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微生物発電装置、微生物発電装置用電極およびその製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P150012053
掲載日 2015年6月18日
出願番号 特願2013-544168
登録番号 特許第5990746号
出願日 平成24年9月18日(2012.9.18)
登録日 平成28年8月26日(2016.8.26)
国際出願番号 JP2012073864
国際公開番号 WO2013073284
国際出願日 平成24年9月18日(2012.9.18)
国際公開日 平成25年5月23日(2013.5.23)
優先権データ
  • 特願2011-250557 (2011.11.16) JP
発明者
  • 吉田 奈央子
  • 平石 明
  • サンドゥー アダルシュ
  • 岩佐 精二
  • 岡田 浩
  • 手老 龍吾
  • 長尾 祐二
出願人
  • 国立大学法人 名古屋工業大学
発明の名称 微生物発電装置、微生物発電装置用電極およびその製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 電力生産力を向上させると共に発電コストを抑制することのできる微生物発電装置、微生物発電装置用電極およびその製造方法、微生物を利用した電力生産方法及びその電力生産方法に用いられる微生物の選択的培養方法を提供する。微生物発電装置1では、例えば、廃水、泥しょう、活性汚泥などに生息する微生物において、酸化グラフェンを還元する微生物(還元微生物3)が集積される。このため、酸化グラフェンはかかる還元微生物3によって還元されるのでグラフェンが生成する。生成したグラフェンによって微生物が産生する電子を負極14に伝達することができるので電力生産力を向上させ、安価に発電を行うことができる。
従来技術、競合技術の概要

近年、地球環境に配慮した発電方法へのニーズが高まり、微生物発電の技術開発も進められている。微生物発電は、微生物が有機物を酸化分解(代謝)する際に発生する還元力(電子)を電流として取り出すことにより発電する方法である。即ち、微生物発電装置は微生物を触媒とする燃料電池である。



例えば、微生物発電装置は、負極、微生物、基質となる有機物が収納された負極室と、正極が内包される正極室とを備えて構成され、負極室と正極室とはカチオンが透過可能な隔膜によって隔てられている。負極と正極とを外部回路を介して接続することで、負極に渡された電子は正極に移動して、正極に接する電子受容体に渡される。このような電子の移動により正極と負極との間に電流が生じ、電力を外部に取り出すことができるようになっている。



ここで、従来の微生物発電装置は、化学的燃料電池に比べて電力生産能力が低い。このため、電力生産量を増大させるべく、電子伝達物質(電子メディエータ)を負極室内に添加することが行われている。電子メディエータは、細胞膜を介して微生物の体内外を往来し、微生物体内にて電子を受け取った電子を電極へ移送する、或いは、細胞外に放出された電子を電極まで移送するものである。このような電子メディエータとしては、キノン類などが用いられることが多い。



一方で、微生物発電装置は、有機物を分解しつつ電力を生産するものであるので、廃水中の有機物を微生物によって分解する浄化処理と組合せ、浄化処理を行いつつ発電を行う発電システムが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。一般的な廃水処理は、大量の廃水を処理するものであるため、電力生産量を向上させるために電子メディエータを用いようとすれば、高価な電子メディエータが大量に必要となる。また、系外に放出される電子メディエータを継続して補充しなくてはならないため、発電コストが嵩んでしまう。その上、電子メディエータには毒性を備えるものも多く、安易に電子メディエータを使用することはできない。



このため、電子メディエータに代えて酸化鉄などを含む導電性微粒子を用いた微生物発電装置が検討されている(例えば、特許文献3参照)。



また、電力生産力を向上させる手法として、電池材料にナノカーボン材料を用いることが検討されている。ナノカーボン材料は、優れた導電材料である上、化学的に安定であることから、電池材料として注目されており、例えば、グラファイトやカーボンクロスの基本電極にカーボンナノチューブやグラフェンなどの電気伝導性材料を修飾させるといったナノテクノロジーを用いた負極が報告されている(例えば、非特許文献1,2参照)。更には、物理化学的に合成したフレーク状のグラフェンシートをゾルゲルマトリクス中に包含させ、酵素から電極への電子伝達物質(流動性電極)としてグラフェンを用いることで、グルコースオキシダーゼを触媒とした酵素電池の電力生産が活発化することが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。

産業上の利用分野

本発明は、微生物を利用して発電を行う微生物発電装置、微生物発電装置用電極およびその製造方法、更には微生物を利用した電力生産方法及びその電力生産方法に用いられる微生物の選択的培養方法に関し、特に、グラフェンを用いて電力生産力を向上させることのできる微生物発電装置、微生物発電装置用電極およびその製造方法、微生物を利用した電力生産方法及びその電力生産方法に用いられる微生物の選択的培養方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
有機性物質を含む液体と負極とを有し、嫌気雰囲気下で微生物により有機性物質を生分解する負極部と、正極を有する正極部と、前記正極と前記負極とを電気的に接続する外部回路とを備え、その外部回路を経由して前記負極部から前記正極部に電子を移送して発電する微生物発電装置において、
前記負極部は、グラフェンを備え、該グラフェンは酸化グラフェンを還元する微生物が付着した状態で疎密な凝集構造を形成していることを特徴とする微生物発電装置。

【請求項2】
前記グラフェンは、液体中において酸化グラフェンを微生物で還元して生成されるものであることを特徴とする請求項1に記載の微生物発電装置。

【請求項3】
前記グラフェンは、前記負極部に導入された酸化グラフェンが前記負極部内の微生物にて還元され生成されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の微生物発電装置。

【請求項4】
前記負極部は、有機性物質を含み酸化グラフェンが投与された土壌と、負極とを有するものであり、前記正極部と前記負極部とに十分量の液体が供給されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の微生物発電装置。

【請求項5】
有機性物質を含む液体を供給する供給口と、
その供給口から供給された液体が、前記負極部および前記正極部を経由した後に排出される排出口とを有し、
前記正極部は、供給される液体を貯留可能に形成されると共に、前記正極に酸素を供給する酸素供給手段を備えており、且つ、グラフェンが導入されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の微生物発電装置。

【請求項6】
前記正極部から排出される液体を貯留する貯留槽と、
その貯留槽の壁面上方に設けられた開口部であって前記貯留槽に貯留される液体の上澄みを放出する放出口と、
前記貯留槽に沈降した汚泥を前記正極部に返送する返送手段とを備えていることを特徴とする請求項5に記載の微生物発電装置。

【請求項7】
微生物が有機性物質を生分解する際に生成される電子を外部に取り出して発電を行う微生物発電装置に用いられる電極であって、酸化グラフェンを還元する微生物が付着した状態でグラフェンが集積した導電性構造体を有することを特徴とする微生物発電装置用電極。

【請求項8】
微生物が有機性物質を生分解する際に生成される電子を外部に取り出して発電を行う微生物発電装置に用いられる微生物発電装置用電極の製造方法において、
有機性物質と酸化グラフェンとを含む液体を、微生物存在下で嫌気雰囲気に保持する培養工程を備えており、
その培養工程において、酸化グラフェンを微生物によってグラフェンに還元すると共に、生成されるグラフェンが、酸化グラフェンを還元する微生物を付着した状態で自己凝集により一体化して導電性構造体を形成することを特徴とする微生物発電装置用電極の製造方法。

【請求項9】
嫌気雰囲気下で有機性物質を微生物により生分解すると共に、生分解に伴って産生される電子を負極から外部回路によって正極へ送出して発電を行う微生物を利用した電力生産方法において、
前記負極と微生物との間にグラフェンを介在させ、且つ該グラフェンは酸化グラフェンを還元する微生物が付着した状態で疎密な凝集構造を形成させたものを使用し、微生物が産生する電子を前記負極へ伝達することを特徴とする微生物を利用した電力生産方法。

【請求項10】
嫌気雰囲気下で有機性物質を微生物により生分解すると共に、生分解に伴って産生される電子を負極から外部回路によって正極へ送出して発電を行う微生物を利用し、前記負極と微生物との間にグラフェンを介在させ、微生物が産生する電子を前記負極へ伝達するようにしてなる電力生産方法において、該電力生産方法に用いられる微生物の培養方法であって、
有機性物質および水素を電子供与体、酸化グラフェンを電子受容体として含むアガロース固形培地を用い、環境中の試料を微生物接種源として、当該微生物接種源に付着する微生物を前記アガロース固形培地によって培養し、酸化グラフェンが還元されて生成された黒色グラフェンを指標として、酸化グラフェンを還元する微生物を選択的に分離することを特徴とする微生物の選択的培養方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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