位に導入されたアミノ基やイソチオシアネート(-NCS)基が用いられ、タンパク質やペプチドを標的分子認識素子とする放射性薬剤に利用されている(非特許文献3)。これらの二官能性キレート剤は、キレート骨格中のカルボン酸の1つを利用するか、あるいはキレート骨格炭素から新たにベンジル基を介してイソチオシアネート基を伸張することで、標的分子認識素子のN末端又はリジン側鎖のアミノ基に導入するのが一般的である。





しかし、本来金属との錯体形成に使われるキレート骨格中のカルボン酸を標的分子認識素子との結合に用いた場合、金属錯体の安定性が低下すると考えられ、生体内で錯体から遊離した金属放射性アイソトープが非標的部位へ集積することで、イメージング時における診断精度の低下及び治療時における副作用の増加が懸念される。一方、イソチオシアネート基を有する二官能性キレート剤はすべてのカルボン酸が金属との錯形成に関与できるため、錯体の安定性は高い。しかし、イソチオシアネート基を有する二官能性キレート剤は、イソチオシアネート基とアミンとの反応により生じるチオウレア結合はアミド結合よりも安定性が低いため、強酸性条件下での脱保護が必要であるペプチド固相合成への応用は難しく、また多彩な標識薬剤開発も容易ではない。





さらに、従来より汎用されているC-ファンクショナライズドDTPAやDOTA誘導体では、前記のとおり、ベンゼン環のパラ位にチオシアネート(-NCS)基を有する化合物が汎用されており、抗体などのアミノ残基と-NH-CS-NH-(チオウレア)結合で結合する。しかし、(1)反応速度が遅い、(2)本従来の方法で作製した111In標識抗体を生体内へ投与した場合、チオウレア結合がリソソーム代謝に安定であるため、細胞内に滞留しやすく、その結果、放射活性が生体内に残留する、(3)ペプチド合成へ応用した場合、チオウレア結合がBoc基等の脱保護時に開裂する可能性がある、などの問題もある。





以上より、錯体の安定性が高く、標的分子認識素子との結合部位としてカルボキシル基を有し、ペプチド固相合成に応用可能な新規二官能性キレート剤の開発が望まれていた。

産業上の利用分野



本発明は、結合部位にカルボン酸を有するC-ファンクショナライズド(C-functionalized)コンプレキサン型の二官能性キレート剤をベンジルカルボン酸誘導体をスペーサーとしてオクトレオチドを結合した化合物及びその塩又は溶媒和物、該化合物等を含有する医薬組成物、該化合物と放射性金属との金属錯体化合物及びその塩又は溶媒和物、該金属錯体化合物等を含有する診断及び治療用の医薬組成物等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式1で表されることを特徴とする化合物、又はその製薬的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
【化1】


1は、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、cyclohexyl-DTPA(シクロヘキシル-ジエチレントリアミン五酢酸)、DOTA(1,4,7,10-テトラ-アザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸)若しくはNOTA(1,4,7-トリアザシクロノナン-N,N',N''-三酢酸)からなる群から選択されるいずれか一つのC-ファンクショナライズド(C-functionalized)コンプレキサン型配位子、又は保護基で保護されたそれらのエステル誘導体を表し、Xは、L-Phe又はD-Pheを表す。

【請求項2】
下記式2ないし5のいずれかで表されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【化2】


【化3】


【化4】


【化5】


上記式においてR2はH、又はメチル基、エチル基若しくはt-ブチル基の保護基を表し、R3及びR4はH又は相互に結合して6員環を形成するエチル基を表し、XはL-Phe又はD-Pheを表す。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の化合物のC-ファンクショナライズド・コンプレキサン型配位子が金属に配位することを特徴とする、金属錯体化合物、又はその製薬的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。

【請求項4】
前記金属は、放射性金属であることを特徴とする、請求項3の金属錯体化合物、又はその製薬的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。

【請求項5】
前記放射性金属は、51Cr、62Cu、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、47Sc、88Y、86Y、90Y、97Ru、99mTc、103Ru、105Rh、109Pd、111In、117mSn、141Ce、140La、149Pm、153Sm、161Tb、165Dy、166Dy、166Ho、167Tm、168Yb、175Yb、177Lu、186Re、188Re、198Au、199Au、203Pb、211Bi、212Bi、213Bi、214Bi及び225Ac、並びにその酸化物又は窒化物からなる群から選択される1以上の金属であることを特徴とする、請求項4の金属錯体化合物、又はその製薬的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。

【請求項6】
前記放射性金属は111Inであって、下記式6で表されることを特徴とする、請求項5の金属錯体化合物、又はその製薬的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
【化6】


上記式において、XはL-Phe又はD-Pheを表す。

【請求項7】
請求項1又は2に記載の化合物、又はその製薬的に許容可能な塩若しくは溶媒和物を含有することを特徴とする、放射性医薬組成物を調製するための医薬組成物。

【請求項8】
請求項3ないし6に記載の金属錯体化合物、又はその製薬的に許容可能な塩若しくは溶媒和物を有効成分として含有することを特徴とする、膵臓疾患又は消化管神経内分泌腫瘍の診断用又は予防若しくは治療用の放射性医薬組成物。

【請求項9】
前記膵臓疾患は、インスリン産生膵島細胞腫、急性膵炎、慢性膵炎、小児糖尿病、糖尿病、自己免疫性膵炎、膵臓癌、膵島腫瘍、膵嚢胞、膵臓損傷であることを特徴とする、請求項8に記載の放射性医薬組成物。

【請求項10】
膵臓細胞のイメージング剤、又は膵臓癌の予防若しくは治療剤であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の放射性医薬組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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