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新規な複合粒子含有の機能性金属有機骨格材料 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P150011998
整理番号 424
掲載日 2015年6月1日
出願番号 特願2013-028625
公開番号 特開2014-156434
出願日 平成25年2月18日(2013.2.18)
公開日 平成26年8月28日(2014.8.28)
発明者
  • 田中 俊輔
  • 来田 康司
  • 三宅 義和
出願人
  • 学校法人 関西大学
発明の名称 新規な複合粒子含有の機能性金属有機骨格材料 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】本発明は、溶媒および塩などを必要とせず、大量スケールで簡便に、ゼオライト様イミダゾレート骨格材料を得ることを目的とする。本発明はまた、ゼオライト様イミダゾレート構造体を含有する新規な複合粒子を含む複合体、並びにその製造方法および機能性材料としてのその使用方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、複合粒子の中心部に金属酸化物粒子および該金属酸化物粒子の外殻部にゼオライト様イミダゾレート構造体の多結晶型粒子を含有する複合粒子を含む複合体であって、該金属酸化物粒子および該ゼオライト様イミダゾレート構造体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であって、該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子である、該複合体に関する。本発明は更に、該複合体の製造方法および機能性材料としてのその使用方法に関する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



近年、機能性材料として多層(例えば、コア・シェル型)構造の複合体粒子が注目されている。かかる多層構造の複合体粒子は、例えばその中心部と外殻部とが異なる構造体を有することにより、中心部または外殻部のいずれかの構造体が単独で元来奏する機能を向上させたり、あるいはその両方の構造体が元来奏する複数の機能を同時複合的に発揮させるなどの効果が期待できる。しかしながら、そのような多層構造の複合体粒子の製造は中心部と外殻部のそれぞれの構造を共に化学的に制御する必要がある。





また、金属有機構造体(Metal-Organic Framework:MOF)を骨格とする材料は、金属イオンと有機架橋配位子の配位結合・自己集合を経て合成される結晶性の3次元ミクロポーラス材料であり、機能性材料として期待されている。MOFは、有機架橋配位子と金属イオン種の組み合わせによって、幅広い構造設計が可能であり、均一なミクロ孔(~0.4nm)および高い比表面積(~6000m/g)を有するために、例えばガス貯蔵、ガス分離、不均一触媒、およびデバイスなどの機能性材料として期待されている(特許文献1乃至3、非特許文献1参照)。





MOFの1つとして、金属として亜鉛(Zn)またはコバルト(Co)からなり、また有機架橋配位子としてイミダゾールからなる、ゼオライト様トポロジーを有するイミダゾレート構造体(Zeolitic Imidazolate Framework:ZIF)を骨格とする材料が合成されている(非特許文献2参照)。ZIFの特性としては、ゼオライト様トポロジーを有しながら、一方でゼオライトと相違して、テンプレートフリーな自己組織化により形成されるため構造規定剤が不要であり、また、アルミニウム(Al)以外にはケイ素(Si)、酸素(O)からなる無機骨格のゼオライトと違ってイミダゾール有機配位子を有するため構造の柔軟性を有し、更にゼオライトではSi/Al比やカチオン種を変えることにより分子全体の親水性または疎水性の制御を図っているのに対し、ZIFではイミダゾール上の官能基を改変するだけで分子全体の親水性または疎水性の制御を図ることができるため、製造面および特性の面から大いに期待されている。





ZIFの例としては、金属として亜鉛、イミダゾレート配位子として2-メチルイミダゾレート配位子からなるZIF-8が知られ(上記非特許文献2、特許文献4および5参照)、これはバソライト(Basolite)(登録商標)Z1200(シグマ-アルドリッチ社製)として市販されている。かかるZIF-8の製造方法としては、一般的なZIFの製法方法と同様に、硝酸亜鉛などの金属塩を出発原料とする、ソルボサーマル法、溶液法およびメカノケミカル法が知られている。ここで、ソルボサーマル法(非特許文献3、特許文献4および5参照)では、N,N-ジメチルホルムアミドやエタノールなどの有機溶媒の使用を必要とするため、その揮発性、可燃性、毒性による安全上の問題や環境への悪影響の問題があり、且つ高温・高圧条件をも必要とする。また、溶液法の場合には有機溶媒を用いたときには上記問題に加えて、反応速度が低いために生成物の収率が低く、水を溶媒として用いたときには(非特許文献4および5参照)イミダゾールの溶解度が極めて低いために大過剰量のイミダゾール系配位子が必要となり、加えて、反応終了後に残存する未反応のイミダゾール系配位子を洗浄除去する必要がある。また、ソルボサーマル法、溶液法では未反応の亜鉛イオンが残存し、生成物を回収する際に水で洗浄すると水酸化物などの不純物が生成してしまう。そのため、材料の細孔容積(これは、質量比容積cc/gであるため、比重が大きく、細孔を有さない材料が不純物として混入すると細孔容積が低下してしまう)が減少する問題があり、有機溶媒を用いた洗浄が必要不可欠となる。





一方で、メカノケミカル法は溶媒を使用せずに常温・常圧で機械的に混合して製造する方法であるため、溶媒に溶けにくい試薬も用いることができ、生成物の幅広い構造設計が可能となる。また、有機溶媒を使用せず、反応工程で生成する副生成物も水のみであることから、環境や人体への悪影響が少なく、コストパフォーマンスが高いといった利点も有する。しかしながら、ZIF-8の製造について、これまでに完全なメカノケミカル法は達成されておらず、報告例(非特許文献6および7参照)によれば、反応系中に少量の有機溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、エタノールなど)および助剤としてのアンモニウム塩(例えば、硝酸アンモニウム、メチル硫酸アンモニウム、硫酸アンモニウム)の存在を必要とし、それら試薬なしでは金属供与源としての酸化亜鉛とイミダゾール配位子とは反応し得ないことが示唆されている。また、その製造スケールも数百ミリグラムスケールであって、より大量スケールで製造可能な方法が望まれている。

産業上の利用分野



本発明は、機能性金属有機骨格材料、特に新規な複合粒子を含む複合体の機能性金属有機骨格材料に関する。具体的には、金属酸化物粒子およびゼオライト様イミダゾレート構造体の多結晶型粒子を含有する新規な複合粒子を含む複合体、並びにその製造方法および機能性材料としてのその使用方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複合粒子の中心部に金属酸化物粒子および該金属酸化物粒子の外殻部にゼオライト様イミダゾレート構造体の多結晶型粒子を含有する複合粒子を含む複合体であって、
該金属酸化物粒子および該ゼオライト様イミダゾレート構造体中の金属が亜鉛およびコバルトからなる群から選ばれる金属であって、
該イミダゾレート配位子は置換基を有していてもよいイミダゾールまたはその誘導体由来のイミダゾレート配位子であって、ここで、該置換基は、C1~6アルキル基、ハロゲン基及びニトロ基からなる群から選ばれる1~3個の置換基であるか、またはイミダゾレート配位子上の4および5位の隣接する置換基が一緒になって、置換基を有していてもよい縮合環式の5もしくは6員の芳香族炭素環もしくは芳香族ヘテロ環を形成していてもよい、該複合体。

【請求項2】
該金属が亜鉛であって、該ゼオライト様イミダゾレート構造体がZIF-8である、請求項1記載の該複合体。

【請求項3】
該複合粒子中の金属酸化物粒子の存在比と、ゼオライト様イミダゾレート構造体の多結晶型粒子の総計との存在比がモル比で9:1~2:8である、請求項1または2のいずれか記載の該複合体。

【請求項4】
該複合体が、複合粒子および金属酸化物粒子からなる複合体である、請求項1乃至3のいずれか1項記載の該複合体。

【請求項5】
以下の工程を含む、請求項1乃至4のいずれか1項記載の複合体の製造方法;
1)金属酸化物とイミダゾールまたはその誘導体とをモル比が1:0.1~1:5.0の割合で配合、混合する工程;および
2)i)該反応混合物を粉砕混合する工程;または、
ii)該反応混合物を加熱静置する工程。

【請求項6】
該金属酸化物が酸化亜鉛であり、そして該イミダゾールまたはその誘導体が2-メチルイミダゾールである、請求項5記載の製造方法。

【請求項7】
請求項1乃至4のいずれか1項記載の複合体を含有する、吸着剤。

【請求項8】
気体、染料、または有機溶剤に対する、請求項7記載の吸着剤。

【請求項9】
ガス貯蔵、ガス分離、ガスセンサーデバイス、または不均一反応触媒のための、請求項1乃至4のいずれか1項記載の複合体の使用。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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