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羊膜間葉系幹細胞の調製方法および単離された羊膜間葉系幹細胞集団

国内特許コード P150012057
掲載日 2015年6月19日
出願番号 特願2013-545972
出願日 平成24年11月22日(2012.11.22)
国際出願番号 JP2012080375
国際公開番号 WO2013077428
国際出願日 平成24年11月22日(2012.11.22)
国際公開日 平成25年5月30日(2013.5.30)
優先権データ
  • 特願2011-257419 (2011.11.25) JP
発明者
  • 二階堂 敏雄
  • 吉田 淑子
  • 岡部 素典
  • 小池 千加
  • 野上 真紀子
  • 木村 友厚
  • 野口 誠
  • 津野 宏彰
  • 竹田 裕治
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 羊膜間葉系幹細胞の調製方法および単離された羊膜間葉系幹細胞集団
発明の概要 (A)哺乳動物の羊膜から間葉系細胞の細胞集団を採取するステップと、(B)前記間葉系細胞の細胞集団を、フローサイトメトリーで作成されるスキャッタグラムに特定のゲートを設けて細胞を分取するステップと、(C)分取された細胞を継代培養するステップとを含む方法により、高い増殖能と分化能を有する羊膜間葉系幹細胞集団を得ることができる。または、(D)哺乳動物の羊膜から間葉系細胞の細胞集団を採取するステップと、(E)前記採取された細胞集団を2~3日間初期培養するステップと、(F)低細胞濃度において継代培養を3~4回繰り返すステップと、(G)前記継代培養において紡錘状の形態を有する細胞のコロニーが形成されたとき、細胞がコンフルエントになるまで同一の培養皿で培養を維持するステップとを含む方法によっても、高い増殖能と分化能を有する羊膜間葉系幹細胞集団を得ることができる。
従来技術、競合技術の概要



再生医療の分野においては、幹細胞に関する研究が進められている。特に、胚性幹細胞(ES細胞)は、すべての細胞系譜に分化することができる能力(分化万能性)を有するため、非常に有用である。しかしながら、ヒトES細胞を作成するには、ヒト初期胚を破壊する工程が必須となるため、倫理的な面で問題があった。また、ES細胞は、臓器移植と同様に、ドナーの確保、他家移植による免疫拒絶反応といった様々な問題があり、臨床へ応用する際の障壁となっていた。





近年、ES細胞に近い細胞として、人工多能性幹細胞(iPS細胞)が樹立され、注目を集めている。iPS細胞は、Oct3/4、Klf4、c-Myc、及びSox2の4種の遺伝子を体細胞に導入することにより、ES細胞と類似の分化万能性を持たせた細胞である。iPS細胞は、採取に差し支えない組織由来の体細胞から樹立できるため、ES細胞の抱える倫理的問題を回避でき、また、患者自身の分化した体細胞を利用することで免疫拒絶を防ぐことができることから、臨床への応用が期待されている。しかし、iPS細胞は、その作製にがん原遺伝子であるc-Mycを使用しており、また、レトロウイルスを用いて染色体内のランダムな位置に遺伝子を導入することから、細胞ががん化し、腫瘍を形成しやすいという問題があり、臨床応用のためには、さらなる研究が必要とされている。





これらの問題を解決するために、最近、羊膜が注目されている。羊膜は、外胚葉由来の上皮細胞と中胚葉由来の間葉系細胞から構成される胚体外組織であり、多能性幹細胞としての特性を有する細胞群を含有することが確認されている。羊膜は、出産後の排泄物として廃棄されるものであるので、生体材料として使用する上での倫理的問題が少ない。また、羊膜は、免疫学的にも特殊な性質を有しており、免疫原性が低いため、他家移植による免疫拒絶反応も比較的穏やかであることが期待されている。





これまでに本発明者らは、ヒト羊膜上皮由来幹細胞が肝細胞やインスリン産生細胞へと分化する可能性や、ヒト羊膜由来間葉系幹細胞が軟骨細胞や心筋細胞へ分化する可能性を報告している(特許文献1)。





したがって、羊膜由来間葉系幹細胞を効率よく簡便に単離・調製することが望まれている。しかし、羊膜由来間葉系細胞の細胞集団から、選択的に間葉系幹細胞を得ることは困難であった。





一方、フローサイトメトリーにより細胞にレーザー光を照射し、その照射光の前方散乱光および側方散乱光を測定し、その測定値に基づいて神経幹細胞を分離・分取する方法が知られている(特許文献2)。





しかしながら、羊膜由来間葉系幹細胞の場合には、従来一般的に行われている培養方法や、フローサイトメトリーによる通常のソーティングゲートの組み合わせでは、羊膜由来間葉系細胞の細胞集団から、高い分化能と増殖能を兼ね備えた間葉系幹細胞を選択的に取得することは困難であった。

産業上の利用分野



本発明は、哺乳動物の羊膜由来の間葉系細胞から、間葉系幹細胞集団を調製する方法および単離された羊膜間葉系幹細胞集団に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
(A)哺乳動物の羊膜から間葉系細胞の細胞集団を採取するステップと、
(B)前記間葉系細胞の細胞集団について、
(b1)フローサイトメーターを用いて前方散乱光および側方散乱光を検出し、二次元分布図を作成し、
(b2)前記二次元分布図上に、四角形の3分割ゲートを設定する
ことにより選択された細胞を分取するステップと、
(C)前記分取された細胞を継代培養するステップと
を含む、羊膜間葉系幹細胞集団を調製する方法。

【請求項2】
前記ステップ(B)における(b1)において、前記二次元分布図に示された細胞は、前記間葉系細胞の細胞集団全体の85~95%である請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記ステップ(B)における(b2)において、前記四角形の3分割ゲートは、前方散乱光の強度に基づいて3分割したものである請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
前記四角形の3分割ゲートは、
(i)側方散乱光の検出上限を右辺、側方散乱光の検出限界を左辺とし、前方散乱光の検出限界を底辺として、前記二次元分布図に示された細胞集団の5~15%が含まれるように上辺を設定した第1のゲートと、
(ii)側方散乱光の検出上限を右辺、側方散乱光の検出限界を左辺とし、前記第1のゲートの上辺を底辺として、前記二次元分布図に示された細胞集団の35~45%が含まれるように上辺を設定した第2のゲートと、
(iii)側方散乱光の検出上限を右辺、側方散乱光の検出限界を左辺とし、前記第2のゲートの上辺を底辺として、前記二次元分布図に示された細胞集団の35%以上が含まれるように上辺を設定した第3のゲートと
からなる請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。

【請求項5】
前記ステップ(C)における継代培養は、
(c1)前記分取された細胞を400~3500/cmの細胞濃度において播種し、2~3日間初期培養するステップと、
(c2)前記初期培養の1/500以上1/10未満の細胞濃度において播種し、1週間に2回の培地交換を行う継代培養を3~4回繰り返すステップと、
(c3)前記継代培養において紡錘状の形態を有する細胞のコロニーが形成されたとき、細胞がコンフルエントになるまで同一の培養皿で培養を維持するステップと
を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。

【請求項6】
前記ステップ(c2)における細胞濃度は、前記初期培養の1/200以上1/50未満である請求項5記載の方法。

【請求項7】
(D)哺乳動物の羊膜から間葉系細胞の細胞集団を採取するステップと、
(E)前記採取された細胞集団を400~35000/cmの細胞濃度において播種し、2~3日間初期培養するステップと、
(F)前記初期培養の1/5000以上1/10未満の細胞濃度において播種し、1週間に2回の培地交換を行う継代培養を3~4回繰り返すステップと、
(G)前記継代培養において紡錘状の形態を有する細胞のコロニーが形成されたとき、細胞がコンフルエントになるまで同一の培養皿で培養を維持するステップと
を含む、羊膜間葉系幹細胞集団を調製する方法。

【請求項8】
前記ステップ(F)における細胞濃度は、前記初期培養の1/2000以上1/50未満である請求項7記載の方法。

【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法により調製された、哺乳動物の羊膜間葉系幹細胞集団。

【請求項10】
前記哺乳動物は、ヒトである請求項9に記載の羊膜間葉系幹細胞集団。

【請求項11】
紡錘状の形態を有する細胞を含み、かつ、50回以上の細胞分裂(population doublings)が可能である請求項9または10に記載の羊膜間葉系幹細胞集団。

【請求項12】
軟骨または骨への分化能を有する請求項9~11のいずれか1項に記載の羊膜間葉系幹細胞集団。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 公開
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