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多価イオン電池電極 コモンズ

国内特許コード P150012010
掲載日 2015年6月10日
出願番号 特願2015-088389
公開番号 特開2016-207496
出願日 平成27年4月23日(2015.4.23)
公開日 平成28年12月8日(2016.12.8)
発明者
  • 石井 陽祐
  • 川崎 晋司
  • 細江 健斗
出願人
  • 国立大学法人 名古屋工業大学
発明の名称 多価イオン電池電極 コモンズ
発明の概要 【課題】これまでリチウムイオンなど1価のイオンを貯蔵することしかできなかった有機分子の化学構造を改良し、マグネシウムイオンやカルシウムイオンなど2価イオンを貯蔵可能な電池電極を提供する。
【解決手段】芳香族炭化水素骨格を介して隣接した位置にカルボニル基を2個以上配置した分子構造をもつ有機化合物を正極活物質として利用する。また、この分子をカーボンナノチューブに内包させることで電解液への溶出を抑制する。
【選択図】図7
従来技術、競合技術の概要


電気自動車やスマートグリット等、大型用途で利用可能な蓄電池の需要が近年急激に高まっており、従来のリチウムイオン二次電池に替わる高容量蓄電デバイスの実現が求められている。



このような社会背景の中、現在のリチウムイオン二次電池を越える次世代高容量二次電池として、二価のカチオンであるマグネシウムイオンを用いた多価イオン電池が注目されている。



例えばマグネシウムイオン二次電池の場合、非特許文献1および非特許文献2では金属マグネシウムを負極とした電池構成が有効であると報告されている。金属マグネシウムは体積エネルギー密度が高く、比較的低い酸化還元電位を有するためである。また、マグネシウムは資源埋蔵量が豊富であり、リチウムイオン二次電池よりもコスト的に有利である。



現在、マグネシウムイオン二次電池の正極活物質としては、Mo、MgFeSiO、およびMgFePOなどが考案されている(非特許文献5)。しかしながら、これら金属硫化物や金属酸化物をベースとした材料は重量あたりに蓄えられるイオン数が少ないため、重量エネルギー密度が低いという問題がある。



金属酸化物に替わる新たな正極材料として、リチウムイオン二次電池においては芳香族カルボニル化合物(キノン類)やジスルフィド化合物、および有機ラジカル分子などの電気化学的に活性な化学構造を有する有機分子が注目されている。



例えば、非特許文献5では、リチウムイオン二次電池の有機分子正極として、1,4-ベンゾキノンが記載されている。この分子では図1に示すようにカルボニル基1個あたり1個のリチウムイオンを捕捉することができる。この分子は、1分子当り2個のリチウムイオンを貯蔵することができるので、理論容量は約500mAh/gとなる。この値は、リチウムイオン二次電池用正極活物質として一般的なコバルト酸リチウムよりも2倍程度大きい。



しかしながら、有機分子電極の研究は専らリチウムやナトリウムなどの1価のイオンを用いた電池に対してのみ行われており、多価イオンを電気化学的に補足可能なキノン分子に関しては未だ報告されていない。



また、先に述べた1,4-ベンゾキノンに代表される有機分子正極の多くは溶解度が高く、充放電中に電解液に溶出してしまうという問題点がある(非特許文献6)。このような溶出は電池容量の劣化を引き起こす。



有機分子の溶解を防ぐための方法として、有機分子同士を高分子鎖で架橋し、ポリマー化する手法などが非特許文献6に記載されている。しかしながら、この架橋鎖は電気化学反応には直接寄与せず、電極全体の重量および体積を増大させてしまう。つまり、このようなポリマー化はエネルギー密度を低下させてしまうという点で不利である。



また、過度のポリマー化を行うと、イオン貯蔵サイトであるカルボニル基周辺が立体的に混み合い、さらに電極内部でのイオンの拡散移動が阻害されてしまうので、電極全体としてのイオン貯蔵量が小さくなってしまうという問題も考えられる。

産業上の利用分野


本発明は、2個以上のカルボニル基を有する芳香族炭化水素化合物であり、更にそれらのカルボニル基が隣接する箇所が1以上ある分子を用いた多価イオン電池電極に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
2個以上のカルボニル基を有する芳香族炭化水素化合物であり、更にそれらのカルボニル基が隣接する箇所が1以上ある有機化合物を電極活物質として用いたことを特徴とする多価イオン電池電極。

【請求項2】
前記有機化合物をカーボンナノチューブのチューブ内に内包したものを電極としたことを特徴とする請求項1記載の多価イオン電池電極。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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