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アリール基で置換された多環性芳香族化合物の製造方法 コモンズ

国内特許コード P150012041
掲載日 2015年6月17日
出願番号 特願2013-519551
登録番号 特許第5988051号
出願日 平成24年6月8日(2012.6.8)
登録日 平成28年8月19日(2016.8.19)
国際出願番号 JP2012064845
国際公開番号 WO2012169635
国際出願日 平成24年6月8日(2012.6.8)
国際公開日 平成24年12月13日(2012.12.13)
優先権データ
  • 特願2011-130547 (2011.6.10) JP
発明者
  • 伊丹 健一郎
  • 望田 憲嗣
  • 川澄 克光
  • 瀬川 泰知
  • 梶野 智敬
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 アリール基で置換された多環性芳香族化合物の製造方法 コモンズ
発明の概要 パラジウム化合物、o-クロラニル及び特定のホウ素化合物を用いてC-H/C-Bカップリングを行うことで、PAHのC-H結合の所望の位置に直接アリール化した化合物を簡便な方法で得る。また、基質及びホウ素化合物を適切に選択すれば、この後に縮環反応を行うことにより、さらに大きなPAHを得ることも可能である。さらに、パラジウム化合物、o-クロラニル及び特定の芳香族化合物を用いてC-H/C-Hクロスカップリングを行うことによっても、同様に、PAHのC-H結合の所望の位置に直接アリール化した化合物を簡便な方法で得られる。また、この場合も基質及び特定の芳香族化合物を適切に選択すれば、この後に縮環反応を行うことにより、さらに大きなPAHを得ることも可能である。
従来技術、競合技術の概要



sp2結合炭素原子の2次元シートであるグラフェンは、ほとんど全ての科学技術分野において非常に注目されている。形状、幅等がグラフェンの性質を決定するため、構造的に均一なグラフェンの合成が、この研究分野において最も重要な課題の一つである。





このグラフェンへの応用については、多環性芳香族化合物(PAH)が期待されており、PAH誘導体の簡便かつ効率的合成法への潜在的需要は大きい。また、遷移金属触媒を用いた芳香環C-H結合の直接アリール化は最も簡便かつ理想的なPAH誘導体の合成方法の一つと考えられている。このような観点から、簡便な方法で行われる、市販されている小さいPAHのC-H結合の直接アリール化が、大きいPAHの合成に重要な有用性がある(非特許文献1~3)。しかし、これまでに報告されている直接アリール化の適用可能基質には、ヘテロ芳香環、配向基を有するもの等が多く、PAHの直接アリール化の報告例は少ない(非特許文献3)。

産業上の利用分野



本発明は、アリール基で置換された多環性芳香族化合物の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
置換基を有していてもよいアリール基の少なくとも1つで置換された多環性芳香族化合物の製造方法であって、
パラジウム化合物及びo-クロラニルの存在下に、
多環性芳香族化合物と、置換基を有していてもよいアリール基を有するホウ素化合物とを反応させる、製造方法。

【請求項2】
前記多環性芳香族化合物のsp2混成炭素原子に結合する少なくとも1つの水素原子が、前記置換基を有していてもよいアリール基を有するホウ素化合物に由来する置換基を有していてもよいアリール基で置換される、請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
前記置換基を有していてもよいアリール基を有するホウ素化合物が、一般式(A1):
【化1】


[式中、Arは置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基;2個のRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基;2個のRは互いに結合して、隣接する-O-B-O-とともに環を形成していてもよく、該環は、さらに、芳香環が縮合していてもよい]
で示される有機ホウ素化合物;一般式(A2):
【化2】


[式中、3個のArは同じか又は異なり、それぞれ前記に同じである]
で示される環状有機ホウ素化合物;又は一般式(A3):
【化3】


[式中、Arは前記に同じ;3個のXは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基;Mはアルカリ金属である]
で示されるイオン性ホウ素化合物である、請求項1又は2に記載の製造方法。

【請求項4】
前記置換基を有していてもよいアリール基の少なくとも1つで置換された多環性芳香族化合物が、一般式(D):
【化4】


[式中、R~Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基であり、Arは置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基であり、nは1~4の整数であり、Arはいずれの環状構造に結合していてもよく、且つ、以下の(1)~(4)のいずれかの要件を満たす。
(1)R~Rはいずれも水素原子である。
(2)R及びRはいずれも水素原子;RとRは互いに結合して5~6員の不飽和環を形成する;該不飽和環には、さらに単環又は縮合環の芳香環が縮合していてもよい。
(3)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子;Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基である。
(4)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基である。]
で示される化合物であり、且つ、前記多環性芳香族化合物が、一般式(B):
【化5】


[式中、R~Rは前記に同じである。]
で示される化合物である、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。

【請求項5】
パラジウム化合物が、0価パラジウム又はII価パラジウムを含む化合物である、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。

【請求項6】
前記多環性芳香族化合物と、前記置換基を有していてもよいアリール基を有するホウ素化合物とを反応させる際に、銀化合物を共存させる、請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。

【請求項7】
一般式(C):
【化6】


で示される構造を有する化合物の製造方法であって、
(I)パラジウム化合物及びo-クロラニルの存在下に、
一般式(B’):
【化7】


で示される構造を有する化合物と、
一般式(G):
【化8】


で示される化合物とを反応させて、
一般式(D’):
【化9】


で示される化合物を製造する工程、及び
(II)工程(I)で製造した化合物に縮環反応を施す工程
を備える、製造方法。

【請求項8】
一般式(C’):
【化10】


で示される構造を有する化合物の製造方法であって、
(I)パラジウム化合物及びo-クロラニルの存在下に、
一般式(B”):
【化11】


で示される化合物と、
ナフタレン骨格を有する化合物と
を反応させて、一般式(D”):
【化12】


で示される構造を有する化合物製造する工程、及び
(II)工程(I)で製造した化合物に縮環反応を施す工程
を備える、製造方法。

【請求項9】
前記工程(II)が、FeClを用いて酸化反応を施す工程である、請求項7又は8に記載の製造方法。

【請求項10】
置換基を有していてもよいアリール基の少なくとも1つで置換された多環性芳香族化合物の製造方法であって、
パラジウム化合物及びo-クロラニルの存在下に、
多環性芳香族化合物と、置換基を有していてもよいアリール基とを反応させる、製造方法。

【請求項11】
前記多環性芳香族化合物のsp2混成炭素原子に結合する少なくとも1つの水素原子が、前記置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物に由来する置換基を有していてもよいアリール基で置換される、請求項10に記載の製造方法。

【請求項12】
前記置換基を有していてもよいアリール基を有する化合物が、一般式(E):
【化13】


[式中、l個のRは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数3~50のシクロアルキル基、又は炭素数6~50のアリール基;lは0~4の整数である。]
で示されるアリール基を有する化合物、又は一般式(E’):
【化14】


[式中、R及びlは前記に同じ;Rはいずれのベンゼン環に結合していてもよい。]
で示されるアリール基を有する化合物である、請求項10又は11に記載の製造方法。

【請求項13】
前記置換基を有していてもよいアリール基の少なくとも1つで置換された多環性芳香族化合物が、一般式(D):
【化15】


[式中、R~Rは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基であり、Arは置換基を有していてもよい炭素数6~50のアリール基であり、nは1~4の整数であり、Arはいずれの環状構造に結合していてもよく、且つ、以下の(1)~(4)のいずれかの要件を満たす。
(1)R~Rはいずれも水素原子である。
(2)R及びRはいずれも水素原子;RとRは互いに結合して5~6員の不飽和環を形成する;該不飽和環には、さらに単環又は縮合環の芳香環が縮合していてもよい。
(3)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子;Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基である。
(4)RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;RとRは互いに結合して、置換基を有していてもよい芳香環を形成する;Rは水素原子又は炭素数1~20のアルキル基である。]
で示される化合物であり、且つ、前記多環性芳香族化合物が、一般式(B):
【化16】


[式中、R~Rは前記に同じである。]
で示される化合物である、請求項10~12のいずれかに記載の製造方法。

【請求項14】
前記多環性芳香族化合物と、前記アリール基を有する化合物とを反応させる際に、銀化合物を共存させる、請求項10~13のいずれかに記載の製造方法。

【請求項15】
前記銀化合物が、トリフルオロメタンスルホン酸銀である、請求項14に記載の製造方法。

【請求項16】
一般式(F1a):
【化17】


[式中、R8a及びR8bは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子及び炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基よりなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい環員数が1又は2の芳香族基(ただし、フェニル基を除く);m1は0;m2は1又は2である。]
、又は一般式(F1a-1):
【化18】


[式中、3個のR8c及び3個のR8dは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基、又は環員数が1又は2の芳香族基(ただし、3個のR8cのうち水素原子の数は0個又は2個、3個のR8dのうち水素原子の数は0個又は2個である)である。]
で示される化合物。

【請求項17】
一般式(F1b-1):
【化19】


[式中、R5a及びR7aは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1~20のアルキル基;R8c及びR8dは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基、又は環員数が1又は2の芳香族基(3個のR8cのうち水素原子の数は0個又は2個、3個のR8dのうち水素原子の数は0個又は2個である)である。]
、又は一般式(F1b-2):
【化20】


[式中、R5a、R7a及びR8dは前記に同じである。]
で示される化合物。

【請求項18】
一般式(F2):
【化21】


[R5-1及びR7-1は水素原子又は炭素数1~20のアルキル基;Rのうち水素原子の数は0個又は2個;Rのうち水素原子の数が0個の場合、Rはハロゲン原子、炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基、又は環員数が1又は2の芳香族基;Rのうち水素原子の数が2個の場合、Rは水素原子、又は炭素数1~20のアルキル基を示す。]
で示される化合物。

【請求項20】
一般式(F3):
【化22】


[式中、R及びRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を示す]
で示される化合物。

【請求項22】
一般式(F5):
【化23】


[式中、R11は同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子及び炭素数1~20のフッ素原子を有していてもよいアルキル基よりなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい環員数が1又は2の芳香族基である。]
で示される化合物。
国際特許分類(IPC)
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